日本学生氷上競技選手権 1月8日~11日 東京辰巳アイスアリーナ
全国から大学生が集う大舞台、全日本学生選手権(以下インカレ)が開幕。3級から7・8級まで、幅広い選手たちがそれぞれの輝きを見せた。早大フィギュア部門からは全7名が出場。いよいよシーズンが終わりに近づく中、各々が積み重ねてきた力を発揮した。1、2日目には3級から6級までの競技が実施され、6級女子は見事団体1位を獲得した。
★4級女子

『Waiting on a Wish』を演じる笠井
早大フィギュア部門、最初の滑走者は笠井美好奈(文構3=アメリカ・メティアヴァリー高等学校)。部員たちとハイタッチを交わし、笑顔でリンクに向かう。自らデザインしたという新しいライトグリーンの衣装を身にまとい、『Waiting on a Wish』の音楽にのせ滑り出した。冒頭のコンビネーションジャンプは危なげなく成功。その後は着氷がやや乱れたものもあったが、全てのジャンプを転倒なくしっかりとまとめ上げた。コレオシークエンスでは「蝶のように羽ばたきたい」との言葉通り、衣装にあしらわれた蝶のように軽やかに舞う。全身を大きく使った伸びやかな滑りと、あふれる笑顔が印象的な演技で、白雪姫の世界観を表現した。43・95点で4位となり、東日本学生選手権(以下東インカレ)に続き自己ベストを更新。充実の初インカレとなった。
★3、4級男子

『ロミオとジュリエット』を演じる坂﨑
大会2日目には、3年連続インカレ出場の坂﨑愛介(基理3=東京・早大学院)が登場。冒頭から2回転フリップ+2回転トーループ、2回転サルコウ+2回転トーループという難易度の高い2本のコンビネーションジャンプをまとめあげ、順調に滑り出す。中盤で転倒があったものの、その後のジャンプを決めてしっかりとミスをカバーした。コレオシークエンスでは音楽に合わせて様々なポーズを決め、『ロミオとジュリエット』の世界観を表現。演技に合わせて表情も変化させ、伸びやかなスケーティングを見せた。演技の最後を飾るのは2本のスピン。普段は「墜落気味で0点」なことも多いというスピンだが、この1年間は「すごく力を入れてきた」と言う。その甲斐あって見事に回り切り、出来栄え点では加点も得た。演技後は頷き、笑顔で一礼。結果は45・39点と自己ベストを上回り、3位で表彰台に登った。「最後は笑顔で終われた」と笑顔を見せた。
★5、6級男子

『Artist』を演じる市川
次に登場したのは市川昊之介(教1=東京・駒大高)。冒頭の2回転アクセルは転倒となるも、続く2回転フリップは成功。ジャンプが決まる度にリンクサイドから大歓声が送られ、それに背を押されるように市川の滑りも勢いを増す。課題は「(以前の大会で)バテて雑になったりした」という後半のジャンプ。後半に組み込んだ2度目のアクセルも転倒となったが、その後の2回転ループからのコンビネーションジャンプ2つは着氷と、完成度の高い実施。『Artist』の軽やかな音を一歩一歩の滑りで捉えつつ、復帰戦となった東インカレから難度を上げた構成をしっかりとこなした。順位は14位、得点は48・66点と東インカレから10点以上上げる。2回転アクセルのミスを悔やんだものの、「全体としては及第点に乗ったかな」と笑顔を見せた。
★6級女子

『Titanic』を演じる小林
6級女子の試合には早大から2人が登場した。1人目は、これが2度目のインカレとなる小林遙佳(政経2=埼玉・早稲田大学本庄)。演技前の6分間練習では「だいぶ不安な部分があった」と言うように、2回転アクセルに苦戦する。それでも「大丈夫大丈夫と言い聞かせて」本番に挑んだ。気持ちを落ち着かせたことで、2本の2回転アクセルは見事成功。その後も勢いに乗ってエレメンツをこなし、フライングシットスピンではレベル4の評価を得た。中盤はジャンプでミスが出たものの、後半は盛り上がっていく『Titanic』に合わせて美しいコレオシークエンスを見せる。前回の試合から追加した、両腕を広げて身体を反らせる振り付けは小林曰く「タイタニックポーズ」。全身を大きく使った滑りで魅了し、出来栄え点も1点獲得した。得点は69・46点で5位入賞。シーズンベストには後一歩届かなかったものの、6分間練習から立て直して演技をまとめあげた。

