【フィギュアスケート】東京夏季が開幕 穂積が5位入賞!/東京夏季競技会前半

フィギュアスケート

東京夏季競技会 8月22、23日 東京辰巳アイスアリーナ

 初めての辰巳での開催となった東京夏季競技会(東京夏季)。今年は、8月22、23日、9月12日の3日間で開催され、かなり間が空くスケジュールとなっている。前半の2日間には、早大から5人の選手が出場。シニア女子では、穂積乃愛(人通3=東京・駒場学園)がショートプログラム(SP)、フリースケーティング(FS)ともに伸びやかな演技を見せ、5位入賞となった。

★シニア女子SP

 大会初日の早大勢トップバッターは、中野真桜(政経2=東京・早実)。昨シーズンに引き続き、スパンコールたっぷりの華やかなピンク色の衣装で登場した。リズミカルな『I Will Survive』の曲調に合わせ、序盤から笑顔で踊っていく。1本目のジャンプの3回転サルコウは、惜しくもよろめいてしまい、回転不足の判定に。続くコンビネーションジャンプも、2本目が無効になってしまう。しかし、その後のスピンではレベル4を獲得し、2回転アクセルもしっかりと決め、立て直しを図る。軽快なメロディーと呼応するように、鮮やかなスピンやエネルギッシュなステップを披露した。最後のコンビネーションスピンでもレベル4を獲得するも、演技後の中野に笑顔はあまり見られなかった。得点は34・21で、26位。「東インカレに向けて課題が見つかった」と振り返るように、中野にとって現在地を確認する大会になっただろう。

 吉本玲(国教4=兵庫・芦屋国際中教校)は、新しいSP『TAKE FIVE』を披露した。赤を基調とした衣装に身を包み、5拍子の特徴的なリズムを刻むジャズをクールに踊りこなした。冒頭の3回転サルコウでは転倒し、難しい滑り出しとなったものの、続く2回転アクセルは見事に着氷。指先までなめらかで切れのある動きを見せ、『TAKE FIVE』の世界観を演じ切った。「新しいプログラムにちょっと慣れてきたかなという感じだったので、まずはこのプログラムをしっかり滑りきることと、今自分ができることをやるのが目標でした」と吉本。持ち味のスピンでは最高評価のレベル4を獲得し、伸びやかなスケーティングも健在だった。新たなプログラムを着実に自分のものにしつつある吉本。得点は29・63、最終順位31位で惜しくもFS進出とはならなかったが、次戦の東京選手権に向け、さらなる飛躍を目指す。

 最終グループに登場した穂積のSPは、昨シーズンに引き続き『24のカプリース』。笑顔でコーチに送り出された穂積は、冒頭の2回転アクセルを決める。しかし、「あまりミスをするジャンプではない」という3回転サルコウが2回転になってしまう。それでも、続くスピンではレベル4の評価を得て、出来栄え点も1点獲得。赤を基調としたひらひらと華やかな衣装が、美しいスピンに花を添えた。ジャンプの基礎点が1・1倍になる後半に入り、コンビネーションジャンプもしっかりと着氷。前半よりも激しくなる曲調を捉え、複雑なエレメンツを表情豊かに踊りこなしていく。スピン、ステップ共に高い評価を得て、53・47点の5位でSPを終えた。危なげなくFS進出を決めたが、ジャンプのミスが出たことについて「悔しいの一言」と振り返った穂積。FSでは「前向きな演技ができれば」と意欲を見せた。

★シニア男子SP

 2日目に行われたシニア男子SPには、山田琉伸(人通4=埼玉栄)が登場。新しいSP『Stairway to Heaven』を披露した。哀愁を感じさせる落ち着いた曲調の前半から、ロック調の後半へと展開するメリハリのあるプログラムを、持ち前の柔軟性を生かしたダイナミックな演技で滑り切った。冒頭の2回転アクセルを成功させたものの、続くルッツとフリップでは、思い描いていた着氷を決めることができなかった山田。「練習でできていたことがあまり演技に出せなかった」と振り返った。一方で、伸びのあるスケーティングと躍動感あふれる動きで、曲の世界観を見事に表現した。得点は42・02点で15位。惜しくもFS進出を逃したが、次戦の大会に向けて、練習を積み重ね、さらなる成長を遂げることを誓った。楽しみながらプログラムを滑る山田の姿に、今後も注目したい。

