【特集】永井優香 新入生インタビュー

フィギュアスケート

 全日本選手権4位、グランプリシリーズスケートカナダ3位。数々の大舞台で素晴らしい成績を残してきた永井優香(社1=東京・駒場学園)がことし早大スケート部の一員となった。今回は現在の取り組みや早大スケート部について、さらには新たに始まった大学生活についても迫った。

※この取材は5月9日に行われたものです。

「今まで知らなかったこともたくさん知りたい」

楽しそうに大学生活について語る永井

――早大に入学したのはなぜでしょうか

 スポーツも盛んで、勉強もちゃんとできる学校ということで漠然としたあこがれがありました。それで、入りたいなと思って受けました。

――どなたからかお話を聞いたりはしていたのでしょうか

 んー、そんなに聞いていませんでした。だからあまり分からないまま入学しました。

――社会科学部を選ばれた理由は

 受験形態的に自分に合っているかなと思いました。あとは社会科学部だと広く学べるというので。私は今までスケートばかりしてきたので、今まで知らなかったこともたくさん知りたいなと思ってこの学部にしました。

――入ったばかりですが、今どのような事を学んでいるのでしょうか

 春学期は語学の授業が多いので、まだ、なんの学部に来たんだろうっていう感じなんですけど(笑)、秋学期とかが楽しみです。

――好きな授業はありますか

 第二外国語でスペイン語を選択しています。それでその授業は高校までの授業みたいな感じなので覚えなきゃいけないことがたくさんあるんですけど、覚えるときとか楽しいです。

――大学生活で友達との生活はいかがでしょうか

 社会科学部は友達が出来づらいという風に聞いたので不安でした。でもお昼を食べる友達とかもできました。全く知らない場所で最初は緊張したんですけど、友達も少しずつ増えてきたので楽しくやっています。

――普段はこちら(ダイドードリンコアイスアリーナ)で練習して、大学に行ってまた戻ってくるという感じでしょうか

 はい。だいたいそんな感じです。

「前よりも喜ぶようにしたら楽しくなってきました」

新プログラムの曲に合わせて練習を行う

――今重点的に練習していることはなんでしょうか

 全日本のあとにちょっとお休みしていたので、その空白を取り戻すじゃないですけど、あまり焦らず、跳びたいと思えるようなペースで練習しています。ちょっとジャンプ跳ぶときに怖いなと思うことがよくあって、それをあまり考えないように流れのまま跳べるようにと思ってやっています。

――今ジャンプの調子はいかがですか

 まだ全然本調子ではないんです。でも前よりも少しできたら喜ぶようにしたらすごい楽しくなってきました。この調子で3回転─3回転とかも戻していけたらいいなと思っています。

――ジャンプについてなのですが、昨年報道などでジャンプの矯正をしているということが出ていました。そのあたりは実際どうだったのでしょうか

 んー、難しいですよね。たしかに自分が矯正って言ってしまったのかもしれないんですけど、矯正というよりかは、ちょっとジャンプの調子が悪くて。1回転で開いちゃうこととかが増えたので、仕方なくちゃんと真っ直ぐ0回転から調子を戻していって3回転をやっていけたらなということでしばらく基礎練習をたくさんやっていました。

――ジャンプ以外の表現面というのは今磨いたりはされていますか

 つい最近新しいショートとフリーを作って、作ったばかりなのでこういう部分を気を付けてねと聞いたばかりなので、わりと気を付けてやっています。それがおろそかにならないように気を付けていきたいなと思います。

――練習環境は高校までと変わりましたか

 だいぶ変わったと思います。高校のときはお昼に練習があったら、スケートを優先させていました。今は授業を休むと単位が取れないので、朝練して、授業行って、戻ってきます。そしたらもう夜練とかなので、練習時間自体は減りました。でもその分間延びしなくなったので、それはすごい良かったかなと思います。

――授業との両立で大変なところはありますか

 あまり情報を知らずに難しい授業を取ってしまったらしくて、それでちょっと大変です。単位取れるように頑張ります。

――西日本の大学と比べて東日本の大学の練習環境についてはどのように考えていますか

 たしかにリンクが大学にあったら楽かなとは思います。でも私は馬場と伏見の行き来なので結構楽です。それに、ずっとリンクにいると自分はあまり長時間集中できないほうなので、逆に今くらいの環境がよかったかなと思っています。

――今シーズンのコーチについてお伺いしてもよろしいでしょうか

 今は東伏見のリンクの中田誠人コーチにお願いしています。お願いしてから3ヶ月ちょっとくらい経ったんですけど、最初はとりあえずジャンプを戻そうっていう感じで自由にやらせてもらっていました。だからまだすごい細かい部分とかはやっていないですけど、すごくやりやすいです。

