応援で一つに! 明治、立教との共演を見せる

応援

 東京六大学野球の精鋭たちが球都・桐生に集い、夢の競演を見せた。初の関東開催となった東京六大学野球オールスターゲーム(六大学オールスター)。早稲田は明治、立教と共に、桐生から見える赤城山をモチーフとしたチーム・赤城ウィンズ(赤城)を結成し、一夜限りの共闘を法政、慶應、東大からなる渡良瀬ストリームズ(渡良瀬)相手に見せた。応援部も明治大学応援団、立教大学体育会応援団そして、桐生清桜高校吹奏楽部と一緒に、一塁側内野席を盛り上げ、選ばれし精鋭にエールを送る。応援部にとっても一夜限りの特別な競演。各校それぞれ応援の形こそ違えど、応援を通し、一つとなった瞬間を振り返る。

 13時30分、試合前イベントとして、球場正面の仮設ステージにて、六大学応援団パフォーマンスが行われた。多くの観客がステージにつめかける中、各校の応援部、団、指導部が次々と第一応援歌を披露してステージを盛り上げる。明治大学の『紫紺の歌』、東京大学の『闘魂は』に続き、宮下陽三代表委員主務兼連盟常任委員(社4=長野・屋代)が第一応援歌『紺碧の空』を大勢の観客の前で披露。各校が第一応援歌を披露しきると、応援曲メドレーを披露する。早稲田大学応援部は明治大学応援団に続き、『大進撃』『コンバットマーチ』といった神宮でおなじみの応援曲を球都・桐生に響かせ、六大学のファンを大いに沸かせる。

 試合が始まると、赤城の一員として、明治、立教の応援団と共に、一塁側内野席を盛り上げる。明治の持ち回である初回、応援部も明治の応援曲に合わせ、エールを送り続ける。エールを背に、早大から選出された尾瀬雄大(スポ2=東京・帝京)が二塁打、熊田任洋副将(スポ4=愛知・東邦)が先制適時打を放つなど、幸先よく先制。普段は歌うことが決してない、明治の第一応援歌『紫紺の歌』を歌い、赤城ウィンズ一体となり一塁側を盛り上げた。

先制し、明治のチアリーダーと喜びを分かち合う宮下

 2回。早稲田の持ち回がやってくる。伊藤樹(スポ2=宮城・仙台育英)が3点を失い、逆転を許すも、「樹」コール、そしてアウトを取るたびに「ビバ 赤城」と赤城ウィンズバージョンの『ナイスプレーコール』でエールを送った。2回裏、地元群馬県出身の小野泰助副将兼リーダー練習責任者(文4=群馬・沼田)が学生注目(学注)を披露。小野の出身でもある沼田から見た赤城山と桐生から見た赤城山の違いを語るなど地元出身ならではの学注で観客を沸かせると、『上毛かるた』にて『裾野は長し、赤城山』と詠まれる詩にちなみ、「外角は流し」「チャンスは長し」と赤城を鼓舞する。

学注で赤城の攻撃を鼓舞する小野

 5回の守備時には、応援部が先導して、ピンチを招いた明大・菱川(2年)に対し、『シェイクコール』で懸命に声援を送る。日頃は相手投手として立ちはだかる選手に、同じ赤城の仲間として、早稲田の応援でエールを送る様子に一塁側内野席は一体感を見せた。試合は、5回を終え、1―5と、渡良瀬にリードを許す苦しい展開であったが、赤城の応援で反撃ムードを作る。リードをさらに広げられた6回、立教の応援団が「勝利の『桐生』を巻き起こすぞ」と呼びかけると、応援部も立教の応援に合わせ、観客席で拍手を続ける。そして、赤城が2点を返し、反撃ムードを作り上げる。しかし、7回表、開始直後に突然大雨が降り始め、試合が中断。30分程の中断を経て、試合の続行が難しい状況となり、赤城は雨天コールド負けとなった。7回の攻撃回では、『早稲田大学校歌』を響かせる予定であったためだけに、応援部としても無念のコールドゲームとなった。

