TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |||||
早大 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | |||||
高崎健康福祉大 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | |||||
(早)〇大沢―浅野 |
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約2週間前に東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)を2位で終え、全日本出場校選出予選会(全日予選)への切符を得た早大。この日、早大は高崎健康福祉大との全日予選の初陣に臨んだ。2019年以来3年ぶりの全日本大学選手権(全日)出場・優勝のためには、1度も落とすことのできないトーナメント制の下での戦い。この日の試合でも、春季リーグ戦から続けてきた早大の堅実な野球が光った。初回、早大は川原崚(商4=東京・早実)の適時打で幸先よく先制すると、4回にも1点を追加。投げては、先発の大沢龍登(文構2=埼玉・星野)が9回を1失点に収め見事完投し、1点差の投手戦を制した。早大は、日大対日大三崎町の試合の勝者と対戦する2次トーナメント決勝への進出を決め、全日出場に王手をかけた。
適時打を含む4安打の活躍を見せた川原
試合直前まで降っていた雨が上がり、終始曇り空の下行われたこの試合。試合は序盤からいきなり動きを見せた。先攻の早大は初回、山浦秀斗(スポ4=埼玉・早大本庄)が内野安打で出塁すると、けん制悪送球も絡み、1死三塁のチャンスを迎える。ここで、春季リーグ戦で好調を維持した4番・川原が左前適時打を放ち、すぐに先制に成功した。一方の先発・大沢は1回、2回ともに得点圏に走者を背負うも、いずれも無得点に抑える。ところが、3回には2死から連打を浴びて1点を献上し、同点に。打線の反撃が待たれる展開となる。
すると打線はすぐさま期待に応えた。4回、打線は渡辺真之介(社3=早稲田佐賀)、川原の連打などで1死一、二塁のチャンスをつくる。ここで、新井健太主将(商4=東京・早大学院)の放った内野安打の打球に一塁手の後逸が絡むと、その間に二塁走者の渡辺が一気に生還。勝ち越しに成功し、これが決勝点となった。
追加点につながる内野安打を放った新井主将
先発の大沢はその後、時折走者を出しながらも冷静沈着な投球を続け、得点を許さない。4回から8回まで相手打線をわずか2安打に抑えると、9回もマウンドに上がった。2死から同点の走者を背負い、緊迫した場面を迎えるが、動じることなく最後の打者を打ち取り、ゲームセット。公式戦自身初の完投勝利は、全日出場を目指すチームにとっても大きな勝利となった。
9回1失点で完投勝利を挙げた大沢
貴重な1点のリードを守り抜いた。打線はリーグ戦でも活躍した選手を中心に、好機を逸さず得点に成功した。一方の守りでは、大沢が力投を続けると、それに応えるかのように野手陣がリーグ戦時と変わらず終始堅実な守備を見せた。これまで継続してきた全員野球をこの試合でも実践し、勝利へとつなげた早大。18日に行われる2次トーナメント決勝に勝つと、全日出場が決定する。目標とする3年ぶりの日本一、『昇覇』に向け、戦い続ける早大ナインの姿に引き続き期待がかかる。
(記事 横山勝興、写真 藤田珠江)
コメント
新井健太主将(商4=東京・早大学院)
――今日の試合を振り返っていかがですか
僅差で少し苦しい試合でしたが、投手の大沢が頑張ってくれて、守備も要所ごとにしっかり抑えて、守り勝てたことが良かったと思います。勝てて良かったです。
――今日はどのような気持ちで試合に臨みましたか
まずは先取点を取りにいこうと意識はしていました。その点で言えば、初回に1点を取れたことは良かったと思います。あとはとにかく守っていこうと思っていたので、その点についてもしっかりできて良かったと思っています。
――この試合に向けてどのような準備をしてきましたか
リーグ戦から少し期間が空きました。ボールも変わったので、ボールへの対応をしたり、基本的にはリーグ戦の課題をもう一回見つめ直したりしてきました。
――2回と7回には走者を刺すなど好守も見られました。1点を守り切ったチーム全体の守備を振り返っていかがですか
1点を守り切ってことに関しては、大沢がよく投げてくれたおかげだと思います。けん制で(走者を)刺したことについては、高崎健康福祉大学さんの試合を見たりして、走ってくるチームだということを知っていたので、走ってきたところを刺そうという意識ではいました。少しけん制を多くするなど、そういったところは考えながらプレーしていました。
――ご自身の今日の調子はいかがでしたか
この春で一番悪かったと思います。
――次戦に向けて意気込みをお願いします
次の試合まで1週間空くので、今日出た課題に関してはしっかりと練習に取り組んで、来週のこの春最後の試合でしっかり勝ち切って、全日出場を決めたいと思います。
川原崚(商4=東京・早実)
――今日の試合を振り返っていかがですか
無事勝つことができて良かったです。
――今日はどのような気持ちで試合に臨みましたか
トーナメントなので、一戦一勝というかたちで、いつも通り入れればいいかなと思いました。
――1回の先制タイムリーの感想はいかがですか
簡単に追い込まれてしまったので、なんとか食らいつこうという気持ちの中で出た一本だったと思います。
――タイムリーを放った打席にはどのようなことを意識して向かいましたか
ヒットを打つことだけを考えて、打席に立ちました。
――今日は4安打を放ちましたが、打撃の調子はいかがでしたか
春季リーグ戦が終わってからずっと状態が良かったので、そのまま結果に出たかなと思います。
――次戦に向けての意気込みをお願いします
勝ったら全日本(全日本大学選手権)が決まるので、絶対に勝とうという気持ちで頑張りたいです。
大沢龍登(文構2=埼玉・星野)
――今日の試合を振り返っていかがですか
全日(全日本大学選手権)に向けて大事な一戦だったので、とりあえず1勝できてほっとしています。
――今日はどのような気持ちで試合に臨みましたか
序盤は苦しかったですが、平常心を意識して試合に臨みました。
――3回には1点を許したものの、勝ち越し点は許しませんでした。振り返っていかがですか
いつもの悪い癖が出てしまったので、そこは反省したいです。ですが、そこでまた気持ちを切り替えて投げることができたので、良かったです。
――全体の投球としては3回を除いて、時折走者を許しながらも1点も許しませんでした。全体の投球を振り返っていかがですか
ロースコアの試合が続いていて、1点差だったので、絶対に点を許さないという強い気持ちで投げることができました。
――9回1失点という結果についてはいかがですか
初めて9イニング完投したので、良い経験になりました。
――次戦に向けての意気込みをお願いします
次戦も大事な一戦なので、しっかり準備をして、全員野球で勝ちたいと思います。