SO杉本頼亮(スポ2=京都・桂)が「ボールも人も見えなかったです」と語るほどの濃霧の中、サニアパーク菅平で夏合宿を締めくくる帝京大Bとの試合が行われた。霧の影響で中断を挟んだ前半、早大Bは帝京大Bのディフェンスに押され、前に出ることができずミスも多発する。霧が晴れてきた後半、早大Bは2トライを決めるも素早い帝京大Bの攻撃に守備が追い付けず失点を重ね、19-78と大差での敗北となった。
終始、濃い霧の中で試合が行われた
グラウンドには選手の姿は見えず声だけが響いていた。早大Bのキックオフから始まった前半、早大Bは敵陣でのプレーを継続する。しかし、開始6分ラインアウトから早いテンポで左サイドに展開され、一気にゴールライン割られ失点。立て直そうとする早大Bは、プレッシャーをかけ帝京大Bのキックミスを誘い、ゴール前でチャンスを得る。ここで取り返したかったが、ボールを奪われてしまいそのまま外に展開され失トライ。帝京大Bはポイントを作ってからの球出しが早く、リズムを作られるとディフェンスが後手に回ってしまい止められない。反撃したい早大Bは17分、ゴール前5メートルでペナルティーを得て得点のチャンス。ラインアウトからのサインプレーでフランカー池本翔一(スポ4=愛知・千種)が待望のトライを挙げる。FWがモールで押し込む場面も見られ、接点では負けていなかった。さらに得点を重ねたい早大Bだったが、帝京大Bのオフェンスにたたみ掛けられ3トライを追加され前半終了。
相手の攻撃のテンポをいかに崩すかがカギになる後半、何度かターンオーバーで攻撃の機会を得るも、相手ディフェンスのプレッシャーからかミスが多く好機を逃す。終始帝京大Bムードの後半だったが、25分早大Bがゴール前のペナルティーからモールで前進。最後はロック飯嶋進策(国教1=茨城・清真学園)がゴールエリアに飛び込んだ。その後37分、早大Bはターンオーバーから相手の隙をついたCTB滝沢祐樹(基理4=福島)の速い攻めで大きくゲインし、ディフェンスが戻れていないところをSO浅見晋吾(スポ4=神奈川・桐蔭学園)がライン際にボールをねじ込む。ディフェンスでも前に出たい早大Bだったが、スピードをつけて走り込んでくる帝京大Bの選手に対応できず一発で抜かれる場面が多い。3トライを奪うも、帝京大Bの圧倒的なスピードの前に次々とトライを許し悔しさの残る試合となった。
この試合では帝京大Bの動きについていけていない。抜かれるとディフェンスが戻りきらないうちに次の攻撃を始められてしまい、立て直せずにトライまで繋がってしまった。しかし、タックルや接点では春よりも勝負できている印象を受ける。優勝争いに必ず絡んでくるであろう帝京大をどう攻略するかが今後のポイントになるだろう。関東大学対抗戦まで残り2週間、負傷者の多いときこそBチームの力が勝敗を分ける。短い期間でどれだけ突き詰めチームの実力を上げられるか、次の試合では必ず期待に応えてくれるはずだ。
(記事 高橋団、写真 吉澤奈生)
ジュニア夏季オープン戦 | ||||
---|---|---|---|---|
早大B | スコア | 帝京大B | ||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 |
1 | 2 | T | 6 | 6 |
1 | 2 | G | 4 | 5 |
0 | 0 | P | 0 | 0 |
0 | 0 | D | 0 | 0 |
7 | 14 | 計 | 38 | 40 |
19 | 合計 | 78 | ||
【得点】▽トライ 池本、飯嶋、浅見 ▽ゴール 鈴木亮(1G)、浅見(2G) | ||||
※得点者は早大のみ記載 |
早大B登録メンバー | |||
---|---|---|---|
背番号 | 名前 | 学部学年 | 出身校 |
1 | 石川 敬人 | スポ4 | 茨城・茗溪学園 |
