鮮やか逆転勝利! 清瀬杯初戦突破/1回戦 東北学院大戦

準硬式野球
TEAM
東北学院大
早大 10
(早)大沢、安在、空閑、宮内―服部、阿部剛
◇(二塁打)吉田(1回裏)、川原(6回裏)◇(三塁打)村上(7回裏)

  鮮やかな逆転劇だった。早大は目標としていた全日本大学選手権出場こそならなかったものの、優勝した2018年以来4年ぶりとなる清瀬杯全日本大学選抜大会(清瀬杯)への出場を果たした。そして、この日の1回戦では東北学院大と対戦した。序盤こそリードを許した早大だったが、6回に打者一巡の猛攻で逆転に成功すると、その後も村上翔祐(商2=東京・早実)の3点適時三塁打などで加点。見事な逆転勝利で2回戦へと駒を進めた。

7回、3点適時三塁打を放った村上

 早大は初回、ケガから復帰し、久々の公式戦出場となった吉田昂平(法4=埼玉・早大本庄)が左翼線への二塁打を放ち好機を演出する。その後、2死一、二塁とするも、新井健太主将(商4=東京・早大学院)が放った大飛球は左翼フェンス手前で失速。先制することはできなかった。すると、続く2回と3回には守備のミスが重なり、相手に3点を先行されるいやな展開となる。それでも、4回以降は早大先発の大沢龍登(文構2=埼玉・星野)が踏ん張り、相手に追加点を許さないまま味方の反撃を待った。

 6回表、失策で無死二塁のピンチを招くと、早大ベンチは好投の大沢に代えて安在悠真副将(人4=早稲田佐賀)をマウンドに送る。安在副将はこのピンチを無失点で切り抜け、試合の流れを引き寄せる。するとその裏、先頭で打席に入った代打・山浦秀斗(スポ4=埼玉・早大本庄)が粘った末に死球を受けて出塁すると、続く3番・鳥越康介副将(文構4=東京・早実)も死球を受け、無死一、二塁とする。この好機で、4番の川原崚(商4=東京・早実)が右翼線への適時二塁打を放ち反撃ののろしを上げると、ここから早大打線がつながり、5連打を含む打者一巡の猛攻。一挙に5点を挙げ、試合をひっくり返した。

6回、先頭で出塁した山浦

 直後の7回表にスクイズで1点差に詰め寄られるも、その裏には先頭の鳥越副将が安打を放ち出塁。すると、新井主将にも安打が飛び出し、一死一、三塁の好機を迎える。この場面で岡田和也(スポ2=東京・国学院久我山)が一塁方向へのドラッグバントを決め、追加点をもたらすと(記録は内野安打)、なおも二死満塁と好機は続き、打席には途中出場の村上が入る。カウント2ボール2ストライクからの5球目を振り抜いた村上の打球は左中間を破る3点適時三塁打となり、試合を決定づけた。その後、早大は空閑悠馬(社2=東京・早実)、宮内康汰(教3=東京・早実)の継投で逃げ切り、見事に初戦突破。次戦は6日12時30分から愛知・パロマ瑞穂野球場で京都先端科学大と対戦する。

7回、ドラッグバントを決めた岡田

 見事な逆転勝利で初戦を突破した早大。苦手とする土のグラウンドでの試合ということもあってか、守備にミスが見られるなどし、序盤こそは相手に試合の主導権を握られた。しかし、中盤以降は打って変わり、今季の早大が持ち味とする全員野球で一気に試合の流れを手繰り寄せた。特に、しゃく熱のスタンドから声援を送るベンチ外メンバーたちは、早大が得点するたびに『紺碧の空』を響かせ、会場の空気を支配した。次戦以降も厳しい戦いが続くことが予想される。念願のタイトルを手にするためにはグラウンドでプレーする選手の力のみならず、スタンドから声援を送る部員たちの力も欠くことができない。

