【特集】応援部令和5年度新体制特集『一丸』【第三回】応援企画部門編 小野泰助×永井武尊×平賀小絢×大堀蘭乃音

応援

 第三回に登場するのは、応援企画部門の責任者を務める小野泰助(文4=群馬・沼田)、永井武尊(文4=熊本・済々黌)、平賀小絢(スポ4=東京・成蹊)、大堀蘭乃音(社4=東京・早実)。新入生への勧誘、新人の育成が中心となる新人監督部門について、責任者としての意気込みとともに語っていただいた。

※この取材は10月19日に行われたものです。

「四者四様」の就任経緯

就任経緯を語る平賀と大堀

――他己紹介をお願いします

小野 僕の隣に座っているのが、リーダー会計責任者をやっている応援企画部門の永井武尊です。彼はこの中でも野球などスポーツに一番詳しくて、いつもスマートフォンでスポーツの結果をチェックしているくらいスポーツが好きです。いろいろな選手のことを知っていて、スポーツに対する熱量はピカイチだと思います。

永井 ありがたい限りです(笑)。隣に座っているのは吹奏楽団の応援企画責任者を務めている平賀です。平賀は応援企画部門だけでなく広報部門でも一緒になるんですが、しっかりしている印象です。芯を持っているところが応援にも生きてきていると思っています。どうしても応援は他の人を意見を聞いたりして揺らぐところもあると思いますが、そのような時でも譲らない部分をちゃんと持っているのがいいなと思います。応援に対して熱い考えを持っていて、自分なりの応援というものを持っていると思います。

平賀 私が紹介するのはチアリーダーズの応援企画責任者の大堀蘭乃音です。他の3人は3年生の時に応援企画補佐を務めてから応援企画責任者に就きましたが、蘭乃音は3年生の時には応援企画部門に携わっていなくて、執行委員になってから応援企画責任者として携わることになりました。ですが、他の3人に引けを取らず、むしろ応援企画部門に対するかなり熱い想いを持っています。責任者同士で話し合いもするんですが、その時も率先して話を振ってくれたり、下級生に対していろいろ働きかけをしてくれたりしています。いつも率先してやってくれるので、いつも助かっています。応援中もいつも笑顔でやってくれていますし、いつも前向きな感じが私が好きです(笑)。

大堀 ありがとうございます(笑)。応援企画責任者と応援部全体の副将を務めている小野泰助とは、総務部門でも一緒に責任者を務めています。「誠実」「愚直」という言葉が似合う人です。何気なく言った意見や言葉でも一回拾って立ち止まって考えてくれ、頭ごなしに言うのではなくて一回自分の中で考えて「いいな」と思ったらはっきり言ってくれるし、「やっぱり自分は違うと思う」と思ったら流されるのではなく自分の意見を言ってくれるので、信頼感があって頼りがいがあると思っています。

――応援企画部門について説明してください

小野 応援企画部門は早稲田大学応援部の応援を司る部門です。野球応援や他の応援をつくっていく、リードしていくのが応援企画部門であり、応援の責任を持ちます。応援を司る部門なので、大きな責任のある部門だと思っています。

大堀 応援部って外から見たら応援する部活だと思うので、応援企画部門が応援を司る部門と言っても違和感を感じるかもしれませんが、応援部は渉外活動やイベント、吹奏楽団はコンクールにも出ており、チア(リーダーズ)は大会やチアステ(チアリーディングステージ)もあります。その中で、応援は私たちが司ります。

永井 応援部全体が観客を引っ張る立場だと思っていますが、さらに部員を引っ張る立場であるのが応援企画部門だと思っています。

小野 確かに。

永井 上手いこと言ったな(笑)。

平賀 基本的に応援は今まで積み上げてきた形式や形態を引き継ぎつつ、新たに今年付け加えたいことや新たな応援方法を発案するのも応援企画部門の仕事の一環だと思います。

――責任者となった経緯を教えてください

小野 自分は過去の応援企画責任者の方を見ていて、野球応援を引っ張る役職ですし、応援部の応援をつくっていく役職に憧れを抱いていたので、志望しました。

永井 自分はこの中では特殊で志望をしたいたわけではありませんでした。昨年度の前期に応援企画補佐をやっていて、本当は応援企画責任者をやりたいと思っていましたが、野球応援の当番をやった4回のうち3回負けたんですよね。それが自分としてすごくショックで、応援をやっている以上勝たせないといけないと思っているので、自分は応援企画責任者をやるべきではないと思って志望しませんでした。ですが、1個上の方々と面談をする中で「応援企画責任者に本当に未練はないのか」と言われたりして、どうしても未練を感じたので、そういったところを上級生の方々が汲んでくださって、こういった役職に就けました。

