【連載】 Summer Challenge Cup事前特集『打破』第1回新井健太×川原崚

準硬式野球

 第1回に登場するのは新井健太(商2=東京・早大学院)と川原崚(商2=東京・早実)だ。2年生、内野手、商学部所属、系属附属校出身と何かと共通点が多い二人。関東地区大学選手権(関東大会)では結果を残し、チームを引っ張る活躍を見せた。Summer Challenge Cup でも勝利に大きく貢献してくれるであろうこの二人に、関東大会の振り返りや今回の意気込みを伺った。

※この取材は8月11日にZOOMで行われたものです。

『飛躍』

「チームとしても個人としても飛躍できる年に」と話した川原

――まずは新井選手、川原選手の紹介をお願いします

新井 面白いエピソードとか無いですね。彼(川原は)はいつも人を小ばかにしてます。先輩後輩、同級生問わず、いろいろ言ってますね。あまりこういう場では言えないですけど。そういう人です。

――言える内容はありますか

新井 やめておきます(笑)。

――では川原選手、新井選手の紹介をお願いします

川原 新井は人が言えないことをズバッと言ってくるので、サイコパスと言われてますね。野球についても結構ずばずば言ってくるので、ありがたい反面、ちょっとなって時もあります。

新井 気を付けます(笑)。

――二人でご飯に行かれることはありますか

新井 二人では無いですね。でも学部も一緒なので、学部の友達と何人かでご飯に行ったり、遊びに行ったりすることはあります。

自粛中はどのように過ごされていましたか

新井 自粛中はずっと家にいて、夜ちょっと走りに行ってましたね。あとは家の中でトレーニングをしたり、パソコンでYouTubeを見たりしていました。

川原基本的には新井と一緒で、朝遅く起きて、YouTubeとか見て、夜少し走って、寝て、を繰り返してました。緊急事態宣言が明けてからは免許を持っていなかったので、ずっと教習所に行っていましたね。

――トレーニングは何をされていましたか

新井 ジムでのトレーニングはできなかったので、家の中にあるダンベルとか、重みのあるものを集めてトレーニングをしていました。

川原特別なことはしていなかったです。素振りをしたり、バッティングセンターに行ったりくらいですかね。

――新しい息抜きやハマったことはありましたか

新井新しい趣味は見つけてないですが、毎年名探偵コナンを見に行ってたので、今年の映画を見る前にと、今までの予習をしていました。結局延期で映画は無かったんですけど、結構ハマりましたね。漫画を全部ネットで買ったり、無料配信している映画を見たりとかしていましたね。

川原僕は特にないです。本当に何もしていなかったです(笑)。

――自粛中に変化した部分はありましたか

新井筋肉がだいぶ落ちましたね。家の中でできることが限られていてあまり動けていなかったので、今苦しんでますね。

川原自粛前と比べて体重がめちゃくちゃ落ちました。

新井川原めちゃくちゃやせたよな。写真とか見ても別人です、川原は。

――他のチームメイトはどうですか

新井他はそれほどじゃないよね

川原うん

新井僕たちだけですね(笑)。

――自粛中チームメイトと連絡は取りましたか

川原そうでもないかな(笑)。

新井僕もそんなにないですね。授業が始まってからは、川原だったり、同じ学部の人と連絡は取っていましたけど、それ以外は全くないです。

――今現在どのように過ごされていますか

新井 あまり外に出られないので部活だけですかね。

川原 一緒ですね。

――練習が始まって、チームの様子はいかがですか

川原 特に変わらないかな(笑)。そんなに変わらないと思います。

新井 代替大会があるので、それに向けてあまりモチベーションを落とすこともなく、今まで通りの練習をやっています。去年は練習試合が多かった分、練習の時はフリーバッティングで終わっていたこともあったんですけど、今年は練習試合のような実戦が少ないので、実戦的な練習を多くやっています。そういうのも幹部の先輩方が考えてやってくれているのかなという風には思います。

――新型コロナウイルスの影響をまだ感じることはありますか

新井 練習中は感じないですね。

川原 スクイーズが飲めないくらい?

