劇的な逆転サヨナラ勝利！　立大から勝ち点獲得／立大３回戦

　今秋の東京六大学秋季リーグ戦（秋季リーグ戦）は雨天による試合中止が相次ぎ、変則的な日程となった。水曜日のこの日は、日程が未定となっていた立大３回戦が行われ、早大は勝ち点獲得を懸けて試合に臨んだ。21日に行われた２回戦で延長11回タイブレークにまでもつれる熱戦を繰り広げた両校は、この日もシーソーゲームを演じた。しかし、最後は早大が渡辺真之介（社３＝早稲田佐賀）の適時打で執念の逆転サヨナラ勝ちを収め、秋季リーグ戦初の勝ち点を獲得した。

本塁打を放った村上（写真左）

　早大の先発は大沢龍登（文構２＝埼玉・星野）。大沢は、東京六大学春季リーグ戦、清瀬杯全日本大学選抜大会（清瀬杯）と大車輪の活躍を見せていたが、秋季リーグ戦では本調子とはいえない投球が続いていた。しかし、この日の大沢は本来の安定した投球を披露。初回に２本の安打を許し１点を失ったが、その後は打たせて取る投球でスコアボードにゼロを並べた。３回には２死満塁のピンチを招いたが、相手の４番打者を打ち取り無失点で切り抜けると、その後の３イニングの攻撃は打者わずか10人で退け、味方の援護を待った。

好投した大沢

　一方の打線は１回、四球や川原崚（商４＝東京・早実）の内野安打などで２死一、三塁とすると、５番・服部峻也（社４＝東京・早実）の適時打ですぐさま同点に追いつく。そして、３回には村上翔祐（商２＝東京・早実）に公式戦初本塁打となる勝ち越しソロが飛び出し、勝ち越しに成功。さらに、６回には服部と久保嶋真也（社２＝神奈川・桐蔭学園）の安打で好機をつくると、２死一、三塁の場面で新井健太主将（商４＝東京・早大学院）が適時打を放ち、さらに１点を追加した。

　しかし、立大も譲らない。７回には失策をきっかけにピンチを招くと、適時打で１点を返される。そして８回には、３つの死球を与えるなどして２点を失い、逆転を許す。だが、この日の早大は簡単には終わらなかった。１点ビハインドで迎えた９回、先頭の村上が安打を放つと、四球や服部の猛打賞となる安打などで１死満塁の好機をつくる。この好機で、久保嶋が冷静に押し出し四球を選び同点に追いつくと、なおも１死満塁の好機で打席には渡辺が入った。「後ろには信頼できる新井さんがいたので、自分が打てなくても大丈夫だと思って打席に立った」という渡辺の打球は右翼前へ。華麗なサヨナラ打で試合を決めて見せた。

サヨナラ打を放った渡辺

　劇的な逆転サヨナラ勝利を飾った早大。この日の早大は、清瀬杯でも見られたような劣勢の場面でのチーム力が見られた。ビハインドの状態で最終回を迎えても諦めることなく、全員野球で逆転を呼び込み、サヨナラの場面では選手全員で英雄を出迎えた。早大の次戦は、前カードで明大から逆転勝利を挙げ、勢いに乗る東大だ。東京六大学春季リーグ戦で東大は10戦全敗の最下位に終わっているが、決してあなどれる相手ではない。立大から勝ち点を獲得した勢いそのままに、東大から連勝で勝ち点をもぎ取りたい。

（記事　渡邊悠太、写真　小山亜美）

コメント

渡辺真之介（社３＝早稲田佐賀）

――試合が終わった率直な気持ちを教えてください

　ホッとしています。ここまで第１週が長引いて勝ち点を取れるか取れないかというところであったんですが、チーム一丸となって勝ち切ることができました。これから後もいい流れを持ち込めたのかなと思います。

――勝ち越し打を打った打席はどのような気持ちで臨みましたか

　あまり自分が決めるという気持ちはありませんでした。後ろには信頼できる新井さん（新井健太主将、商４＝東京・早大学院）がいたので、自分が打てなくても大丈夫だと思って打席に立った結果だったと思います。その中では集中できているなという感覚は自分の中にあったと思います。

――打ったボールはどのようなボールでしたか

　真ん中低めのスライダーです。

――改めて今日を振り返って、どのような試合でしたか

　点数を取りたいところで取れなかったり、点数を渡したくないところであげちゃったり、あまり噛み合っていなかったとは思います。ですが最後は勝ったので、勝つことがゴールだとは思うので、それでよかったと思います。

――次の試合に向けて意気込みをお願いします

　第３戦まで行くとやっぱり体がきついなと思います。なので今週末に決めて勝ち点を奪取して、次の試合にいい流れが持って行けるようにしたいと思います。

村上翔祐（商２＝東京・早実）

――試合を終えて率直な気持ちを教えてください

　自分が大事なところでエラーしてしまって、失点につながってしまったので、なんとか取り返したい気持ちで打席に立ちました。

――本塁打を打たれましたが、その時の気持ちはいかがですか

　先頭だったので、まずは塁に出ること、そしてとにかく強いスイングを心がけていました。

――打ったボールはどのようなボールでしたか

　カーブの緩いストライクを取りにきた球でした。３試合目でずっとその球を投げられていたので、結果的にはいいかたちになって良かったです。

――改めて今日の試合を振り返っていかがですか

　今日は優勝に向けて絶対負けられなかったので、ずっと僅差のなかで、とにかく勝てて良かったです。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

　自分のバッティングができるように、守備ではエラーをしないように練習します。