『ニューシネマパラダイス』を演じる妻鹿
この日最後の早大の演技者は主将の妻鹿愛(政経4=大阪桐蔭)。地元に拠点を戻して臨んだラストシーズン、「これまで支えてくださった皆さんに結果で恩返しがしたい」と語る最後の大舞台だ。中野園子コーチに背中を押され力強く送り出されると、リンクサイドに並んだ部員たちともハイタッチを交わし、静かにリンクに立った。ゆったりと笑顔で滑り出したが、冒頭から、3回転トーループの回転が抜けるミスが出る。それでも焦ることなく落ち着いて2回転アクセルを決めると、次のジャンプは再び3回転トーループ。「優勝するために」東インカレから3回転を1本増やす決断をしたといい、やや着氷は乱れたものの挑戦する姿勢を崩さなかった。
その後は大きな乱れなく演技をまとめ、スピンでも2つレベル4を獲得。しっかりとエレメンツをこなしながらも、音楽との一体感も失うことなく、一つひとつの動きが音に溶け合うような滑らかな滑りを見せる。妻鹿らしい柔らかくも力強い表現で『ニューシネマパラダイス』を演じ上げ、最後には思いが込み上げるように涙がこぼれた。「ただただ悔しい。この試合に掛けていた」と悔しい演技とはなったが、得点は70・41点で3位表彰台。自己ベストには届かなかったが大台にのせ、演技構成点も出場者中唯一の40点台と高評価を受けた。
妻鹿3位、小林5位の結果により女子6級団体戦は、早大が見事1位に輝いた。

