東西日本選手権展望

フィギュアスケート

 先日の東日本学生選手権(東インカレ)で1位、2位に輝いた中塩美悠(人通2=広島・ノートルダム清心)と松嶋那奈(スポ3=東京・駒場学園)。好調の二人が、シーズンのヤマ場を迎えようとしている。中塩は西日本選手権(西日本)、松嶋は東日本選手権(東日本)で、全日本選手権(全日本)進出を懸けた戦いに挑む。

 西日本では上位10名に全日本への切符が与えられる。中部ブロックは10名中7名が昨季の全日本に出場しており、今季も脅威。特に、8月のサマーカップで表彰台を独占した新田谷凜、大庭雅、加藤利緒菜の中京大トリオにはここで雪辱を果たしたい。近畿ブロックからはブロック免除の木原万莉子(同大)はもちろん、籠谷歩未(神戸FSC)ら急成長中の若手も全日本の座を狙う。そして、中四国九州ブロックでは後塵を拝した竹野比奈(福岡大)、津内胡菜(倉敷FSC)にも負けてはいられない。どの10名が進んでもおかしくない大混戦。中塩の命運を握るのはフリースケーティング(FS)の出来だ。東インカレではジャンプの構成と振り付けを変更。『きれいなラプソディー・イン・ブルー』を取り戻し、久々の100点台をたたき出した。この調子を維持し、昨季けがで出場を断念した日本最高峰の舞台に舞い戻る。

東インカレではフリーで高得点をマークした中塩

 一方、東日本から全日本へ進むことができるのは、シードの樋口新葉(日本橋女学館高)を除く上位6名。中でも北海道東北ブロックには強敵がそろう。優勝した今井遥(新潟県連)をはじめ、表彰台に上った3名はいずれもブロックで松嶋を超える点数をマーク。昨季の全日本に出場した高橋美葉(札幌大)、土橋亜美(北海高)も侮れない。同じ東京ブロックでは同級生ライバルの鈴木美桜(慶大)、藤澤亮子(法大)らが顔をそろえる。関東ブロックを制した船迫麗愛(千葉経大附高)も勢いがあり、まさに群雄割拠の東日本。生き残るカギは、なんといっても最大の武器であるトリプルトーループ―トリプルトーループだ。ショートプログラム、FS共に冒頭に跳ぶジャンプ。これが決まれば、そのリンクは一気に松嶋の独壇場となる。昨季、わずか1.89点差で逃した晴れ舞台への切符。今こそ、リベンジの時だ。

スピンで魅了する松嶋。今季は好調を維持している

 ブロックの点数を考慮すると、共に当落線上にいる二人。だが、東インカレで見せたような演技ができれば、全日本進出は難しくない。西日本は今週末、東日本は来週末に行われる。運命の日は、もうすぐだ。

(記事 川浪康太郎 写真 松本一葉、川浪康太郎)

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