土橋、古橋が現役生活最後の試合に臨む

フィギュアスケート

  シーズンを締めくくるバレンタインカップが二日間にわたり開催された。一日目は1級女子の東真子(法1=埼玉・早大本庄)と3級女子の谷川栞理(人1=岡山一宮)、二日目は2級女子の安井ゆり(政経3=東京・豊島岡女子)、5、6級女子の古橋遥南(政経4=東京・早実)と土橋美菜海(国教4=ドイツ・インターナショナルスクールオブデュッセルドルフ)が登場した。

 1級女子では「一年生らしい演技ができたらと思った」と、12月に1級を取得した東がプログラムを披露した。「リンクに立ったらたくさんの人が応援してくれて、本当に嬉しかった」と笑顔で演技を行う。フリップを決めるなど演技をまとめ、デビューシーズンを終えた。3級女子では日本学生氷上競技選手権で優勝を果たした谷川が登場。サルコーやフリップの連続ジャンプを跳ぶと、スピンでも会場を魅了し2位という好成績となった。

 

 

古橋はホームリンクで現役最終戦を迎えた

 

  大会二日目の早朝には2級女子の試合が行われた。安井は、ジャンプで日頃しないミスをしてしまうなど、実力を出し切ることができず。「色々な意味でふがいない結果になりました」と振り返った。しかし自分で試行錯誤しながらスケーティングを磨き、その結果「自分比ですが、上体の振りとか手の振りとかいうものも良くなったと思う」と表現面で進化を遂げた。また5、6級女子では、松嶋那奈主将(スポ4=東京・駒場学園)をはじめとする早大の仲間がリングサイドに集まるなか古橋は『篤姫』、土橋は『New Cinema Paradise/Ennio Morricone』に合わせラストダンスを披露した。古橋は最後の試合で緊張もあったが、「できる限りのことはやろう」と滑り出す。ジャンプは思うような出来ではなかったが、ステップは「楽しんで踏めた」とリンクを大きく使って表現した。「辛いこともたくさんあったんですけど最後までちゃんと続けてきてこうやって笑顔で終わることができてすごく嬉しい」と、ホームリンクで現役生活の幕を閉じた。土橋は演技冒頭に組み込まれたステップシークエンスではリンクの上で感謝の気持ちを込めて舞う。その後に組み込まれたダブルアクセルは、「曲がかかっていないときも二つ一緒に練習した」というように万全の調整を行ってきた。「最後の演技だったのでどうしても決めたかった」と意気込み臨んだ本番では二本ともクリーンに決め、その他のジャンプも着氷。支えてきてもらった人々に最高の4分間を届けた。

 

 

土橋は笑顔でプログラムを演じた

 

 今季も切磋琢磨(せっさたくま)を続け、素晴らしい瞬間を何度も届けてくれた早大スケート部フィギュア部門。リンク上では個人の戦いになるが、部員の出番ではリンクサイドに集まり皆で声援を送った。国民体育大会を以て引退した松嶋とともに、今大会で古橋、土橋は氷上を去ることになる。しかしチームをしてきたその勇姿は後輩の心に刻まれただろう。新体制となる来季も互いに高めあい、果敢に挑戦を続けていく。

(記事、写真 糸賀日向子)

 

  ※掲載が遅くなり、申し訳ありません

 

結果

▽5、6級女子

土橋美菜海 6位

古橋遥南 14位

▽3級女子

谷川栞理 2位 

▽2級女子

安井ゆり 13位

▽1級女子

東真子 8位

 

コメント

 

土橋美菜海(国教4=ドイツ・インターナショナルスクールオブデュッセルドルフ)

――きょうの演技を終えていかがでしたか

すごく最後の(試合という)緊張感があってどのような演技をしたか記憶に残っていないくらいです。最初の二つのダブルアクセルを最後の演技だったのでどうしても決めたくて、その二つを決められたのは本当に良かったです。

――アクセルはきょうの試合までにどのような調整をしたのでしょうか

インカレの試合で二つ決めたかった思いがあって、それがきれいに決められなかったという悔しさも残っていました。それなので練習の時に曲かけの時だけではなく、曲がかかっていないときも二つ一緒に練習したり、続けて練習するようにしました。それがきょう生きたのかなと思っています。