女子6級団体戦表彰式
(記事、写真 荘司紗奈、川田真央)
結果
▽女子4級
笠井美好奈
4位 43・95点
男子3・4級
坂﨑愛介
3位 45・39点
男子5・6級
市川昊之介
14位 48・66点
▽女子6級
妻鹿愛
3位 70・41点
小林遙佳
5位 69・46点
コメント
妻鹿愛(政経4=大阪桐蔭)
――今日の演技を振り返っていかがですか
緊張から体にとても力が入っていて最初のトーループがダブルになってしまい、残りのジャンプは失敗できない状況で、終始追い込まれたような気持ちでした。コンビネーションジャンプの変更を考えていたりと心の中では冷静になれていましたが、やはりノーミスできなかった悔しさが残る演技でした。
――最後のインカレ、どのような思いで臨みましたか
大学に入学した時からインカレ優勝を目標にしていて、今シーズンはその目標のために練習を積んできました。自分のためにもですが、それ以上にこれまで支えてくださった皆さんに結果で恩返しがしたいという気持ちでいっぱいでした。そのためにも、とにかく楽しんで、心を込めて滑るということだけを自分に言い聞かせて臨みました。
――3回転トーループに2回挑まれました
トリプルトーループは最初から2本入れる予定で練習を積み重ねてきました。優勝するためには難易度を上げていかないと難しいと試合前から考えていたので、東インカレからトリプルを1本増やす構成に決めていました。
――演技後には涙が込み上げるような場面がありました。どのようなことを感じていたのでしょうか
ただただ悔しいという気持ちでいっぱいでした。この試合に掛けていたのでノーミスをして嬉し涙を流したかったのですが、思うような演技ができず悔しさが込み上げてきました。
――ラストシーズンを振り返ってどうでしたか
今シーズンは全体的に落ち着いて試合に挑めていたのかなと思います。どの試合にも満足のいく演技はできませんでしたが、冷静さを保ったまま滑りきることができていて、そこはこの大学4年間で成長した部分だったと思います。まだ試合も残っていますしWOIもあるので、悔いのないように最後まで走り抜けることができたらと思っています。
――WOIに向けて
主将として1年間部と向き合ってきた集大成となるWOIは不安や楽しみな気持ちなど色んな感情があります。これまでの試合と変わらず、今まで支えてくださった皆さんに感謝の気持ちを最大限に伝えられる場所として存分に楽しみたいと思います。
小林遙佳(政経2=埼玉・早稲田大学本庄)
――今日の演技を振り返っていかがでしたか
6分間練習で思ったよりも上手く氷の感じを掴めなかったり、ジャンプが乱れてしまった部分が多く、だいぶ不安な部分があったので、自分に大丈夫大丈夫と言い聞かせて本番に挑みました。本番は6分間練習から考えたらだいぶ上出来だったと思いますが、今シーズン練習を積み上げてきた中でジャンプのミスが出てしまったり、スピンの最後がぐだっとなってしまったり、多分タイムオーバーでリダクションが1ついてしまったので、そういった部分が悔しいです。
――6分間練習では2回転アクセルに苦戦していたと思いますが、本番までにどうやって合わせましたか
前の選手が滑っている間は一回6練のことは忘れて、悪いイメージはできるだけ頭の中からも身体からも排除しようと思っていました。なるべくリラックスして、深呼吸をいっぱいして、大丈夫大丈夫と言い聞かせて臨みました。
――コレオシークエンスがとても美しく見ていて引き込まれました。どういったイメージで滑られていましたか
前回の試合からコレオの前の振りというか構成を変えていて、こう、ばーって(両腕を広げ、身体を反らせる)滑るところを作りました。個人的にタイタニックポーズだなと思っています。そこからセリーヌ・ディオンさんのボーカルが入るところへ盛り上げていくというところと、あとは自分が好きな曲なので、曲と映画を表現できるように、私らしいスケートができるように頑張りました。
――今後の目標を教えてください
私のスケートの目標として7級を取りたいというのがあります。最近は体調を崩したりとかでトリプルの練習をあまりできていなかったので、そういった練習をしてプログラムでもトリプルを入れることと、7級取得を頑張りたいです。
市川昊之介(教1=東京・駒大高)
――今日の演技を振り返っていかがですか
まあまだまだアクセルとかは全然できてなかったので、そこはこれから練習していこうかなと思うんですけど、全体としては及第点に乗ったかなと思います。
――アクセル2本やコンビネーションなど、東インカレから構成を上げてきたと思いますが、準備はどう進められましたか
公式の大会以外の大会とかに出た時に、バテてしまって最後の方のジャンプが雑になったりしたので、練習では構成通りにジャンプを全部ミスらないように跳ぶ練習をしていました。
――まだまだという言葉もありましたが、次の目標は何になりますか
目標はやっぱりアクセルを降りることですね。
――WASEDA ON ICEに向けての意気込み
WASEDA ON ICEは試合じゃなくて、見てる人を楽しませる演技なので、やっぱり自分が楽しくやることが一番見てる人も楽しくなるのかなと。やっぱり自分が楽しくできたらいいなって思います。
坂﨑愛介(基理3=東京・早大学院)
――今日の演技を振り返っていかがでしたか
今回のインカレで3年目で、1年目はひどい転け方をして、2年目は足が攣ってしまって、3回目にしてやっと、1回転んでしまったのですが初めてまとめた演技ができました。最後は笑顔で終われて良かったです。
――自己ベスト更新となりました。点数的にはどうでしたか
本当は50点をずっと目指してやっていたのですが、今できることはだいぶできたかなと思うので、点数にはかなり満足しています。
――演技後頷いていたと思うのですが、どんな気持ちでしたか
まず、初めて足が攣る心配がなく演技ができたので良かったというのと、最後のスピン2つをまとめられました。いつも練習では墜落気味で0点のスピンをしていたのですが、今回は2つともちゃんとまとめられました。フライングキャメルスピンは怪しかったですけど(笑)。とにかく演技をまとめられたというのが自分の中で大きいです。インカレでそれができたのが良かったです。
――スピンは力を入れて練習していましたか
この1年間、3年生になってからスピンはすごく力を入れてきました。確実に去年より上手くなっているので、それが試合でちゃんと出せたのが良かったです。
――次の目標を教えてください
今回スケーティングスキルが2・92で出ていて、ずっと3点台を出すと言っている中でかなり近くなってきました。次の試合では3点台を出して、あとはジャンプ、転ばないようにノーミスの演技をして頑張りたいと思います。あとはずっと言ってきているのですが、WASEDA ON ICEに向けて新しいジャンプを習得できたらなと思っています。
笠井美好奈(文構3=アメリカ・メティアヴァリー高等学校)
――今日の演技を振り返っていかがですか
ジャンプを全部降りることができてほっとしました。スピンが多分回転不足だったので悔しいところはあったんですけど、 2週間前に靴とエッジを新しいのに変えたばかりですごく不安だったんですけど、ギリギリに慣れることができて、ちゃんと滑り切ることができて安心しています。
――自己ベストを更新しました
東インカレよりも点数が上がったことが本当に嬉しいです。特に今回は衣装も新しいのに変えていて。これ私が一応デザインしたんです。自分で絵を描いて、このような衣装を作ってくださいってお願いして。本当に絶対にこの衣装を着て滑りたいっていう強い思いがあったので、一応ノーミスできて(嬉しかったです)。先生にはスピンがダメだったって言われるとは思うんですけど(笑)。ちゃんとジャンプを締めて、やらないといけないことが一応できて、とりあえずほっとしています。
――衣装のこだわりポイントはありますか
こだわりポイントがこの蝶々です!前(の衣装)も入ってたんですけど、今回は蝶を絶対に入れたいっていうことで、ここにピンクの蝶をいくつか入れてもらったんです。自分も蝶が羽ばたくみたいに羽ばたきたいと思って、そういう衣装をとデザインしました。
――蝶が羽ばたくような演技、今日の演技ではどうでしたか
コレオのバレエジャンプをした時に、本当に自分が羽ばたいているような気持ちを味わえたと思ってます。
――次の試合に向けて
次は関カレなんですけど、ちゃんとやって、できれば今回の点数を超えたいと思っています。