第３回に登場するのは、レギュラーとしてチームをけん引する大澤龍登（文構３＝埼玉・星野）、髙橋浩成（教３＝東京・早実）、久保嶋真也（社３＝神奈川・桐蔭学園）、岡田和也（スポ３＝東京・国学院久我山）の４人。主力として活躍する３年生の４選手にこれまでの戦い、全日本大学選手権（全日）への意気込みを中心に語っていただいた。
※この取材は８月11日に行われたものです。
全日出場までの軌跡
印象に残っている試合について語る４人
――最初に他己紹介をお願いします
久保嶋 大澤は野球の時と野球以外の時のギャップがすごいです。野球の時はすごくしっかりしていますね。
大澤 （髙橋）浩成とはよく一緒に練習することが多いです。去年の冬を越えて今年の春から自分の後ろを投げてくれることが多くなったのですが、関東と春リーグを経てチームの中からも信頼を得ています。野球以外の面ではチームの誰からも愛されていると思います。
髙橋浩 （岡田）和也は、野球に関しては高校時代から上のレベルでやっていて、これからこのチームを引っ張っていく存在になっていくのかなと思います。ここぞの場面での集中力は誰にも負けないのかなと思います。その勝負強さをこの全日でも発揮してほしいです。
岡田 久保嶋は僕から見ていい意味で野球バカだなと思っています（笑）。雨で全体練習がなくなった時でも１人だけグラウンドに出て大雨にさらされながら練習しています。野球に対する思いが本当に強いので、粘り強さが守備やバッティングに出ているのかなと思います。
――ここまでの戦いを振り返って、良かった点や反省点は
岡田 個人的な話になりますが、リーグ戦中にケガをしてしまって悔しさが残りました。ですが、法政大学との第２戦で１番・ピッチャーの二刀流として試合に出て５回まで最少失点に抑えてバッティングでも３安打を放って自分の準硬人生の中でも印象に残る試合でした。その時にようやく二刀流を体現できたと思っていています。チームとしては、他の大学のようにスポーツ推薦の選手を獲っておらずスター選手があまりいない中で、チームメイト同士の関係性をフラットにして意見交換もしているので、チームワークも徹底できています。試合を重ねるにつれて良くなっていると思います。
大澤 個人的なところでは、岡田と対照的に春の法政戦で２戦先発させてもらったにもかかわらず、チームに貢献できなかったことが一番の反省点です。ですが、リーグ戦全体を振り返ると、チームとしても個人としても法政戦以外は粘り強く戦えた結果が準優勝につながったと思います。チームとしては、その法政戦にしても、関東大会（関東地区大学選手権）の日大戦にしても、先に相手に流れを持っていかれてしまうとチームの雰囲気を立て直すことができなかったので、今後の課題になってくると思います。
久保嶋 先ほどスター選手がいないという話もありましたが、スター選手がいない中で苦しい試合であってもそれぞれが補い合ってギリギリで勝ってこれたのはチームとして良かったと思います。個人としては、去年は活躍できましたが、今年は全然期待される内容ではないので、僕のせいもあって勝つことができなかった試合もあったので、全日では修正していきたいと思います。
髙橋浩 個人的な反省からになりますが、リーグ戦前半はそれなりにいい結果を残せていましたが、リーグ戦の後半になるにつれてふがいないピッチングが続いてしまいました。でも、自分が活躍できていない場面でもチームが救ってくれた場面があったので、自分１人がダメでもチームで補っていけるこの団結力というのは非常に魅力的だと思います。全日でももったいないことのないようにしたいですが、いい活躍をして優勝できるように頑張りたいと思います。
――印象に残っている場面、試合は
岡田 基本的に競り勝つイメージが強いです。終盤での逆転劇が多いのは、チームワークや明るさ、日々の練習で培った粘り強さから来ていると思います。
髙橋浩 自分がリリーフで出てきた時にヒット性の打球を打たれると、彼（久保嶋）がファインプレーをして助けてくれます。バッティングがいくら不調でも守備は頑張ってほしいと思います。