――昨季は苦しいところもあったと思うのですが、どんなシーズンでしたか

 昨季はいつの間にか終わっちゃったっていう感じです。毎日忙しくて、毎日張り詰めていたら終わったっていう感じです。

――不調の部分もあったと思うのですが、その原因というのはご自身ではどのように考えていますか

 いろいろとマイナス思考になりがちでした。去年は一応受験もして、塾に行ったりとか慣れない勉強とかもしていて。変に心配性なのでここ勉強しなきゃとか思うと、練習している時ももうウズウズしたりとか、練習に行ったら行ったで、集中しようと思ってもジャンプが跳べないからちょっとイライラしちゃったりとか、いろいろとうまくかみあっていなかったかなと思います。

――先ほどお話しされていた、今季のプログラムは何でしょうか

 ショートが『レ・ミゼラブル』の 『On My Own』で、フリーが『オペラ座の怪人』です。

――選んだ理由はありますか

  両方とも今すごい気に入ってるんですけど、先生方に選んでもらいました。

「自分なりの良い演技を届けたい」

――早大スケート部のイメージは

 去年とかはインカレ(日本学生氷上競技選手権)ですごく良い成績を残されていて、私も入って貢献したいなっていう気持ちですね。

――早大に入学してもスケート部に入部されない方もいらっしゃいますが、スケート部に入部した理由などはありますか

 あまり(スケート部に)入らないっていう選択肢がなかったので、普通に入りました。

――早大の選手との交流はありますか

 学校内だとあまり会わないですね。この間スケート部の集まりがあったときとかは、同い年の子と仲良くなれました。あとは、大学4年生の松嶋(那奈、スポ4=東京・駒場学園)先輩とかは高校も同じだったので、ちょっとお話させていただいたりとか。あと通信なんですけど、中塩美悠(人通3=広島・ノートルダム清心)ちゃんとか、他にもいろいろ知り合いがいたので、すごい安心しました。

――松嶋さんとは高校の先輩後輩ということで前から関わりはあったのですか

 高校自体は学年的にかぶっていないんですけど、でもお互いに知っているので、たまに声をかけていただきます。(松嶋さんが)伏見に練習しに来ていた時期もあるので、お話します。

――スケートの集まりというのは、中塩さんのインスタにあがっていたときのことでしょうか

 そうですね。三部会的なものです。

――世界的な大会に今まで出場されてきて得たことがあったら教えてください

 たくさんあったと思います。(大会に)行っていたときは選手としてちゃんとやらなきゃなっていう気持ちはあったんですけど、今行っていない時期とかに考えると、今まですごいことをしていたのかなと思うようになりました。世界選手権とか観ていて、みんなすごいプレッシャーの中で素晴らしい演技をしていたので特別な経験をさせてもらっていたんだなということは改めて感じました。

――その際に交流した選手はいますか

 すごい選手になっちゃったんですけど、(エフゲニア・)メドベージェワ(露)選手とかですね。人懐っこいので、部屋に来ていたりとか、ジュニアのときから一緒だったので、一緒に写真撮ったりだとかしていましたね。

――今の女子フィギュア界についてはどのように感じていますか

 今までは年上の選手達が引っ張ってくれているっていう感じがしていました。でも今はもう完全に世代交代して、普通に友達がみんな頑張っているから変な感じはするんですけど、自分も頑張らなきゃいけないなという気になりますね。

――浅田真央さんに憧れてフィギュアスケートを始めたと以前読んだことがあったのですが、浅田真央さんの引退についてどのように感じられましたか

 あのタイミングでの引退発表はびっくりしました。まずは本当にお疲れ様でしたっていう気持ちです。これからの人生も長いと思うので、私が言うのもおかしいですけど、これから沢山いいことが待っているといいなと思いました。

――ご自身が考えるフィギュアスケートの魅力を教えてください

 フィギュアの魅力は音楽に合わせて踊るっていう部分も、すごい素敵だと思います。その中でもジャンプとかスピンとかの技とかも入ってくるので、スポーツとしても見られるので、いろいろな見方ができるというのはすごく面白い競技なんじゃないかなと思います。

――オフの日は何をしていますか

 オフの日⋯なんだろう(笑)。溜まった課題とかやっています。

――課題は多いですか

 んー、わりとちゃんと用意しておかないと気が済まない性格なので、自分で作っちゃっているところもあるのかなと思います(笑)。勉強大丈夫かなと思う部分もあるので、ほかの人に追いつけるようにしている部分もあるのかなと思います。

――今季の予定について教えてください

 来月に関カレ(関東学生フィギュアスケート選手権)があります。そのあとはまだ決まっていないので、試合がきたら合わせていきたいです。

――ファンの方へのメッセージをお願いします

 良い時も悪い時も応援してくださる方がたくさんいて、本当に心の底からありがたいなと思いました。これからも自分なりにいい演技を届けられるように努力していきたいと思うので、応援よろしくお願いします。

――ありがとうございました!

(取材・編集 川浪康太郎、糸賀日向子)

 

大学での目標を書いてくださいました!

◆永井優香(ながい・ゆうか)

1998(平10)年11月30日生まれ。162センチ。東京都出身。社会科学部1年。インタビュー後の練習では、ジャンプを確認したり、曲かけ練習をおこなったりしていました。またリンクメイトと話をしているときには、練習中の表情とは違うリラックスした表情も見られました。早大スケート部の一員としての活躍が今から楽しみです!