(記事 渡邊悠太、写真 小山亜美、是津直子)

コメント

新井健太主将(商4=東京・早大学院)

――今日の試合を振りかえっていかがですか

 試合の序盤は失策が重なって失点するという、結構バタバタしていたかなと思います。ですが、そこはしっかり踏ん張って、中盤以降はしっかりと自分たちのペースで試合ができたので、勝てて良かったかなと思います。

――トーナメント形式の初戦ということで、入りが難しかったと思いますが、振り返っていかがですか

 初戦ということもありますし、相手校も強いチームだと聞いていましたので、しっかりと気を引き締めて、そこに向けてコンディションを整えるというのを特に意識してやってきました。

――5回以降悪い流れを断ち切り、逆転しました。チームとして何か声かけはされましたか

 負けているとはいってもまだ3点差ということで「1点ずつ取っていこう」と声を掛けました。焦らず自分たちの野球をしよう、と話しました。

――逆転した6回の攻撃を振り返っていかがですか

 先頭に山浦(秀斗、スポ4=埼玉・早大本庄)を代打に出して、しっかりと出塁をしてくれて、その後つないで、4番の川原(崚、商4=東京・早実)で1点返すことができました。その川原の適時打からイケイケのムードで、ウチのペースにしっかりと持っていけたのだと思います。山浦が出塁してくれたことが一番大きかったと思います。

――慣れない土のグラウンドへの対策は何かしましたか

 清瀬杯に入る前に土のグラウンドをお借りして練習したりとか、簡単なことですけど対策をしてきました。

――明日以降への意気込みをお願いします

 明日以降も厳しい戦いが続くと思いますが、チーム全員でウチらしい野球をして勝っていきたいと思います。

吉田昴平(法4=埼玉・早大本庄)

――今日の試合を振りかえっていかがですか

 個人としては自分の仕事が一番なので、しっかり出塁すること、それはできていたのかなと満足しています。チームとしては最初失策があったので、雰囲気は少し良くなかったですが、最後はチーム一丸となって結果勝利できたので、良かったと思います。

――関東地区大学選手権や東京六大学春季リーグ戦はケガで出場ができていなかったと伺いました。久しぶりの公式戦はいかがでしたか

 ベンチの中でも自分が一番緊張していて、それはチームメートからも言われていました。自分のメンタル面というのはまだまだ上げていかないといけないと思います。

――ご自身としては清瀬杯はどのような位置づけの大会ですか

 自分は全日(全日本大学選手権)に出られなかったので、また春リーグにも出られなかったこと、その分の悔しさを含めて、自分の集大成として位置づけられるような試合にしていけたらと思っています。

――今日は1番打者として2安打1打点の活躍でした。ご自身の活躍を振り返っていかがですか

 出塁することが自分の第一目標であり、周りからも言われていたことなので、そこについては問題なくできたのかなと思います。

――打順1番とご自身の相性はいかがでしたか

 数をこなしていく中でだんだん慣れてきてはいたので、自分としてもしっくりきていると思います。

――明日以降へ向けて意気込みをお願いします

 今日のようにチーム一丸となって次の試合も勝利できるように頑張りたいです。

村上翔祐(商2=東京・早実)

――今日の試合を振り返って

 負けたら終わりという試合で、すごく緊張しました。春リーグ(東京六大学春季リーグ戦)から使ってもらっていたのですが、なかなか打てずに4年生に申し訳なく思っていたので打てて良かったです。

――途中出場でしたが、準備はしていましたか

 ずっと準備はしています。

――7回にはリードを広げる三塁打を放ちましたが、意識していたことは

 とにかく強く振って次につなげることを意識していました。

――打った時の感想は

 「とにかく抜けてくれ」と思って走っていました。

――明日以降はどういった活躍をしたいですか

 いつでも活躍できるように準備して頑張ります。

――明日への意気込みをお願いします

 絶対に勝てるように頑張ります。