平賀 私はそもそも応援部に入部した理由が「応援をしたいから」というところから始まったので、応援企画部門は「応援を司る部門」ということで一番憧れている部門でした。入部当初から応援に関わりたい思いを強く持っていたので、応援企画責任者を志望させていただきました。昨年度の吹奏楽団の応援企画責任者を務められていた富山さん(富山智恵理氏、令5政経卒=埼玉・早大本庄)の責任者としてのふるまいにも大変憧れていまして、そのようになりたいという思いも持っていました。「どうしてもなりたい」ということをストレートに伝え続けたら何とか責任者になることができました。

大堀 志望した理由は「応援が大好きだから」というのが一番大きいです。私たちの学年は人数が少ないということもあって、いろいろな補佐を経験させてもらったんですね。経験した補佐の全てが本当に楽しかったんですよ。ステージ部門でチアステも経験させてもらいましたし、前期は渉外活動で外部のイベントを経験させてもらいました。全部大事な活動で、大好きだと思ったんですけど、責任者として最後の1年間に何をしたいか考えた時に「私は応援が好きでこの部活に入り、応援をしている瞬間が一番心を動かされる」と思って応援企画責任者になりたいと思うようになりました。実際就任は難しいと思っていましたが、やりたいという主張だけは悔いなくしておこうと思って、先輩方には熱意を込めて伝えさせてもらっていました。

――昨年の応援企画部門での活動はいかがでしたか

永井 応援企画部門でやっているからこそ、応援へのこだわりは強くなったと思います。それまでも応援には参加させていただいていましたが、特に強いこだわりはありませんでした。でも、応援企画補佐に就かせてもらって野球応援などに一から携わらせてもらって、応援への想いが強くなりましたし、早慶戦を含めリーグ戦の期間を引っ張るのは応援企画補佐という自負があったので、応援企画補佐という立場になってそれ以外の練習面も頑張るようになった気がします。成長させてもらえる場だったと思います。

――他の活動にもいい影響がありましたか

永井 ありましたね。練習をする時にもリーグ戦期間は応援企画補佐で引っ張っていかないといけないので、徐々に「やらないとな」「自分たちがやらないと応援はうまくいかないな」と思うようになりました。

――(応援企画補佐として活動していた)小野さんと平賀さんはいかがですか

小野 自分は2年生まで受け身な姿勢で活動に臨んでいて、応援も先輩方が考えてくださった内容に従うかたちでした。ですが、応援企画補佐をやってみて自由度が高くて、野球応援の形も提案させてもらいました。大きな応援を任せてもらえる中で自由度が高いところでやらせてもらって応援企画補佐がやりがいのある補佐だと思っていました。

平賀 リーダーは下級生でも声や太鼓で個で動いていますし、チアも人前で踊っていると思うんですが、吹奏楽団は全体で一つの音楽を奏でるところがあります。主体性を持っている下級生があまりいなくて、私も誰にも負けずに声や音を出したいとは思っていましたが、個人が出した声や音が応援の力になっていないのではと思ってしまう時がありました。でも3年生で応援企画補佐に就かせてもらって、応援について考える機会や下級生の動きや応援中の態度に気を配ってみるようになって、応援に対する想いだけじゃなく一人一人の声や想いが力になっていることを自覚できました。小野も言っていたように自由度が高くて、自分のやりたいことが実現する部門だと思うので、考えるきっかけや発信していく気持ちがたくさん芽生えて成長できた半年間だったと思います。

主戦場・リーグ戦の開幕を迎えて

応援への熱意を語る永井(左)と小野

――春休みの時期に応援企画部門で取り組んでいたことは

永井 部会(部門会議)で東京六大学野球リーグ戦の内容をつくっているところですね。補佐がやりたい応援、試してみたいことをたくさん提案してくれて、責任者と一緒に話し合いながら実際にどんなことを取り入れてみるか進めているところです。

