ダブルヘッダーを含む4連戦となる清瀬杯第50回全日本大学選抜(清瀬杯)。優勝を目指すには上級生だけではなく、下級生の力も必要だ。この日は、春の大会にも出場し活躍が期待される中村康祐(教2=早稲田佐賀)、池澤一真(スポ2=栃木・大田原)、竹本周平(人2=鳥取・米子東)、高山幸汰(商2=佐賀西)の2年生四人に、これからのシーズンに向けての意気込みを語っていただいた。
※この取材はメンバー確定前の8月12日に行われたものです。
「今のままではいけない」(中村)
春、その出塁の仕方からラッキーボーイと呼ばれた高山
――出場されていた時期は異なりますが、東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)や関東地区大学選手権(関東大会)を振り返ってみていかがでしたか
高山 関東大会はメンバー入りしていなかったのですが、春のリーグ戦の明大戦からメンバー入りさせてもらい、基本代打という形で出場させてもらいました。そんなに綺麗なヒットとか、チームの勝利に直結するような一打というのは出ていないんですけど、相手のエラーとかフォアボールとかで塁に出てチャンスを広げたりすることができたのは、監督にも良かった点として挙げられました。
中村康 関東大会でスタメンとして使ってもらって、それでもやっぱりなかなか(力が)伴ってこなくて、自分の思うようなバッティングもできなかった中で、先輩に色々助けてもらいながら試合をさせてもらいました。申し訳ないと思うと同時に、悔しいなと思うときもあって・・・。リーグ戦の時は、ベンチ入りはしたのですが出場機会に恵まれていなかったので、春は正直悔しい思いをずっとしていました。
池澤 関東(関東大会)と春(春季リーグ戦)のどちらもベンチ入りさせていただきました。(当時同じ守備位置だった)セカンドにキャプテンの森田さん(達貴主将、スポ4=埼玉・県浦和)がいるので、なかなか出場できずあまりチームのためになったと思うことはできなかったなと感じています。でも、関東で3位になったり、レベルの高い野球を肌で感じられたりした事は良かったかなと思います。
竹本 自分は関東大会のベンチ入りに外れてしまって、すごく悔しい思いをしました。春リーグが始まるまでの期間があったので、そこでもう1回詰め直して、春のリーグ戦は全試合ベンチ入りすることができました。でも高山と同じで代打の出場機会がほとんどで、その中で自分の形でバッティングをできたときというのがそんなになくて、悔しかったというのが大きいです。
――竹本選手はスタメンで出場されていたときがありました
竹本 東大戦だったのですが、すごく緊張しました。1本ヒットが出て、チームも勝ったので、貢献できたのは良かったと思っています。
――木村杯新人戦(新人戦)を振り返ってみていかがでしたか
高山 新人戦はスタメンを任されていました。リーグ戦とは違って守備機会があったり、試合に入る準備の時間とかも違ったりで、そこに苦労して・・・。準優勝はしたんですけど、自分の中での結果があまり出なかったのが悔しかったので、自分がスタメンで出ると仮定して、そこでどういう活躍ができるかというのを夏の練習の課題にしてやっています。
中村康 自分も1番バッターとして起用してもらったんですけど、そこでも春リーグに続いて自分の思うようなバッティングができなくて悔しかったですし、他の大学はリーグ戦で投げているピッチャーとかが出てきて、実力差を身に染みて感じました。やばいなというか、今のままではいけないなという危機感を覚えたので、これから練習を頑張っていくしかないなと思いました。
池澤 やっぱり関東と春リーグをメンバーで出させてもらったので、新人戦は自分たちが活躍してやっていかなきゃと思っていたんですけど、なかなか結果が出なくて。決勝の法大戦も全然活躍できなくて、チームに貢献できなかったなと感じています。早い段階でメンバーに入れさせてもらっているので、それ(その経験)を同学年以降にも反映できなければ意味がないと思っていて、この夏以降はそれをやっていきたいなと思っています。