――その他のジャンプについてはいかがでしたか

最初の二つが終わったらこのまま流れで全部跳びたいなという感じだったので、その後のジャンプはスムーズにいったと思います。

――ステップはいかがでしたか

最初がステップなんですけど、この構成にしてすごく良かったなときょう一番感じました。まだジャンプとか何も跳んでいない状態で滑ることができて、たくさん友達であったり支えてくれた方が応援しに来てくれていたので、本当にその最初のステップは感謝の気持ちを込めようと思って滑りました。

――スピンはいかがでしたか

きょうは旧ルールなのでどのくらいレベルを取れたのかというのは分からず、もしかしたら回転数とか足りないところもあったかもしれないですけど、スピンは特に大きなミスとかもなく全体を通して良くできたので満足しています。

――きょうの演技中笑顔が見受けられたのは、内からわき出てくるものだったのでしょうか

滑っていてすごく楽しかったです。最初のアクセルとかは緊張していたんですけど、応援してくれている人たちが来てくれて、きょうは本当に感謝の気持ちを皆に届けたいなという思いで滑りました。だからもう自然と楽しさと嬉しさと、全部笑顔に出たのかなと思います。

――最後に四年間を振り返っていかがでしたか

きょねんは留学に行っていて一年間部を離れたりしたんですけども、すごくあっという間でした。一年生で入ったときから先輩方がすごく良くしてくださって、部の一員として大学に入ってから新しい責任とかを感じたりしました。でもそれもすごくチーム感があって楽しくて、あっという間の四年間でした。本当に先輩方、同期たち、後輩たち、部員の皆に感謝の気持ちでいっぱいだなと思います。四年間幸せだったなと思っています。

古橋遥南(政経4=東京・早実)

――今大会を終えていかがでしたか

ホームリンクで今までお世話になった方達に囲まれて、こうやって引退できてすごく嬉しく思います。

――きょうのジャンプを振り返っていかがでしたか

緊張してしまっていて、ジャンプは本当に良くなかったです。でもできる限りのことはやろうと思ってやりました。

――アクセルはいかがでしたか

アクセルは心配していなかったのでふつうに跳べたと思います。

――スピンはいかがでしたか

スピンはわりと良くできていたかなと思っていて、最後のフライングシットも無事に入ったので良かったです。

――ステップはいかがでしたか

ステップはちょっとつまづいたところもあったんですけど、逆にそれで笑顔になれたので楽しく踏めたかなと思います。

――たくさん応援の方も駆けつけていましたがいかがでしたか

ずらーっと並んでいて逆に頑張らなきゃと緊張したところはあったんですけど、本当に今までお世話になった方たちがこうやって最後まで応援してくれて感謝の気持ちでいっぱいでした。

――最後に四年間を振り返っていかがでしたか

長いようで短かったなと思っています。辛いこともたくさんあったんですけど最後までちゃんと続けてきてこうやって笑顔で終わることができてすごく嬉しいです。

安井ゆり(政経3=東京・豊島岡女子)

――きょうの試合を終えていかがでしたか

自分としては今までよりは練習を積んで臨んだ試合でした。でも試合が終わった後に先生から「本気になるといった割にはまだ本気になりきれていないところがあって、もっとできるよね。」というようなことを言われました。自分では考えた上での行動だったりしたんですけど、それがどちらかというと甘えに基づいた行動だったのかなと今考えています。試合前日に練習すると疲れるというのと、試合観戦でわりと朝早くから起きていたので、きょうの為に休もうと思っていました。でも先生としては「何で前日に滑らないのか分からない。」とか、前々日も滑ったんですけど、「朝練2時間だよね。」というように言われました。「確かに。」と自分としては思いました。自分なりには頑張っていたつもりだったけれどもっとやらないと自分が行きたい所まではいけないんだという話を年末とか年明けにしていました。でもまた結局そういう話になってしまって、ちょっと色々な意味でふがいない結果になりました。