内野席で懸命にエールを送る宮下

地元群馬での応援活動となった小野

 六大学オールスター史上最多の5039人の来場となった、球都・桐生開催での球宴。5回終了時には地元桐生の『桐生八木節』や地元の高校生による和太鼓演奏といった桐生ならではのパフォーマンスも見られた。そして、バリエーション豊かなパフォーマンスの中、大学の垣根を超えて、赤城ウィンズの一員として、応援活動を行った応援部。異なるスタイルの応援から一つの応援を作り上げ、盛り上がりを見せた。応援部は夏季合宿を経て、9月9日に開幕を迎える東京六大学野球秋季リーグ戦に臨む。赤城ウィンズとして共に応援をした明治大学応援団、立教大学体育会応援団とも今後は再び好敵手として、しのぎを削り合うことになる。いよいよ開幕が近づく、4年生にとっての集大成。宮下、小野がそれぞれ語ったように、他大学の応援のいい部分を取り入れ、他大学にはない早稲田の応援の強みを夏季合宿で伸ばすことで、パワーアップした姿を見せるとともに、勝利の凱歌を神宮の杜に響かせる応援部の様子が楽しみだ。

(記事、写真 橋本聖)

コメント

宮下陽三代表委員主務 兼 連盟常任委員(社4=長野・屋代)

――雨天コールドとなってしまいましたが、今の心境はいかがでしょうか

 やはり、最後まで(応援を)やりたかったので、そういった点では非常に残念ではあります。7回は早稲田の校歌を行う予定で、校歌をやりたかったので残念に感じます。

――他大学のファンの方と共に応援できたことに関してはいかがでしょうか

  大学によって応援の種類もファンの方も異なりますが、応援というものを通して一つになることの楽しさを感じることができました。

――明治、立教の応援はいかがでしたか

 早稲田と比べて、応援のやり方が全然違うなと感じました。いいなと思う部分もありましたし、ここは早稲田の方がいいなという部分など、いろいろなことを感じました。その中で、他大学のいいなと思った部分を吸収していきたいと思いました。

――六大学オールスターでは連盟常任委員としてどのように携わりましたか

 事前準備でしたり、応援方法に関しては他大学と話しながら、すり合わせを行ってきました。

――秋リーグへの意気込みをお願いします

 優勝というよりも、一校、一校倒していく。そういった気持ちで最後のリーグ戦に臨んでいきたいです。

小野泰助副将 兼 リーダー練習責任者(文4=群馬・沼田)

――雨天コールドとなってしまいましたが、今の心境はいかがでしょうか

  最後、逆転できると感じていて、実際3点差まで詰め寄ったのですが、そこで終わってしまったので非常に悔しいです。

――地元群馬で応援できたことに対して感想はございますか

 自分が4年生の時に群馬に来ることができる。そしてそれが大好きな六大学野球の応援だったということがすごく幸せだなと感じました。私事ですが、家族も見に来てくれて喜んでくれたので、試合は悔しかったですが(群馬で応援できたことに関しては)大満足でした。

――他大学のファンの方と共に応援できたことに関してはいかがでしょうか

 自分は、早稲田大学の応援部ですが、他大学の応援歌、応援曲も大好きなので、一ファンとして楽しく応援することができました。

――明治、立教の応援はいかがでしたか

 明治の応援は間がないといった感じでハイテンポな応援が特徴的だと感じましたし、立教は守備回の応援が独特な部分もあって面白いと感じました。このようないいところを取り入れつつ、早稲田の他大学にはない応援の強みを伸ばしていくにはどうすればいいのかなということを夏合宿で取り組んでいきたいと感じました。

――秋リーグへの意気込みをお願いします

 春の悔しさからずっと優勝のことを考えてきたので、夏合宿で自分も、部全体としても、真剣に取り組んで秋は一試合、一試合そして、一球全てに全力で応援して戦っていきたいと思います。