新井 みんなで回し飲みはできないので、ジャグは自分たちで持ってくるようになりました。

『感謝』

コロナ渦で大会ができる感謝の気持ちを話した新井

――関東大会は3位という結果でしたが、チームとして、個人として、どのように捉えていますか

川原 チームとしてはやっぱり優勝はしたかったですね。最後の負け方も実際勝てたような試合だったので、そこは悔しいです。個人としては、初めてAチームとして公式戦に臨んで、そこそこ結果を残せたんですけど、準決勝の法大戦は全然打てなくて、最後もチャンスで打てなかったので、反省するべきところはたくさんあったかなと思います。

新井 監督さんとかも、負けた法大戦のことを今でもお話しされたりしますし、やっぱり優勝できる状態ではあったと思うので、それができなかったっていうのは、みんな悔しいですし、優勝したかったなっていうのはチームとしてはあったと思います。自分は大会が始まったときはレギュラーではなくて、ショートは渡部さん(椋雅、商3=神奈川・桐光学園)が守っていたんですけど、けが人が出た関係で渡部さんがセンターを守って、自分が途中からショートを守りました。その中でしっかり結果を残せたので、それは良かったですね。ただ自分の中では状態が良かったのでそのままリーグ戦(東京六大学春季リーグ戦)に入りたかったんですけど、新型コロナウイルスの影響でリーグ戦が中止になって、残念には思っています。

――新チームの感触はいかがですか

新井 昨年全日本(全日本大学選手権)で優勝して、日本一になって他の大学から追われる立場になって、自分たちも全日本連覇を目指していて、特に4年生とか幹部の先輩方はプレッシャーもあるんじゃないかと思います。ただ特別大きく変わった感じはしないですね。今まで通り課題が出たら潰していって、みたいな。どう思います?川原くん。

川原 僕もあまり変わりはないかなと思います。練習内容もそうですし、試合の運び方もあまり変わってないと思います。

――新井選手は関東大会途中からスタメンとして出場されましたが、大会を終えて良かったところや反省点はありますか

新井 良かったところは、イレギュラーな形と言ったらあれですけど、試合に出てない状態から大会が始まって、途中からスタメンで出るようになって、その中でちゃんと準備をして結果を出せたところだと思います。やっぱり課題は守備面で、エラーが結構出ていた印象があるので、その辺かなと思います。

――では今は特にその守備面を鍛えているのですか

新井 特別どっちというわけではないんですけど、今は新チーム始まったくらいからピッチャーも始めていて、そっちの方でも練習をやっているので、満べんなく全体的にという感じでやっています。

――川原選手は4番として大会に出場されましたが、大会を終えて良かったところや反省点はありますか

川原 初めての公式戦でそこそこ結果を残せたことは良かったと思います。ただ、やっぱり勝負所やチャンスの場面であまり打てなくて、4番っていうポジションなので、打点にこだわっていきたいなと思います。

――今は打撃面を重視しているのですか

川原 今は打撃ですね。自粛期間があって、感触もあまり良くないので、そこをしっかり代替大会までに戻していけたらなと思っています。

――全日がなくなって、率直な気持ちを教えてください

新井 昨年優勝している大会で、新チームが始動して連覇を目指してやってきて、出場権も獲得していたので残念だなというのはあるんですけど、代替大会があるので、あまり深く考えすぎるのは良くないのかなと思います。

川原 なくなった時は率直に残念だなと思いましたね。そこを目指してやってきたので、なくなった瞬間はモチベーションも下がりそうになりましたけど、代替大会があって秋リーグ(東京六大学秋季リーグ戦)もあるので、そこに向けてやっていこうという気持ちですね。

――Summer Challenge Cupが決まった時の気持ちは「やってやるぞ」という気持ちですか

川原 そうですね。

新井 そういう感じです(笑)。

――大会に向けて、現在意識して取り組んでいることはありますか

新井 なんかある?(笑)

川原 特別意識していることはないですかね。普段通りっていう感じです。

新井 大会は変わりますし出場するチームも変わってくるんですけど、全日があると想定して練習してきたので、全日に向けてやってきた練習と特に変わることはないかなと思います。

――克服したい課題はありますか

新井 ショートは池澤さん(一真、スポ4=栃木・大田原)とか渡部さんとか、同じ学年だと服部(峻也、社2=東京・早実)とかがAチームでやっているんですけど、最終的に誰が試合に出るかってなると、一番打てる人が出ることになると思っていて、自分もあまり去年の秋とか打ててなくて、打てるか打てないかで試合に出られるか出られないかが決まってくるんじゃないかと思うので、打撃を特に頑張ってやっています。

川原 僕はファーストっていうポジションで、ファーストはやっぱり打てないポジションだと思っていて、守備もいろいろ課題はありますが、打撃でアピールしていかなければいけないので、やっぱり打撃を中心的にやっていますね。

――内野手の陣容が自粛明けで変化したと伺いました。どのように感じていますか

新井 ショートは、渡部さんが関東大会から外野もやっていて、自分もピッチャーと兼任になって、池澤さんもけがから復帰して、そういう点では変化はありましたね。サードは変わってないのか。