久保嶋 （笑）。大澤の投げる試合は結構タフなことが多くて、試合を進めていく中で大澤のマウンドさばきがあるからこそ、チームがいい戦いをすることができると思います。
大澤 個人的に印象に残っている試合は慶應との第２戦です。髙橋浩成が先発をして松村を挟んで自分が投げましたが、相手のピッチャーも同い年の長谷川くん（長谷川優太、慶大・３年）で１点もあげられない状況で延長まで２人で投げ合って、バッテリーを組む阿部剛士（社３＝神奈川・川和）が打って決めてくれて、慶應に２連勝できたのは結構うれしくて、リーグ戦の中で一番印象に残っています。
４日間、４連戦に向けて
全日への意気込みを語るエースの大澤
――全日開幕に向けて、どのように準備を進めていますか
大澤 全日は４日間での４連戦でピッチャーの枚数が多く必要になってくると思います。リーグ戦は自分と浩成、髙橋（隆之介、法４＝東京・早実）さんを中心に投げていましたが、それだけでは足りないということで、オープン戦ではベンチの30人の中からいろいろなピッチャーに機会を与えるような取り組みが多いと思います。
久保嶋 レベルの高い中で４連勝しないといけないので、一球に対する重みが全日では変わってくると思います。練習から一球一球を大切にする意識を上げています。
岡田 具体的な練習の話ではないのですが、まだチームは全国大会優勝のレベルに達していないと思うので、調整というよりは技術や精神的な部分をスキルアップするための練習をしています。
髙橋浩 夏ということでこれからさらに暑くなっていくと思うので、その中で野手を含め基礎体力を上げる練習をしています。
――最後に全日での見どころと意気込みをお願いします
久保嶋 今まで競り勝ってきたチームなので、厳しい展開の中で１点を守り抜くところが見どころだと思います。個人的な意気込みとしては、今までチームにたくさん迷惑をかけてきたので、全日では変えていきたいと思います。
岡田 自分は今、二刀流をやらせてもらっているので、投打の両方について話したいと思います。まずバッターでは１番を任されると思うので、チームの勢いをつけるために入りの部分から大事にしていきたいです。投手に関しては、ストレートが武器なので、全国に剛速球をとどろかせたいです。145キロくらい出ればいいのかなと思います。
一同 おー。
大澤 チームとしての目標は『日本一』でここまでやってきたので、そこを目指して戦っていきたいと思います。去年、清瀬杯（清瀬杯全日本大学選抜大会）優勝を経験したメンバーも多くいますが、レベルは全然違うと思うので、気持ちを引き締めて入りから強い気持ちを持っていきたいと思います。チームの魅力は久保嶋も言っていた通り、競り勝つところを見ていただきたいと思いますし、個人としてはピンチになってからどれだけ粘り強く投げられるかを見ていただきたいと思います。
髙橋浩 見どころとしては、試合に関われるのはベンチの25人だけですが、その25人だけじゃなくてチーム全体として応援してくれる子たちにもうれしい思いをしてほしいので、その子たちの思いも背負って胸を張って戦いたいと思います。個人の目標としては、自分はリリーフで投げることが多いので、どのような場面でも物怖じせず、思い切ったピッチングでバッターを抑えまくりたいと思います。
――ありがとうございました！
（取材・編集 横山勝興）
全日での意気込みを一言ずつ書いていただきました！
◆大澤龍登（おおさわ・りゅうと）（※写真右）
埼玉・星野高出身。文化構想学部３年。投手。左投左打。
◆髙橋浩成（たかはし・こうせい）（※写真中央右）
東京・早実高出身。教育学部３年。投手。右投右打。
◆久保嶋真也（くぼしま・しんや）（※写真中央左）
神奈川・桐蔭学園高出身。社会科学部３年。内野手。右投左打。
◆岡田和也（おかだ・かずや）
東京・国学院久我山高出身。スポーツ科学部３年。外野手、投手。右投左打。