新人戦１回戦突破　収穫の多いものに

　激闘を繰り広げた春季東京六大学リーグ戦（リーグ戦）から１週間。今度は２年生以下のフレッシュなメンバーで新人戦が行われた。試合は２回に吉田龍平（スポ１＝東京・小山台）の適時打などで序盤からリードを得て、優位に進めていく。８回裏にダメ押しとなる３点を加え、勝ちを確実なものにした。先発を務めた古賀湧也（スポ２＝佐賀西）は危なげない投球で８回を無失点に抑える好投を見せ、勝利に大きく貢献。完封リレーで快勝を収めた。

　リーグ戦ではリリーフとして３試合に登板し、計６回を無失点に抑えてきた古賀がこの日は先発としてマウンドに上がった。サイドスローから投じる球を低めに集めていき、試合前にバッテリーで特に意識していたという立ち上がりを事もなく乗り切った。そして、時折見せるクイック投法でボールだけでなくフォームでも緩急をつけることで東大打線を手玉に取っていく。終始、有利なカウントで勝負することできており、ピンチらしいピンチを与えることなく８回を無失点に。無四球で被安打４という文句ない投球を披露した。最終回に登板したのはルーキー菅野太一（商１＝東京・早実）。当日朝から緊張していたという菅野だったが、それを感じさせないような気迫あふれる投球で三者三振に切って取り、試合を締めた。

古賀は走者を出しても落ち着いた表情で淡々と抑えていった

　打線は２回、加藤瑛二（スポ２＝愛知）が内野安打で出塁。足でかき回し、相手のミスを誘い、三塁を陥れる。その後、打席に入った吉田龍が左前適時打を放ち、早い回に先制点を取ることに成功する。３回には中村大輔（商２＝東京・早大学院）の犠牲フライで加点。そして０−３で迎えた８回、無死２塁で代打・秋元旺（スポ１＝栃木・作新学院）。高校３年時に軟式野球で全国制覇を成し遂げた期待のルーキーは初球を豪快に左中間にもっていき、大学初打席で適時二塁打を放った。この回、さらに３点を加えダメ押し。０−６で１回戦を難なく突破した。

攻守に渡って活躍を見せた吉田龍

　「内野がよく守ってくれた」。古賀がこう振り返るように、随所に好守備が見られた内野陣。チームを通して目標に掲げる投手を中心とした守りの野球を実践することができた。打線に関して言えば、つくった好機、もらった好機を無駄にすることなく、着実に相手を引き離していった。リーグ戦から出場していた選手以外にも新顔が活躍を見せ、収穫の多い試合になったことだろう。次戦は関東地区大学選手権で敗戦を喫し、リーグ戦でも勝ち点を落とした相手である慶大。この勢いそのままに宿敵撃破に一直線だ。

（記事、写真　加藤耀）

関連記事

鉄壁の守備陣！多くの成果を得てリーグ戦を終える／春季東京六大学リーグ戦(5/23)

さすがの黒須！完封で投手戦を制す／春季東京六大学リーグ戦(5/22)

コメント

古賀湧也（スポ２＝佐賀西）

――きょうの投球を振り返っていかがですか

内野がよく守ってくれたおかげで、テンポよく投げられたと思います。

――８回無失点に抑えることができた要因は

低めにボールを集めることができたおかげです。あと吉田（龍平、スポ１＝東京・小山台）のリードがよかったです。

――どんな球がよかったですか

内と外に丁寧に投げられたこと、ストレートがよかったと思います。

――３回から５回には先頭打者に出塁を許しましたが

カウントを悪くしたくなくて。初回（の先頭打者）に３ボールまでいってしまったので、それを意識するあまりボールが甘く入ってしまったかなと思います。

――１、２年生のみでの試合でしたが、試合をしてみていかがでしたか

守備がよくて、打撃も機能していたのでいいチームだと思います。

――吉田龍平選手とのバッテリーはいかがだったでしょうか

いいキャッチャーなので、全幅の信頼を置いて投げました。

――次戦の慶大戦に向けて意気込みをお願いします

早慶戦ということで、因縁の対決なので気持ちで負けないように投げたいと思います。

吉田龍平（スポ１＝東京・小山台）

――完封リレーで勝ちました。きょうの試合を振り返っていかがでしたか

古賀さんとはまず初回の立ち上がりをしっかりしていこうということを話していました。あと先制点を取られるとチームの雰囲気も悪い方向にいってしまうと思っていたので、とにかく先制点をとられないように、と意識してリードしました。

――古賀投手はどんなところがよかったですか

東大のバッターは真っすぐに張っていたと思うんですけど、インコースのストレートは詰まってくれている感じでした。そこを要求したらきっちりインコースに投げてくれたのでそこがとてもよかったと思います。

――先輩が多い中でのプレーですが、緊張などはありませんか

試合前などはすごく緊張しています。それでも試合に入れば先輩方が声を掛けてくださって、サポートもしてくださいますし、自分は本当に思い切ってプレーさせてもらえていると思います。

――打っては適時打が２本、その２本を振り返ってください

１本目はアウトになってもおかしくない当たりだったので、相手のミスに助けられて一生懸命走りました。２本目はランエンドヒットのサインが出ていたんですけど、叩く意識、ゴロを打とうという意識だけで打っていきました。

――最終回、２死を取ったところで同じくルーキーの菅野太一投手（商１＝東京・早実）の元へ駆け寄りましたが、どんな声を掛けましたか

菅野は２番手（で登板する）という風に伝えられていて、朝からずっと緊張していたので、「ツーアウト取れたからあともう一人気を引き締めてやっていこう」ということを言いました。

――次戦の慶大戦に向けて意気込みを聞かせてください

強い相手だと思うので、しっかりと守備からリズムをつくっていきたいです。きょうのように点は取れないと思うんですけど、バッテリーで気をつけることは点を取られないことだと思うので、ワンチャンスをものにしていきたいです。