2 | 周藤 直也 | 社3 | 東京・早大学院 |
3 | 渡瀬 完太 | 商4 | 東京・早大学院 |
4 | 飯嶋 進策 | 国教1 | 茨城・清真学園 |
5 | 松井 丈典 | スポ1 | 愛知・旭野 |
6 | 池本 翔一 | スポ4 | 愛知・千種 |
7 | 佐藤 真吾 | スポ1 | 東京・本郷 |
8 | 鶴川 達彦 | 文構2 | 神奈川・桐蔭学園中教校 |
9 | 山岡 篤樹 | 教4 | 東京・本郷 |
10 | 杉本 頼亮 | スポ2 | 京都・桂 |
11 | 鈴木 亮 | 教4 | 神奈川・桐蔭学園 |
12 | 高橋 吾郎 | スポ2 | 福岡・修猷館 |
13 | 滝沢 祐樹 | 基理4 | 福島 |
14 | 山川 慶祐 | 社3 | 東京・早実 |
15 | 作田 蓮太郎 | 教2 | 東京・早実 |
リザーブ | |||
16 | 鷲野 孝成 | 基理1 | 神奈川・桐蔭学園 |
18 | 柴田 雄基 | 文2 | 愛知・千種 |
19 | 中庭 悠 | 人4 | 茨城・水戸第一 |
20 | 浅見 晋吾 | スポ4 | 神奈川・桐蔭学園 |
※監督は後藤禎和(平2社卒=東京・日比谷) |
コメント
フランカー池本翔一(スポ4=愛知・千種)
――この試合にはどのようなテーマを持って臨みましたか
「前に出る」という気持ちでディフェンスでもオフェンスでも体を当てようと心がけていたのですが、やりきれなかったところが敗因でした。
――試合を振り返ってどうでしたか
試合前やろうとしていたことが出来なかったのが敗因なので、そこを次の試合に活かしていかないといけないなと思いました。
――この試合でのトライを振り返ってどうでしたか
あれはFWでやろうとしていたことだったので、遂行できてよかったです。
――そのようなプレーをしようと事前に決めていたということですか
途中霧で試合が中断された時に、サインを決めて実行しました。
――霧の深い中での試合でしたが、影響はありましたか
みんな集中していたので、特に影響は無かったように思います。
――春にも帝京大との試合がありましたが、その時との差はありましたか
帝京大もレベルが上がっているので、自分たちがそれ以上にレベルアップしていかないと追いつけないし、追い越せないので、もっとやることをしっかりやらなくてはいけないなと思います。
――夏合宿を振り返っていかがでしたか
Bチームの中で、4年生のリーダーとしてやるべきことを話し合ってはいたのですが、最後の試合がこのような結果で終わってしまい、出来ていなかったのだなと感じています。
――再来週からは関東大学対抗戦が始まりますが、意気込みを教えてください
この合宿を通して明確になった課題や反省を、これからの練習で潰していき、秋のシーズンでは帝京大に勝てるように頑張ります。
SO杉本 頼亮(スポ2=京都・桂)
――夏合宿最後の試合でしたが、コンセプトはありましたか
敵陣で徹底継続するというのをAもBも意識していました。
――春の帝京大戦との違いはありましたか
敵陣で徹底して継続するという意識がチーム全員で統一されていて、キックでエリアを取れていたと思います。
――BKが一発で抜かれてしまうことが多くありましたがディフェンスについてはどうでしたか
FWでゲインされて後手に回りBKで抜かれることが多かったので、まずは内側のディフェンスをしっかりすることが大切だと思いました。
――霧の影響はありましたか
ボールも人も見えなかったです。
――夏合宿を振り返っていかがでしたか
SOとSHをどっちもやらせてもらえてアタックの面では十分通用したと思うんですが、ディフェンスはできていなかったのでディフェンスを練習したいと思います。
――2週間後の関東大学対抗戦に向けて一言お願いします
SOかSHどっちで出るかわかりませんが、どちらで出てもいいようにしっかり準備していきたいと思います。