東日本選手権SP、永井は5位、石塚は8位発進

フィギュアスケート

 青森県八戸市テクノルアイスパーク八戸で東日本選手権が開幕した。女子は、東北・北海道選手権、関東選手権、東京選手権を勝ち抜いた28人が全日本選手権への3枠を、男子は勝ち抜いた21人が8枠を争う。早大からは女子に永井優香(社2=東京・駒場学園)、男子に石塚玲雄(スポ1=東京・駒場学園)出場し、ショートプログラム(SP)で永井は5位、石塚は8位となった。

 第1グループの5番目に登場した永井。名前をコールされ緊張の面持ちで定位置につく。しかしここで音響トラブルが発生しもう一度コールからやり直しに。それでも「時間ができたのでありがたかった」とアクシデントを前向きに捉え演技に臨んだ。冒頭から複雑な腕の動きで世界に誘うと、「一本目のルッツが緊張している中で一応跳べたのは良かった」と語るようにトリプルルッツ-ダブルトーループは加点を得る出来栄えで成功させた。後半のループは一回転となり得点を得ることができず。しかしステップでは直前のジャンプのミスを忘れさせるような舞を披露。細やかな足使いでリンクを縦横無尽に進んでいく。シーズン序盤はと語っていた力強い表情でプログラムを滑りきり、この日も観客を引きつけた。SPでは5位となったが、3位との点差はわずかに3.03。永井の実力を発揮すれば十分に追いつくことは可能だ。多くの人々が大舞台での永井の演技を待ち望んでいる。「今まで調整はしてきた」。自分自身を信じ、必ず全日本への切符をつかみとる。

ステップでジャッジにアピールする永井

(記事、写真 糸賀日向子)

 「緊張はすごくあったのですが、ここまできたら楽しく滑ろうと思って、こけてもいいから楽しく滑りました。」と語ったように最初から最後まで表情豊かに演じた石塚。ジャンプに関しては、冒頭のトリプルルッツでつまりながらの着氷となるも続くダブルトーループを決め、落ち着いてコンビネーションジャンプを成功させる。続くトリプルフリップは回転不足を取られるも、最後にはダブルアクセルを決め切り、「ジャンプそのものは日に日によくなっている」と自身が話すように、確実な成長が見て取れた。要所のスピンは印象的なポジショニングでプログラムを彩り、ステップは一つ一つ目に焼き付くほど丁寧に表現した。切ない曲調の中に、人柄をそのまま表すような優しさを感じる演技だった。東日本は全日本への通過点。「楽しむ姿勢」を大切に、全日本へ向けフリーに臨む。

表情豊かに表現する石塚

(記事 尾崎彩、写真 糸賀日向子)

結果

▽女子SP

永井優香 5位 47.31点

▽男子SP

石塚玲雄 8位 54.53点

コメント

永井優香(社2=東京・駒場学園)

――SPを振り返っていかがでしたか

何でパンクしちゃったんだろうというのが今思う一番大きいことなんですけど、でも一本目のルッツが緊張している中で一応跳べたのは良かったかなと思います。

――スタートのやり直しがありましたが、あれで逆に落ち着いたなど影響はありましたか

そうですね、時間ができたのでありがたかったです。

――ルッツ-トーループはご自身の感触として良かったですか

練習では結構跳べるようになっていたんですけど、本番で緊張するとちょっとズレることが多かったので少し不安でした。でも、緊張してもしなくてもやることは一緒なので思い切って跳ぶと思ってやりました。

――ループをパンクしてしまった原因は

今思うことは一つ気をつけることを自分の頭の中で決めていたんですけど、それを考えすぎてしまって他の部分がおろそかになってしまったので頭の片隅に入れておくくらいのほうが良かったかなと思います。でもこれもたらればなので、やっぱりスケートは難しいなという風に思いました。

――ステップは前より細かいところの表現もされていたと思うのですが、心がけていたことは何ですか

とりあえずつまずかないようにというのと、ジャッジの方を見ようと思ってやっていました。

――表情も前より力強くなっていると思いますが、その点についてはいかがですか

きょうは楽しんで滑ろうと自分の中で決めていてでも笑って滑るプログラムではないので、演技に入り込めるようにと思って滑っていたんですけど、それが良かったのかなという風に思います。

―― それでは最後に明後日のFSに向けての意気込みをお願いします

今まで調整はしてきたので、あとは自信を持って自分を信じて頑張りたいなという風に思います。

石塚玲雄(スポ1=東京・駒場学園)

――今日の演技を振り返っていかがでしたか。

緊張はすごくあったのですが、ここまできたら楽しく滑ろうと思って、こけてもいいから楽しく滑りました。

――いい表情で滑られていたので緊張されてないのかと思ってました。

すごく緊張してました(笑)

――歓声が上がっていた場面が多く見られました。それについてはいかがでしたか。

スケートファンの方々から歓声をもらって、それで僕ものびのび滑れるところもあるので、本当にありがたいと思っています。

――東日本は全日本への通過点とおっしゃっていたのですが、実際は滑ってみてその辺はどうでしたか。

まだまだ足りないところだらけなんですけど、通過点というのは変わらなくて、明日のフリーもやることは決まっているので、それをやるだけです。

――前回、調子を上げていけると思うとおっしゃっていたのですが、東京選手権と比べていかがでしたか。

ジャンプそのものは日に日によくなっていて、それは気持ちの問題だったり、自信の問題だったり、色々なことが関係していると思うのですが、色々なことを含めて上げていけたらと思います。

――ジャンプも3つとも決めていらっしゃいましたね。

一応、なんとか

――今日の演技で一番良かった点は何ですか。

緊張もあったけど何とか粘れたことです。

――演技面というより気持ちの面?

そうですね。気持ちの面が大きいです。

――今後得意のビールマンスピンを入れる予定はありますか。

とりあえず大きな試合ではないのですが、ひと段落ついたあとのローカル試合では考えてます。

――明日の演技で注目してほしいところを教えてください。

ジャンプはもちろん、振り付けを注目してほしいです。

――明日に向けて意気込みをお願いします。

ここまできたらやることは決まっているので、それをただやり切るだけだと思っています。明日も楽しんでやりきれたらなと思います。