12月も半ばを過ぎ、年の瀬も近くなったこの頃。大隈講堂にて、「チアリーディングステージ2022」(チアステ)が開催された。今年も昨年に引き続き12月開催となったチアステ。主役となるチアリーダーズ・BIGBEARSが2時間にわたってその魅力を存分に発揮し、『復活』の1年を締めくくるステージとなった。また、4年生部員にとっては応援部人生で最後のステージ。終盤には他パートの4年生も登場し、ラストステージを完走した。
夕日の照らす大隈講堂。今年は人数制限なしで開催が実現し、夜公演1回でチアステが行われた。今年のテーマは『REVIVAL』。数々の応援活動、ステージが本格『復活』を遂げたこの1年間の集大成をチアステにぶつけた。BIGBEARSは「オープニング」から魅力全開。演技の9割で新技を取り入れたフレッシュなパフォーマンスでいきなり観客を沸かせる。今年のチアステはかつてお茶の間の人気を博した音楽番組『ザ・ベストテン』を模した映像とともに進行。各パフォーマンスを前に軽快なトークが繰り広げられ、観客のテンションを高揚させた。続く「ダンスメドレー」では、BIGBEARSが普段の応援活動では見せない新たな3つの顔を見せる。オレンジ、イエロー、ピンク、パープルといったさまざまな色のライトに照らされながら、「ジャズ」「アイドル」「セクシー」をテーマに華やかで大人らしいダンスを披露した。今年新たに考案した「時をかけるBEARS構成~ザ・ベストテン~」では、昭和、平成、令和を彩ってきたJ-POPの名曲を続々と披露。各時代をかけてきた名曲の数々に会場の老若男女全員がそのリズムに乗りながら夢中になったことだろう。続いては3年ぶりの「六大学コラボ」である。六大学のチアリーダーズが久しぶりに一堂に会し、『チャンス法政』に始まり六大学の応援歌、応援曲を踊っていく。メドレーを締めくくる『紺碧の空』を終えると、「GOBIG6」のパネルとともに満面の笑顔。六大学の絆が形になったコラボとなった。4年生が「六大学コラボ」を終えると今度は「下級生構成」。3年生から新人までが一つとなり、この1年間の成長を観客に届ける。そのパワフルな演技は、来年度以降への期待を感じさせるものとなった。第1部の最後を飾るのは「早稲田チアコラボ」だ。3団体での対面のコラボは3年ぶりとなり、BIGBEARS、SHOCKERS、MYNXの3団体が集結する。早稲田魂を一つに、完成度の高いダンス、スタンツを見せていく。アクロバティックな技が決まるたびに客席が沸き立ち、最高の第1部の締めくくりとなった。
華々しい「オープニング」を飾ったBIGBEARS
「時をかけるBEARS構成」で大技を決めるBIGBEARS
「六大学メドレー」の終盤で「GOBIG6」のパネルを掲げる六大学チアリーダーズ
「早稲田チアコラボ」で一斉にトスを決めるBIGBEARS、SHOCKERS、MYNX
第2部はHT(ハーフタイム)からスタート。この1年間使用してきた、Bruno Mars、Beyoncéらのヒット曲による洋楽メドレーでダンスにもキレが増す。各種応援で披露してきたハーフタイム演技の集大成となった。続いて体育各部からのBIGBEARSへの応援メッセージが放映されると、BIGBEARSが「応援メドレー」でお返し。競技をイメージした選曲のもと、振り付けにも工夫を加え、米式蹴球部、競走部、ラグビー部、野球部など計9競技へエールを送った。そしてこのチアステはリーダー4年生、吹奏楽団4年生にとっても最後のステージである。チアリーダーズの前に井上皓介副将(法4=東京・早大学院)、背後に吹奏楽団がスタンバイすると「応援ドリル」がスタート。リーダー4年生はセンターリーダー、吹奏楽団4年生はマーチングドリルで本職を全うしながらも、後半ではラインダンスやスタンツなどチアリーディングも披露し、チアステならではの応援曲メドレーをつくりあげた。玉城大基学生誘導対策責任者(基理4=沖縄・昭和薬科大付)がメドレー途中の学注(学生注目)で口にした4年間の感謝の思い。