因縁の相手・慶大にリベンジ成功!激闘の春を勝利で締めくくる

アイスホッケー

 早慶定期戦(早慶戦)。早慶両校の伝統と意地がぶつかり合う『絶対に負けられない戦い』、とよく言われる。しかし、ことしの早大にとってはこの言葉の重みが違った。先月の関東大学選手権で慶大に数十年ぶりに敗北。早大にとって今回の早慶戦は絶好のリベンジの場となった。「同じ相手に二度は負けられない」(DF新井遥平主将、スポ4=北海道・駒大苫小牧)。プライドにかけて、もう『絶対に負けられない戦い』が幕を開けた。

 チャンスは試合開始後すぐに回ってきた。相手の反則を取り、数的有利のパワープレーの時間が続く。その間にFW青木孝史朗(スポ2=埼玉栄)からの的確なパスをFW飛田烈(商3=東京・早実)がバックハンドで先制点を挙げると、続いてFW矢島雄吾(スポ3=北海道・駒大苫小牧)が正面から決め2-0。立ち上がりにいいかたちでリズムをつくった。しかし、相手も前へ前へとゴールを狙ってくる。攻撃的なプレーに対し、早大は積極的にパックを奪いにいった。GK谷口嘉鷹(社2=東京・早実)も体を張ってゴールを守り抜く。「みんなで守るという意識を共有していた」(工藤哲也監督、昭63社卒=青森・八戸)。守備陣とゴールキーパーの連係がうまくいき、第2ピリオド(P)を終え3-0とゴールを割らせなかった。

谷口を中心に懸命の守りを見せた

 最終Pに入ると、慶大はこれまで以上に強気の姿勢を見せる。しかし、それは早大も予想していた。「第2Pが終わった後に控え室で『第3Pでは絶対1人、ノーマークを狙ってくるからそういうところはしっかり声掛けて』という話があった」(谷口)。しかし、数的不利のキルプレー中に真正面からパックを押し込まれてしまう。ただここで、早大は冷静さを失わなかった。FW鈴木ロイ副将(教3=北海道・苫小牧東)がこぼれたパックをすかさず前へ運びそのままシュート。この間たった31秒。失点から流れを渡すことなく、逆に手薄になっていた相手の守備の隙を見逃さなかった。ここからさらに1点を追加しリードを広げたが、終盤に強烈なシュートを決められ5-2に。残り時間3分半を切った時、慶大は6人攻撃とし勝負を仕掛けた。「向こうもそれだけ点数を取りにきている」(谷口)。しかし、わずかな隙間を通し3点目を奪われた。残り2分23秒で2点差。盛り上がる相手ベンチを背に、早大に緊張感が漂う。ただし、ここでも勢いに飲まれず焦らず6人攻撃の隙をついた。ダメ押しの追加点で試合を決定づけた。

MVPに輝いたのはこの日2得点の矢島

 「勝ちにこだわった試合」(工藤監督)。もう二度と同じ思いをしないように対策を立て、試合中も何度もコミュニケーションを取り連係を確かめ合った。放ったシュートは多くはないが、確実に得点につなげた。チャンスで決め切れない。失点から悪い流れを断ち切れない。そんな過去の姿はもうなかった。ただ、課題は残る。第3Pに相手の猛追を受け3失点。「集中力が少し下がってしまった」(新井)と反省点も上がった。ここから先は上を目指すのみ。8月のサマーカップでは、また一つ殻を破った姿を見せてほしい。

(記事 加藤佑紀乃、写真 糸賀日向子、藤岡小雪、冨田千瑛)

早慶の選手がそろって笑顔を見せる

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結果
早大 ピリオド 慶大
2(13) 1st 0(6)
1(17) 2nd 0(5)
4(6) 3rd 3(15)
7(36) 計 3(26)
※( )内はシュート数
得点経過
チーム 時間 ゴール アシスト1 アシスト2 PK/PP
早大 2:13 飛田 青木 鈴木 PP
早大 6:39 矢島 生江 澤出 PP
早大 29:23 澤出 矢島 ハリデー -
慶大 47:29 田中 瀧澤 阪本 PK
早大 48:00 鈴木 新井 - -
早大 48:41 ハリデー 矢島 - -
慶大 54:47 十文字 滝 - -
慶大 57:37 長谷川 史 - -
早大 59:23 矢島 - - -
早大 59:55 坂本 鈴木 - PK
※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す
 なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする
早大メンバー
セット FW FW FW DF DF
1 飛田 鈴木 青木 坂本 新井
2 矢島 生江 澤出 篠田 ハリデー
3 田中 高橋 小澤田 羽場 大崎
4 前田 加賀美 田村 瀨戸 野村
GK谷口
コメント