川原 そうだね。

新井 セカンドは、今まで自分たちが入部してからずっと、1番手が塚脇さん(太陽、人4=千葉・市川)で、2番手が篠原さん(大成、教3=大阪・早稲田摂陵)っていう構図があったんですけど、そこに3年生の畑さん(晴太郎、人3=長崎西)とか、自分たちと同期の山浦(秀斗、スポ2=埼玉・早大本庄)が入って、試合でも活躍しているので、その辺の競争は激しいんじゃないかなって思っています。

――夏季オープン戦も始まっていますが、ご自身の調子はいかがですか

新井 今まで2チームと合計4試合やって、自分が出たのが1打席と3イニングくらいで、さっきも言ったようにピッチャーと兼任しているという点で、ピッチャーの結果は結構良かったのですが、打撃はあまり内容が良くなくて、ちょっとアピール不足かなっていう気はしています。

川原 正直あまり調子は良くないですね。まだ真っ直ぐに振り遅れることがあって、対応できていない時も結構あるので、そこはしっかり直さないとなとは思っていますね。

――ご自身の状態を100点満点で表してください

川原 僕は30点とか40点とかですかね(笑)。最初の国学院大戦で長打が出たので、そこは良かったかなと思います。

――残り70点はやはり打撃面ですか

川原 そうですね。

――新井選手はいかがですか

新井 10点くらいじゃないですか(笑)。結果が出ているかと言われたら出ていないので、残り90点は出場機会を増やすとか結果を出すとかですかね。正直0点でもいいんじゃないかなっていうくらいなんですけどね(笑)。0点じゃまずいので10点あげました。

――特別大会で期待している選手はいますか

新井 お先にどうぞ(笑)。

川原 難しいな(笑)。誰かいる?

新井 やっぱりこのオープン戦を見ていて思うのは、スタメンで出るかは分からないですけど、同期の山浦と吉田(昂平、法2=埼玉・早大本庄)ですかね、めちゃめちゃ打ちます(笑)。とにかく打つので、この代替大会に限らず、今後自分たちが引退するまでずっと活躍してくれるんじゃないかなって思います。すごい上から言いましたけど(笑)。

――山浦選手と吉田選手は調子が良いですか

新井 そうですね。この間山浦はホームラン打ってましたし、吉田も毎打席ヒットを打っているような感覚です。

――アドバイスを求めることはあるのですか

新井 教えてくれるので、山浦はだいぶお世話になっています。それで、川原が期待する選手は?

川原 同期の鳥越(康介、文構2=東京・早実)ですかね。野ならどこでも守れる感じですし、体は大きくはないんですけど力があって、バッティングが結構良いので、試合に慣れてくれば絶対活躍できるんじゃないかなと思っています。

――大会で注目してほしいポイントはありますか

川原 やっぱりバッティングですかね。守備はちょっとあれなので(笑)。

新井 自分は関東大会の時のような勝負強いバッティングを期待してほしいです。

――初戦は関東学院大ですが、どのような相手だと感じていますか

新井 関東大会で上位に入ってきたり、準硬の中では名前の通っている大学なので、直近どういう練習をして、どういう選手が出てくるかはあまり分からないですけど…。そうですね、分からないんですよね(笑)。自分たちの野球をして、勝てるように頑張りたいと思います。

川原 相手のことはあまり分からないですけど、初戦の入りはやっぱり大事なので、初戦勝ってしっかり勢いつけていきたいと思います。

――大会での個人の目標を教えてください

川原 一番はやっぱりチームの勝利に貢献することなんですけど、具体的な数字としてはホームランを1本打ちたいですね。

新井 どういう場面で出るか分からないですし、スタメンなのか途中からなのかっていうのは、今の状況では何とも言えないんですけど、与えられた役割を全うして、勝利に貢献できればなと思っています。

――最後に意気込みをお願いします

新井関東のチームでの大会ということで、関東大会のリベンジという意味と、昨年全日優勝した高校としてプライドを持って、勝ちにこだわって優勝を目指したいと思います。

川原チームとしては絶対に優勝できるように頑張っていきたいと思います。個人としては、ホームランを打つというのと、打点にこだわって頑張っていきたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 長村光、小山亜美)

◆新井健太(あらい・けんた)

2000(平12)年6月11日生まれ。170センチ、70キロ。東京・早大学院出身。商学部2年。内野手、投手。右投右打。この夏から投手と内野手の二刀流への挑戦を決意した新井選手。自粛期間中にコナンにハマったと話してくれました。おすすめは赤井秀一が出てくる緋色シリーズだそうです。

◆川原崚(かわはら・りょう)

2000(平12)年8月20日生まれ。183センチ、76キロ。東京・早実高出身。商学部2年。内野手。左投左打。最近新しい自転車を買ったという川原選手。部活動はグラウンドまで約10キロの道のりを走ってきているそうです。毎日の自転車で培われた持久力は今大会で遺憾なく発揮されるでしょう!