――前の大会から強化してきたことは何ですか

どうしてもスケーティングの速度がないというのが自分の弱いところで、結構前の大会までは手の振りとかを気をつけようとかジャンプを難しい形で跳ぼうとか見た目の動きで分かりやすいところというかそういうところを追い求めてきた感じでした。でも「その前にスケーティングでしょ、あなたはスケーティングをしていない。」と言われました。特に女子はスケーティングができないと男子みたいに筋肉で支えられないので難しいジャンプやスピンをできません。確かに私は3級を取りたいという割にはスケーティングがだめで、自分で分からないなりにいろいろ頑張りました。かなりきょうもジャンプは失敗したんですけども、「滑りは速くなったよ」と言われました。そしてその結果上体の振りとか手の振りとかいうものも良くなったと自分比ですが思うので、そこは良かったなと思います。

――きょうのジャンプを振り返って良かったものは何ですか

最初のループは特に曲の中で上手くいかないことが多くて。練習滑走で自分の頭の中に曲をかけてコースをたどったときはそんなに悪くなかったんですけど、本番になったらすごく変な感じに跳んでしまいました。そこから後も多分斜めになってかかとから落ちるみたいな、ちょっと動画見ないと分からないんですけど、そのような感じでコンビネーションにしたかったところもできませんでした。そういう感じで、そんなミスしたことないのになみたいなことが多かったです。ただ身体が温まっていなかったとか、怪我をしていたというわけでもありませんでした。だから緊張だったりとか、先生が指摘したように前日に練習しなかったから感覚が変になったというか、頭と身体にずれが(生じた)という感じでした。普段跳べるジャンプとか朝練でちゃんと曲の中に入ったジャンプというのがかかとから落ちたっていうのが何だろうなと思いました。最後のサルコーは一番簡単なものなので、今コンビネーション二つなんですけど、どちらか失敗して付かなかったら最後のサルコーに付けようという感じでいつもやっていました。今回もフリップ、ループが(コンビネーションが)付かなかったので、サルコー-ループで跳ぼうとしたらサルコーでおっとっととなってしまいました。そんなこと一年生でも無いので、ちょっと動揺する出来ではありました。

――スピンはいかがでしたか

スピンは最近キャメルシットアップライトというコンビネーションが回るようになってきて、曲かけでも朝練でも回っていたのでそれをきれいにすることが目標でした。練習滑走よりは上手くはいったんですけど、あまり本番では上手くいきませんでした。ただスピンが二個あって、最後のシット(スピン)の方はちょっとジャンプが全部だめだったのと一個目のスピンも微妙だったなと思いながら、シットは二級の人は回れることが前提なのでそこは絶対に回っておかなきゃと思いました。かなり入りがふわっとして、入りがふわっとするのはあまり良くないんですけど、我慢してなんとか5周は回ったかなという感じでした。

――表現面は具体的にどのようなところが良かったでしょうか

手首から先が固まってしまってお椀のようになってしまうということを先生に指摘されていました。それと自分でも見て結構自分の身体の前で動いていてあまり(動きが)斜めとかじゃなくてきれいでありませんでした。それを何とかしようと思ったんですけどやっぱり足下がふらつくと手の振りを付ける前にバランスを取ろうというようになってしまいます。だからステップでいかにやりたい振りをやろうとしてもスケーティングがおぼつかないと全然だめなので、手の振りを意識し始めたのは二週間くらい前でした。それまでは苦手なダブルスリーだったりトーステップだったりを何回もやったりしてようやくいけるかもというようになったときに、こうだったら手の振りをやりやすいだとかを考えました。

――早大の方などが応援に来ていましたがその点についてはいかがでしたか

こんなに朝早くから応援に来て下さるのは本当にありがたいなと思っています。わたしは東大と一緒に練習させていただいているので、東大とかシチズン(シチズンアイスアリーナ)で一緒に練習している他の大学生だったりという主に大学から始めた人のコミュニティーと早大を通じた経験者というか小さい頃からスケートを続けている人たちという仲間の両方を持つことができています。最初はどっちつかずというかそういうところで居づらさを感じたりもしたんですけど、今になってみたらすごく幸せな経験をさせてもらっているなと感じています。特に一個上の先輩方というのは私がまだよちよちで滑るだけで転ぶというときから、ダブルジャンプだったりトリプル(ジャンプ)だったり普通にテレビで見るようなスピンだったりというのを目の前で試合で回っている方々でした。当時は遠すぎてすごいという感じだったんですけど、自分がそれに近いような少し難しい技をやっていくとだんだんそのすごさがより分かるようになってきました。引退されてしまうのはすごくさみしいところはあるんですけど、本当にそういう方達とつながりを持てたことは良かったなと思います。

