前日の1回戦で劇的な逆転サヨナラ勝利を見せ、悲願のリーグ戦優勝に王手をかけた早大。優勝が懸かった大一番ということもあり、応援席は満員に。多くの早大生や早大OBが訪れたのは勿論、高校生の集団も見られた慶大2回戦。一人でも多くの観客に早稲田の応援を楽しんでもらい、その上野球部の優勝を後押しするためにも応援に熱が入る。
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この日も、開門直後から観客を盛り上げるべく様々な企画が催される。早稲田の第一応援歌『紺碧の空』の作曲者である古関裕而氏をモデルとした連続テレビ小説『エール』の主題歌である『星影のエール』をダンス曲として披露すると、続いて披露されたのは4年生曲『勇気100%』。4年生が新人だった時のバンド合奏曲であり、様々な思いを背負っている『勇気100%』で次々とトスを成功させる。試合結果によってはこの日が最後の披露。吹奏楽団もチアリーダーズも一つ一つの音色とパフォーマンスを創り上げる。わーおくんによるグッズ紹介企画や応援曲メドレーを挟み、『早慶讃歌』の斉唱が始まる。早慶両校が相手側の応援席に乗り込み、互いにメドレーを見せつけ、『早慶讃歌』を歌う陣中見舞いを終えると校旗、塾旗が入場。エール交換を終え早慶戦第2回戦を迎えた。勝てば優勝が決まり、令和5年度応援部で迎えるリーグ戦(東京六大学リーグ戦)応援は最後。一つ一つの応援に魂がこもっていた。
ポンポンでハートを表現するチアリーダーズ4年生
グッズを紹介するわーおくん
普段は8回や9回といった終盤の場面での持ち回が多い永田新代表委員主将(教4=静岡・掛川西)が初回から声を張り上げる。1回裏、先発・伊藤樹(スポ2=宮城・仙台育英)が上位打線につかまり無死満塁のピンチを招き、2点をいきなり先制される。そんな中、永田は前日の試合で逆転された際に笑顔で叫んだ「楽しくなってきたぞ!」と叫び応援席の空気を盛り上げる。前日に勝利に導いた永田の応援の安心感に応援席は活気を失うことなく、この窮地を2点で凌ぐ。
4回の守備時はリーダー新人が、一塁側応援席から外野応援席まで走り抜け、リーダー新人が通過した際に観客が手を広げ立ち上がってから座るという新企画『エンジウェーブ』によって応援席が観客と一丸となった応援を創り上げる。するとこの回、この試合初めての三者凡退を奪うことに成功。5回には、今まで何度も今季リーグ戦で早大を勝利に導いてきたバンド合奏曲『東京VICTORY』を演奏。劣勢の中で各々が自らの役割を果たし、工夫を見せることで応援席で一丸となった応援を創り上げる。
『エンジウェーブ』を応援席で実行するリーダー新人
最終的に0―4で最終回を迎えてしまった早大であったが、「野球部なら勝てる!」「『ダイナマイトマーチ』に応えてくれる!」「立教にも法政にも昨日も逆転したじゃないか!」と永田が決死に呼びかける。応援席が総立ちとなり、『紺碧の空』を歌い最後まで早大の反撃を後押ししたが27個目のアウトを取られてしまい敗北。優勝は次戦へ持ち越しとなった。
試合後のセレモニーで『えんじの唄』にて、センターリーダーを務めた永井武尊リーダー会計責任者兼広報責任者(文4=熊本・済々黌)
優勝が決定した場合、コロナ禍以降開催されていなかった優勝パレード(提灯行列)が開催される予定であった慶大2回戦。歓喜の渦を早稲田まで持ち帰るためにも、次戦は絶対に落とせない。4年生にとっては泣いても笑っても最後のリーグ戦応援となる第3回戦。美しく燃える応援部に目が離せない。
(記事 橋本聖、写真 雲田拓夢、橋本聖、横山勝興)
※掲載が遅くなり、申し訳ありません。
※選手のコメントは後日別記事にて掲載いたします。