取られても取り返す! 粘り強い戦いで最終節初戦を白星で飾る/法大1回戦

準硬式野球
TEAM
早大
法大
(早)新井、岡田、高橋浩―服部、浅野
◇(本塁打)川原(3回表) ◇(二塁打)村上(2回表)、久保嶋(6回表)

 15、16日の明大戦で勝ち点を落とし、東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)での優勝が絶望的となった早大。この日は最終節となる法大戦の1回戦に臨んだ。秋季リーグ戦優勝が消滅し、関東地区大学・社会人王座決定戦(関東王座)進出への道も途絶えたいま、新井健太主将(商4=東京・早大学院)率いる体制で迎える試合はこの法大戦が最後。4年生の選手は最後の輝きを放つべく試合に臨んだ。試合は序盤から点を取り合う展開に。しかし6回、久保嶋真也(社2=神奈川・桐蔭学園)と吉松武竜(スポ4=早稲田佐賀)の適時打で勝ち越すと、8回には新井主将の2点適時打でダメ押し。最終節の初戦を白星で飾った。

 この日の先発マウンドに上がったのは新井主将。明大戦に続き第一先発としての登板となった。初回からリズムよく試合を進めたいところだったが、先頭に死球を与えると、盗塁も絡んでいきなり1死二塁のピンチを迎える。すると直後に3番打者に適時打を浴び、先制点を献上した。5番打者にも適時打を打たれ、初回から2点のリードを許す展開に。しかし、打線はすぐさま反撃に出た。2回、村上翔祐(商2=東京・早実)の右翼線二塁打をきっかけに1死三塁のチャンスを作ると、久保嶋の内野ゴロで村上が生還し、1点を返す。さらに3回、吉田昂平(法4=埼玉・早大本庄)の安打などで1死一、二塁の場面を迎えると、主砲・川原崚(商4=東京・早実)が打席に立つ。3球目を捉えた打球はセンター奥深くへと飛び込む逆転3ランとなり、試合の流れを一気に手繰り寄せた。

3回、逆転の3ランを放つ川原

 しかし、秋季リーグ戦で優勝争いを繰り広げる法大も粘りを見せる。5回、新井主将は連続四球で無死一、二塁の場面を迎えると、相手打者のバントが早大の失策を誘い、1点を返される。直後には犠飛でもう1点を返され、試合は振り出しに戻った。

 すると打線は再び反撃を開始する。6回、先頭の村上が内野安打で幸先よく出塁すると、続く久保嶋が左中間へ放った打球は二塁打となり、一塁走者の村上が一気に生還。勝ち越し点を獲得した。勢いに乗る早大は2死一、三塁のチャンスを作ると、吉松の適時打で追加点。2点のリードを奪った。さらに8回には相手のミスも重なり、1死一、三塁のチャンスを迎える。ここで、新井主将がレフトへとはじき返した。これが貴重な2点適時打となり、早大の勝利を決定づけた。一方の投手陣も、6回から新井主将のバトンを継いだ岡田和也(スポ2=東京・国学院久我山)と高橋浩成(教2=東京・早実)が好投。早大のリードを守り切り、初戦の白星につなげた。

6回、勝ち越しの適時二塁打を放つ久保嶋

8回、ダメ押しの2点適時打を放つ新井主将

 シーソーゲームを制した。1回と5回に相手打線につかまったものの、直後に反撃を決め、主導権を渡さなかった。特に打線は、春季リーグ戦時に9回2死まで完全投球を貫かれた藤中壮太(2年)を攻略し、来季にもつながる大きな収穫となったはずだ。守りで取られても攻撃で取り返し、持ち味の全員野球を実践した今日の早大。明日の2回戦でも勝利すると、4年生は引退を迎える。笑っても泣いても最後のカード、有終の美を飾りたいところだ。

(記事 横山勝興、写真 森田健介、五十嵐香音)

コメント

新井健太主将(商4=東京・早大学院)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 相手に先制を許すかたちになりましたが、すぐに取り返すことができて良かったと思います。特にバッティングの方がよく機能してくれたなと思います。

――今日はどのような気持ちで試合に臨みましたか

 自分たち4年生は今週が最後の試合になるので、優勝はなくなってしまいましたが、春季リーグ戦でも関東大会(関東地区大学選手権)でも負けている法大を倒して終わろうという気持ちでいました。

――毎回走者を背負いながらの投球が続きました

 調子自体あまり良くなくて相手打線も強力だったので、かなり苦しいピッチングになりましたが、打線が点を取ってくれて何とか同点のかたちで次のピッチャーにバトンを渡すことができました。勝ち越されなかったのはよかったと思います。

――死球を3つ与えましたが、制球はいかがでしたか

 調子が悪かったこともあって制球が定まっていない部分もありましたが、「内角をどんどん攻めていこう」ということを試合前に話していたので、その攻めた結果ということで捉えていました。

――打線は春季リーグ戦で完全試合を達成されかけた藤中投手を攻略しましたが、どう振り返りますか

 いいピッチャーなのは間違いありませんが、「甘い球が来ないわけではないので、数少ない甘い球をしっかり捉えられるように」というような声掛けをして、その結果しっかり打つことができて点を取ることができたと思います。

――最終打席に2点適時打を放ちましたが、打撃の調子は

 調子自体は悪くないです。それまでの打席で全然いいところがなかったので、チャンスで打ってやろうと思っていました。

――最後に明日の2回戦への意気込みをお願いします

 本当に一回も負けられない戦いになると思うので、『一戦必勝』でまた頑張っていきたいと思います。

川原崚(商4=東京・早実)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 とりあえず勝つことができたのでよかったと思います。

――今日はどのような気持ちで試合に臨みましたか

 本当に4年生の最後の2連戦となるので確実に勝ち点を取りたいなという思いで臨みました。

――3ランを打った打席ではどのようなことを意識して打席に入りましたか

 その前の打席であまり内容がよくなかったので、狙い球を絞って打席に入りました。

――春季リーグ戦で完全試合を達成されかけた藤中投手からの一発でしたが、いかがでしたか

 相手の選手もそれほど調子がよくなかったという部分もあったと思いますが、うまく浮いた球を捉えることができたのではないかと思います。

――ご自身以外にも今日の試合では多くの選手からヒットが生まれました。チームの状態としてはいかがですか

 春に打つことができなかった選手から打てたということは明日にもつながるのではないかと思います。

――最後に明日の2回戦への意気込みをお願いします

 春も1回戦で勝ったあとに連敗してしまったので、明日で決められるように頑張っていきたいと思います。

久保嶋真也(社2=神奈川・桐蔭学園)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 結果的には僕が打って勝てたのですが、法大は実力のあるチームのなのでいつも接戦になることが多いです。もっと接戦になるかと思いましたが、うまく攻撃をつなげられたから勝利できたと思います。

――6回の勝ち越し打を放った打席にはどのようなことを意識して向かいましたか

 点を取られた次の回だったので、ゲッツーにならないような打球で、少しでもチャンスメイクできるようにということを意識していました。

――実際に放った感想はいかがですか

 とても嬉しかったです。

――計2安打を放ちましたが打撃の調子は

 少し寒くなってきて、体が動かなくなってきたのですが、うまい感じに力が抜けて打席で集中できているので。調子は悪くはないと思います。

――守備の調子はいかがでしたか

 今日ひとつエラーしてしまったのですが、悪くはないと思います。僕は一応守備の人と言われているので、守備をもうちょっと頑張ります。

――最後に明日の2回戦への意気込みをお願いします

 優勝はもうないですが、4年生と試合ができる最後のチャンスなので、絶対に勝ちたいと思います。