【フィギュアスケート】部員全員で作り上げたWOI フィギュア部門の魅力が詰まったアイスショーに

フィギュアスケート

WASEDA ON ICE 2026 3月7日 ダイドードリンコアイスアリーナ(東京)

 早大スケート部フィギュア部門のアイスショー、WASEDA ON ICE(WOI)は今年で6度目の開催を迎えた。個人演技だけでなく、部員自ら振付を行ったグループナンバーやホッケー部門とのコラボレーションなど、ここでしか見られない演出が盛りだくさん。部員一丸となって楽しさと美しさの溢れるショーを作り上げた。

 

★オープニング

 

 部員の自己紹介映像が映し出されていたダイドードリンコアイスアリーナは、定刻を迎えると会場が暗転。中央のモニターにはこれまでのWOIの映像が映し出された。これから始まるショーへの期待が高まる中、『La la land』の軽快なメロディーと共に部員たちがリンクに現れる。早稲田ジャージを身に着けた部員たちは二人ずつ登場し、揃ったジャンプやポーズを披露。色とりどりの布を持って息ぴったりのフォーメーションやスピンを見せ、最後は円になって布を掲げてフィニッシュ。カラフルな布とライト、そして笑顔の部員たちが夜のリンクを彩った。

 円になってフィニッシュする部員たち

★現役生演技①

『I Will Survive』を演じた中野

 現役生の個人演技でまず登場した中野真桜(政経1=東京・早実)は、『I Will Survive』の華やかな音楽に合わせ、可憐な演技を披露。続々とジャンプを決め、チャーミングな笑顔で会場を盛り上げながら軽やかに滑りきった。

リンクサイドに立つ佐藤

 2番滑走の佐藤亜紀(国教1=東京・文化学園大杉並)は健康上の理由により滑走を辞退し、代わりに過去の演技映像が場内に上映され、観客席からは大きな拍手が送られた。

『Titanic』を演じた宮本

 続いて宮本明依(ス1=富山中部)は『Titanic』を披露し、曲中に厳かな雰囲気と迫力のある雰囲気が共存する同曲をダイナミックに表現し、リンクを広く使った演技で会場を盛り上げた。

『Baby, god bless you』を演じた梅本

 長いブランクを経て久しぶりにリンクに上がった梅本優花(教1=東京・早実)は、静かなピアノ調の『Baby, god bless you』を演じた。淡いブルーの衣装を身に纏い、透明感溢れる優雅な滑りで楽曲の世界観を表現した。

『Bones』を演じた市川

 市川昊之介(教1=東京・駒大高)は先輩である山田琉伸(人通3=埼玉栄 )が振り付けた『Bones』を披露。軽やかなキックやはじける笑顔を見せ観客を魅了し、客席からはプログラムに合わせ手拍子が起こった。

『Over the Rainbow』を演じた新井

 続いて滑走した新井さくら(人通1=東京・駒場学園)は、しなやか且つ力強い滑りが強み。指先まで繊細に操り、表現力の光る伸びやかなスケーティングで『Over the Rainbow』を美しく演じきった。

★グループナンバー1 オリンピックメドレー

 

 最初のグループナンバーはオリンピックメドレー。今年2月に開催されたミラノ・コルティナ五輪にちなんで、早大出身のオリンピアンがオリンピックで使用した曲をアレンジしたという。『ロミオとジュリエット』はミラノ・コルティナ五輪で4位入賞を果たした部員の千葉百音(木下グループ/人通2=宮城・東北高校)が使用した楽曲。しっとりとしたピアノのメロディーに合わせて切なくも優雅に踊り、物語を表現した。

 続く『パリの散歩道』は羽生結弦氏(令2人卒)がソチ五輪で使用した楽曲。ロックな曲調に合わせたクールな演技が見どころだ。マッカートニー学斗(国教2=アメリカ・キーストン)らが羽生氏を彷彿とさせるランジを決めると歓声が上がった。

