好ゲームも終盤に暗転 悔しい逆転負けを喫する/明大1回戦

準硬式野球
TEAM 10
明大
早大
(早)大澤、髙橋浩―阿部剛
◇(二塁打)中村(8回裏)◇(本塁打)松永(1号ソロ、7回裏)

 全日本大学選手権(全日)では悔しいベスト8に終わった早大。1週おき、東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)の戦いが始まった。初戦の相手は明大。東京六大学春季リーグ戦では4位に沈んだ相手だが、早大も最後の最後まで苦しめられた相手だ。雨上がりでグラウンド状況も決して好ましくはない中で行なわれた試合だったが、1点を争う好ゲームになった。

 早大の先発は左のエース・大澤龍登(文構3=埼玉・星野)。大澤は立ち上がりからテンポの良い投球を披露した。4回にソロを浴びて失点したが、ストライク先行の投球で凡打の山を築き、5回までに投じた球数はわずかに59球。明大の強力打線を相手に好投した。6回には不運な内野安打で先頭打者に出塁を許したものの、捕手・阿部剛士(社3=神奈川・川和)の盗塁阻止もあり、ピンチの芽を摘んだ。

好投した大澤

 好投の大澤を援護したい打線は3回、先頭の久保嶋真也(社3=神奈川・桐蔭学園)が四球を選び出塁すると、中村文哉(法4=埼玉・早大本庄)の犠打と大澤の犠飛で2死三塁の好機をつくる。すると、1番・岡田和也(スポ3=東京・国学院久我山)の打席で相手投手が暴投。久保嶋が生還し、無安打で先制に成功した。その直後に同点とされてからは両校ともに得点することができず、膠(こう)着状態のまま試合は終盤へと突入した。すると7回、1死走者なしの場面で、打席には全日の初戦でサヨナラ打を放つなど、打線をけん引している4番・松永賢三(スポ3=東京・早実)が打席に入った。「真っ直ぐに絞って打つことにした」という松永は、追い込まれてからの3球目を完璧に捉える。目の覚めるような打球は右中間フェンスを悠々と越える勝ち越しソロとなった。さらに、続く8回には先頭の中村が二塁打を放ち出塁すると、1死三塁として岡田がセーフティスクイズを試みる。岡田の打球は三ゴロとなったが、相手の送球の隙を突いて三走・中村が生還。リードを2点に広げた。

7回、勝ち越しのソロを放った松永

 逃げ切りたい早大は、ここまで8回を投げて104球、1失点と好投していた大澤が完投勝利を目指して9回のマウンドに上がる。しかし、先頭打者に不運な形で出塁を許すと、続く打者に左中間を破られ、1点差に詰め寄られてなおも無死二塁というピンチを招いてしまう。その後、何とか2死までこぎつけた大澤だったが、明大打線の粘りに屈し、2死一、三塁の場面から適時打を許して同点とされ、試合は延長戦に突入した。すると10回、早大は大澤に代え、主にリリーフとして大車輪の活躍を見せている髙橋浩成(教3=東京・早実)をマウンドに送る。しかし、髙橋は1死から死球を与えて走者を背負うと、暴投などで勝ち越しを許す悔しいマウンドになった。その裏の攻撃も無得点に終わった早大は、秋季リーグ戦の初戦で痛い黒星を喫した。

8回、生還した中村(背番号9)と、出迎える市川

 土壇場で試合をひっくり返され、悔しい敗戦となった早大。9回、10回には不運な形で相手に出塁を許す場面も多く見られるなど、流れに乗り切れなかった。明大は今回の勝利で勢いづいているため、次戦も苦戦が予想される。早大は早い段階で試合の主導権を取り戻し、自分たちのペースで試合を進めたいところだ。

(記事 渡邊悠太、写真 荒井結月、田部井駿平)

コメント

大澤龍登(文構3=埼玉・星野)

――今日の試合を振り返って、チームとしていかがでしたか

 これから2カ月間あるリーグ戦の大事な初戦だったので、こういう負け方をしたのは悔しい気持ちが強いです。まだ始まったばかりなので、気持ちを切り替えてやっていこうと思います。

――リーグ戦初戦で意識したことはありますか

 全日本でもベスト8と悔しい結果に終わってしまったので、やはり4年生と一緒に秋リーグ優勝したいと思っています。そのためにも初戦は、最初の勢いをつけるためにも絶対勝ちたいと思っていました。

――全日での悔しい結果から得たものはありますか

 自分がチームに貢献できることは、やはり投げて結果を残すことだと思います。今日も出来るだけ長いイニングを投げるつもりで臨みました。結果的に自分の失点で追いつかれてしまいましたが、9回まで投げるという面では頑張ったかなと思いたいです。

――9回投げきっての疲労などはありますか

 肩、肘の心配はないので、明日しっかり勝って、第3戦は自分が投げられるようにコンディション調整していきたいです。

――明日、明後日に向けての意気込みをお願いします

 明治大学も春の悔しい思いから強い気持ちを持って早稲田に挑んできていると思うので、それをはね返すぐらいの気持ちと勢いをチーム全体でつくって、連勝していきたいです。

松永賢三(スポ3=東京・早実)

――悔しい敗戦となりましたが、試合を振り返っていかがですか

 序盤からピッチャーもよく粘ってくれて、バッターがなかなか打てない中で、接戦にはなったのですが、最終的に今まで粘り勝てていたところができなかった点が反省点です。

――松永選手自身は全日本大学選手権でサヨナラ打を打つなど今年活躍されていますが、秋リーグ初戦を迎えるに当たって、意識したことはありますか

 特に何をしたいとかはないのですが、春リーグ(東京六大学春季リーグ戦)が終わってより警戒度が上がっていると思うので、勝敗という点では春以上に厳しくくるというのは分かっていました。そこをしっかり打ち崩せるように意識はしていました。

――7回、同点の場面で勝ち越しホームランを放ちました。打席に入る時は何を考えていましたか

 データ収集をしてくれている主務の方から、配球的にも真っ直ぐを狙っておけとアドバイスをもらったので、真っ直ぐに絞って打つことにしました。打った結果がホームランになったので、良かったなと思います。

――8回には前への打球を飛び込んでキャッチする場面もありましたが、守備についてはどのような意識で取り組みましたか

 あそこの場面でいうと、代打で出てきた相手チームのバッターが先頭で。代打でランナーを出されるとこちらとしても嫌な流れになるので、それだけは避けたいという気持ちで守備につきました。そこはしっかりとアウトを取れるように意識していました。

――明日も明大との試合となります。意気込みをお願いします

 今日は接戦をモノにすることができなかったので、一人一人の意識を変えて、まずは3戦目に持ち越せるように、明日必ず全員で勝ちます。