その感謝の思いを3パートの4年生全員が持ち、「応援ドリル」を完成させた。4年生は他パートの同期へ別れを告げると、そのまま「引退構成」へ。4年間を振り返るVTRが放映されると、同期24人による最後の演技が始まった。最高学年らしい熟練したパフォーマンスの中には4年間の愛と想いが込められる。次々と演技を成功させ、「334」で「引退構成」を完走した24人の笑顔はとても生き生きとしていた。そしてフィナーレでは令和4年度のBIGBEARSを締めくくる。選曲した阿部真央氏の『Believe in yourself』の歌詞には彼女たちのメッセージが宿る。BIGBEARS71名全員の努力がこもったパフォーマンスは観客全員に大きな愛を届け、観客も万雷の拍手で称えた。BIGBEARSはアンコールにも応え、2時間以上にわたるステージを見事完走。幕が下りる最後の時まで観客に笑顔を送り続け、BIGBEARSを全うした。
「応援ドリル」でメリーゴーランドを完成させた3パートの4年生
「引退構成」の最後を「334」で飾った4年生
「アンコール」にてボンボンで「THANKS」のメッセージを送るBIGBEARS
最高のチアステとなった。そして4年生は最高の集大成を飾った。その集大成のもとにあったのは、家族との絆、先輩との絆、連盟の絆、早稲田の絆、そして同期の絆とBIGBEARSの絆。全ての絆が結集し、チアステは『REVIVAL』を成し遂げた。BIGBEARSの下級生はこの1年間の努力を、そして4年生は4年間の努力を本番にぶつけ、最高の形で体現した。そして3パートの4年生にとっては最後のステージ。人を応援することに4年間を捧げてきた4年生全員が、大隈講堂の観客全員に元気と感動を届けてくれたことだろう。チアステは1年後、再び帰ってくる。令和5年度のBIGBEARSがまた新たなチアステを創り上げてくれるに違いない。
※役職は当時のものです。
(記事 横山勝興、写真 横松さくら、横山勝興、梶谷理桜、近藤翔太)
コメント
※インタビューは後日行われたものです。
三石明日楓ステージ運営責任者(商4=県長野)、平沼駒紀ステージ企画責任者(国教4=東京・早実)、松本晴ステージ広報責任者(教4=兵庫・神戸)
――チアステを終えて率直な気持ちを教えてください
三石 ここ数年とは異なる環境で観客も会場の100%入れたのですが、無事に終演できたことにまずはほっとしています。あと運営という立場でチアステに関わってみて、今まで3年生まで感じていたよりもたくさんの方が協力してくださっていることを生で感じて、協力してくださった人への感謝の気持ちでいっぱいです。
平沼 ステージ企画責任者だったこともあって、普段見ることのできなかった下級生のキラキラしている笑顔を本番で間近で見ることができて、この1年みんなで頑張ってきて本当に良かったという気持ちが一番大きいです。あとは、三石も言っていたようなほっとした気持ちが結構大きかったです。企画的な面で言うと、本番直前に大きなケガ人が1名出てしまい、例年よりかなり攻めた構成が多かった中で、本番で大きなケガなく終われたことは本当に良かったと思います。
松本 私も2人と一緒で、終演できて一番ほっとしているのですが、4年生はこのステージが引退前最後のステージだったので、集大成を皆さんに披露できて良かったという気持ちでいっぱいです。やり切ることができて良かったと思います。
――運営責任者、企画責任者、広報責任者のそれぞれの役割を教えてください
三石 運営(責任者)が業者とのやり取りや振りV作成、会場の確保や外部関係者とのやり取り、公演全体の進行といった運営全般に関わることを担当していました。企画(責任者)は演技の一個一個の構成を作成してくれて、どのレベルの演技までをやるか決めてくれていました。広報(責任者)は広告契約を取りまとめてくれたり、インスタなどのSNSを使った広報とパンフレット作成をしてくれていました。
平沼 企画責任者は演技に加えて衣装と器材も担当しています。