工藤哲也監督(昭63社卒=青森・八戸)

――前回の対戦で敗れた慶大相手でしたが

春の大会で負けているので、勝ちにこだわって、負けないということを意識してチーム全体で準備してきました。その結果勝てたのでよかったです。

――7得点したFW陣の出来はいかがでしたか

最初の方に反則を取ってパワープレーで2点取れたということはよかったです。その2点のおかげで自分たちのリズムでプレーができたと思いますが、まだまだ課題はあるので秋に向けて得点力を上げてほしいなと思います。

――DF陣は第2ピリオドまでは無失点に抑えました

きょうは谷口(嘉鷹、社2=東京・早実)を先発で起用して、慣れないキーパーなのですが、みんなで守るという意識を共有してこの一週間ずっとそういう練習をしてきたので、守備に関してはよかったと思います。

――前回の慶大戦と比べてよかった点はどこですか

前回はどちらかというと攻めにいって、そこでカウンターを取られて失点するという場面があったので、その反省を生かしてきょうは守りから入ろうということを意識しました。

――改めて、春の戦いを振り返って

春の大会は実力通りの順位になっていますし、攻めに関しても守りに関しても力不足を感じました。そこを反省材料として足りないところを補っていきたいです。

DF新井遥平主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)

――きょうの試合全体を振り返っていかがでしたか

内容は決していいと言えるゲームではなかったのですけれども、きょうの試合は結果が求められていたので勝ててよかったなと思います。

――慶大に対してのリベンジを、といった気持ちはありましたか

一度負けているので、同じ相手に二度は負けられないなという気持ちできょうは挑みました。

――前回の試合から対策など変更をされたりはしましたか

基本的に失点シーンがラッシュだったりターンオーバーだったりしたので、まずきょうはそういうところを無くそうと。失点への改善からはいりました。

――今回の試合でその改善は見られましたか

ラッシュでノーマークを取られてしまったり、2対1で取られてしまったりしたんですけど、きょうは谷口(嘉鷹、社2=東京・早実)が止めてくれたので。前回のリベンジができたのは、きょうの谷口の守りがあったおかげかなと思っています。

――守備力を強化したいとおっしゃっていましたが、今回の試合の守備力はいかがでしたか

前回と比べて上がったかと言われるとまだまだそうでない部分があると思います。これから氷上での練習がなくなって陸トレ期間に入るのですが、そこでおのおの脚力を強化することだったり体力を上げることだったりしていきたいです。そういった基礎的なトレーニングで氷上での動きがよくなると守備力も上がってくると思うので、まずは陸トレ期間にしっかり全員で追い込んでスキルレベルを上げていきたいと思います。

――第3ピリオドの失点の要因には、先ほどおっしゃられていたような失点シーンは関係しているのでしょうか

そうですね。そこも含めて、集中力が少し下がってしまったのかなというのがあります。そこはうちのチームの悪いところだと思いますし、集中力というのはピリオド間際などでもすごく大事になってきます。第3Pは特に集中してやらなければいけなかったなと思います。

――最後に、今後に向けて意気込みをお願いします

次の大会はサマーカップ、苫小牧での大学交流戦なのですが、その前に陸トレ期間、夏合宿があるのでそこで自分たちの課題を解決して、チーム力も上げて、夏の大会は優勝目指して頑張っていきたいと思います。

FW矢島雄吾(スポ3=北海道・駒大苫小牧)

――先月慶大に負けてしまいましたが、それから具体的にどのような対策をされましたか

根本的に気持ちから入れ替えました。メニューなどをみんなで考え直して、全部変えたと言っていいぐらいに最初からやり直しました。

――きょうの第2セットの状態はいかがでしたか

1年生が3人と、僕とハリデー(慈英、スポ3=埼玉栄)の3年生2人がいる割と若いセットでした。1年生3人は早慶戦が初めてということもあって緊張したと思いますが、声をかけてリラックスして臨んでもらえるように意識しました。

――今回2点ゴールを決めたと思うのですが、心境はいかがですか

6点目に関しては、僕はエンプティゴールを決めるのが結構得意だと思うので、思惑通りに行きました。2点目に関しては序盤で決められたので、試合のいい流れをつくれてよかったです。

