第4回に登場するのは、幹部としてチームを引っ張り続けてきた春名真平主将(教4=東京・早大学院)、德廣快副将(文構4=東京・国立)、宮内康汰副将(教4=東京・早実)、渡邉真之介副将(社4=早稲田佐賀)の4人。幹部に就任してから半年、全日本大学選手権(全日)出場決定までの日々、そして目標の『日本一』を目指す全日への意気込みを語っていただいた。
※この取材は8月11日に行われたものです。
幹部として全日出場に導く
幹部としてチームを引っ張るこだわりについて語る4人
――最初に他己紹介をお願いします
春名 渡邉は幹部の中でもかなり試合に出場している選手で、ゲームキャプテンといえるくらい試合中に声を出してくれています。一番あきらめずに、ひたむきに臨んでいる選手だと思います。外野手なので練習から外野陣を引っ張ってくれていて、後輩からも慕われているのを見て感じるので、渡邉は人との距離感や野球に対する姿勢がいいところだと思います。
渡邉 德廣は本当に聡明な選手だと思います。練習をどう回していくかを一番率先して意見を出してくれますし、プレーでもいろいろな提案ができるのが德廣だと思います。本当に聡明で、春名の右腕です。
德廣 宮内はみんなが言いづらいところも情に流されずに意見を言ってくれます。前チーム時代には気づけていなかったところで、幹部として半年以上やってきて「こうも頼もしい選手なのか」と春名や渡邉も感じていると思います。みんなが行き詰った時や妥協しそうな時に冷静に一言言ってくれます。あとはピッチャーをまとめてくれています。去年以上に今年はピッチャーが整備されていて、関東大会(関東地区大学選手権)と(東京六大学春季)リーグ戦で結果を残せて全日に出場できたのも、ピッチャー陣を宮内がまとめてくれたからだと思います。練習でも人一倍先頭に立ってやってきてくれました。
宮内 春名は誰よりも野球に対する思いが一番強い男だと思うので、背中で引っ張る男としてチームをまとめてくれていると思います。プレーの方でも最近非常に調子が良くて、バットが出せるようになって大きい当たりも増えてきたので、全日という一番いいところで大きな活躍を見せられる男になったと思っています。なので、これからは春名のプレーでの活躍も期待していいと思います。
――ここまでの戦いを振り返って、良かった点や反省点は
渡邉 良かった点は攻撃陣かなと思います。ピッチャー陣が良かったことはもちろんですが、去年以上に攻撃陣がピッチャー陣を助ける攻撃ができたと思います。打線がしっかりと『線』になっていたところが良かったと思います。
德廣 まずはこのチームで全日出場を決められたことがここまでの一番の成果だと思います。内容が良い試合も悪い試合もあって、関東大会の最後の試合では大敗したりしましたが、何があっても最終的に全日出場を決められて『全日優勝』という大きな目標のスタートラインに立てたことは非常に良かったと思います。一方で、印象に残っているのが先ほど言った関東大会の準決勝です。対戦相手の日本大学は全日でも優勝していて、そのような相手とどのような戦いができるのかと期待を持って臨んだ試合で、圧倒的な力の差を見せつけられる結果となって、いろいろな反省点が出た試合だったので、すごく印象に残っています。
宮内 ピッチャー陣で悪かった点として、リーグ戦の法政戦が印象に残っています。ピッチャー陣の整備をしていく中で、計画という机上論だけでまとめてしまったと思っていて、その場での対応がうまくいきませんでした。計画通りにいかないことはこれまでの経験から分かっているので、全日ではその反省を生かしていきたいと思っています。何パターンも用意してまずは臨みたいと思います。
春名 具体的な良かったところは渡邉と德廣が話してくれたので、幹部的な目線で話したいと思います。どうしてもチーム状況的に3年生が中心になることが多い中で、それでも今年の4年生がめげずに頑張ってくれて幹部もすごく助かっています。幹部ではない、試合にあまり出られていない4年生たちが、めげずに日本一という目標を持ちながら練習や試合に取り組んでくれていたのは、幹部として非常に良かったと思います。反省点としては、実力以上に勝ったこともあったと思っていて、そもそもの実力はまだまだ足りていないと思うので、日本一に向けてどう修正していくかが大事だと思っています。
――これまでチームを引っ張ってきた中で、こだわっていることは
宮内 去年のチームと比べる感じにはなってしまいますが、ピッチャーの面では行き当たりばったりなところがあったと思います。それもあって、試合前にしっかりと計画を立てて臨もうと最初から意識してやっています。監督さん(池田訓久監督、昭60教卒=静岡・浜松商)にも誰が何イニング投げるかを事細かく伝えてきましたが、アクシデントの時や、うまくいかないときの対応を意識できていないと感じているので、そこを意識して今の練習試合に臨んでいます。その成果を全日で発揮したいと思っています。
