清瀬杯直前特集『奪冠』 第3回 大澤龍登×久保嶋真也×岡田和也

準硬式野球

 今回登場するのは大澤龍登(文構2=埼玉・星野)、岡田和也(スポ2=東京・国学院久我山)、久保嶋真也(社2=神奈川・桐蔭学園)の3人だ。三人は2年生ながらチームの主力として活躍し、岡田と久保嶋はベストナインを受賞、大澤も東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)で4勝を挙げる活躍を見せた。二年生トリオの素顔とは――。

※この取材は8月15日に行われたものです。

互いの印象は

――まずは他己紹介をお願いします

久保嶋 (岡田は)結構部活以外で活発に動いていることが多い方で、いろいろなところに出向いて、楽しく遊んでらっしゃる(笑)。練習前、練習後は、いつも一人で歌っているのが特徴的かなと思います。あと、このルックスなので、人気は高いかなと。プレーでは、今投手にも挑戦しているんですけど、野球センスがチームの中でも一番くらいにありますし、投手にしても打者にしても、リーグ戦(東京六大学春季リーグ戦)中も活躍していたことからも分かるように、野球センスにあふれていて、とても頼りになるプレーヤーだと思います。

大澤 久保嶋はどんな人かというと、学年の中では年が上にはなるんですけど、その中では親しみやすくいつも面白い感じでやってくれています。学年のリーダーを務めてもらっているんですけど、元気と声かそういう面だけじゃなくて、プレーで学年を引っ張っている印象があります。リーグ戦、オールスター(関東JUNKOオールスター2022)に関してもここぞの場面で守備だったり打撃だったりで力を発揮してくれているので。彼はしっかり謙虚にやっていると思うので、これからもこの学年を引っ張っていってほしいなと思います。メリハリのある選手かなと思います。

岡田 大澤は見ての通り優しくて、親しみやすい性格です。野球の面に関しても、投手として投球の中で強弱をつけて、守っている側としてもすごく守りやすいのもありますし、要所を締める投球で、ピンチの場面だったらよりギアを上げて質のいい球を投げますし、とにかく後ろで守っていて守りやすい投手だなというふうに思います。

岡田は法大1回戦で値千金の3ランを放つなど活躍。春季リーグ戦ベストナインを受賞した

――ここまでのシーズンを振り返っていかがですか

久保嶋 僕は彼らとは違って、リーグ戦前まであまり結果が出ていなかった選手だったのですが、このリーグ戦で今までの練習の成果が出たのか、結構結果が出たのでとてもうれしいですし、チームとしても勝利につながるようなプレーができたので、このようなプレーを続けていけたらなと思います。

岡田 まずチームとしてはチーム全体で、昨年よりもチームのために献身するような練習をしている人がすごく多くて。バントだったり、貢献打だったり、そういうチームに献身的な人が多くて、その分この春のリーグ戦はチーム全員で勝つという試合が多かったので、そういったところが今回いい結果を残せた理由かなと思います。

大澤 チームとしては岡田くんと一緒にはなってしまうんですけど、全員野球で勝利を収めた試合が多くあって、その理由としては縦のつながりが昨年と比べて強くなっていたのかなという印象があります。個人としてはこの二人の2年生、同学年の二人が活躍したので、自分も負けてられないな、という気持ちは強くありました。縦も横もよくいいものが表れたリーグ戦だったかなと思います。

大澤は春季リーグ戦で先発として大車輪の活躍を見せた

――4年生の方からもチームの結束についてお聞きしました。結束力を強めた取り組みはありますか

岡田 上の方たちが優しくて、僕たちにも結構対等にというか、隔たりなく接してくれるので僕たちも接しやすくて、その分つながりがあるのかなとは思います。

――ご自身の、昨年から一番大きく成長したところを教えてください

大澤 新チームになってから自分はオープン戦を含めて経験させてもらうことが多くなって、関東大会(関東地区大学選手権)でも大事な場面を任せてもらったこともあって、リーグ戦が進むにつれてその経験の多さで力がついてきたなと思います。あと、信頼の部分で言えば結果を残すことが一番だと思うんですけど、そこを目指してきたからこそ、あまりプレッシャーに感じることなく2年生ながらにできたというのが良かった部分だと思います。

