白熱の投手戦を制し、勝ち点獲得/立大2回戦

準硬式野球

立大2回戦 10 11 12
早大
立大
(早)大河原、黒須、○沼座-松下

◇(二塁打)笹井2

 今大会初の延長戦にもつれ込んだこの試合は、まさに息をのむ投手戦。お互いの意地がぶつかる我慢比べの展開となった。早大打線は本来の力が発揮できず、延長11回までわずかに5安打1得点。好機すら得られない状況が続いた。それでも投手陣は2回に1点を失ったものの、その後は投手3人リレーで立大打線を無失点に抑え込む好投を披露。延長12回に勝ち越し点を獲得し、粘り勝ちで今季初の勝ち点奪取に成功した。

 早大投手陣が意地の投球を見せた。先発の大河原朋哉(スポ4=大阪・三国丘)は安打を浴びながらも、要所を抑える投球で4回1失点。先発として試合序盤の流れをつくり、マウンドを降りた。2番手は黒須裕太(人2=栃木・真岡)。5回という早い段階からの登板にも、「準備はしていました」(黒須)と、持ち味の制球力で立大打線を次々と抑えていく。公式戦への出場機会は少ないが、1点も許せない状況で堂々たる投球を披露した。しかし、8回突如として黒須が立大打線に捕まり、二死満塁のピンチを迎える。ここで早大は、3番手・沼座翔平(スポ4=広島なぎさ)に交代。試合を左右する場面にも屈することなく、思い切った投球で三振に打ち取る。期待に応え、この回を無失点で切り抜けた。以降も沼座は相手に隙を与えない投球を続け、打線の援護を待った。結局、この試合は3人の継投で12回をわずか1失点。試合の主導権を相手に渡すことを阻止した。

8回のピンチを切り抜けガッツポーズをする沼座

 一方打線は苦しい展開が続いた。初回、笹井健佑(社2=東京・早実)の適時二塁打で、今大会初の先制点を獲得。試合の流れをつかみかけていた。しかし、この後は立大先発の谷淳平の前に凡打の山を築かれる。走者が出ても次がつながらない、もどかしい攻撃が続いた。早大打線に火をつけたのは、この日投手としても活躍した沼座。延長12回、二死ながらも左前へ安打を放ち、勝ち越しの走者が一塁へと進む。すると、ここまで一人で投げ続けてきた谷が制球を乱し、二者連続の四球。満塁の好機で、打席には途中出場の勝田優斗(スポ3=千葉・成田)が立った。「緊張はしました」(勝田)と、会場もこの日一番の盛り上がりを見せる。その初球、谷が投じた直球が勝田の左足に当たり、値千金の死球。沼座が生還し、ついに勝ち越し点を奪った。続く、鈴木夏亥(社2=東京・早実)も左前適時打でさらに2点を追加。この回3点を取り、試合を決定づけた。

12回攻撃終了後、笑顔で仲間に迎えられる勝田(中央)

 経験豊富な4年生と、今季東京六大学春季リーグ戦(リーグ戦)にデビューを果たした若き投手。この3人の活躍が、早大打線を最後に奮起させた。次の対戦相手は、東大。直後の4月29日には、延期となった対法大3回戦も予定されているため、できる限り余裕を持って戦うことが必要となる。それでも目指す優勝へ、自分たちの野球で次の勝ち点を奪いたい。

(記事、写真 杉田陵也)

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コメント

沼座翔平(スポ4=広島なぎさ)

