試合巧者ぶりを見せ開幕2連勝!/東大2回戦 

準硬式野球
TEAM
早大
東大

 順調な滑り出しと言えるだろう。東京六大学秋季リーグ戦開幕2戦目となる一戦は先発・沼座翔平(スポ2=広島なぎさ)、2番手・向江洋光(人2=大分上野丘)の粘りの投球と安定した守りで開幕戦に続き東大を零封。打っては駒田開主将(スポ4=福岡・修猷館)を中心に機動力を生かしうまく4点をもぎ取った早大が見事開幕2連勝を飾った。

要所を締める投球を見せた沼座

 「要所を締める」(沼座)――。この言葉がぴったりの投球だっただろう。先発した沼座は気迫ある投球で自ら招いたピンチをしのいだ。3ヶ月ぶりの先発に加えて灼熱(しゃくねつ)のグラウンド、沼座に与えられた条件は決して恵まれたものとは言えない。序盤、「真っすぐが走ってなかった」と本人が語るように甘く入った直球は右打ちを徹底した東大打線に右翼方向へ運ばれる。しかし、本人が「力を入れた」と言うようにそこからの集中力は見事だった。魂のこもった直球に緩い変化球を織り交ぜて初回の1死一塁からは併殺打、2回1死満塁のピンチは2ストライクから相手のスクイズを外し3塁走者もタッチアウトにした。

 ここからは沼座の独壇場だ。3回は3人を7球で抑える快投。4、5回も3塁走者を背負いながら0点に抑え、6回無失点で先発の仕事を果たした。7回から登板した向江も毎回走者を背負うが後続をきっちり抑えて3回無失点。最後の打者には高い角度から投げ下ろされる直球を外角いっぱいに決めて締めた。

 一方で打線は少ない好機をものにした。その原動力はリードオフマンの駒田主将だ。1回に左前安打で出塁するとすかさず盗塁。続く2番・上野雅之(スポ4=県立岐阜)の中前安打で一気に生還した。3回から7回まで無安打に抑えられた打線を再び勢いづけたのも駒田主将。中前安打の後この試合3つ目の盗塁を決め、4番・嘉悦崇将(人4=大分上野丘)の適時打につなげた。6安打4得点、効率の良い攻撃であった。

早大ナインに出迎えられる駒田主将

 安打数では東大が9本と早大の6本を上回っているが、最終スコアでは4ー0というところに早大の試合巧者ぶりが見て取れる。「絶対打てる保証はないので最小得点でも勝っていく」と畑中秀之監督(平元教卒=和歌山・耐久)が語る通り隙のない野球を体現した一戦だった。それを可能にするのは他でもなく投手の粘り。2試合連続で零封した投手陣が打撃陣とかみ合い続ければ、早大の快進撃は止まらない。

(記事 鈴木泰介、写真 小川朝熙)

コメント

駒田開主将(スポ4=福岡・修猷館)

――2連勝で勝ち点1を手にしましたが、きょうの試合を振り返ってみていかがですか

守備に関してはバッテリーを軸に失点を0に抑えたことはこの2試合の大きな収穫だと思いますし、キャッチャーを木藤(俊英、スポ3=愛知・時習館)から松下(和樹、先理2=静岡・掛川西)に代えて松下がアピールしようと必死にやってくれているのが伝わってきましたし、守備に関しては100点とは言えないもののそれに近いものをあげたいと思います。ただ、打撃陣に関してはまだちょっと疲れが残っているのかなと。振りが鈍いところがあって、フライでのアウトも多いですし。ここ2試合を通じた課題かなと思います。

――その攻撃という面でヒットの数もやや少ないかなという印象を受けたのですが、駒田さん自身も3盗塁を決めたり機動力を生かした場面も見受けられましたが、総合的に見てきょうの攻撃はどうでしょうか

そうですね。足を使うということに関しては、なかなか全日本(全日本学生選手権)で使えなかったこともあったので。その辺りをリーグ戦では改善できればなと思っていたので、積極的にやっていくということですね。バッティングに関しては先頭打者も塁に出ないですし、初回に3本の固め打ちがあったもののその後は出ずにもう少し目の前の追加点にこだわっていければなと思います。

――きょうは衛藤さん(直道、商1=大分・舞鶴)が代打で惜しい当たりを見せたり、途中出場の松本さん(憲太郎、スポ2=福岡・筑紫丘)もダブルプレーを取るなど下級生の活躍も目立ちましたが、その点はリーグ戦のポイントになってくるのでしょうか

この秋に関しては、下級生には厳しいことを言っていて、とにかくもう甘えるだけじゃ駄目だと。来年以降に向けて自分たちでいいチームを作っていけと。そういった意味でも若い選手を出して経験を積み上げていって欲しいというのがキャプテンとしての気持ちですね。

――来週一週空いて気持ちもだいぶ入れ替わると思うのですが、立大戦に向けて意気込みをお願いします

また相手(の得点)を0に抑えることによって少ないチャンスを生かせればなと思います。とにかく目標はリーグ戦を全勝で飾ることです。そのために目の前の1点にこだわって全員で勝ちに向かっていければなと思います。

畑中秀之監督(平元教卒=和歌山・耐久)

――きょうは暑い中お疲れ様でした。きのう、そしてきょうと東大相手に2連勝をしましたが、振り返ってみていかがでしたか

ピッチャーが危なげなく投げてくれるので打撃についてはもう少し点を取らなければならないんですけど、ピッチャーが安定しているのでその辺は楽にできました。

――きょうの試合でも選手交代が何度かありましたがどんな意図がありましたか

3年生以下に経験をさせようという意味で点差もありましたので早めに変えていきました。

――先発の沼座さん(翔平、スポ2=広島なぎさ)も真っすぐが走っていなかったとおっしゃっていたのですが、甘く入った真ん中から高めの球をうまく運ばれていた印象ですがどうでしょう

向こうも右打ちを徹底していましたので、無理に引っ張らずにライト前に打ついいバッターが多かったのですが、最後の点を取るところでの作戦のミスといいますかそこで助けられたとこはありますね。

――今回のリーグ戦(東京六大学秋季リーグ戦)の鍵を握るのはどの辺りの選手になってくると思われますか

そうですね。やはり河合(亮太、スポ3=茨城・茗溪学園)が調子悪いわけではないのでどれだけ上がってくるのかというのと、あとはクリーンアップの3人ですね。

――きょうの試合の攻撃も若干の物足りなさを感じたのですがいかがでしょうか

打撃は絶対打てる保証はないので最少得点でも勝っていくという意味で投手陣がどれだけ持ちこたえるのかが大事になってくると思います。

――来週一週空けてまた14日から立大戦が始まりますが、そちらに向けての課題や意気込みがあればお願いします

とりあえず全日(全日本大学選手権)の疲れが残っていると思うのであしたから6日までオフにしているんですけど、そこで気分転換してまた集中してやれるように全日での悔しさを秘めて立大戦以降頑張っていこうと思います。