岡田 自分の場合は、1年生の春の頃からベンチ入りさせてもらって試合に何度か出させていただいていて、やっぱり試合の場数をたくさん踏めたっていうのが今大会の心の余裕や準備が、昨年に比べて充実していたというか。より自分の中で準備が良くできていたので、そういった面で心に余裕ができて、それが結果につながったかなと思います。

久保嶋 結構似た感じになっちゃうんですけど、僕は高校の時に軟式野球をやっていて、今の準硬式(野球部)のレベルと軟式野球のレベルっていうのが結構違っていて、準硬式のレベルの方が高くて。僕も1年生の秋から少しずつ試合に出させていただくようになって、その場数を踏んで投手のレベルに合わせていくことで、投手と対戦する機会を多くもらえたことで、自分の能力が成長して、今回のリーグ戦の方も結果を残すことができたのかなと思います。

――2年生は人数も多く実力のある選手がいますが、学年の雰囲気はいかがですか

久保嶋 人数が多いこともあって、多種多様な人がいますし、面白い人がたくさんいて、練習中も練習前後も盛り上がっているので、結構活気のある学年ではあると思います。

この取材から2年生の雰囲気の良さがうかがえた

2年生の雰囲気は

――新人戦では2年生25人で試合に臨まれていました。大澤選手はゲームキャプテンを務めるなど、新人戦を通して2年生同士の結束は深まりましたか

大澤 自分の野球人生の中でリーダーになるっていうことが初めてだったので、その面に関しては難しいなと試合中に感じることも多かったです。試合中に自分はベンチにいたんですけど、全員で試合に向かっていくっていう、士気を高めるっていうことに関してはまだまだこれからもっと結束力が高まれば、勢いのあるチームになるのかなと。さっき久保嶋が言っていた通り元気があるので、勢いのあるチームをつくっていけるんじゃないかなと思います。

――意識していたり、目標としていたりする先輩はいらっしゃいますか

岡田 自分は新井さん(新井健太主将、商4=東京・早大学院)を尊敬していて、チームが苦しい時に何としても塁に出ようという姿勢だったりとか、本当に苦しい場面で一本打ってくれたりとかしてくれて。そういうチャンスやピンチに強い点は、普段の練習に対して真面目に取り組んでいる姿がそういう厳しい局面で発揮できてるんじゃないかな、と思っているので、見習っていきたいなと思います。

久保嶋 僕は川原さん(崚、商4=東京・早実)。同じ左打者として「ここぞ」の一打というのは、川原さんのリーグ戦中も大会中も多く見られたと思います。あの打撃力っていうのは自分たちの代になっても誰かがその役割をすれば大きな力になると思うので、その点を自分の能力にできたら、と思っています。

大澤 自分はやっぱり安在さん(安在悠真副将、人4=早稲田佐賀)を目標としています。同じ左投手としてもそうですし、リーグ戦で自分が先発して、その後を安在さんがしっかり締めてくれる、っていうすごく助けられた部分、後ろに安在さんがいるっていう安心感があって投げられた部分もありました。チームとしても信頼っていうのは大きなものがあって、自分も目指しているのはチームから信頼される選手になることなので、残りあと半年間と少ないんですけど、できるだけ多くのことを安在さんから学んで、自分も追いつけるように、抜かせるように頑張りたいと思います。

清瀬杯に向けて

――ここからは清瀬杯について伺いたいと思います。東京六大学春季リーグ戦(リーグ戦)に引き続き、活躍への期待が大きいかと思います。そのことについてどう捉えていますか