――ここ数年のチアステと異なる点は
三石 コロナが始まった2020年はスタンツは当時の4年生のみが行っていて、それ以外は全部平場でのダンスだけで全構成を組んでいました。観客の人数制限もあったので、昼公演と夜公演に分けた上で座席の間隔を空けて観客の人数制限をしていました。2021年は、スタンツは全面的に再開しましたが、スタンツの練習を再開してから1年しか経っていなくて、当時の最大限のレベルでも今年と比べると攻めた構成よりも確実にできる演技を目指していました。今年はまず観客が定員の100%入れられることになって夜の1公演だけにして元の形に戻しました。あとはコラボ演技を復活させました。去年はSHOCKERSとBIGBEARSの2団体のコラボは行っていたのですが、今年は「六大学コラボ」が3年ぶりにできて、「早稲田チアコラボ」という名前でSHOCKERS、MYNXと大人数でコラボできたことが大きかったと思います。
――こだわったところは
平沼 企画的な観点から言うと、全員が目立てる、主役になれる構成を作りたいと裏目標のような感じで思っていました。4年生のラストステージではあるし、ステージ部門が主体のステージだとは思いますが、応援部チアリーダーズBIGBEARSのこの代で作るステージとして全員が何かを成し遂げたと感じられるステージにしたいと考えていました。具体的には、まだスタンツをあまり経験していない新人や2年生は前隊(スタンツの前でダンスを踊る振り)を作って、スタンツではなくてもそこで輝ける場をつくることで全員が目立てるようにしたところはこだわったところだと思います。あとは器材と衣装に関してもこだわっていたと思っています。たくさんの器材と衣装を使わせていただいているのですが、衣装を着るだけで心が引き締まる感じは4年間ずっとあって、ポンポンなどの器材も衣装に合ったものを使うことで全体の見栄えが良くなったりするので、小さいこだわりの積み重ねがこのステージではすごく生きていたと思います。
三石 私は、誰が見ても楽しめるようにこだわりました。「誰もが楽しめる」ということを内部と外部のどちらでも意識していて、内部では振りV(ステージの構成間で流すVTR)に下級生メインで出演してもらいました。下級生の構成自体が少ないので、振りVで目立ってもらったり、モチーフにした『ザ・ベストテン』の昭和のしゃべり方が得意な人にやってもらったり、他パートにも関わってもらったりしたことが、仲がいいこの代らしいことだと思いました。振りVに吹奏楽団の2年生の子に出演してもらったり、司会に野球部員に出てもらったりしました。あとは、1年生から4年生まで含めた今年らしさにもこだわりました。今年は学生誘導対策部門がすごく頑張ってくれて野球応援の試合前後に挨拶人員(野球部員と応援部員で試合を見に来た観客に球場の入り口で応援を呼びかけること)を行ったことで、お客さんとのコミュニケーションも復活できたし、野球部と応援部の仲もすごく良くなって、一緒に応援する、一緒に戦うことができたなと思ったので、体育各部に向けた演技の前に野球部の皆さんに出てもらいました。あとはテーマを『REVIVAL』にして「コロナ禍から力強く、たくましく復活したよ」ということをアピールしたかったのですが、その背景には一年一年積み重ねてきた歴史があることも伝えたかったのと、『復活』というとコロナ禍の時代がないがしろに感じられてしまうと3人で話し合いました。一代一代すべての代が築いてきたことが大切でその積み重ねで今があることを伝えたかったので、振りVの中で歴史紹介VTRを作ってBIGBEARSや応援部の歴史を紹介しました。歴史を紹介することにかけて、構成の中で「時をかけるBEARS構成~ザ・ベストテン~」という構成も作りました。「昔」と「今」でメンバーを2分割して、「昔」の子たちには昭和時代に流行った曲を選曲して踊ってもらって、「今」の子たちには平成や令和で流行った曲を使って踊ってもらいました。毎年チアステが若い人向けの流行りの曲を使うのがスタンダードでしたが、お母さん世代の方やOBOGの方、コーチングスタッフの方などさまざまな層の方が楽しんでもらえるように意識しました。