 クライマックスは荒川静香氏(平16教卒)がトリノ五輪で踊った『トゥーランドット』。力強く壮大なオペラのメロディーに合わせて美しい滑りを見せる。2人でタイミングを合わせてジャンプを決めるといったグループナンバーならではの技も見られた。最後のサビでは、6人揃ってスピンを披露。野上しおん(人1=茨城・水戸二)はシットスピン、穂積はキャメルスピンを回るなど、それぞれの持てる技が集結した美しいフィニッシュとなった。

 オリンピックメドレー後には、千葉もビデオで出演。WOIに向けた特別メッセージのほか、部員からの質問に答えるなど、関西拠点で交流が少ない中でも、仲の良い姿を見せた。

『トゥーランドット』を踊る部員たち

★現役生演技②

『perfect』を演じた金田

 現役生演技、第2グループの一番手は金田桜季(商1=早稲田佐賀)。コツコツと努力を重ねる頑張り屋と評される金田。赤紫のシックな衣装に身を包みゆったりとした曲調の『perfect』を丁寧に演じた。

『Waiting on a Wish』を演じた笠井

 笠井美好奈(文構3=アメリカ・メティアヴァリー高等学校)は鮮やかな緑色の衣装で登場した。『Waiting on a Wish』の明るく壮大なメロディに合わせて全身を大きく使った滑りを披露。音楽の盛り上がりとともに笑顔を輝かせ、白雪姫の世界観を表現した。

『フリネの踊り』を演じた西俣

 西俣仁衣奈(文構2=福岡雙葉)が披露したのは、前回のWOIと同様『フリネの踊り』。長年のバレエ経験に加え、昨年から始めたというシンクロナイズドスケーティングの経験を活かして指先まで美しく、軽やかでしなやかな演技を披露した。

『River flows in you』を演じた小林

 小林遙佳(政経2=埼玉・早稲田大学本庄)は華やかに映えるストリングスの音色を背に軽やかなステップを見せ、『River flows in you』の世界観を繊細に表現し、会場全体に柔らかな空気をもたらした。

『Backstage romance』を演じた穂積

 穂積乃愛(人通2=東京・駒場学園)は自分で振り付けをしたという演技を披露。アップテンポな『Backstage romance』に合わせて全身を使って表情豊かに踊る。彼女の持つ魅力を存分に発揮し、観客を魅了した。

★グループナンバー2 アイドルメドレー

 

 2つ目のグループナンバーはアイドルメドレー。1曲目の『アイドル』は、テレビアニメ「推しの子」の主題歌。登場人物の星野アイと主将の妻鹿の名前が同じことからこのアイドルメドレーをすることにしたという。セーラー服姿で登場した部員たちは、サビでキュートなダンスを披露。手でハートを作ったり、ピースしたりと可愛らしさ全開で踊り切った。

 2曲目は『かわいいだけじゃだめですか?』。フリルたっぷりのブラウスとスカートを身につけた部員たちは本物のアイドルのように笑顔で踊る。最後は「推しが尊い」と書かれたTシャツ姿の男子部員や、アイスホッケー部門の部員らがペンライトを持って登場しポーズをとった。続く『倍倍FIGHT!』もポップな楽曲に合わせて明るくパワフルに踊る。途中でジャンプやスピンも取り入れた、フィギュア部門ならではのステージとなった。

 最後の『What is Love?』では、全員が集合。男子部員たちもペンライトを持ったままジャンプをしたり、ホッケー部門の部員と一緒にリンクをぐるりと1周したりして会場を盛り上げる。観客の拍手や声援にも手を振って応えた。最後は中央に集まって決めポーズ。エレメンツとダンス、ホッケー部門とのコラボなど唯一無二のグループナンバーだった。

 部門の垣根を越えて踊る部員たち

★現役生演技③

『feeling good』を演じた浅間

 WOI後半の部、個人演技最初の演技者は浅間百合子(商3=東京・東洋英和女学院高等学校)。後輩の穂積の振り付けのもと、『feeling good』のジャズ特有のリズムを全身で刻みながら、力強く演じた。