★6級女子FS

 このカテゴリーの最終滑走に登場したのは川野杏珠(人1=山梨・駿台甲府)2週間前に頭を負傷し、復帰したのは「一昨日ぐらい」と急ピッチで準備をし、試合に臨んだ。花がちりばめられたピンクの衣装に身を包んだ川野は、リンクサイドでコーチに笑顔でうなずき、リンクへ登場した。冒頭の2回転アクセルは、回転不足の判定をとられてしまう。それでも、その後は優雅な曲調に合わせ一つ一つしっかりとジャンプを決めていく。音楽が盛り上がりを見せるのに呼応するように、笑顔でエレメンツをこなす川野。腕を美しく使い、朗らかな表情を浮かべながら、全身で『メアリと魔女の花』の物語を表現した。得点は54・77点で、全体6位。練習が積めない中でも、強みである表現力を武器に、最後まで物語を演じきった。

★シニア女子FS

 前日のSPを終え、早大勢で唯一FSに駒を進めた穂積が登場。SP後は悔しさが残る様子だったが、6分間練習では落ち着いた様子を見せた。演技が始まると、冒頭の3回転ルッツを鮮やかに着氷。続く2回転アクセルも確実に成功させる。持ち前のスピンでは、SPに引き続きレベル4の評価と1点の出来栄え点も獲得した。シークエンスでは丁寧にポーズをとり、穂積らしい柔らかく繊細なスケーティングを披露。『the legend of 1900』の盛り上がるメロディーに合わせ、優しい笑みを浮かべながら踊っていく。最後の3回転サルコウでは転倒があったものの、スピン、ステップともに美しくまとめあげた。FSの得点は96・75。総合得点は150・22点をマークし、5位入賞を果たした。試合後、「ようやくちゃんと戦えるところに来た」と振り返るように、先シーズンの不調からの脱却の兆しが見える演技となったのではないか。さらに、「全日本(全日本選手権)を狙えるところに来たのでは」と年末の大舞台への展望も口にした穂積。より美しいスケーティングを目指し、穂積はさらにギアを上げていく。

(記事 川田真央、田邉桃子、永尾早渡、村井未歩  写真 村井未歩、戸叶結菜)

結果

▽シニア女子

中野真桜

SP 26位 34・21点

総合 26位 34・21点

吉本玲

SP 31位 29・63点

総合 31位 29・63点

穂積乃愛

SP 5位 53・47点

FS 5位 96・75点

総合 5位 150・22点

▽シニア男子

山田琉伸

SP 15位 42・02点

総合 15位 42・02点

▽6級女子FS

川野杏珠

6位 54・77点

コメント

吉本玲(国教4=兵庫・芦屋国際中教校)

ーー今日の演技を振り返っていかがでしたか

 有志(関東学生有志大会)から本当はもう1戦出るはずだったのですが、それは出られず、それ(有志)以来の試合でした。新しいプログラムにちょっと慣れてきたかなという感じだったので、まずはこのプログラムをしっかり滑りきることと、今自分ができることをやるのが目標でした。ちょっとスピンで失敗してしまったり、不甲斐ない部分があったのですが、久しぶりに1本だけはジャンプで立てたので、ブロック(東京選手権)まで残り短いけれど、もう少し(調子を)上げていけるように頑張りたいと思いました。 

ーー今大会に向けて力を入れて練習してきた点はありますか

 プログラムの曲が、今まで選んでいたゆっくり系や綺麗系とは違うので難しいのですが、早いテンポに合わせて、いつもと違う振り付けや表現が入ってて、そこをまず自分のものにできるように意識して取り組んできました。

ーー今シーズンから曲を変更されましたが、選曲理由があれば教えてください

 選曲理由は特にそれほどないです。ただ、SPは今まで自分がやっていたものとは違う雰囲気でやろうと先生とお話ししていました。先生の方からこの曲を提案してくださったという感じです。 

ーー次の試合への意気込みをお願いします

 次の試合に向けて、今大会よりも満足に練習を積んで、まずは練習で全力で滑りきることから始めて、自信を持って試合に臨めるようにしたいです。 

山田琉伸(人通4=埼玉栄)

ーー今日の演技を振り返っていかがでしたか

 練習でできていたことがあまり演技に出せなかったです。「ちょっとなあ」という感じでした。

ーー今大会に向けて力を入れて練習してきた点はありますか

 前回の大会のサマーカップ(サマーカップ競技会)が終わって、合宿に行ってきたので、そこでプログラムの中身全てにおいていろいろ詰めてきたのですが、足りなかったかなという感じです。

