女子7,8級団体で2位入賞

フィギュアスケート

 日本学生氷上競技選手権(インカレ)への切符が争われる東日本学生選手権(東インカレ)の1日目に女子7,8級の試合が行われた。このクラスには松嶋那奈主将(スポ4=東京・駒場学園)、中塩美悠(人通3=広島・ノートルダム清心)、永井優香(社1=東京・駒場学園)が出場。女子7,8級団体で2位となった。

早大の先陣を切った松嶋

 早大勢で始めに登場したのは松嶋。「自信があるので、絶対失敗しないという気持ちがありました」と語るトリプルトーループ-トリプルトーループをダイナミックに決める。続くジャンプでは、1つ目のトリプルサルコーでオーバーターンとなったが、ダブルトーループをつけ得点を稼いだ。その後は3連続ジャンプの予定がダブルフリップ-シングルトーループになるなど本調子とはいかない。しかしステップシークエンス、コレオシークエンスでは全身を使い『トゥーランドット』の世界を表し、美しいレイバックスピンで演技を締めくくった。続いて登場したのは永井。「調子があがってきていたので思い切って跳べた」というトリプルルッツを冒頭に降りる。直後のダブルアクセル-トリプルトーループも着氷すると、会場を沸かせた。その後は、「疲れてしまって思うようにいかなかったので悔しい」と振り返るように1回転になるジャンプが相次ぐ。しかし、最後のダブルアクセル-ダブルトーループは着氷すると、管楽器の音に合わせステップシークエンスを披露した。「すごい疲れてしまったなというのが一番に頭に思い浮かびます」という今大会。納得の演技とはいかなかったが、透明感のあふれる演技で存在感を示した。

2度のアクセルを確実に決めた永井

  最後に登場したのは中塩美悠。スタート位置を間違えるというハプニングもあったが、ひとたび音楽が始まると、練習方法を変えて調整してきたというトリプルトーループ、トリプルフリップを相次いできれいに決めた。勢いそのままにステップシークエンスでははじける笑顔を見せ、アップテンポな曲調にぴったりのスピード感のあるスケーティングで魅せる。勢いに乗ったかと思われたが、中盤に組み込まれたトリプルサルコー、トリプルトーループは転倒。しかし、観客から大きな声援で後押しされるとダブルアクセルを着氷し、最後まで明るい表情で演じきった。「2年目なのですごく踊りやすいし、楽しく滑れました」という『ラプソディー・イン・ブルー』。中塩の魅力がつまったこのプログラムを堪能できるのも残り数回。1回1回を目に焼き付けていきたい。

はつらつとした演技で観客を楽しませた中塩

  これから3人には全日本選手権の出場を懸けた大事な一戦が控えている。東日本選手権までは一週間、西日本選手権までは二週間と調整期間は短いが、「できることをコツコツと積み重ねていきます」(松嶋)、「シーズンで一番大事な試合が西日本なので、そこにピークを持っていけるようにしたい」(中塩)、「抜けが多かったのでそこを意識して確実に跳べるようにしたい」(永井)と意気込む。再び大舞台に立つため、3人はさらに上を目指していく。

(記事 糸賀日向子、写真 川浪康太郎、藤岡小雪、小林理沙子)

結果

▽女子7,8級

中塩美悠 3位 91.10点

永井優香 4位 87.82点

松嶋那奈 11位 81.11点

松嶋那奈主将(スポ4=東京・駒場学園)

――きょうはフリップからの連続ジャンプが2回転-1回転になってしまいましたが、それについてはいかがでしたか

ちょっと1つ目のジャンプで勢いが余りすぎて、(トーループを)ダブルにしようとしたんですけど、無理だと思ってシングルにしました。その後にもう1個(ジャンプを)つけようとしたんですけど、無理だってなってしまいました。きょうは全体的に氷と自分との相性が合わなくて、ちょっとタイミングとかも結構ずれちゃったりして、ダブルになったことが多かったです。今日の試合は来週(の東日本選手権)に向けての練習だと思っていて、気が楽だったんですけど、もうちょっとできることをやりたかったな、という感じです。

――他のコンビネーションジャンプはいかがでしたか

最初のトリプルトーループ-トリプルトーループには自信があるので、絶対失敗しないという気持ちがありました。サルコー(のジャンプ)はオーバーターンしてしまいました。でもここで(ジャンプを)つけておかないと、あとあとやっぱり苦しくなるので、つけようかなって思ってちょっとでも(点数を)稼げるようにしました。