――補佐の3年生に伝えたいことはありますか

大堀 補佐に限らず、当番を務める3年生が自分なりの工夫を込めて応援をして欲しいという話を日頃からしています。私が去年当番を務めた中で、昨年責任者だった横田さん(横田奈々氏、令5教卒=東京・明治)が「拘れ」と言ってくださって、私たちに任せてくださる責任者だったんですよね。その中で、自分が拘って工夫した応援が実現できた時、大きな達成感を得られました。当番が、何か一つでも工夫を込めた応援を毎回しようとする事で、より良い応援になると思います。

永井 勝ちにこだわってほしいと思います。補佐には「応援っていうのはどんなにいいものでも勝たないと評価されないよ」と常々言っていて、自分たちの最終的な目標は、選手の方々を勝たせることに行きつくと思っています。最終的には、勝ちにつながる応援にこだわってほしいと思っています。

小野 どの応援でも悔いなく思い切りやってほしいですね。どの部員も下級生の時から「もっとこうした方が選手のためになる」というアイデアを持っていると思うんですけど、いざ補佐になって今までのことを変えようとなるといろいろな壁が出てきて難しいことが分かって、諦めがちになってしまうと思います。でも、そこは後悔のないように一個一個思い切りやってほしいですね。

平賀 当番でも補佐でも応援を組み立てていく時は応援する体育各部の主務の方などと交渉しながら進めていくんですけど、その時に自分がつくりたい応援を明確に持った上で、受け身になるのではなく提案したりして、やりたい応援を実現するために積極性を持って発信していってほしいです。

大堀 その通りで、応援部がやりたい応援をやるのではなくて、その応援をすることで大会をさらに盛り上げたり、勝利にさらに貢献するためにこだわりを持ってやりたい応援をするんですけど、コロナ禍で応援がない大会などもあった中でそこのやり取りは実際難しかったですね。それでもこだわりを持っていくことは大事だと思います。

平賀 拘りを持って、できる限り働きかけて応援がよりできるようになっていってほしいです。

――応企部門としての今年度の目標を漢字一文字でお願いします

小野  全力の『全』ですね。理由としては一つ一つすべての応援活動に悔いを残したくないからです。特に野球応援では、自分たちが応援を決めていくので、すべての回、すべての応援曲で一番いいものを出したいですし、自分が一番全力でやりたいので『全』にしようと思います。

永井 結果の『結』です。結果を出したいと思っていて、応援部だからこそ体育各部の結果に結び付けたいです。「結ぶ」という言葉としても意味がありますが、補佐のこだわりや自分がやりたいことと、相手から求められることを結び付けたいという気持ちがあるので、この漢字を選びました。

平賀 飛躍の『躍』にしたいと思います。コロナが結構落ち着いてきていて、応援活動の幅が従来に戻りつつあるので、今年の一年間で活動が制限されていた3年間分の思いを込めて、従来以上に飛躍して、もう一段階上の応援を作っていきたいと思います。

大堀 『笑』にします。チアの原点だと思うので、応援部チアリーダーズとして大切にしたいですし、私もずっと笑っていられる1年間でありたいなと思います。自分たちにできることを考えた時に、チアの笑顔で観客の方々を笑顔にして、選手にもパワーを与えたいと思ったので、『笑』にしたいと思いました。

――責任者としての理想像は

大堀 横田さんのような責任者になりたいです。以前お話しした際は「真似しようとせず自分らしくしなさい」と言われてしまいましたが、みんな横田さんが大好きで人望があって、いつもニコニコしていて、とても理想の責任者だと思っています。「横田さんみたいに」と思いますが、あまり言うと怒られちゃいますね(笑)。

小野 僕は、球場で「あいつがいるから大丈夫」と思わせるような責任者でありたいです。「あいつがいるから何かあっても安心できる」と思われるような普段の行動や振る舞いができる責任者が、僕の理想です。

永井 選手や部員、そして観客の皆さんの思いを形にできる責任者になりたいと思っています。応援企画責任者というのは、いろいろな人の思いを背負って、まとめる役割を持っていると思います。だからこそ、みんなの期待に応えることを誰よりもこだわる責任者になりたいと思います。