ーー新しいプログラムのこだわりなどがあれば教えてください

 何年か前のQUEENのプログラムに近い感じの曲調で、自分の中でお気に入りのプログラムでした。似たような曲調で楽しく滑れればと思っています。

ーー次の試合への意気込みを教えてください

 今回みたいにはならないように、また練習を積んでいければなと思います。

穂積乃愛(人通3=東京・駒場学園)

SP後

ーーSPの演技を振り返っていかがでしたか

 悔しいの一言です。 今、調子が上がってきているなという実感があって、サルコウもループもあまりミスをするジャンプではないと思って練習しています。もちろんミスがある時もあるのですが、基本的に跳べるジャンプなので、結構悔しさが強いです。 

ーー今大会に向けて力を入れて練習してきた点はありますか

 当たり前かもしれないですけれど、つなぎで練習すると、1度切って練習すれば結構跳べるのですが、何本か連続となった時に体力も必要になってくるので、しんどい中で跳ぶという練習を強化してやってきました。 

ーー軽やかなシークエンスが印象的でしたが、どういったイメージで滑られていましたか

 基本的に踊ったり見せたりすることがすごく好きなので、誰かを参考にというよりかは、自分の良さを出すというイメージでやっています。強いていうのであれば、動きに色っぽさを出せればと、先生にもご指導いただいているので、そこを意識していました。 

ーーFSへの意気込みをお願いします

 気負わず今できることを精一杯(やって)、東日本(東日本選手権)につながるように前向きな演技ができればいいなと思います。

FS後

ーーFSの演技を振り返っていかがでしたか

 少しずつ感覚のいいものになってきているという印象が強いです。練習でもまとまりのあるものが多くなってきている中での今日のFSは、50パーセント、60パーセントくらいですかね。

ーーFSの点数への率直な気持ちを教えてください

 正直、恥ずかしいのですが、いつぶりの90点かなという感じで、感覚としてはようやくちゃんと戦えるところに来たのではないかという印象が強いです。先シーズン、先々シーズン、あまりうまくいかず、FSに対する苦手意識が出てきた中での今年だったので、どのくらい点数が出るのか不安もあったのですが、まあまずまずかなと。ようやく、全日本(全日本選手権)を狙えるところに来たのではないかと思います。

ーー昨日のSP後は悔しいと口にされていましたが、FSまでどのように準備をされましたか

 SPのいいところはそのままに、サルコウの修正だったり、いつも練習で起こりやすいミスが起こらないようにと調整をしてきました。やっぱり3本目のループが、体力的にも一回疲れが来るところなので、修正していきたいなと思います。

ーーアイスダンスにもエントリーされているかと思います。そちらへの意気込みも教えてください

  リズムダンス(RD)を今回、初お披露目するのですが、会場の皆さんと楽しめるプログラムになってると思います。初めてのRDで結構緊張していますが、楽しんで頑張れたらいいなと思います。

中野真桜(政経2=東京・早実)

ーー今日の演技を振り返っていかがでしたか

 シーズン2戦目でしたが、1戦目よりは落ち着いて滑ることができました。東インカレ(東日本学生選手権)に向けて課題が見つかったと思います。

ーー今大会に向けて力を入れて練習してきた点はありますか

 今シーズンはスピンとステップがかなり重要視されるようになってきたので、そこを重点的にやってきました。

ーー昨年の東京夏季から成長したといえる点はありますか

 昨年はジャンプにばかり集中してしまい、他があまりできていなかったので、そこは成長できているのかなと思います。

ーー次の試合への意気込みを教えてください

 今回は少し緊張もあって思いきりできなかった部分があるので、また一からやり直して頑張りたいと思います。

川野杏珠(人1=山梨・駿台甲府)

ーー今日の演技を振り返っていかがでしたか

 2週間前に頭の怪我をして、2週間練習できなかったので、かなり不安でした。体力面が少しなかったように思います。ジャンプは跳べたので、よかったです。

ーー足を負傷されていたとお聞きしたのですが、いつ頃から練習に復帰したのでしょうか。差し支えなければ教えていただきたいです

 1カ月前ぐらいに復帰したのですが、2週間前に頭を打って、救急車で病院に運ばれました。2週間はスポーツ(をするのは)ダメと言われていて、一昨日ぐらいに復帰しました。

ーー大学生として挑む初めての東京夏季でしたが、これまでと違いを感じた点はありますか

 リンクが高校の時と変わって、スケーティングが少し滑るようになったかなと思います。

ーー次の試合への意気込みを教えてください 

 次の試合は怪我をしないようにもっと練習して、回転不足もなくして、ちゃんと挑みたいと思います。