六大学トーナメントを制し次の頂へ

準硬式野球
決勝
 明 大 
 早 大  12

(早)○向江、沼座-松下、市堰
◇(三塁打)南(二塁打)松井、駒田

  きのうの2連勝で幸先の良いスタートを切った早大。六大学の頂点を奪い、関東地区大学準硬式野球選手権大会(関東選手権)へ弾みをつけるべく明大との決勝戦に臨んだ。試合は立ち上がりの2回に早大打線が機能する。犠打、盗塁を絡めながら5安打で4得点と効率の良い攻撃を見せ先制点を奪う。その後も打者一巡の猛攻をみせるなど好調の新打線に火が付き17安打12得点の快勝。12-3と力の差を見せつけ、六大学トーナメントを制した。

犠飛を放った南を迎える早大ベンチ

 常に次の塁を狙う積極的でそつの無い攻撃で明大を圧倒した。早大は2回、先頭・嘉悦崇将(人3=大分上野丘)が見事な流し打ちをみせ出塁する。その後、死球と犠打で走者を進め1死二、三塁の好機を作ると、打席には8番・松下和樹(先理=静岡・掛川西)。2-0からの3球目、松下はバットを寝かせセーフティースクイズを敢行する。これが見事に投手の前に転がり、1点を先制。この回4点を先制すると3回にもエンドランや犠打で進めた走者を犠飛で返し、投手陣を援護する。続く4回には駒田開主将(スポ科3=福岡・修猷館)の2点左翼線適時二塁打を含む4連打で一挙6点を奪い、試合を決定づけた。

 打線の援護を受けた投手陣では、エースの座を虎視眈々(たんたん)と狙う新2年コンビがマウンドで躍動した。早大の先発・向江洋光(スポ1=大分上野丘)は長身を活かした鋭い直球を武器に、走者を出しながらも要所を締める投球を見せ6回3失点と好投。7回から登板した2番手の沼座翔平(スポ1=広島なぎさ)も動くボールで明大打線を翻弄する。3イニングを被安打0の無失点で抑える好救援を見せた。締まった試合の一方で、試合後に駒田主将が「トーナメントなどの一発勝負の大会では守備のミスひとつが命取りになる」と語ったようにチームで3失策を犯すなど守備面では課題を露呈した試合になってしまった。

決勝の先発を託された向江

 攻撃面で試合を通して目立ったのは積極的に次の塁を狙う姿勢だ。盗塁や犠打だけでなく、相手投手の小さな暴投でも果敢に次の塁を狙い好機を演出した。関東選手権では1点を争う場面が多く出てくるだろう。いかにして次の塁を奪い、得点に結び付けられるか。打線の繋がりにそつの無さが兼ね備わった早大に隙は無い。「全日本(全日本選手権)で絶対優勝」と嘉悦が語るようにチームの目指す頂はまだまだ先にある。まずは来週から始まる関東選手権での優勝を目指す。ひとつひとつの山を全員で登っていって欲しい。夏の終わりに笑顔でいられるように…。

(記事 市川祐樹、写真 小川朝煕) 
決勝・早大打者成績
打順 守備 名前
(二) 駒田  開 .417 見三振 左安 右飛 左2②               
  大塚  成 1.000                   遊安      
  斉藤 健太 .000                         見三振
(中) 沼田 駿希 .182 空三振 中安    四球 空三振         
  休波  隼 .500                   中安      
  走中 橋口  寛 .000                         四球
(右) 上野 雅之 .417 中安

右安①    一犠    中安 死球      
  打右 堂園 武史 .000                         四球
(三) 栗田 拓磨 .286 左飛 投ゴ    四球    中飛 二ゴ    右飛
(遊) 嘉悦 崇将 .667    右安 左安 四球               
  松本 憲太郎 .250                中飛    死球   
(DH) 木藤 俊英 .500    死球 右安 中犠飛①    右飛    二飛   
(一) 南  貴文 .400    一犠 中犠飛① 右中3②       ニゴ      
  打一 土屋  聡 .000                      四球   
(捕) 松下 和樹 .600    投犠① 左安 左安①               
  打捕 市堰 啓嗣 .000                四球 空三振      
(左) 松井 克成 .636    左安① 一犠 右2         

     
  児玉 恵佑 .000                   見三振      
  平田 祥太郎 .750                         中安
  川上 翔平 .000                           