――表現面についてはいかがでしたか

今日は、楽しく滑れれば良いなと思っていました。硬い部分や体が動いていないなというのはまだありましたが、表現面はもっと上げていかなければいけないなっていうのは印象に残りました。

――東日本選手権まで1週間ですが、どのように調整されますか

今からガツガツやるというよりは、できることをコツコツと積み重ねていきます。表現面はやっぱり頑張れるところだと思うので、全体的にちょっとずつでも上げられるようにしていきたいなと思っています。

中塩美悠(人通3=広島・ノートルダム清心)

――本日誕生日ということで、特別な思いはありましたか

特にはなかったですね(笑)。

――中四国九州選手権からスパンが短かったですが、コンディションはいかがでしたか

大会が終わってすぐに靴を変えて、いつもは徐々に跳び始めるのですが、今回は最初から跳んでいたので、この試合の時には靴が折れちゃっていてその点は大変でした。

――前回はトーループが跳べない状況でしたが、そのあたりは改善されましたか

ブロックが終わってすぐに病院に行ってMRIをとったら、骨が弱くなっているけど跳んでもいいよと言われたので、2日前くらいから跳びました。3回転ー3回転はまだいいと先生に言われたので、まず試合でトーループを入れてみようということで跳びました。

――前回はミスのあったフリップとループは大きなミスなく降りました

(中四国九州)ブロックの時と練習方法を変えて、緊張したら手を締めるのが遅くなってしまうので、短い距離で跳べるように練習してきました。その練習の成果が出たのかなと思います。

――後半は疲れがありましたか

だいぶ疲れていました(笑)。

――表現面については

2年目なのですごく踊りやすいし、楽しく滑れました。西(日本選手権)はもっと緊張すると思うので、西の前にリラックスした演技ができたのはよかったです。

――フリーは2年連続で同じ曲ということでやはりやりやすさはありますか

すごくやりやすいのですが、来年は4年生で最後だと思っているので、ことしは『ラプソディー・イン・ブルー』最後の年で悔いのない演技ができるようにしたいです。

――今大会は留学から帰ってきた選手も応援に来ていましたが、力にはなりましたか

ワセダがいつもより多くて、すごく心強かったし、誕生日だったこともあっていいなと思いました。

――西日本選手権に向けてはどんな調整をしたいですか

靴が折れちゃったので、その調整をしないといけないし、ケガもまだ完治しているわけではないので、そこも調整していかないといけないです。このシーズンで一番大事な試合が西日本なので、そこにピークを持っていけるように、体調管理とケガのケアと靴のケアと、全部これから2週間しかないですが頑張ります。

永井優香(社1=東京・駒場学園)

――試合を終えて感想は

すごい疲れてしまったなというのが一番に頭に思い浮かびます。

――最初のルッツが決まりましたがいかがでしたか

最初の(トリプル)ルッツとその次の(ダブル)アクセル-(トリプル)トーループはすごく良かったかなと思っています。最近わりと調子があがっていたので思い切って跳べたと思います。

――1回転になってしまったジャンプについてはいかがですか

(ダブル)アクセル-(トリプル)トーループの後のループは完全にただの失敗というか気が緩んでしまったかなという感じです。その後のジャンプは疲れてしまって思うように行かなかったので悔しいです。

――最後の(ダブル)アクセル-(ダブル)トーループはすごくきれいでしたがいかがでしたか

アクセルは集中すれば跳べるジャンプだと思うので、ちゃんと跳べて良かったです。

――表現面はいかがでしたか

きょうは特に最後の方はすごくしんどかったので、いかに体力を残せるかというのを考えていました。そちらに気を取られてしまったかなと思うので、あまりよくなかったかなと思います。

――『オペラ座の怪人』の映画などは観られたのでしょうか

映画や、あとは劇団四季の舞台も観ました。すごく良かったです。

――4年生、3年生の留学から帰ってきた方もリンクサイドにいっぱいいらっしゃっいましたが、その面に関してはいかがでしたか

思ったよりも早大のスケート部の人がたくさんいたので嬉しかったです。

――滑走前に笑顔で話されていましたが、何を話されましたか

あまり覚えていないんですけど、落ち着いてというかあまり緊張しすぎず行けたので良かったです。

――最後に東日本選手権までどのように調整していくのかと意気込みをお願いします

まずはあした一日休んで、東(東日本選手権)までは、抜けが多かったのでそこを意識して確実に跳べるようにしたいです。疲れを残さない程度につめていけたらなと思います。