――最後に来季に向けての目標をお願いします

来季は東インカレ(東日本学生選手権)と、通過したらインカレ(日本学生氷上競技選手権)にも出たいと思っています。前半に本気で頑張っているつもりだけどやりたいことができるようになるほどの練習をしていないとさんざん言われてきていました。それでこれでもだめなんだということを思いました。先生が求めているところまでやらなきゃいけないというところで、自分がそんなストイックになってできるか、練習量だけでなくて体重管理だったりとかもしなくてはいけません。そういうことをやりたかったらやるでしょみたいな感じで言われることもあるんですけど、じゃあできるかといったらまたそれは違う問題だなと思っています。今までよりはやっているつもりだったのに、だめみたいな感じになって私にやっていけるのかなと自信が無くなっているところです。一応目標としては東インカレに向けて3級取得なんですけど、自分の中で最大限やりきったといえるくらい練習ができるようになるのが関カレ(関東学生選手権)までの目標かなと思います。

谷川栞理(人1=岡山一宮)

――きょうの試合を終えて

ダブルフリップがおそらくクリーンに降りることができました。でもその後のコンビネーションが「あ、降りた」と思って上手くつなげることができなかったのがちょっと残念でした。

――ジャンプの調子は試合までいかがでしたか

練習でも前日のプログラムではノーミスで演技を終えることができたんですが、きょうはまあまあかなと思います。

――自分の中で良かったと思うジャンプは

ダブルフリップがクリーンで降りることができたことしかないです。

――スピンはいかがでしたか

まだビデオを見ていないので何回転回ったかは分からないんですけど、フライングシットの後に膝の後ろに脚を入れるものがあるんですけどそこまでつなげることができなかったです。

――表現面はいかがでしたか

笑顔で滑ることができたので良かったです。

――来季に向けて目標にしていることはありますか

来季はダブル-ダブルをクリーンで降りることと、今入れているシングルのジャンプを全てダブルにすることです。

――来季に向けての意気込みをお願いします

来季はスピンを全てレベル3以上にすることと、回転不足をなくすことを頑張りたいと思います。

東真子(法1=埼玉・早大本庄)

――きょうの試合を終えていかがでしたか

きょうは1級になって初めての大会でした。ルッツまで全部降りることができるようになったし、シット(スピン)も結構調子が良かったのでルッツも降りるしシットも回るというのが目標でした。ルッツを本番だけ降りることができなくて結構悔しかったんですけど、前日に教えていていただいている先生にあとは笑顔でかわいくと言われたので結構それがお守りみたいになって終始笑顔で頑張れたのが良かったかなと思います。

――いつ頃1級は取得されたのですか

1ヶ月くらい前です。

――ジャンプを振り返っていかがでしたか

一応あまりランディングきれいじゃ無いなというのはあるんですけど、ループもフリップもサルコーも降りることができました。エレメンツが決まらないと、なかなかエレメンツ以外の所に反省することができなくなってしまうのもだめなところだと思うので、やっぱりエレメンツは決めたかったなと思います。

――スピンはいかがでしたか

きょうは旧採点だったので、5回回って立つというよりはとりあえず絶対に形にするというのが目標でした。3回くらいは回ったので、合格では無いですけどセーフという感じです。

――笑顔で滑っていて、見ていて明るい気持ちになる演技でしたが、表現面はいかがでしたか

今1級女子の一年生が少なくて、曲も明るく楽しい曲なので一年生らしい演技ができたらなと思いました。それと本番でリンクに立ったらすごいたくさんの人が応援してくれて、本当に嬉しくてそれで笑顔が出たというのもあります。

――最後に来季に向けての意気込みをお願いします

5月半ばくらいに一試合あってそのあとは東(東日本学生選手権)ないし秋季交流戦(関東学生秋季交流戦)まで空いてしまいます。だから今の目標は春関(関東学生選手権)に2級で出たいという目標があります。なかなか近い目標ではないんですけども、諦めずに努力をしたいなと思います。