日本で、世界で躍動! 今年のBIGBEARSの出場大会を振り返る

応援

 令和5年度応援部も前期が終了。東京六大学春季リーグ戦応援などの応援活動をはじめ、各パートが精力的に活動してきた。本記事では、今年度のチアリーダーズ(BIGBEARS)の大会での活躍を振り返る。BIGBEARSは今年、2月の「USA Collegiate Championships」、3月の「USA School&College Nationals」、8月の「USA Japan チアリーディング&ダンス学生新人大会 EAST」「USA Japan チアリーディング&ダンス学生選手権大会 EAST」に出場。それぞれ2位(4チーム出場)、2位(2チーム出場)、3位(3チーム出場)、1位(8チーム出場)という結果になった。

 2月に出場した「USA Collegiate Championships」はアメリカ・アナハイム開催の世界大会。昨年8月に開催された国内大会「USA Japan チアリーディング&ダンス学生選手権大会 EAST」での好成績を受け、招待されることとなった。そのため、チームも昨年夏の大会のAチーム(Elites)メンバーで編成。引退した昨年度執行委員の一部メンバーが引退後に大会に出場するという、異例の編成となった。また、世界大会出場はBIGBEARS史上初の快挙。計20人が海を渡り、開催地・アメリカへ向かった。BIGBEARSは「USA Collegiate Championships」のCollege 4-Year All Girl Show Cheer部門に出場。現地校を中心に計3校との対戦となった。今回の演技では、チアリーディングの本場にふさわしいハイレベルな技と日本らしい演技を意識。スタンツの中でも難関とされる「ピラミッド」や、空手を表現したダンスを取り入れた。さらに、国内の大会では新型コロナウイルスの影響により、しばらく実現していなかった観客とのコールアンドレスポンスも実現。コールパートになると自らの肉声でさけび、観客からのレスポンスを意識してポンポンやボールの使い方にも工夫を凝らした。「みんなが後悔なく終われたと思います」と林莉乃チームキャプテン(政経4=東京・頌栄女学院)。初の世界大会で4チーム中2位の好成績を収めた。

世界大会出場メンバー

表彰式後、記念写真に納まるメンバー一同

 また、同時期に練習を重ねていたElites(Aチーム)は3月の「USA School&College Nationals」に出場。代交代後の新チームでは初の大会出場となった。成績は2チーム中2位となったが、「同期の支えのもと、乗り越えることができました」と杉本珠有チームキャプテン(基理3=千葉・東邦大東邦)。前日まで通し練習で苦労しながらも、無事に大会を終えられたことに安堵を見せた。

 春の応援活動を挟み、8月にはMaroons(Bチーム)が「USA Japan チアリーディング&ダンス学生新人大会 EAST」に、Elites(Aチーム)が「USA Japan チアリーディング&ダンス学生選手権大会 EAST」に出場した。Bチームの1年生にとっては、初の大会出場。2年生がBチームを引っ張ったほか、4年生不在の中で3年生が引率し、各学年が新たな役割を担う大会となった。「楽しみながらも、集中して練習に臨むことができた」(金子夏Aチームキャプテン、政経3=東京・早実)。Aチームは8チーム中1位という好成績を収めた。一方のBチームは3チーム中3位と悔しい結果に。「チーム全員で練習を重ね、技術の向上に努めてまいりたいと思います」(後藤萌々香Bチームキャプテン、創理2=埼玉・早大本庄)と語り、来年度以降の活躍を誓った。

8月の大会に出場したAチームメンバー一同

8月の大会に出場したBチームメンバー一同

 Elitesを筆頭に、大会で好成績を残したBIGBEARS。次回の大会出場は来年度となる見込みだ。今年度の大会の収穫と反省を糧に、来年度のさらなる好成績に期待がかかる。秋以降も続々と応援活動が控えるBIGBEARS、そして応援部。8月27日から9月5日には岩手県宮古市での夏季合宿に臨み、9月16日に初戦を迎える東京六大学野球秋季リーグ戦に備えた。令和5年度応援部も終盤に突入し、4年生にとっては最後の行事が続くこととなる。この代で挑む最後の数カ月、部員『一丸』となって全力の応援活動に励む。

(記事 横山勝興、写真 早大応援部提供)

コメント

林莉乃チームキャプテン(政経4=東京・頌栄女学院)、小泉舞トレーニングチーフ(政経4=神奈川・清泉女学院)

――世界大会(USA Collegiate Championships)を終えた時の感想は

 OGの方も練習に来てくださっていて、現役も含めて忙しい中、たくさん練習を重ねてきました。練習期間は長かったですが、振り返ってみるとあっという間で、結果よりもアメリカで演技をできたという事実が一番うれしかったです。練習の成果も発揮することができましたし、チアリーディングの本場でBIGBEARSとして演技ができたことが今後の私たち個人にとっても、応援部全体にとっても財産になったと思います。経験できたことが一番うれしかったです。

小泉 私は留学に行っていたこともあって大会には出ていないのですが、トレーニングとして外から見ていた立場からすると、練習メニューを作るにあたっても、アメリカ大会に出るOGの方々と現役の他の練習をしっかり組み合わせてやっていかないといけなかったのが少し難しいところはありました。ですが、実際にOGの方々とAチームメンバーが大会に出た動画を見ると、現役にとってとても刺激になる演技になったと思いますし、経験としても現役部員を刺激できるような財産だったと思っています。部全体としても技術や意識の底上げにつながったと思います。