――MVPに選ばれましたが、今のお気持ちを教えてください

選ばれると思っていなくて、意外でびっくりしました。評価されたのはとてもうれしいですし、エースナンバー21をつけている責任を果たせたのではないかと思います。

――記念品の青汁はどうしますか

僕は料理が好きなので、料理に入れてみようかなあと思います(笑)。あとはみんな欲しいと言っていたので、配ります。

――最後に夏に向けて強化したいことなどがあればお願いします

個人的には、ドライブのスピードを極めていきたいと思っています。チームとしては、守りを強化していきたいです。結局第3ピリオドだけで3点取られてしまったので、それは今後の課題になると思います。

FW飛田烈(商3=東京・早実)

――前回敗れた慶大に対する意識はありましたか

相手はガツガツ一生懸命やってくるチームだというのは分かっていたので、それに負けない気持ちをしっかり持って普段通りのプレーをすれば勝てるという意識はありました。

――先制したときを振り返るとどのようなシーンでしたか

試合の前から角度の無いところからどんどんシュートを打ってゴール前に集めようという意識はみんなで話していました。それで青木選手(孝史朗、スポ2=埼玉栄)からちょうどいいパスが来たのでバックハンドで押し込みました。

――第1セットに起用されていることについてはいかがですか

自分は一生懸命やって、点を取るのが仕事だと思っているので特に意識せず自分のプレーをしようと思っています。

――第1セットの他のFWの選手とのコンビネーションはいかがですか

鈴木選手(ロイ副将、教3=北海道・苫小牧)も青木選手も身体が強くてパックキープできる選手なので、パックキープした後のサポートであったり、あとはゴールに向かうというのをみんなで共有しているのでいいコンビネーションができていると思います。

――春の試合を振り返っていかがでしたか

春の大会は早大は不本意なかたちで終わってしまいました。これから陸トレ期間と夏合宿を経て、秋リーグはしっかりと優勝できるチームに仕上げていきたいなと思います。

――夏に強化したいところを教えてください

個人的にはもう少しシュート力だったり、パワー系をつけてもっと決定力のある選手に成長したいと思います。

GK谷口嘉鷹(社2=東京・早実)

――慶大とのリベンジマッチとなりましたが、どのような意気込みで臨まれましたか

特に早慶戦ということは意識せず、いつも通りにプレーしようと考えていました。

――試合前にディフェンスとキーパー間の連携に関して戦略は立てていましたか

慶大は第1ピリオド(P)から攻めてくるので焦らずディフェンスとキーパーでコミュニケーションを取っていこうとしていました。

――全体を通して体を張って守り抜いていた印象がありますが、きょうのご自身のプレーに点数を与えるとしたら何点になりますか

第1P、第2Pでは結構順調だったのですが、第3Pに3失点しているので60点くらいです。

――第3Pだけで3失点というのはご自身としては痛かったですか

そうですね。チームとしては無失点というのを掲げていますし、無失点にできなかったというのは自分の責任なので、そこは反省しています。

――第3Pでは慶大も強気で攻めてきていました。プレッシャーは感じましたか

第2Pが終わった後に控え室で「第3Pでは絶対1人、ノーマークを狙ってくるからそういうところはしっかり声掛けて」という話がありました。特にこれといって意識はしませんでしたが、最後まで無失点でいこうと考えていました。

――第3P終盤には相手が何度も6人攻撃を何度も仕掛け、そこで1点を奪われてしまいました

6人攻撃をかけてきて、向こうもそれだけ点数を取りにきていると分かりました。そこで抑えられなかったのはまだまだ自分の足りない部分があるからだと思うので、そこをこれから頑張っていきたいです。

――春を全体的に振り返って、収穫と課題はありますか

きょうの試合も第3Pに3失点というのは、集中力の問題で、自分としては集中していると思っていても最後の最後まで集中し切れていないというのが、この3失点というかたちになってしまったので、そこが自分の課題だと思います。収穫は、去年まで遠藤さんがいて試合に出る機会はなかったのですが、ことしから試合に結構出させてもらっていて、やはりそこで試合勘はつかめるようになってきて徐々に自分のスタイルを築けたらと思います。

――これから夏にはサマーカップもありますが、今後強化していきたいことはありますか

1試合通してしっかり守れるキーパーになるためにも、集中力と体力をこの夏につけれるように頑張っていきたいです。