東西の精鋭たちが集う日本学生氷上競技選手権(インカレ)が、北海道の釧路市で開幕した。この日は男女B・Cクラスの試合が行われ、早大からは礎良輔(基理2=東京・早大学園)、木村遥香(文1=群馬・中央中教校)、土橋美菜海(国教1=ドイツ・インターナショナルスクールオブデュッセルドルフ)が出場。男子Bクラスの礎は予選より10点以上高い得点で6位に入賞した。一方、女子Bクラスの木村は思うように点数を伸ばせず23位、同じく女子Bクラスの土橋はジャンプの回転不足が目立ち18位に終わった。
丁寧な滑りで得点を重ねた礎
予選である東日本学生選手権(東日本インカレ)では、冒頭のミスから立て直すことができず納得のいかない内容だった礎。きょうは「いままでの中では一番よかった」との言葉通り、一転して鮮やかな演技を披露した。課題だった最初のダブルフリップをきれいに決めて流れをつかみ、普段から得点源にしているスピンでも高いレベルを獲得。昨シーズンから使用しているプログラムとあって、曲への思い入れを感じさせるステップも光る。終盤のジャンプでは着氷でよろける場面もあったものの、大きなミスなくまとめた。結果は56.56点で、きょねんより順位を2つ上げて6位となった。
次第に緊張がほぐれたという木村
ルーキーの木村と土橋は、ともにインカレ初出場。演技直前にリンクサイドの部員に励まされ、「みんながついているんだと思って自信になった」という木村は、序盤でダブルアクセルを成功させ勢いに乗る。しかし、疲れのたまる後半で失速し、表現面についても「最後まで表現しきれなかったかもしれない」と語った。土橋も「緊張したけれど、友達がみんな応援してくれて頑張ろうと思えた」と、仲間の支えに後押しされて氷上に立った。しかし、インカレの重圧は手ごわかった。「ステップも途中で止まりそうになってしまい、振り付けも100パーセント出し切れてないなと思うところがあった」。東日本インカレでは緩急をつけたスケーティングで魅せたが、その強みを生かすことができない。目標にしていた2つのダブルアクセルも回転不足や両足着氷で失敗に終わり、悔しい内容となった。
ステップを披露する土橋
「次は新しい曲になっていると思うので、早く慣れて演技できればなと思います」と礎。新たなプログラムでも、今大会で得た自信を糧にさらなる成長を見せてくれることだろう。一方、今回は振るわなかった木村と土橋も、「点数があまり伸びなくて悔しかったので、来年もインカレに出られるように頑張る」(木村)、「最後まで滑り切れたことはよかったけれど内容は悪くて悔しいので、また1年頑張る」(土橋)と前を見据えている。1年後に進化した姿を見せるべく、ここからまた努力を重ねるのみだ。
(記事 又坂美紀子、写真 芝原健輔、落合修平)
結果
▽男子Bクラス
礎良輔 6位(56.56点)
▽女子Bクラス
木村遥香 23位(42.76点)
土橋美菜海 18位(44.58点)
コメント
礎良輔(基理2=東京・早大学院)
――演技を終えて率直な感想は
いままでの中では一番良い演技でした。
――良かったところは
前回の反省点だった冒頭のフリップジャンプを気持ち良く降りられたので、その後の流れもつかめて良い感じで演技できたと思います。
――冒頭のフリップジャンプは練習でも調子が良かったのですか
ここ最近の練習ではほとんどミスなく、きのうの公式練習でも下りていたのでいけるかなと思っていました。
――きょうの目標は
前回みたいにボロボロにならないためにも冒頭のフリップジャンプを決めて流れをつかんで、スピンやステップでも取りこぼさないように
――以前メンタルの部分に課題があるとおっしゃっていましたが
特別なことは何もしていないんですけれど、試合前は多少リラックスしてできたんじゃないかなと思います。昨年も1回(インカレを)経験しているので余裕が持てたのだと思います。
――フリップジャンプ以外に意識していたジャンプはありますか
イナバウアーからのループという加点を狙ったジャンプがあって、それも跳びたかったのですがそれが転びはしなかったですけどミスになってしまったので惜しかったなと思います。