決勝・早大投手成績
名前 打者 球数 安打 三振 四死球 失点 自責 防御率
向江 洋光 28 99 3.00
沼座 翔平 10 39 0.00

コメント

駒田開(スポ科3=福岡・修猷館)
――あわやコールド勝ちしそうな試合展開でいかに自分のモチベーションを維持したか
どんな点差で勝ってようと負けていようと、1点にこだわる野球をしようと徹底しているので今日の試合のように点差が開いたから気が抜けるということはないですね。

――つまり目の前の1点に集中すると
そうですね。いかに1点1点に集中できるかですね。

――きのうのインタビューの中でも4年生の先輩方が抜けた分、春合宿やオープン戦では守備とか走塁を重点的に意識していたということなんですが、今日の試合でエラーが3つ出てしまったことについてはどう思うか
守備については一概にどうこう言うことはできないのですが、トーナメントなどの一発勝負の大会では守備のミスひとつが命取りになる恐れがあるので、練習のときからいかに試合と同じような緊張感を持てるかがカギかなと思いますね。

――今日の試合中、点差が開いていたこともあってかベンチが非常に和やかな雰囲気でしたが、ベンチの中にいてどのように感じていたか
今シーズンからベンチに入っている沼田であったり、大塚であったりとムードメーカーとして盛り上げてくれているのでみんなそれに乗っかっていい雰囲気でできていると思います。

――今日の試合の反省点を挙げるとすれば
もちろんエラーに絡んだ失点もありましたし、緊迫した試合の中でいかに集中していつも通りのプレーができるかが重要かと思います。

――6回にズルズルと失点されたしまったときなどはピッチャーにどのような声かけをしているか
今日はまだ点差もあったので「2死3塁にしていいからとにかくひとりずつ取ろう」と焦らなくてもいいことを伝えました。

――来週開幕する関東選手権の初戦にむけて
今年は全日本選手権が東京であるということで、是非この東京六大学からひとつでも多くのチームが出られるように、そして我々もそのひとつに入れるようにいい雰囲気で初戦を勝ち、駒を進めて3回戦の中大に当たれればなと。そして関東選手権で優勝できればなと思います。

嘉悦崇将(人科3=大分・大分上野丘)
――新チームの雰囲気はいかがですか
合宿のときから、チームの雰囲気や一体感を大事にしようということでやってきたので、いいチームになってきたと思います。

――ご自身も本日2安打ですがバッティングの手応えは
オープン戦は自分の思うようなバッティングができなくて、でも今日はいい当たりではなかったんですが2安打ということで結果がでたので、気持ち的には楽になってきたなという感じです。

――昨日は2試合目からの出場でしたが就活との両立は
昨日は自分のミスで午前中に面接を入れちゃって1試合目でれなかったんですけど…。でも3年生は就活で忙しい中でも、部活のことは常に頭に入れていて、部活第一と考えてやっているので。部活を疎かにしないというところがこのチームのいいところだと思います。

――今シーズンの目標は
きょねんからずっと言っていることですが、全日本で絶対優勝することがチームとしての目標。個人としては、きょねんの数字を越えることです。自分は今年でリーグ戦も3年目で、他のチームも研究してくると思うんですが、そういった中でいちばんいい成績を残すことが目標です。

向江洋光(スポ1=大分上野丘)
――きょうの投球を振り返って

きょうはちょっと制球が良くなくて。あんまり思った所に行かなかったのですが結果はうちが勝てたので良かったです。

――3回に1点を失った直後のイニングで味方が1点を追加してくれました。その後の4回は無死二塁となりましたが連続三振で相手に流れを渡しませんでした。あの場面を振り返って

味方がいっぱいリードを取ってくれたので、きょうはランナーをためないようにという事だけを考えて投げたのですけれど、点差があったのでどんどんストライクを思い切って取りに行けたのではないかと思います。

――6回に2点を失ったイニングについて

とにかくきょうは全然良くなくて。いつかはやられるだろうと思っていたのですけれどやられるべくしてやられてしまったという感じですね。

――走者を置いた場面での投球で課題などはありますか

間が単調になってしまって、盗塁をたくさんされてしまったので。嘉悦さんとかが言ってくださるのですけれど間が単調になるので、そこを直していければ。長く持ったり、短く持ったりできたらと思います。

――先発として今後に向けて

石田さん(石田翔太、スポ3=神奈川・川和)と河合さん(河合亮太、スポ2=茨城・茗溪学園)が先発二本柱でやっているのですけれど、自分や沼座は与えられた所でしっかり結果を出していければと思います。

――関東選手権に向けて

任せられたポジションでしっかりチームに貢献できるように頑張っていきたいです。