竹本 新人戦ではゲームキャプテンを任されて、2年生の中でも1番責任感を持ってやりました。慶大戦ではチーム一丸となって勝つことができましたし、自分の中でも納得できるバッティングができたので、そこは良かったと思っています。決勝では自分のミスから始まって負けてしまったので、悔しいという気持ちが今でもあります。
――新人戦は上級生がいない環境でしたが、普段と異なる点はありましたか
高山 やっぱり森田さんみたいにノック中でも、バッティング練習中でも、引っ張ってくれる人が・・・僕らの学年そういうキャラの人がいないので、(この)四人がやらなきゃなという気持ちはあったんですけど、行動に移せなくて苦労しました。
中村康 高山と被ってしまうのですが、リーグ戦とか関東大会でメンバー入りをしている自分たち四人が中心となってチームを引っ張っていかなければいけないという状況で、それぞれ自分の結果もなかなか思うように出ていなかったので、チームを引っ張っていけなかったなと感じています。申し訳ないですし、責任を感じました。(それと同時に)それをやっている森田さんはすごいなと思いました。
池澤 普段先輩方が引っ張ってくれているありがたみを感じたというか、自分たちがいざ引っ張っていかなければいけないという状況になったときに、果たしてそれができたかと聞かれたら、できなかったというのが一番の感想で・・・自分たちが引っ張っていくという意識を日頃から持っていく必要があるのかなと思いました。
竹本 今までベンチには必ず先輩たちがいたので、そこで引っ張ってもらえるという感覚が大きかったなと、新人戦の練習、試合通して痛感しました。これから学年が上がるにつれて自分たちが引っ張っていかなければいけないという意識があるので、練習のときから考えていかなければいけないと思います。
――池澤選手はレギュラー争いをしているとお聞きしました。ご自身のアピールポイントは何だと思いますか
池澤 自分が早い段階でメンバーに入ることができたのも、堅実的な守備と積極的な走塁を買われてだと思うので、塁に出たら積極的に次の塁を狙うような走塁や、大事なところでエラーをしない堅実的な守備かなと思います。
「野球に関しては真面目」(池澤)
ウエイトは嫌いだが、太ったのでランニングを始めたという中村康
――ここからは野球以外のことについてもお聞きします。学年のカラーはどんな感じですか
高山 ない。カラーないな。
竹本 わりと大人しいイメージはあるけど。
中村康 なんかでも真面目キャラもいなくない?
池澤 いや、みんな真面目だよ。
中村康 私生活はだらしないけど(笑)。
池澤 野球に関しては真面目だね。
高山 森田さんみたいに引っ張ってくれる人はいないね。
――あまり同期内でリーダーシップを取る人はいないのでしょうか
竹本 いないですね(笑)。
――新人戦のキャプテンはどのように決まったのですか
竹本 各学年に学年リーダーというものがあって、1月の必勝祈願の日に言われました。それまでは康祐(中村)がやってたんですけど。またつい最近康祐に戻りました。学年リーダーの流れで、丁度そのとき新人戦があったのでキャプテンになりました。
高山 (リーダーシップを取るのは)強いて言うならこの二人(竹本、中村)ですね。
――部活以外の時間は何をして過ごしていることが多いですか
高山 僕はウエイトをやっています。暇だよね、実際。バイトとウエイトとっていう感じです。
竹本 あんまり俺は家で過ごすのが好きではないので、外に出掛けるようにしています。筋トレも好きなので、趣味としてやってはいます。
池澤 自分なんかもウエイトが好きなのでやったり、あと自分は結構インドアなので、家にこもって映画を見たりしています。
中村康 自分は最近暑くて外に出掛けるのが面倒だし、みんなウエイトとか言っているけれど、ウエイトをするのも面倒くさいなと思ってしまうタイプです。最近ちょっと太ってきたので、ランニングとか始めています。
――みなさんで遊びに行ったりすることはあるのでしょうか
竹本 1年生の時とかは、夏休み海に行ったりディズニーに行ったりしていました。今年は・・・。
高山 代々木公園くらいじゃない?