――スピンやステップではアピールできましたか
回転に気をつけて、途中で崩れたりせず回り切れたと思います。前回よりもレベルが取れていて良かったです。加点をもらえたものもありました。
――長い間使ってきた思い入れのある曲だったと思いますが
2年近く使ってきた曲なのでようやく表現の部分でも少しはできたかなと思います。
――この曲で滑るのはきょうが最後ですか
そうですね。次からは新しい曲を使おうと思っています。
――思い入れのある曲で最後に良い演技ができたという感じでしょうか
そうですね。本当に。
――プロトコルをもらっての感想は
フリップジャンプが全部エラーがついていたのでそこが課題かなと思います。2シーズン後になるとジャンプとしてカウントされなくなってしまうので。
――きょうの演技を振り返って、何点くらいつけてあげたいですか
80点くらいはつけてあげたいですね。
――昨年から順位を上げましたがそれについては
順位よりも自分の演技ができれば十分かなと思っています。
――次の目標は
次は新しい曲になっていると思うので、早く慣れて演技できればなと思います。
木村遥香(文1=群馬・中央中教校)
――初めてのインカレでしたが、緊張はされましたか
最初はすごく緊張したのですが、最初のジャンプが決まったので、それからは次のことを考えて緊張しなくなったと思います。
――きょうの調子は
ここの氷は固いと聞いていて、きのうの公式練習でトウが入らなくてヤバいなと思っていたのですが、きょうの6分間練習ではまだ良かったので、大丈夫でした。
――本番になるとスピードが落ちてしまうことを課題にあげていましたが
きょうもちょっと落ちてましたね。氷を押していたのですが進まないんです。もう少し頑張りたいです。
――連続ジャンプの成功がありましたが
初めは3連続にしていたのですが、3つ目のジャンプが回転が足りないことが多くて、そのために2つにしたので決められて良かったです。
――表現面については
最初は気をつけていたのですが、だんだん疲れてきて最後まで表現しきれなかったかもしれないと思ったので、これからの課題ですね。
――演技の前にチームの方とお話しされてましたが
落ち着いてというのと、できるよというのを言ってもらって、良い人たちばかりなので、みんながついているんだと思って自信になりました。
――今後の目標は
自分では良い出来だなと思っていたのですが、点数があまり伸びなくて悔しかったので、来年もまたインカレに出られるように頑張って、自分ができたと思ったらそれなりの点数が出るように頑張りたいです。
土橋美菜海(国教1=ドイツ・インターナショナルスクールオブデュッセルドルフ)
――きょうの演技を振り返って、いかがでしたか
最近練習の調子も良くなくて不安だったのですが、最後まで滑り切れたことは自分の中では良かったです。でも、内容はすごく悪くて悔しいので、また1年頑張ります。
――初めての日本学生氷上競技選手権(インカレ)でしたが、緊張などはありましたか
すごく緊張しました。でも、友達がみんな応援してくれて頑張ろうという気持ちになれたので、すごくありがたかったです。
――6分間練習では2アクセルを重点的に練習されていましたが、2アクセルを2回入れることにはやはり思い入れがあったのですか
そうですね。インカレに向けて2アクセルを2つ入れることが目標だったので、それを中心に練習していたのですが、駄目だったので次は頑張ります。
――内容に関して、具体的に課題に感じたところはどこですか
やはりジャンプが、転んだとか立てたとかではなく、回転不足が多くてきっちり回れてなかったので、そこがすごく悔しかったです。
――表現面に関しては、いかがでしたか
思い切りやったつもりなのですが、やはり緊張もあって、ステップも途中で止まりそうになってしまったり、振り付けも100パーセント出し切れてないなと思うところがあったので、これから頑張ります。
――これからの改善点や目標を教えてください
課題は、2アクセルを確実に飛べるようにすることと、3回転をもっと練習して飛べるようになることです。