1週間前の関東学生選手権に続き学生主催の大会、バレンタインカップが行われた。バレンタインカップでは通常の競技会の後にエキシビションが行われる。早大フィギュア部門からは競技会に3人、エキシビションには4人が出場。エキシビションには多くの関係者が集まり、ひとりひとりの演技で会場が大いに盛り上がった。
★1級女子、3級女子、5・6級男子
新入部員の嶋田輝(教2=千葉・昭和学院秀英)が、早大勢トップバッターで登場した。大学入学後にフィギュアスケートを始めた嶋田にとってはこれがデビュー戦。リンクサイドでフィギュア部門の先輩たちが見守る中、やや緊張した面持ちでリンクに立った。嶋田が初めてのプログラムに選んだ曲は、映画アナスタシアの『Once Upon a December』。繊細な模様が施された紺色の衣装に身を包み、映画の世界観を感じさせる曲に乗って柔らかい滑りを見せた。技を決めるたびに会場からは大きな拍手が送られ、あたたかい雰囲気の中笑顔で演技を終えた。
笑顔で演技をする嶋田
1週間前の関東学生選手権からの連戦となった中村華(人3=群馬・高崎女)。前戦では課題としていたスピンで転倒し、悔しさをにじませていた。今大会ではわずかに乱れはあったものの、大きなミスなくスピンをしっかりと回るなど上々の演技。ジャンプでは転倒があったものの、シーズンを通して「降りたい」と語っている2本の2回転ジャンプに挑む姿が見られた。肩を落とした1週間前とは一転、演技後は充実した表情で「まとめられた」と振り返った。
軽やかに演技する中村
5・6級男子の競技に出場した岡島右京(商3=東京・早大学院)も中村と同じく、1週間ぶりの試合。関東学生選手権ではジャンプをまとめ、シーズンベストを更新し手応えをつかんでいたが、今大会はほろ苦い結果に。冒頭は演技の流れを作る2回転アクセルを決めるなどいい滑り出しを見せたが、後半はコンビネーションジャンプで転倒してしまうなどやや精彩を欠いた。得意とする表現の面では魅せたものの、悔しげな表情で演技を終えた。
引き締まった表情で演技をする岡島
★エキシビション
競技会の後に行われたエキシビションには、4年生4人が出場。早大勢トップバッターで登場した土屋凜菜(国教4=東京・頌栄女学院)は、リンクサイドに集まった多くの関係者に笑顔を見せ、演技に向かう。演技冒頭2つのサルコウジャンプは、競技会ならば大きな加点を得そうな美しい着氷。3連続のシークエンスジャンプでは会場から歓声も上がった。ジャンプだけでなく、スピンやステップ一つ一つを終えるたびに送られるあたたかい声援に包まれ、終始笑顔で『Hallelujah』を滑り切った。
指先まで意識された表現を見せる土屋
続いて登場した正村瞭子(文構4=東京・早実)は演技を終えた土屋とハイタッチして演技へ向かった。冒頭のジャンプを着氷すると、会場全体が大きく盛り上がる。演技中もリンクサイドのチームメイトと目が合うと笑顔を見せた。ジャンプに一つ転倒があったものの、今季滑り込んできた『Speechless』を丁寧に演じ切り、しっとりと会場を引き込んだ。
笑顔でリンクに登場した正村
エキシビションの後半、6・7級の部門では高浪歩未(国教4=ケイ・インターナショナルスクール東京)が薄紫色の新衣装で演技を披露。エキシビション前半時よりもさらに増えた観客(関係者)からは、エレメンツ一つ一つが決まるたびに大きな拍手が送られ、悲しい調べの曲に乗せた演技ながら、高浪からは時折笑顔がこぼれた。ジャンプは全て着氷。最後はチームメイトの目の前でフィニッシュポーズを決め、リンクサイドも大いに湧いた。
伸びやかな演技を見せた高浪
早大勢最後に氷に上がったのは主将の小室笑凜(スポ4=東京・開智日本橋学園)。昨年までの競技プログラム『O』を披露した。最初の3回転サルコウでは転倒してしまったが、2本目のジャンプで再びサルコウにチャレンジ。2本目も成功とはならなかったが、点数の付かないエキシビション演技ながら難しい技に挑戦する姿勢を見せた。最後は、壮大なステップシークエンスでプログラムを締めくくり、笑顔で演技を終えた。
ダイナミックな演技を見せた小室
(記事 吉本朱里、及川知世、写真 吉本朱里、及川知世)
結果
▽女子1級
嶋田輝
5位 12・00点
▽女子3級
中村華
6位 28・84点
▽男子5、6級
岡島右京
3位 56・22点
コメント
※連戦のため、一部の選手にのみインタビューを行っております
嶋田輝(教2=千葉・昭和学院秀英)
――デビュー戦でしたが、今日の目標を教えてください
今回初めての試合だったので、とりあえずはしっかりと演技し切るのが目標でした。意気込みなどはこれといったものはなかったのですが、とりあえず頑張りたいと思っていました。
――演技を終えての感想をお願いします
緊張したのですが、それよりも楽しかったです。なかなかリンクで1人で滑る機会がないので、楽しかったです。
――今日滑られたプログラムについて教えてください
曲は、アナスタシアという映画の『Once Upon a December』というものです。気に入っているところは、ステップのランジが好きなのですが、今回ちょっと失敗してしまって(笑)。あとは、わたしはループジャンプ自体が好きなので、最後のループジャンプが気に入っています。
――WOIへの意気込みをお願いします
多分今回よりも緊張すると思うのですが、個人の演技は今回よりもうまく滑りたいですし、グループナンバーの方はみんなについていけるように、でも楽しんで踊りたいと思います。
中村華(人3=群馬・高崎女)
――先週の試合(関東学生選手権)でもスピンを課題とされていましたが、それを踏まえて今日の演技を振り返っていかがですか
今日は課題だったスピンについては、一番点が大きい最後のコンビネーションは回れて、0点なことはないと思いますし、自分的にもうまくいったと思うので、そこはよかったです。フライングシットスピンで変形しようとしたところでマイナスはついてると思うのですが、スピンですごく大きいミスはしていないと思います。レイバックスピンもあまりトラベリングしないで、たぶん回れたと思うので、まとめられたかなと思っています。ジャンプも、先週はサルコウジャンプで転んでしまって2本目を2回転ジャンプにしないでアクセルに変えたのですが、今日はサルコウが跳べたので2回転トーループをちょっとチャレンジじゃないですけど、跳びにいくことができたので、改善点はありますが先週よりいい演技ができたかなと思っています。