7年ぶりの1部昇格へ、初戦は白星発進

弓道

 遠ざかった1部リーグという舞台に再び返り咲くため、負けられない戦いが幕を開けた。平成28年度東京都学生連盟リーグ戦(リーグ戦)の初戦は首都大東京と対戦。中盤までは緊張から的中数を伸ばすことができず接戦を演じるも、勝負どころで集中力が光る。最終的中を117―113とし、大事な初戦を制した。

 1敗も許されない戦い。リーグ戦独特の雰囲気やプレッシャーからの緊張感が両校に漂っていた。好スタートを切りたい1立目、先攻の首都大東京は22中。対する早大は緊張から固さがでてしまい初立が12中、弐ノ立が9中と思うように的中数を伸ばすことができない。続く2立目は両校の初立が11中で終え、序盤に生まれた1本の差は詰められないままでいた。そのため弐ノ立では高的中が求められたが、全員が2射目を終えた時点で8射3中。苦しい展開が予想されるも、ここで早大が意地を見せた。大前の廣瀬智紀(人3=静岡・清水東)が後半の初矢を詰めると、そのまま全員が1本も抜くことなく11中と的中数を何とか保つことに成功。それでも3立目は両校共に23中となり66-67と1本を追うかたちで前半を終えることになってしまった。

最後のリーグ戦に臨む大久保主将

 迎えた4立目。先に流れを変えたのは早大だった。大前の髙橋真人(先理2=東京・早大学院)が初矢をしっかり決めるとその後も全員が着実に的中を重ねていく。大落の中村浩太郎(創理3=東京・芝浦工大高)の力強い離れから放たれた留め矢が的に吸い込まれ初立が14中と高的中を出し、流れを引き寄せた。弐ノ立も新人らしからぬ思い切りのよい射で皆中を出した竹沢剛(社1=北海道・札幌一)が貢献し12中。ここで首都大東京が20中と的中を落としたことに助けられ、トータルで92-87と逆転に成功する。リードを保ちたい最終5立目。首都大東京の初立が15中と高的中をたたき出すも、早大も初立が13中、弐ノ立が12中と最後まで的中を落とすことなく試合終了。最終的中を117-113とし、リーグ戦初戦を何とか白星で飾った。

1年生ながら堂々とした引きの竹沢

 勝負どころで強さが見えた。集中力を最後まで保ち、全員が一丸となって勝利を手繰り寄せたきょうの試合。しかし入れ替え戦で1部に昇格するためには140中以上の的中が求められる。「練習の方で実力を上げていけば本番でもその実力を発揮できる」(大久保侑主将、スポ4=岩手・福岡)。次戦までの2週間、どこまでチームとして底上げができるか。7年ぶりの1部昇格へ、戦いは始まったばかりだ。

(記事、写真 黒田菜々子)

※平成28年度リーグ戦は平成27年度に行われます。

結果

初立

大前 髙橋真人(先理2=東京・早大学院) 20射13中

弐的 中谷透(基理1=東京・早実)    12射6中

   幸明千尋(スポ1=東京・城北)    8射6中

落前 清水雄貴(人3=東京・早稲田)   20射18中

大落 中村浩太郎(創理3=東京・芝浦工大高) 20射18中

弐ノ立

大前 廣瀬智紀(人3=静岡・清水東)  20射13中

弐的 竹沢剛(社1=北海道・札幌第一) 20射15中

落前 渡邊顕士(社1=東京・日体荏原) 16射8中

   倉持洵(スポ2=東京・国学院久我山)4射皆中

大落 大久保侑(スポ4=岩手・福岡)  20射16中

コメント

大久保侑主将(スポ4=岩手・福岡)

――全日本学生選手権(全日)から東京都学生連盟リーグ戦(リーグ戦)までどのような練習を主にしてきましたか

全日ではやはり予選落ちというところに目がいきがちなのですが初矢があまり入らなかったというのがあったので、弓道ではよく初矢は技術といわれるのでとにかく初矢を入れるというような練習をしてきた感じです。

――試合を振り返っていかがですか

全体的に的中自体は伸びなかったのですが、勝負どころで相手を離すことができたっていうのは良かったなと思います。ただ初立が1番緊張するとは思うのですが、弐ノ立以降の緊張感がだいぶほぐれてきたときにも普段から四矢できちんと四を出せる人というのがことしは少ないのでそういった部分が四にならなかった結果として2回目、3回目までが競った試合になってしまったなという印象です。

――弱点はどこだとお考えでしょうか

1番はやはり練習でもう少し中らなければ本番でまずは生かせないというような印象です。

――強みはどこだとお考えでしょうか

弱い力でも試合ではその力っていうのは出していけているので、練習と本番での差は少ないところです。絶対に練習の方での実力を上げていけば本番で実力が出せないということが悩むことなく普段通りに引けて自分の実力を出して1部に上がれるのではないかと思います。

――リーグ戦に向けて意気込みをお願いします

今シーズンは少し苦労している部分はあるのですが、最後のリーグ戦というのはらいねん以降のワセダのポジションに左右されるような大切な試合ですので、とにかく勝ちにこだわっていきたいです。自分の実力を上げていくのもそうですしリーグ戦という期間にはこだわらずに最後の最後まで自分の実力を上げていくというような意気込みでやっていきたいと思います。