竹本 ああ。春にお花見?に行ったくらいですかね。やっぱりAチームとBチームに別れてしまって、予定が合わなくなってしまいました。
――高校野球での1番の思い出を教えてください
高山 最後の夏の大会で、8回裏の1アウト一、二塁、1-2で負けていて、ずっとそこまで凡退していたんですけど、そこでライトオーバーのツーベースを打って。その瞬間にやっぱり野球をしていて良かったなと思いました。あの瞬間をもう1度味わいたいと思って、大学でもこうやって続けています。
竹本 一番の思い出は・・・沢山あるんですけど、2年生の夏に準決勝までいって、今年(鳥取)県の代表で出場している鳥取城北と対戦して、負けてはしまったんですけど20何年ぶりくらいに準決勝まで進出したので、それがいい思い出です。先制タイムリーも打てたので、自分の中では良かった試合だと思っています。
中村康 自分は、出身は福岡なんですけど高校は佐賀にあって。ほとんどの野球部の奴が寮生活を送っていて、一緒に学校から帰ったりとか飯を食ったりする生活が多かったので、そういう時間が楽しかったなと思います。(寮生活のことは)野球に限らないですけど、高校生活の中で楽しかったなと思います。
池澤 自分は正直に言うと、高校野球はいい思い出ではなくて・・・自分たちが最高学年のときに、人間関係で色々あって。なかなか運営もうまくいかず、試合も勝てないというのが続いて、最後の夏の大会も、その流れで負けてしまって。最後の試合は自分たちの代で(夏の)甲子園で優勝した作新学院だったのですが、作新の状態もそんな感じで、本当に強くてボロ負けでしたし、自分の中での高校野球はあまりいい思い出ではないです。
――今のほうが楽しいということですか
池澤 そうですね。今はやっぱり、メンバーに恵まれたなと思います。みんな野球に真面目で、野球の話をして楽しいので、ワセダの準硬で良かったなと思います。
竹本 思ってない、思ってない(笑)。
一同 (笑)。
「自分ができることを全力でやりたい」(竹本)
毎日絶好調の竹本
――ここからは清瀬杯に向けての質問となります。最近の調子はいかがですか
高山 春リーグが終わってテスト休みをはさんで、夏の練習が始まって・・・4日来て、1日休むという形で練習をしているので、学校があるときよりも体もキレていて、いい調子だと思うので、清瀬杯でもしっかり打ちたいと思います。
中村康 今、夏休み期間で、練習に集中して取り組める期間であると思うんですけど、今新人戦で感じた実力差を埋めていかなければならないと思っています。自分の中でバッティングとかを変えているんですけど、変えている段階で今は結構難しい状況なので、調子とかは自分の思うようにいっていないんですけど、まあ後2週間ちょっとで上げていければいいかなと思っています。
池澤 夏休みに入りメンバーを絞って練習するようになって、自分もポジションをセカンドからショートにコンバートしてやっている中で、最近はスタメンで使ってもらえるようになって、試合での結果もそこそこ残せてはいるんですけど、本当につい最近ケガをしてしまい、なかなかコンディションが上がらない状態ではあります。ですが清瀬杯まで後2週間ちょっとあるので、調子を上げていければなと思っています。
竹本 調子は毎日絶好調です。バッティングが自分の中で1番自信をもっているところなので、常に工夫しながら練習をしています。守備の課題は送球で、新人戦のときもそれで負けてしまったので、その日からもう一度見つめ直して今やってきているので、最近の練習でも送球ミスが減ってきていて、いい状態には向かっていると思います。
――春のシーズンが終わってから重点的に練習していることはありますか
高山 この代での自分の出場機会はやっぱり代打が1番多いと思うので、それならやっぱり森田さんに期待されている分、チームに期待されている分結果を残したいので、来年のこととかもあるんですけど、とりあえずこの代が終わるまでは、代打としての実力をしっかり磨きたいなと思っています。
中村康 自分もスタメンで使われていた当初は、バッティングを評価されて使われていたと思うので、バッティングの調子が上がってこない中で、バットを持って振り込んだり、スイングスピードを上げたりすることを目標にしてやってきています。
池澤 さっきも言ったんですけど、守備とか走塁が買われているなと思っているので、試合に出たときに当たり前のプレーを当たり前にできるように、練習中も1球1球大切に、捕球からスローイングまで心掛けています。