――きょうの投球を振り返っていかがですか

松下(和樹、先理4=静岡・掛川西)が本当に良いリードをしてくれたので、それに従って投げようと思って頑張りました。

――8回二死満塁からの登板でした。首脳陣からはどのように言われていましたか

「準備はしておいてくれ」と、言われていました。ピンチになったら代わるという話だったので、いつでも投げられるように準備していました。

――リードを奪った後も気の抜けない展開でしたが、あと一人を抑えれば勝つという場面ではどのような心境でしたか

相手の山田選手(卓哉、立大)がとても良い打者だったので、気を抜かないようにとは思っていました。しかし、やはりあと一人でやっと終われるとは正直思いました。

――きょうは打っても2安打でした。投手ですが、打撃は得意ですか

打撃は得意というよりかは好きで、打撃練習も日々行っています。

――普段の練習では、どのくらい打撃に時間を割いていますか

投球練習もやっていますが、自分は本当に打撃が好きです。打撃がしたくて野球をやっているので、本当に打撃練習を真剣にやっています。

――打撃が得意ということを生かして、投手以外のポジションを経験されたことはありますか

そういうことはありませんでしたが、リーグ戦(東京六大学春季リーグ戦)は打席に立つ機会があります。なので、そこは真剣に全打席安打を打てるようにやりたいと思います。

――まだリーグ戦は続きますが、これからに向けて一言お願いします

本当に良い流れで勝ち点を取ることができたと思います。来週は東大戦と、法大3回戦があるので、次もしっかり調整してチームの勝利に少しでも貢献できればと思っています。

勝田優斗(スポ3=千葉・成田)

――延長12回、一打勝ち越しの場面で打席に立った時の心境を教えてください

自分は試合にあまり出ていないので、緊張はしました。しかし、良い意味での緊張だったと思います。

――勝田選手は今季、大事な場面で活躍を見せている印象があります

そういうことよりも、チームにとって何でも屋というか、おもちゃというか(笑)。一応、守備固めの選手として(ベンチに)入っているので、外野を守る人がいなければ中堅手でも、右翼手でも、左翼手でもどこでも守れるようにしています。どちらかと言えば、打撃よりも守備の選手です。

――試合に出ていない時もスタンドから勝田選手へ声援が飛ぶなど、チームの盛り上げ役としての一面もあると思います

そういうことも大切だと思っているので、チームの雰囲気づくりも含めて何でも屋なのだと思います。恐らくこのインタビューの後もイジられますが(笑)。

――この盛り上げ役というのは、試合の時以外でも変わらないのでしょうか

ずっとイジられまくっている、ただそれだけです(笑)。ただ、そういうことも含めて早稲田の準硬(準硬式野球部)だと思っているので、このフランクな雰囲気を大切にしたいです。

――これからも試合が続きますが、そこに向けての意気込みをお願いします

(試合の)初めから出るということはあまりないと思いますが、チームの大事なところで力になれたらなと思います。

黒須裕太(人2=栃木・真岡)

――きょうの投球を振り返っていかがですか

「しっかり準備をしておけ」と言われたので、その準備してきた成果がきょうの投球につながったと思います。これからの登板機会もきょうのような形になると思うので、これからもしっかり準備していきたいと思います。

――5回からの登板とかなり早い段階で機会が回ってきました。準備はいつからしていましたか

試合の序盤から(準備を)していました。寺西さん(洋学生コーチ、社4=神奈川・桐光学園)からは、(試合に)出るとしたら2番手で、大河原さん(朋哉、スポ4=大阪・三国丘)と沼座さん(翔平、スポ4=広島なぎさ)の間と言われていたので、一応準備はしていました。

――大学初打席では見事に犠打を決めました

自分はあまり犠打が得意ではないので、本当に決められて良かったと思います。

――試合に出場するようになったのは今シーズンからですが、自身の持ち味を教えてください

自分は直球と変化球のコンビネーションで、コーナーに投げ分けることができることが持ち味なのだと思います。スピードはそこまで速くないのですが、制球を良くして打ち取ることができればなと思います。

――きょうはその持ち味を発揮できた投球だったと思います。きょうの投球は自身から見て何点ですか

最後はピンチの場面をつくり、沼座さんに負担をかけてしまったので、70点くらいだと思います。

――これからも右の中継ぎとして大切な役割を担うことになると思いますが、これからに向けて一言お願いします

中継ぎとしての起用が多くなると思いますが、その都度自分の持ち味を出してチームに貢献でければと思っています。