岡田 期待していただいていることは本当にうれしいことで、その期待に応えられるように準備が必要になってくるので、期待されていることに対するプレッシャーとかは特に感じているわけではないんですけど、やっぱり期待されている分は期待以上くらいの活躍ができたらいいなと思っているので、それに対する準備っていうのがこれからやっていかないといけないかなというふうに思っています。

久保嶋 全て言われたような…(笑)。

大澤 全日予選(全日本出場予選会)の日大戦では自分が負けた原因というか、チームに迷惑をかけてしまったのは事実なので、その悔しさの分を清瀬杯で挽回できるように。ここまで使ってくれているのもいっぱいあるので、4年生に優勝というかたちで感謝の気持ちを伝えられるように。期待されていることには少しプレッシャーも自分は感じているんですけど、それを力に変えられるように準備していきたいなと思います。

久保嶋 期待されているのはすごくうれしいですし、その分結果で期待に応えたいっていうのはもちろんあるんですけど、僕は野球面以外でも元気とかの方で期待されていると思います。元気には調子とかがないので、いつでも期待に応えられるように頑張りたいです。

――清瀬杯は皆さんにとって初めての全国大会となりますがいかがですか

大澤 全国は自分の野球人生の中で初めてなので、少し楽しみなところも大きいです。でもトーナメントになってしまうので、負けたら終わりというプレッシャーもあるんですけど、自分の実力がどこまで通用するかっていうのをこの2年の時に学べるっていうのも、2年後自分たちの代に生きてくることだと思うので、その面も含めて、初めての全国大会、勝ちにこだわりつつ、個人的には楽しみにしたいと思っています。

岡田 全国大会ということで、普段やらないような地域のチームとか、あとはやっぱり全国大会っていうのでレベルがすごく高いので、そういう高いレベルの中で、自分やチームの実力がどの位置に属しているのかを試せる機会だと思います。優勝を狙って、高いレベルの野球を楽しんでいけたらなと思います。

久保嶋 僕も大澤くんと一緒で全国大会に今までで出場したことがないので、とても楽しみな部分が大きいというのと、4年生は最後の大会になるので、少しでも力になって最後リーグ戦(東京六大学秋季リーグ戦)はありますけど、全国大会で有終の美を飾れるようにプレーをしていきたいと思います。

久保嶋は攻守にわたって活躍している

――清瀬杯でそれぞれに求めるプレーを教えてください

岡田 春は自分がレフトで久保嶋がサードっていうことがすごく多くて、三遊間に飛んでくる打球を全部華麗に処理してもらったので、まずは確実に清瀬杯でも、三遊間の打球を全部取ってもらって。

久保嶋 (笑)。

岡田 あとは三塁線の打球がたまにちょっと抜けてくるので、そこの打球をダイビングキャッチでファインプレーして、チームを盛り上げてもらってっていうのと、打撃でもチームに貢献するような右方向とか、長打も打てますし、ここぞの場面でいい打撃をしてくれることを期待しています。

――それを聞いていかがですか

久保嶋 いやもううれしいでしかないですね。でもちょっと三遊間全部はきついと思うので、岡田くんは肩が強くて走者が本塁に回っていたら刺してもらえると思うので、そんな全部は取らなくていいかな(笑)。

――久保嶋選手が大澤選手に期待するプレーについて教えてください

久保嶋 大澤くんはこのリーグ戦でもチームのエースとして活躍してくれて、明大戦の1敗しかしていないので、清瀬杯でもその勝ち運と言いますか、それともちろん大沢くんの実力も出してもらって。あと、三塁から大澤くんと守備中に結構喋ることが多いんですけど、いつも笑顔で返してくれるので、清瀬杯中も笑顔で返してくれるような、余裕で投げられるくらい大澤くんにはあと1カ月ないくらいですけど成長してもらって、チームの大エースと言われるくらいになってほしいなと思います。