竹本 重点的にやっている練習はバッティングをいかに生かすかというところです。甘い球を逃がさないようにして、心掛けて練習をしています。
――初戦の相手は近大です。要注意の強豪校ですが、どのように戦っていきたいですか
高山 近大は強いと聞いています。ワセダの野球は最少失点で抑える『守り勝つ野球』だと監督さん(池田訓久監督、昭60教卒=静岡・浜松商)がいつもおっしゃっているので、スタメンで出るわけではないんですけど、もし自分に出場機会があるとしたら、(得点が)僅差での試合になると思うので、そこで綺麗なヒットじゃなくてもいいので、泥臭くいって、先輩たちの夏を終わらせないような戦いをしていきたいなと思います。
――清瀬杯と秋のシーズンに向けての意気込みをお願いします
中村康 清瀬杯はキャッチャーの2枚目ということでベンチ入りさせてもらうと思うんですけど、先輩たちがプレーに集中できるようにベンチマークだったり、サポートであったりそういうところを大切にしていきたいなと思いますし、もし出場機会があれば、そこは落ち着いて自分のプレーができるように常に心の準備をしておきたいなと思っています。秋リーグ(東京六大学秋季リーグ戦)はまだ出場チャンスはこれからなので、そこに向けてしっかり練習していきたいなと思います。
池澤 今ケガをしていてなかなか調整がうまくいっていないんですけど、せっかく1枚目で出させてもらっているので、清瀬杯までにしっかりポジションを整えて、今度こそはチームに貢献できたらいいなと思っています。そのあとの秋リーグも、本当にすぐ始まるので、春リーグでは何もできなかったという悔しさをバネに秋は自分がチームを勝たせるくらいの気持ちでやっていきたいなと思います。
竹本 まずは清瀬杯で優勝することがチームの目標なので、そこで自分ができることを全力でやりたいです。出場機会が与えられるとしたら代打だと思うので、一振りで流れを変えるようなバッティングや、勝利に導く犠打を打てたらいいなと思います。秋リーグは、今は今駒さん(顕二郎、教4=東京・早大学院)がサードでレギュラーなんですけど、その座を脅かせるように、もっと練習して1試合でも多く出場できるように頑張ります。
高山 清瀬杯と秋リーグが残っているんですけど、4年生と一緒にプレーできるのもあと2カ月と少しで、そこで4年生は抜けてしまいます。次の代を見て考えたら自分たちが主力としてやっていかなければいけないと思うので、4年生の戦い方とか、日頃の練習への取り組みとかをしっかり見ていきたいと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 今山和々子)
池澤が「メンバーに恵まれた」と話す2年生達。夏はフレッシュに活躍してくれるでしょう
◆高山幸汰(たかやま・こうた)(※写真左)
1998(平10)年10月17日生まれ。175センチ、72キロ。O型。佐賀西高出身。商学部2年。右投左打。外野手。元藩校の佐賀西高のユニフォームには、佐賀城の別名『栄城』から、『EIJO』の文字が刻まれています。「栄城の誇りを胸に、頑張りたいです」と笑顔で語ってくれました!
◆中村康祐(なかむら・こうすけ)(※写真左2番目)
1999(平11)年3月2日生まれ。171センチ、73キロ。B型。早稲田佐賀高出身。教育学部2年。捕手。右投右打。取材後、ダイエットを成功させます!と語ってくれた中村選手。暑い日々が続いていますが、熱中症には気を付けて、ランニング頑張ってください!
◆池澤一真(いけざわ・かずま)(※写真右2番目)
1998(平10)年12月25日生まれ。167センチ、65キロ。O型。栃木・大田原高出身。スポーツ科学部2年。内野手。右投右打。オフの日は自宅で映画を見ていることが多いという池澤選手。洋画を好んで見ているそうです。今年は年間150本を目指すと意気込んでいました!
◆竹本周平(たけもと・しゅうへい)(※写真右)
1997(平9)年7月30日生まれ。173センチ、70キロ。O型。鳥取・米子東高出身。人間科学部2年。内野手。右投右打。母校・米子東高は、全国に15校しかない第1回から夏の高校野球の地方大会に出場し続けている皆勤校の一つ。今年の甲子園ではキャプテンの選手が開会式で行進しました。母校に刺激を受けながら、日々邁進(まいしん)しているそうです!