全国大学弓道選抜 6月28日 東京・明治神宮
全国大学弓道選抜大会(選抜)が明治神宮で2日間にわたって開催された。全国各地区から選ばれた大学が明治神宮に集結し競う大会だ。予選上位16チームが決勝トーナメントに進出する。大会1日目は男子団体の予選と決勝が行われた。早大は予選を計16中で通過。決勝トーナメント1回戦の大経大戦では同中一手競射でも決着がつかず、同中一中競射までもつれこむ。ここで抜群の集中力を発揮して全員が的中し、2回戦に進んだ。しかし強豪法大相手に同中一手競射まで持ち込むも2中及ばず、ベスト8敗退となった。
大鳥居を横目に、木々に囲まれた北参道を抜けた先の趣ある弓道場で試合は行われた。41チームが予選に出場し、男子は5人順立一人4射の合計20射の的中数で競う。予選で早大は、大前の家田翔平(基理4=早稲田佐賀)が初矢を中て幸先の良いスタートを切った。その後も順調に的中を重ね、佐藤蒼(教2=東京・早大学院)、市橋健成(教3=早稲田佐賀)が皆中、家田と河野誠也副将(人4=埼玉・県立浦和)が3中。合計16中にまとめ、順当に決勝トーナメントに駒を進めた。

予選で弓を引く家田
決勝トーナメント1回戦は緊迫した展開となった。対するのは予選を同じ16中で通過した大経大。前半、早大は6中と奮わず1中差をつけられる。家田、河野副将の4年生2人が皆中し後続3人も立て直しをはかるが、大経大はなかなか崩れない。早大の行射が終わった時点で相手は残り3人、変わらず1中差。大経大の落までその差は埋まらず1回戦敗退かと思われた。しかし落が最後の矢を抜いたことで、早大は同中一手競射に望みをつなぐことに。そこで簡単に勝負は決まらず、7中でまたもや同中。この後は決着がつくまで同中一中競射を続けることになる。プレッシャーのかかる場面、早大は圧巻の勝負強さで全員が的中。多くの観客が息をのんで見守る試合を見事勝利した。

決勝トーナメント1回戦で弓を引く河野副将
2回戦の相手は2週間前に行われた全関東学生弓道選手権大会(全関)で準優勝、今大会予選1位通過の強豪法大。前半で差をつけられてしまうが、最終的に佐藤と市橋が皆中、河野副将と浅井啓真(法2=東京・早大学院)が3中で計16中。法大の落前が4本目を抜き、またしても同中一手競射に。ところが7中-9中と及ばず、悔しい2回戦敗退を喫した。
河野副将は「まだまだ課題がある」とする一方で、全日本学生弓道選手権大会(インカレ)に向けて「頼もしい後輩が多く、十分に優勝も目指せると考えている」と語る。夏を経てさらに力を得るだろう弓道部の、さらなる飛躍に期待だ。
(記事・写真 河野紗矢)
結果
▽予選
大前 家田 4射3中
弐的 河野 4射3中
中 繁田 4射2中
落前 佐藤蒼 4射皆中
落 市橋 4射皆中
20射16中
▽決勝トーナメント1回戦
大前 家田 4射皆中
弐的 河野 4射皆中
中 繁田 4射2中
落前 佐藤蒼 4射3中
落 市橋 4射2中
早大15中-大経大15中
同中一手競射
大前 家田 2射皆中
弐的 河野 2射皆中
中 繁田 2射0中
落前 佐藤蒼 2射皆中
落 市橋 2射1中
早大7中-大経大7中
同中一中競射
大前 家田 ○
弐的 河野 ○
中 繁田 ○
落前 佐藤蒼 ○
落 市橋 ○
○早大5中-大経大2中
▽決勝トーナメント2回戦
大前 家田 4射2中
弐的 河野 4射3中
中 浅井 4射3中
落前 佐藤蒼 4射皆中
落 市橋 4射皆中
早大16中-法大16中
同中一手競射
大前 家田 2射1中
弐的 河野 2射皆中
中 浅井 2射皆中
落前 佐藤蒼 2射皆中
落 市橋 2射0中
●早大7中-法大9中
コメント
河野誠也副将(人4=埼玉・県立浦和)
――最後学年の選抜でしたがどのような気持ちで臨みましたか
全関で思うような射ができなかったので、選抜こそはという気持ちでした。4年生として、これ以上後輩に迷惑をかけられないという思いもあったので、今回の選抜では、これまで以上に与えられた4本をしっかり詰め切ろうという気持ちが強かったと思います。
――チームを試合全体で振り返って
良い雰囲気で臨めていたと思います。ただ、普段の立の練習では前半10射を9中以上という目標を持って取り組んでいたため、まだまだ課題はあると感じています。相手にプレッシャーをかけつつ、良い流れで後半につなげるためにも、引き続き意識する必要があるのかなと感じています。
――大経大戦、法政戦ともに緊張の場面が連続しましたがそれぞれいかがでしたか
2試合とも1射1射丁寧に引くことを最優先に臨みました。どんな試合であっても常に緊張してしまうので、試合展開に関係なく、とにかく1射1射丁寧に、決めたことをやり切って中てることだけを意識していました。
――インカレに向けて意気込みをお願いします
昨年は予選敗退しているので、まずは予選を大事にしたいと思います。近年の早稲田は、全関、選抜含めトーナメント戦においてベスト8止まりなので、最低でもベスト4進出を目指します。頼もしい後輩が多く、十分に優勝も目指せると考えているので、インカレに向けて夏休み期間を大切に過ごしたいです。