6日、ダイドードリンコアイスアリーナで東西私立フィギュアスケート競技会が開催された。早大からは競技会に3名、エキシビションに2名が出場。部員たちも応援に駆けつけ、和気あいあいとした雰囲気で競技が行われた。
早大生一番手は男子Eクラス部門に出場したチェン・ドンシェン(文構3=シンガポール・Macpherson Secondary School)。今大会で試合デビューを迎えた。自分で作ったという繊細な装飾が施された白い衣装を身にまとい、晴れやかな表情で登場。ゆったりとした曲調のピアノ曲、『春よ来い』に合わせて滑り出すと、冒頭のジャンプを着氷。美しいレイバックイナバウワーも披露した。後半はミスがあったものの、初試合にして堂々とした演技を見せた。演技を終えて、「そんなに悪くなかったと思う」と安堵の表情を見せながらも、「これからもっともっと頑張りたい」と意気込んだ。
美しいレイバックイナバウアーを披露するドン選手
続いて登場したのは女子Dクラス部門の土屋凜菜(国教3=東京・頌栄女学院)。冒頭、幅のあるアクセルジャンプを成功させる。しかし、その後の単独ジャンプではミスが出た。終盤のコンビネーションジャンプでは立て直し、スピード感のある滑りを見せたものの、精細を欠いた演技となった。今大会の一週間前にスケート靴のブレードを変えた影響で調整不足だったという土屋。「6分間練習から調子が悪く、それを引きずってしまった」と今大会の演技を振り返った。それでも前向きな姿勢を見せ、次週のWASEDA ON ICEに向けて「もっと良い演技をできるように頑張りたい」と意気込んだ。
笑顔で演技をする土屋
正村瞭子(文構3=東京・早実)は女子Cクラス部門に出場。冒頭のコンビネーションジャンプを綺麗に着氷すると、安定感のあるスパイラルやスピンを披露。曲調が変化した中盤以降、ジャンプでのミスが出るも、体を大きく使ったエネルギッシュな動きを見せた。最後のジャンプは見事着氷し、演技を終えた。2月のバレンタインカップではミスが相次ぎ悔しさを滲ませていた正村。今大会では、「ジャンプのミスはあったが、全体の流れとしては前回の試合よりはまとまったかなと思う」と充実した表情で演技を振り返った。
シャープな振付を見せる正村
エキシビションには4年生2名が出場。佐々木風珠(政経4=東京・早実)は部員たちとハイタッチをしながら笑顔でリンクに飛び出した。深い紫色の衣装に身を包み、優雅に滑り出した。冒頭のジャンプを着氷すると、その後も安定感のあるスピンを披露するなど、丁寧にエレメンツをこなしていく。指先まで意識した美しい振付となめらかなスケーティング。情感豊かな滑りでしっとりとしたボーカル曲を演じ切った佐々木は、明るい笑顔で部員たちや会場の関係者に挨拶。続く滑走者の石塚玲雄(スポ4=東京・駒場学園)にバトンタッチし氷上を後にした。
指先まで神経の行き届いた表現をする佐々木
最終滑走の石塚は、黒のジャケットと帽子を身につけて登場。2月のバレンタインカップで滑った『雨に唄えば』とは一転、SMAPの『Mr.S』に合わせてクールに滑り出した。冒頭の2回転アクセルを完璧に着氷すると、部員たちや他大学の関係者が集まる会場のボルテージが上がる。帽子やジャケットといった小道具を使いこなしながら、音楽に身体の動きがぴったりと合ったキレのある振付を披露。曲調の変化に合わせた緩急のある滑りで自身の持つ豊かな表現力を存分に発揮した。会場を自分色に染め上げた石塚。温かい拍手に包まれながら演技を終えた。
クールなパフォーマンスで会場を沸かせる石塚
2月のバレンタインカップ同様、部員たちの声援を胸に演技を披露した。互いに高め合い、支え合う早大フィギュアスケーターたちは、12日のWASEADA ON ICEに出演する。部員が大集結する場での演技に期待したい。
(記事 吉本朱里、写真 及川知世)
結果
▽男子Eクラス
チェン・ドンシェン
1位 7・41点
▽女子Dクラス
土屋凜菜
2位 37・31点
▽女子Cクラス
正村瞭子
4位 41・03点
コメント
※コメントは競技会出場選手のみ掲載
▽男子Eクラス
チェンドンシェン(文構3=シンガポール・Macpherson Secondary School)
――今日は初試合でしたが、どのような目標を掲げて臨まれましたか
今日の目標は振り付け通りに滑ることでした。
――今日の演技を振り返っていかがでしたか
まだあまりわからないのですが、そんなに悪くなかったと思います。ただ、後半に少し失敗があったので、これからもっともっと頑張らなければな、と思います。
――WASEDA ON ICEに向けての意気込みをお聞かせください
今日も部員たちが応援に来てくれているように、互いに支え合ってできるWASEDA ON ICEなので、自分もみんなと一緒に盛り上げたいと思います。
――自分で振付されたのですか
振付は先生にやっていただいたのですが、衣装を自分で作りました。
▽女子Dクラス
土屋凜菜(国教3=東京・頌栄女学院)
――先月のバレンタインカップでは滑りやコレオを反省点として挙げていましたが、それを踏まえて今回の目標を教えてください
正直なところ、一週間前にブレードを変えて、そのブレードに慣れないまま本番を迎えてしまったので、そこまでの練習不足がありました。ですので、今回はとりあえず滑り切ることが目標でした。前回の反省点をあまり改善できないまま試合を迎えてしまったというところはありました。
――今日の演技を全体的に振り返ってみてどうでしたか
6分間練習から調子が悪く、それを切り替えられずに引きずってしまって本番を迎えてしまったのかなというのが結構あります。ジャンプもスピンも含めてあまり良い結果ではなかったです。
――今後への意気込みをお聞かせください
あと一週間、WASEDA ON ICEに向けてもっと良い演技ができるように頑張りたいなと思います。
▽女子Cクラス
正村瞭子(文構3=東京・早実)
――2週間前の試合後からどのような点を改善して試合に臨みましたか
ステップなどで力を抜いてしまったり、休憩してしまったりすることが多かったので、この2週間の間、ステップで気を抜かないように気をつけて練習してきました。
――そのことは実際達成できましたか
はい、できたと思います。
――今日の演技を全体的に振り返っていかがですか
ジャンプのミスはあったのであったのですが、全体の流れとしては前回の試合よりは上手くまとまったかなと思っています。
――今後への意気込みをお聞かせください
ステップとかスピンで結構力を抜いてしまったり、休憩してしまったりということがあり、それがジャンプのミスにつながってしまうことが多かったので、力を上手く抜けると良いのですが、抜きすぎず、それが失敗につながることの無いようにしていきたいと思います。