――現役部員とOGに関するお話がありましたが、メンバーの構成は

 OGの方々がほとんどで、現3年生と現4年生がそれぞれ2人、残り16人はOGの方でした。

――OGが現役を引退した後にBIGBEARSとして大会に出るのはやはり異例のことでしたか

小泉 異例です。初めてだと思います。

――OGの出場に至ったのは前年夏の大会を受けての招待だったことが大きかったのでしょうか

小泉 選手登録の面で、前年夏の大会のAチームメンバーのほとんどが当時の4年生だったからです。

――(林さんに向けて)20人中16人がOGとなって関係性に変化が生まれましたが、練習での変化は

 応援部としての上下関係がなくなったことで、まとめていく難しさはありましたが、OGの方々からも「私たちはOGだから気にせず何でも言っていいよ」とフラットに接してほしいということを言っていただけたので、スムーズにやり取りができたと思います。

――(小泉さんに向けて)練習メニューを作る際に意識したことは

小泉 別の現役の大会(USA School&College Nationals)と練習時期が重なっていたので、違う練習場所を借りていました。今の現役の中でもAチームとBチームに分かれていて、Aチームの中の一部のメンバーが途中でアメリカ大会に行かないといけなくなったので、全員がそろわない中で練習をしないといけなかったり、現役も大会が迫っている中で練習場所の折り合いをつけないといけなかったりしました。でも、アメリカ大会のメンバーの練習を現役が見ていて、練習の刺激になったと思います。少し難しい部分もありましたが、同じ場所で練習していて良かったこともあったと思います。

――今回の演技のポイントは

 OGの方々のスタンツが上手でレベルの高いものを入れることができました。アメリカ現地のInstagramの投稿を探して「ピラミッド」をやってみたいと思っていて、今まではできていませんでしたが、今回は本場に近いことができたと思います。あとは、ダンスに日本らしい要素を取り入れようということで、空手を表現した振りをダンス担当の方がつくってくださったので、日本らしさが出せました。日本国内の大会ではなかなかつくらない振り付けになって、アメリカでダンスをする環境だからこそ取り入れられたと思います。

――他に特徴的なところはありましたか

 コールパートと音楽をかけるパートの2パートありました。コールパートは、チームカラーなどをお客さんとコールアンドレスポンスでやり取りをするパートでした。今まで出た日本の大会はコロナの影響で自分たちの声が出せなくて音源でコールパートをやっていたのが、アメリカ大会だと自分たちの声でチームカラーをさけんでレスポンスをもらうやり取りができました。コールをする時のポンポンやボールの使い方の一つをとっても、どうしたらお客さんの方々からより反応をもらえるかを考えて、技術コーチのアドバイスもいただきながら改良していきました。演技の難易度としてはそこまで高いものではありませんでしたが、観客の方々にいかに魅せるかという部分には最後までこだわりました。

――演技の完成度は

小泉 めちゃくちゃいい(笑)。

 スタンツが上がらなかった部分もありましたが、練習時間が少ない中で直前に詰め込んだり変更したりした部分もあった中ではいい出来だったと思います。みんなが後悔なく終われたと思います。

――4チーム中2位という結果についてはいかがですか

 「現地でもここまで通用するんだな」と驚いたのが第一印象です。2日間のうち1日目の時点である程度順位が出ていて、その時点で1位のチームとは差が開いていましたが、他のチームとは差がありませんでした。アメリカのチアはレベルが高くてなかなかついていけない印象があったので、その中でも戦えると感じて自分たちの自信にもつながりました。このチームから吸収できた部分もあったので、今後のBEARSに還元していける部分も大きかったと思います。優勝したかったのは一番にありますが、主にOGの方が技術面で引っ張ってくださったので感謝もあります。2位という結果にみんな驚いていましたね。

――現地での思い出はつくれましたか

 大会の後にディズニーランドにみんなで行きました。ディズニーランドの規模がすごく大きくて、一日中駆けずり回っていました(笑)。日本から来ているチームが珍しかったみたいで、南米から来た女の子に話しかけてもらったり、昔応援部の新歓のSNSとやり取りしていて入りたがっていた女の子にも話しかけてもらって、応援部の知名度の高さにも驚きました(笑)。いろいろな交流ができて楽しかったです。

杉本珠有チームキャプテン(基理3=千葉・東邦大東邦)

――3月の大会(USA School&College Nationals)を終えて、キャプテンとしての感想は

 大会に出場するにあたり、部員内での意見の相違、アメリカでの世界大会出場後の大会であることへのプレッシャー、前日まで通し練習にて技が成功しないことなど、さまざまな苦難がありましたが、同期の支えのもと、乗り越えることができました。チーム内で同じ一つの目標に向かい、練習することの楽しさを改めて実感し、この大会においてキャプテンを務めることができ、本当に良かったと感じています。

後藤萌々香Bチームキャプテン(創理2=埼玉・早大本庄)

――8月の大会(USA Japan チアリーディング&ダンス学生新人大会 EAST)を終えて、キャプテンとしての感想は

 本番では全員で輝く笑顔のもと、息を合わせ、素晴らしい演技を行うことができました。また、こだわった部分で高評価をいただき、うれしく感じる一方で、不安に感じていた部分で思うような演技ができず、大変悔しい結果に終わってしまいました。本大会で得た経験を今後の練習に生かし、また、次の大会では良い成績を収めることができるよう、チーム全員で練習を重ね、技術の向上に努めてまいりたいと思います。

金子夏Aチームキャプテン(政経3=東京・早実)

――8月の大会(USA Japan チアリーディング&ダンス学生選手権大会 EAST)を終えて、キャプテンとしての感想は

 短期間の練習ではありましたが、チーム全員がチアリーディングを楽しみながらも、集中して練習に臨むことができたと感じています。これからも応援活動だけでなく、競技チアリーディングの方も力を入れてまいりますので、応援よろしくお願いします。