『Give Me Love』を演じた坂﨑

 坂﨑愛介(基理3=東京・早大学院)が演じるのは1年時のWOIで滑ったのと同じ『Give Me Love』。「どれだけ成長したか自分自身確かめたい」と選んだプログラムを、進化し続けるジャンプとスケーティングで、情感豊かに表現した。

『Faded』を演じた栁田

 栁田梨穂子(創理3=埼玉・川越女子)は自ら振り付けた『Faded』を用意。ひらひらとはためくこだわりのパステルカラーの衣装に身を包み、ときに歌いながら、優しい笑顔で透明感のある楽曲を滑りきった。

『you raise me up』を演じた山田

 続く山田もセルフコレオのプログラム。サビには得意のイナバウワーを配置するなど曲の盛り上がりを逃さず、スピード感あふれる端正な滑りで『You Raise Me Up』の感動的な音楽を表現した。

『Tough Luck』を演じた吉本

 現役生のトリを務める吉本玲(国教3=兵庫・芦屋国際中教校)は、セルフコレオに初挑戦。『Tough Luck』の情熱的なのにどこか軽やかに聞こえる音楽を、巧みなエッジワークと吉本らしい優雅な滑りで表現した。

★引退生演技

『ニューシネマパラダイス ~愛のテーマ~』を演じた妻鹿

 個人演技ラストを飾るのは、今年度早大フィギュア部門で唯一の4年生選手である妻鹿愛(政経4=大阪桐蔭)。引退シーズンにと用意したとっておきのフリープログラム、『ニューシネマパラダイス〜愛のテーマ〜』を演じた。場内に名前がコールされると、リンクサイドに並んだ部員たちとのハイタッチから力を受け取り、リンク中央に立つ。冒頭の3回転は惜しくも転倒となったが、その後は2回転を次々に着氷させ、積み上げてきた実力の高さを感じさせる安定感を発揮。しなやかな振りと丁寧な滑りで演じられる美しい名曲は、観客を感動で包み上げた。「大好きなプログラムを滑れる幸せを感じながら心を込めて滑ります」と語った通り、終始笑顔で、まさに「愛」が伝わるような優しい演技だった。

★フィナーレ

妻鹿を中心にポーズをとる部員たち

 WOI2026最後の演目は、部員全員で演じる『Time To Say Goodbye』。切ない音楽が響く中、まずは女子部員が登場。新井と西俣が中央でデススパイラルを披露し、それを囲むようにスピンで回る。その後男子部員も合流し部員全員が見守る中、妻鹿と同じクラブに所属する坂本花織(シスメックス)のステップシークエンスの振り付けを、妻鹿と吉本がサイドバイサイドで披露。観客も盛り上がり、最後までアイスショーならではの魅力がたっぷり詰まっていた。『Time To Say Goodbye』は、直訳すると「さよならのとき」だが、ただの別れではなく旅立ちを意味する歌だ。今年で競技を引退する妻鹿をはじめ、新たなシーズンを迎える部員たちの明るい未来を感じさせるようなパフォーマンスで、今年のWOIは幕を閉じた。

★挨拶、クロージング

Wポーズで写真撮影に応じる部員たち

 ショー本編終了後には、4年生2人へ、後輩から花束が贈られた。小林彩乃(政経4)は、マネージャーとしてフィギュアスケートに関われたことへの感謝を、今年度主将として部を引っ張ってきた妻鹿は、主将としての苦悩と家族や部員への感謝を語った。最後には坂﨑が来年度の主将を務めること、その他幹部部員が発表され、クロージングとなる。多様なグループナンバーと、一人一人の想いが込められた個人演技。早大フィギュア部門の魅力が存分に発揮されたアイスショーは、選手と観客のたくさんの笑顔に包まれていた。新体制の早大フィギュア部門への期待も一層高まる。

 

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

(記事・写真 荘司紗奈、田邉桃子、小畑萌、川田真央)