大澤 いやぁ(笑)。自分は謙虚にいきたい派なので、うれしいですけどあまり満足せずに頑張っていきたいです。

――では、大澤選手が岡田選手に期待することを教えてください

大澤 岡田は今二刀流に挑戦しているということで、清瀬杯でもその活躍をしっかり見たいなと。トーナメントで連戦になると思うので、二刀流大変だとは思うんですけど、投手としても剛速球で全国相手にねじ伏せてほしいなと思います。打撃の方も一番いい場面で回ってくることが多くて、印象的な一本、決勝点をよく打っている印象があるので、清瀬杯でもその一打に期待したいと思います。

岡田 期待に応えられるように頑張ります。

――清瀬杯までにどういった調整をしていきたいと考えていますか

岡田 自分の場合は二刀流をやっていて、まだ成長過程なので、清瀬杯に合わせた練習というよりは清瀬杯と関係なく、とにかく上に上に、実力を上げていけるような練習をやっていかないと全国では通用しないと思います。特に清瀬杯、というわけではなくて、とにかく練習をたくさんして、二刀流ということは人の2倍やらないといけないということなので、人の倍やって頑張っていきたいと思います。

大澤 春を終えて、データ班の方々からミーティングを通して自分の課題がだいぶ浮き彫りになったところがあったので、その課題をこの夏一つずつつぶしていけるように。オープン戦もあと何試合か残っているので、自分も岡田君と同じように調整ではなく、自分の成長にしていけるように清瀬杯に向かっていきたいと思います。

――課題が浮き彫りになったということですが、どのような課題でしょうか

大澤 自分は先発を任せてもらうことが多いんですけど、試合の前半で点を取られることが多かったので、立ち上がりは気にして。あんまり意識はしたくないんですけど、試合前の準備とかをいろいろ試して、自分に合ったものをこの夏見つけたいなと思います。

久保嶋 僕も打撃面に関しては苦手なコース、得意なコースがあるんですけど、苦手なコースに来た時でもうまく対応できるような打撃を少しでも身につけられるように練習していきたいです。守備に関しては先ほど岡田くんからあったように、三遊間の打球を確実に取るっていうのと、三塁線を抜かれると長打になりやすいので、その三塁線を抜かれない守備範囲、守備位置とか反応を、残り少ないオープン戦の中でいろいろ試して、清瀬杯で三塁線抜かれて長打っていうことがないようにしていきたいと思います。

――では最後に、清瀬杯への意気込みをお願いします

大澤 先ほどから言っている通り、自分は優勝しか目指していないので、そこに向けて自分のできることを全力で、ただひたすらにやっていくだけかなと思います。頑張っていきます。

岡田 チームとしての目標はもちろん優勝で。そのために個人としてチームに貢献できるような打撃や、投球の機会を与えていただいたら投手としてチームに貢献できるように頑張っていきたいと思っています。

久保嶋 僕もチームとしては優勝が目標なんですけど、個人としては僕の強みである元気っていうのもチームの士気に関わってくると思うので、そういう面からもチームの勝利に貢献できるようにプレーしていきたいと思います。

――ありがとうございました! 

(取材・編集・写真 渡邊悠太、荒井結月)

◆岡田和也(おかだ・かずや)(※写真中央)

2001(平13)年6月6日生まれ。178センチ、74キロ。東京都・国学院久我山高出身。スポーツ科学部2年。外野手・投手。最近バックパッカーに憧れているという岡田選手。年末年始に海外に行きたいと考えているそうです! 

◆久保嶋真也(くぼしま・しんや)(※写真左)

2000(平12)年10月7日生まれ。175センチ、75キロ。神奈川県・桐蔭学園高出身。社会科学部2年。内野手。最近アニメ鑑賞にハマっているという久保嶋選手。今一番ハマっているのは『SHAMAN KING』だそうです! 

◆大澤龍登(おおさわ・りゅうと)

2002(平14)年9月25日生まれ。170センチ、65キロ。埼玉県・星野高出身。文化構想学部2年。投手。同じ背番号18番として、山本由伸選手(オリックス・バファローズ)を応援しているという大沢選手。試合前は必ず山本選手の登場曲である『フロンティア』を聞いているそうです!