平賀 私は、応援席の誰よりも応援を楽しんでいる責任者になりたいと思います。昨年度の責任者であった富山さんにあこがれているという話は先ほどもしたのですが、富山さんは責任者としてしっかりされていたところに加えて、吹奏楽団の応援席の中で誰よりも応援を楽しんでいらっしゃって、表情や、働きかけ、存在そのものが、声を出す姿勢や応援を楽しむ姿勢を後押ししていたと感じています。私もそうなりたいと常々思っていて、自分が誰よりも楽しむことで、周りにさらに声を出してもらいたいです。直接声で言うことはいくらでもできますが、それよりも、自発的に楽しめるような雰囲気づくりを自分から行っていきたいと思います。

――応援部ラストイヤーの意気込みをお願いします

小野 部員昇格式の時に、その時に引退された令和2年度代表委員主将の宮川さん(宮川隼氏、令3人卒=千葉・稲毛)が自分たちに向けておっしゃっていたメッセージが、頭に残っています。「どんな小さな活動でも一つ一つの活動に全力で臨んでほしい」と強調されていて、その時に宮川さん自身が「忙しさなどの中で全力でやり切れなかったものは、絶対後で後悔が残る」とおっしゃっていて、実際に僕も下級生の時にその後悔を味わいました。そういったことを踏まえて、今年は一つ一つの活動に悔いが残らないよう、全力で臨みたいです。

大堀 恩返しの1年にしたいと思っています。応援部の活動を通して感動をくれた選手、支えてくれた方、育ててくれた先輩方、衝突しながらも3年間一緒にやってきた同期のみんな、ついてきてくれている後輩たち、全員に恩返しするつもりで、この1年間で応援部に何かを残せるようにしていきたいです。

平賀 小野と被ってしまいますが、とにかく誰よりも全力で笑顔でやっていきたいです。私が新人だった時の新人監督だった小林さん(小林未波氏、令3教卒=東京・大妻中野)が同じトランペットを担当されていたので、今でも交流があって、定期演奏会や早慶戦に何回か足を運んでいただいてお話をさせていただいているのですが、その中で「とにかく悔いがないようにすること」と「周囲とのかかわりを大事にしてほしい」ということを毎回おっしゃっていて。3年間活動できているのは周りの支えがあったからなので、周りの方々に感謝の気持ちを伝えつつ過ごしていきたいと思います。

永井 自分がこの部活に入った理由が日本一の応援部だと思ったことでした。今年自分たちが4年生として、コロナ世代と言われる中でも「そんなことないよ、自分たちはコロナがあったからこそ強くなって、最後日本一の応援部にしたんだ」と言えるくらい自信を持って卒部できるくらい、全てにおいて早稲田が一番だと言われるような団体にしたいです。

――読者の皆さまにメッセージをお願いします

小野 リーグ戦を1回見に来てください。自分たちがやっている野球応援は神宮の観客席でやっているものなので、そこに来ないとその場の空気や太鼓の音が体に振動する感覚など、現地でしかわからないことが多いので、まだ神宮に来たことがない人は、応援しにぜひ足を運んでください。

永井 これだけ大所帯の応援部はなかなかないと思います。リーダー、吹奏楽団、チアリーダーズの3パートの力、部員全体の力を肌身で感じてください!

平賀 吹奏楽での生演奏での応援というのは甲子園を見たことがある人はイメージできると思いますが、プロ野球とは全然違います。その違いを感じてほしいと常々思っています。プロ野球では、トランペットや太鼓、鳴り物によって応援が成立していますが、大学野球はそれぞれの大学の持ち曲がお互いに呼応していて好きな空間なので、ぜひ体感してほしいと思います。

大堀 学生スポーツは本当に素敵なもので、中でも早稲田スポーツは最高です。そこで生まれた熱量や感動は一緒に応援してくださる皆さんがいてこそ大きなものになります。皆さんにぜひ早稲田スポーツの試合会場に足を運んでいただいて、たくさんの感動を共有できればと思います!

――ありがとうございました!

(取材・編集 横山勝興、橋本聖)

◆小野泰助(おの・たいすけ)

群馬・沼田高出身。文学部4年。役職は副将 兼 リーダー練習責任者。

◆永井武尊(ながい・たける)

熊本・済々黌高出身。文学部4年。役職はリーダー会計責任者 兼 広報責任者。

◆平賀小絢(ひらが・さあや)

東京・成蹊高出身。商学部4年。役職は応援企画責任者 兼 広報責任者。

◆大堀蘭乃音(おおほり・かのん)

東京・早実高出身。社会科学部4年。役職はチアリーダーズ総務 兼 応援企画責任者。