大量12得点で８回コールド勝ち！　勝ち点奪取／東大２回戦

　投手陣の好投により前日の東大戦で勝利した早大は、勝ち点奪取へ向けて２回戦に臨んだ。先発・宮内康汰副将（教４＝東京・早実）は走者を出しながらも、粘りの投球で東大打線を５回無失点で抑える。早大打線は12得点と投手陣を支え、大量リードで８回コールド勝ちを収めた。

　初回、先頭の中村文哉（法４＝埼玉・早大本庄）がスリークォーターの相手投手から四球で出塁すると、前日の試合と同様に盗塁を成功させる。２番・市川諒汰郎（社３＝早稲田佐賀）の投前犠打により１死三塁とすると、今季初スタメンの春名真平主将（教４＝東京・早大学院）の打球は高々と舞い上がる。しかし、これが一塁手と右翼手の間に落ちる適時二塁打となり、三塁走者・中村文が生還。１点を先制した。４番・松永賢三（スポ３＝東京・早実）は中前打で続いて１死一、三塁とすると、続く５番・塩尻真生（文２＝東京・早実）の打席で一塁走者・松永が盗塁を試みる。これが相手捕手の悪送球を誘い、三塁走者・春名主将が生還。１点を追加する。さらに続く塩尻、久保嶋真也（社３＝神奈川・桐蔭学園）が連続で四球を選び、１死満塁の好機をつくる。この場面で、７番・小林偉月（商１＝長野・屋代）が中犠飛を打ち上げ、三塁走者・松永がホームイン。初回から３点を先制し、幸先の良いスタートを切った。

　早大の先発・宮内副将は１回、２回と走者を許すが、得点は与えない。３回には連続四球と犠打で１死二、三塁のピンチを招く。このピンチで、宮内副将は粘りの投球で相手４番を遊ゴロに打ち取ると、三本間、そして二、三塁間で挟殺プレーが発生。この一連のプレーの中で、遊撃手・村上翔祐（商３＝東京・早実）が相手の二塁走者をタッチアウトにすると、その隙を突いて本塁突入を試みた三塁走者も刺し、併殺を完成させてピンチを脱した。しかし、４回にも連続四球を与えてしまい、２死一、二塁のピンチとなる。ここは、相手投手を見逃し三振に打ち取り、踏ん張りを見せた。５回には、上位打線をこの試合初めて三者凡退に打ち取る。宮内副将は５回を無失点で抑え、マウンドを降りた。後を受けたのは、今季公式戦初登板から３連投するなどの活躍を見せている、ルーキーの杉山恵琉（文構１＝東京・早実）。６回、７回を三者凡退で封じ、テンポのよい試合の流れを作る。８回にマウンドに上がった髙橋浩成（教３＝東京・早実）は、２死満塁となるも１失点で切り抜けた。

５回無失点の宮内副将

　投手陣の好投に応えたい打線は、４回に久保嶋が中二塁打で出塁する。小林が犠打でつないで、村上のスクイズにより久保嶋がヘッドスライディングで生還し、１点を追加した。５回には中村文のバントヒットと盗塁により再びチャンスをつくる。ここで、春名主将の右適時打、松永の右二塁打、塩尻の中適時打と３連打が続き３点の追加点を獲得。６回にも村上が死球により出塁すると、中村文の適時打と松永の中犠飛により２点を追加する。そして迎えた８回、春名主将にこの日３安打目の右越え３ランが飛び出し、試合を決定づけた。結局、この日の早大は春名主将が５打点を挙げるなど、計12得点。序盤から、試合の主導権を渡さなかった。

８回に３ランを放つなど５打点の春名主将

　この日は８回でコールド勝ちを決め、東大に２連勝し勝ち点を獲得することができた早大。主将の春名を筆頭にスタメン９人中６人が打点を挙げるなど、全員で手繰り寄せた勝利だといえる。次も立大戦、慶大戦と負けられない戦いが続く。優勝のため、勢いそのまま全員で突き進みたい。

（記事　本田里音、写真　植村皓大）

コメント

春名真平主将（教４＝東京・早大学院）

――今日の試合を振り返って、良かった点はどこですか

　失点が１点というのは良かったことだと思います。もう１つは打線のつながりです。途中、三者凡退で終わったこともありましたが、大量得点を取ることができたので良かったと思います。

――ピンチの時はどのようなことを考えていましたか

　毎試合毎試合ピンチはあります。しかし、勝負強いチームだと思うので、そういうときこそ追い込まれて逃げ腰にならずに、攻める気持ちでいくようにとメンバーには言うようにしています。

――久々のスタメンだったと思いますが、どのような気持ちで挑みましたか

　なかなか緊張しましたが、スタメン起用に応えられるように必死にやろうと思っていました。

――初回のタイムリーはどのような気持ちでしたか

　当たりはふがいなかったですが、走者を返すことしか考えていなかったので、意地で落ちてくれたかなという感じです。

――本塁打もあったと思いますが、その時の気持ちはいかかでしたか

　ホームランを狙っていたわけではなく、ヒットでいいという気持ちで打ちにいきました。その結果、メンバーの応援のおかげで打てたのかなという感じです。

――今日は３安打だったと思いますが、打撃の調子はいかがですか

　ホームランが出たのは良かったですが、後の２本はまだまだ自分のバッティングができていないので、もっと練習しないといけないなと思います。

――次回に向けての意気込みをお願いします

　ずっとそうですが、ここから早稲田大学は負けられない試合が続くので、第１戦から主将としてもチームとしても自分たちの野球を心がけていきたいと思います。

宮内康汰副将（教４＝東京・早実）

―― 試合を振り返っていかがですか

　投手陣の課題としてここ数試合失点が多いことがありました。東大戦の２試合は０点、１点と失点を少なく抑えられたのは良かったと思います。

―― ご自身のピッチングを振り返って良かった点はありますか

　ランナーをためてしまったのですが、ラッキーな部分もありながら要所を無失点で抑えられたことが良かったです。

―― ピンチではどういったことを意識していましたか

　打たれてできたピンチというより自分が作ってしまったピンチだったので、失点につながる最後の一本を打たせないことを特に意識していました。

―― 他のピッチャーについてはどのように見ていますか

　２番手の杉山恵琉（文構１＝東京・早実）は前回の法大戦で出てきた１年生のピッチャーですが、非常に元気があって自信満々に投げています。これまでいい結果が出ているので来年以降とても期待できるピッチャーです。最後に投げた髙橋浩成（教３＝東京・早実）は去年から抑えなど大事な場面で多く投げているピッチャーなので、個人的にも期待しています。ここ数試合本人も納得できていないピッチングが続いていますが、これから立大戦、慶大戦と負けられない戦いが続くのでそこでいいピッチングをしてくれることを期待しています。

―― 次回に向けての意気込みをお願いします

　次回の立教戦は優勝するためには２連勝するしかないと思っているので、投手陣としては先発がしっかり（試合の流れを）作って、無失点で試合を進めたいと思っています。