成長を見せるも、課題残る

フィギュアスケート

 東日本学生選手権(東インカレ)から2週間が経過したこの日、和やかな雰囲気の中、関東学生秋季交流戦が開催された。早大からは小林里紗主将(社4=東京・三輪田学園)、宮下真梨子(国教3=米国・ミルバーン高)、安井ゆり(政経1=東京・豊島岡女子)の3名が登場。それぞれが課題を見つけ、次につながる試合となった。

 初級女子で登場したのは、今大会が2戦目となる安井。両腕を大きく広げ、堂々とした演技を披露する。20位という結果に終わったものの、後半でもジャンプを決め、安井自身も「すごく調子が良かった」と満足気に振り返った。短期的な目標として年内の1級取得、長期的な目標として3級取得と東インカレや日本学生氷上選手権への出場を挙げる。向上心の高さをうかがわせた安井は、今後大きく成長してくれることだろう。

堂々とした演技を披露する安井

 続いてリンクに上がったのは、3・4級女子で14位となった小林主将。東インカレで悔しい内容に終わったスピンは綺麗にきまり、鍛練の成果を発揮する。直前の練習で入念に確認していたジャンプも、「いつも通りにできてよかった」(小林主将)と語ったように難なく終えた。5級女子で滑走した宮下は、東インカレと比べジャンプの着氷で安定感を見せる。途中で曲調が変わるプログラムだったものの、身体全体を使ったメリハリのあるステップで優雅に舞い、3位に輝いた。

東インカレの悔しさをバネに、安定感ある演技を魅せた宮下

 小林主将、宮下は次戦の目標として、ノーミスの演技をすることを挙げた。一方安井は、「思ったよりも脚が上がらなかった」というスパイラルを課題に挙げる。今大会で得た自信や悔しさを胸に、より高みを目指した挑戦は続いていく。

(記事 橋本望、写真 井上莉沙)

結果

▽初級女子

安井ゆり 20位

▽3・4級女子

小林里紗 14位

▽5級女子

宮下真梨子 3位

コメント

小林里紗主将(社4=東京・三輪田学園)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

前回の東日本インカレよりは上手くまとめられました。前回はスピンが全滅だったのですが、今回は最後のコンビネーションもちゃんとできました。フライングシットは少し失敗してしまったんですけど、一応着地して回ることは出来たので、前回よりは良かったと思います。

――きょうの試合の位置付けはどのようにお考えですか

いつもの大会と同じように全力で臨みました。

――前回の東日本インカレから今大会まで、約2週間ありました。どのような練習をされてきたのですか

前回はスピンがだめだったので、スピンを重点的にやりました。プログラムの中でも曲の中でも本番でも、ちゃんと入れられるようにというのを一番重点的にやってきました。それと、つま先とか指先をちゃんと動かしてきれいに滑るということを意識してやってきました。

――直前の練習ではジャンプを中心に練習していましたが、きょうのジャンプの出来はいかがでしたか

きょうは、結構いつも通りにできて良かったです。氷が練習環境と違い、少し不安があったので練習の時には重点的に練習しました。何も変わらずにできたので良かったです。

――表現面はいかがでしたか

もっと表情をつけたりとか、身体全体を使って背中から手を動かしたりとか、そういうところがまだまだ練習しなければいけないなと思っています。

――次の出場予定について教えて下さい

次は、2月のバレンタインカップです。試合以外では、その前にエキシビジョンの早慶戦があります。

――その大会での目標を聞かせてください

次の大会では、フライングシットも含めて、全部ノーミスでやりたいです。あと、スピンのいろいろな変形ポジションを練習して習得して、それを試合に入れたいと思っています。

宮下真梨子(国教3=米国・ミルバーン高)

――きょうの演技を振り返って

すごく緊張してジャンプもあまり飛べなかったので残念です。

――東インカレのときと比べ、確実にジャンプを着地して成功しているように見えましたが、まだまだ課題が残ったということでしょうか

今回もコンビネーションジャンプがしっかりと入らなかったので、そこはもっと練習していきたいと思います。

――後半では曲調が変化し、ステップが続くプログラムでしたが表現面での出来はいかがでしたか

表現の方もまだまだ改善していきたいです。

――今後の出場予定について教えて下さい

2月のバレンタインカップに出場する予定です。

――バレンタインカップでの目標はありますか

コンビネーションジャンプをしっかりきめることと、ノーミスで演技を終えることです。

p class=”mt15″>安井ゆり(政経1=東京・豊島岡女子)

――きょうの演技を振り返って

1ヶ月ほど前にもう一つ試合があってそれがデビュー戦だったんですけれども、その時にジャンプは全部飛べたのですが、スパイラルが最後に入らなかったので、今回は脚を持ってスパイラルをすることを目標としていました。きょうはすごく調子が良かったんですけれども、思ったよりも脚が上がらなかったのでそこが一つとても納得いかないところです。でもジャンプは飛べて、ステップも思ったよりできたので総合的には満足しています。

――プログラムに使用した曲について教えて下さい

曲はアニメ映画の「サイコパス」というもののテーマから取った音楽で、一緒に練習している東京大学の先輩に作っていただいたプログラムです。アニメの中で重要なキーワードとなっているポーズを最後に取り入れているのでそういうところを見てもらえると嬉しかったです。

――大学以前はどのような環境で練習されていたのでしょうか

私は未経験者で、大学に入ったらスケートをやりたいとずっと思っていたので、高校1年生の1月頃から自分で高田馬場のシチズンのスケートリンクに週に1回くらいで通っていて、その後3ヶ月間ほど週1回のペースで教室に通って少しずつ練習していました。受験前半年くらいは全くリンクに行けていなくて、大学1年生の4月、5月くらいから週の3、4回のペースでやるようになりました。

――ワセダの練習環境はいかがですか

先輩方はすごい選手が多いので、試合を見させていただくだけで本当にためになっていて、上手すぎて参考にならない部分も多々あるんですけれども、すごく刺激になっています。同じリンクで練習をすることは(個々で練習拠点が異なるので)あまりないのですが、そういう形でとても刺激を受けています。

――今後、大学で目標にしていることはありますか

短期的な目標としては、年内に1級を取りたいと思っています。できたら11月15日で取りたいんですけれども、そこはきょう、あすくらいで悩んで決めたいと思います。長期的な目標としては、3級を取ると東インカレやインカレに出ることができるので、3級を取ってインカレに出るような選手になりたいと思います。