平昌五輪代表枠を懸けた戦いが、いよいよ幕を開ける。全日本選手権(全日本)初日に行われるのは、女子ショートプログラム(SP)とペアSP。早大スケート部フィギュア部門から出場する中塩美悠(人通3=広島・ノートルダム清心)と永井優香(社1=東京・駒場学園)が、本番に先立って行われた公式練習に臨んだ。
第3グループの最終滑走で登場する中塩。この日の公式練習ではジャンプの好調ぶりが目立った。曲かけ練習では、SPで予定しているトリプルトーループ―トリプルトーループ、トリプルサルコー、ダブルアクセルを全てクリーンに着氷。それ以外の時間でも転倒や着氷の乱れなどは見られず、ジャンプに心配はなさそうだ。SPでは基礎点の高いジャンプを入れていないため、一つのミスが命取りになりかねないが、西日本選手権同様ノーミスの演技を見せてくれることだろう。スピン、ステップも丁寧に確認し、最後の練習を終えた中塩。2年連続でたどり着いた全日本の舞台で、まずはフリー進出を目指す。
順調な仕上がりを見せた中塩
第4グループの4番目で滑る永井は、序盤からジャンプを入念に確認する様子が目立った。曲かけ練習を含め、冒頭のコンビネーションジャンプとダブルアクセルは高い確率で着氷。最大の鬼門はやはりトリプルループだ。東京選手権や都民体育大会ではこのジャンプが抜けたことで得点を落としており、今大会でもカギを握る。この日の公式練習でも苦戦していたが、終盤は重点的にループに挑み、何度かきれいな着氷も見せた。ジャンプ以外の要素でも高い技術を持っているだけに、本番ではジャンプをそろえ、昨季のリベンジへ向け好スタートを切りたい。
ジャンプを入念に確認した永井
30人の精鋭たちがしのぎを削る女子SPは、本日17時に開幕。早大ジャージーを着た二人が、再び日本最高峰の舞台で輝くことはできるのか――。運命の瞬間は、刻一刻と迫ってきている。
(記事 川浪康太郎、写真 石黒歌奈恵)