関東の強豪校が一堂に会し、力をぶつけ合う全関東学生選手権(全関)がことしも日本武道館で開催された。男子が6人順立1人4射の計24射、女子が3人順立1人4射の計12射の合計的中で競う団体戦の予選が行われたこの日。ワセダは男女ともに予選を通過。しかし男子はシード権を獲得できず、同日行われた1回戦で日大工科大と対戦した。調子を上げた男子は見事快勝。よって男女ともに2回戦へと駒を進めた。
昨季入賞まであと一歩という悔しさの残る順位で終わり、今季はその雪辱を果たしたい男子部。予選では本領を発揮することができなかった。行射前に円陣を組み、気合を入れて臨んだ試合だったが、大舞台ゆえの緊張が体を硬くしてしまったのかところどころでミスが目立ち24射16中という結果に。よって予選を通過するもシード権は獲得できず、的中の不安定さに課題を残したまま決勝トーナメントを1回戦から始めることとなった。しかし、ここで切り替えの早さが流れを変える。再び登場した選手たちの姿に焦りはなく、堂々とした構えで的に向かっていた。その心の落ち着きが結果に表れ、初立で5人が的中すると続く二の立では全員が的中。その後もテンポを崩すことなく1回戦を24射20中で終え快勝した。特に河本悠輔(商4=広島・修道)、高間光司(スポ4=奈良・橿原)そして永山豪朋主将(文構4=東京・早実)の最上級生3人は皆中でこの勝利に大いに貢献し、入賞へ期待をつなげた。
予選、1回戦ともに皆中と主将の威厳を見せた永山
全関2連覇の経験を持つ女子部は予選からその強さを見せつける。ワセダからは光明英夏(法2=東京・桜修館)、鈴木麻里(文3=東京・早実)、安宅麻貴(スポ4=徳島・池田)の3選手が出場。会場の雰囲気にのまれることなく自らのペースで試合を展開していった。途中危うい場面が見られることもなく全員がしっかりと役割を果たし、結果は光明と鈴木は4射3中、安宅が皆中。安定した成績で予選を通過し、昨季明大に奪われた頂点の座に返り咲く準備を始めた。
高的中で予選通過に貢献した安宅
次の日は男女ともに決勝トーナメント2回戦から始まる。団体戦の課題を「普段通りの力が出せるかどうか」と米田文彦監督(昭41政経卒)が語るように、勝利のカギは平常心を保つことにあるだろう。個々の実力と精神力を持ち寄せ、関東王者へ輝くために――。歩みはもう始まっている。
(記事 松崎はるか、写真 土屋佳織)
結果
▽男子団体 高間、中村浩太郎(創理2=東京・芝浦工大高)、大久保侑(スポ3=岩手・福岡)、橋本和久(先理4=東京・早実)、河本、永山
予選
高間 2中
中村 3中
大久保 3中
橋本 3中
河本 1中
永山 皆中
1回戦
○早大20―14日大工科
▽女子団体予選 光明、鈴木、安宅
光明 3中
鈴木 3中
安宅 皆中
コメント
米田文彦監督(昭41政経卒)
――男女ともにメンバー選考はどのような基準でなさったのですか
今男子でいうと4年生が多いのですが、普段の練習の的中のほとんどのウェイトをその4年生が占めています。本当だったら1年生も入れていきたいところでしたが、上の方の層の壁が厚くて壊れていないため、上級生中心のメンバーにしました。女子も同じような感じで、3年生4年生の壁が厚いのでそれがメンバーのほとんどを占めるというかたちにしました。
――男子全体の調子は予選と1回戦とで違いはありましたか
予選のときはやはり不出来でしたが、決勝トーナメント1回戦はいつも通りの調子を取り戻せていましたよね。
――女子は10中という結果でした
女子もいつも通りの感じでしたね。的中も内容も普段の練習での感じが出てきていたと思います。
――男子、女子の調子は明日も期待できそうですか
女子のチームは3人だからちょっとしたことでみんなころっと変わってしまいますのでちょっとわからない部分もありますが、両方とも期待していますよ。
――最後にあす行われる団体戦決勝トーナメントへの課題などがありましたらお願いします
普段通りの力が出せるかどうかですね。こういうざわついた雰囲気ですから、自分の普段通りの気持ちでできるかどうか。自分のできないことをやれと言っているのではなく、できることをやってくれと言っているわけだから、こういう雰囲気に慣れて自分の力が発揮できるかどうかです。