德廣 野手側も起用法をそれぞれの選手に去年より伝えるようにしています。それは練習の中でも詳細な具体例とともに伝えてあげることで、試合の中で急に行くことになった時のために、おのおので準備してくれると思っています。準備不足は極力減らすようにしています。
渡邉 自分たちは引っ張る側の立場で決めることも多いのですが、自分たち以外の声を大事にしています。いろいろな考えがある中で、チームとして一つの目標に向かっていくために、自分たち4人の目標よりも、メンバーに入った残り21人の考え方を受け入れていけば、より強いチームになると思います。きれいごとみたいになってしまいますし、そう思っていない選手もいるかもしれませんが、自分たちなりに意見を求めながら、それをチームに反映することができていますし、全日で勝つためにはみんなの意見も大事になってくるので、意見を出し合って、試合を通して強いチームになっていきたいと思います。
春名 渡邉と似ていますが、どの代のキャプテンよりもコミュニケーションを取っている自信はあります。主将という肩書を使わずに一選手として、学年に関係なくコミュニケーションを取ることができたので、チームの風通しは良くなったと思っています。
いざ、スタートラインへ
全日への意気込みを語る春名主将
――全日開幕に向けて準備を進める中で、今の仕上がりは
渡邉 まだ完全ではないのが正直なところです。ピッチャーや野手のコンディションもまだ上げられますし、もっと上げていかないと『優勝』という自分たちの目標にはたどり着けないと思います。まだ10日くらい残されているので、そこで優勝するレベルまで状態を上げていくことは可能だと思います。
德廣 上がり始めてきたかなとは感じています。
宮内 練習試合では打つべき人が打って、ピッチャーでも先発が何枚かそろってきて、調子は上がってきていると思います。ですが、まだまだ成長段階で、この状態で臨んでも勝てないと思うので、さらに成長していかないといけない段階でもあると思います。
春名 去年までは日本一を経験した選手たちが残っていましたが、今年は日本一を経験した代がいません。日本一になれるチームを知らないからこそ、まだまだ足りない部分は多いと思いますし、これで足りると思っていてはいけないと思います。最後まで泥臭くやりたいです。
――最後に全日での見どころと意気込みをお願いします
宮内 見どころとしては、4年生の頑張りを見てほしいと思います。3年生中心で試合をやっていますが、4年生の力が台頭してきて、野手でもピッチャーでも、ここぞでの活躍を期待できる選手がたくさんいると思うので、大事な場面での4年生の活躍に注目してほしいです。投手陣としては、守り勝つ野球をやりたいと思っています。各試合で先発が投げてつないで、最後を誰かが締めるところを見せたいと思います。
渡邉 攻撃陣としては、どこからでも点を取れる打線になるよう、打線を組む時から大事にしていますし、そのようなチームが強いと思っています。どこからでも点が取れてかつ、複数の得点パターンがあるところが魅力だと思います。意気込みとしては、ピッチャーが何点取られても、打線が何点でも取り返して勝つことを目指したいです。
德廣 見どころは内野陣の守備の堅さだと思います。リーグ戦を通じても市川(市川諒汰郎、社3=早稲田佐賀)や村上(村上翔祐、商3=東京・早実)を中心に内野がピッチャーを助けてきましたし、逆に負けた試合では内野陣がどこかしらミスをして負けてきたと思います。でも最近のオープン戦や練習を見ていると、内野陣の安定した守備は目を見張るものがあると思います。自分から見ても、他チームに自慢できる内野陣の守備だと思うので、その鉄壁の内野陣に注目していただきたいです。意気込みとしては、4連勝して優勝することです。慣れない地で慣れない相手との対戦で、試合の内容がどうなるかは分かりません。ですが、トーナメントの大会は結果が一番大事だと思うので、新チームで掲げてきた『全日優勝』を果たして歓喜の輪を作れるように頑張りたいと思います。
春名 見どころは、全員が勝つためにプレーをしている姿勢だと思います。今までのタイブレークの試合で勝ってきたことも含めて、今年のチームは他の大学以上に最後の最後までプレーしていて、どのプレーにもそれが現れていると思います。必死になって勝利に向かってプレーしているところが魅力です。意気込みとしては、『日本一』という目標を掲げてきて、やっとスタートラインに立てただけなので、その目標を達成するために、勝つ気持ちでまずは目の前の練習に取り組んでいきたいと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 横山勝興)
全日での意気込みを一言ずつ書いていただきました!
◆春名真平(はるな・しんぺい)(※写真中央右)
東京・早大学院高出身。教育学部4年。主将、内野手。右投左打。
◆德廣快(とくひろ・かい)(※写真左)
東京・国立高出身。文化構想学部4年。副将、内野手。右投右打。
◆宮内康汰(みやうち・こうた)(※写真右)
東京・早実高出身。教育学部4年。副将、投手。右投右打。
◆渡邉真之介(わたなべ・しんのすけ)
早稲田佐賀高出身。社会科学部4年。副将、外野手。左投左打。