松本 広報の面では、コラボメニュー企画を毎年やっていて、「Whistle CAFE」や「高田牧舎」や「A&A CAFE」などの早稲田近辺の店とBIGBEARSがコラボした共同のメニューを去年から本格的にやっています。去年は私と三石とかが一緒にやっていた企画なのですが、今年は3年生に引き継いでやってもらって、楽しんでメニューも食べに行ってくれたし、部外の人たちからもすごく好評の声をいただいたので、チアステを早稲田の方々とのつながりを大切にしながらつくりあげられたので、良かったと思います。
――印象的だった場面は
松本 フィナーレで何代か上のBEARSでやっていた演技の一部を取り入れていたところです。フリップ(人が空中で1回転する宙返り)を6人くらいが続けてやる構成を入れたのですが、フリップを数年ぶりに『REVIVAL』にちなんで復活するシーンを見ることができた時はすごく感動しました。
三石 前日リハーサルの時に「時をかけるBEARS構成」の「昔」のメンバーを「今」のメンバーが舞台袖で見ていた時に新人の子が突然泣き出しちゃった場面は印象に残っています。「どうしたの? 大丈夫?」と聞いたら、すごく感動して泣いちゃったみたいで。8月の終わりから9月のはじめにかけて夏季合宿があってそこからチアステの練習が始まったので、4カ月くらいチアステの練習をやってきましたが、「夏季合宿からの皆さまの努力を見ていたので感動しました」みたいな感じで新人の子が大号泣していて。応援部は上下関係が厳しくて、普段新人と4年生が深くコミュニケーションを取れる団体ではないのですが、その新人の子の姿を見た時に、学年、代関係なくやらなきゃいけないことがあって大変な中で頑張っていると感じました。下級生を巻き込めているか不安なところもありましたが、新人の子もチアステへの思いがすごくあって、「たくさん努力しているんだな」と感じて、私が感動してしまいました。その子もすごく楽しそうでしたし、下級生が楽しんでいる様子が肌で伝わってうれしかったです。
平沼 ずっと印象的でしたが、開演前と終演後の表情が本当に印象に残っています。前日リハーサル、当日リハーサル、本番と全部で3回通したのですが、本番前にすごくいい表情をしていました。私が幕前司会をする関係で少し離れたところでみんなの表情を見ていたのですが、1年間で本当に成長したと思わせてくれるたくましい顔をしていて、逆に終演後には本当にやり切った表情をしていました。チアステの練習が始まる前に比べて本当に成長したことを生き生きした表情から感じさせてくれました。
――選曲について
三石 はなまるでした。
平沼 ブラボーでした。
三石 新人に関して言うと、これまでは新人だけで大会に出ることがなかった中、夏の大会に新人のチームだけで出場していて、入部して4カ月で大会をやり遂げたことはすごいなとどの代からも思われていました。私たちも新人にどんどんうまくなってほしいし、演技をやり遂げてくれたというところで期待していたので、例年に比べて新人をスタンツに入れて新人の見せ場を作りました。新人が大変そうで「ちょっと入れ過ぎたかな」と思った時もありましたが、最後までやり遂げてくれたので、本当に誇らしかったです。でも全ての代をほめられると思います。
松本 大隈講堂の館内装飾を2年生と新人が制作してくれていたのですが、今年は例年以上にこだわって作ってくれていてサーカスのような感じの統一感があって、風船もいろいろな種類のものがあったので、下級生の積極性もそこで見られて、すごくうれしかったです。
平沼 こだわれる新人だったと思っていて、言われたことをやるだけじゃなく、「こうやった方がいいんじゃないか」「このアピールの方がいいんじゃないか」と考えてくれる代だと感じました。全体での集合写真や広報動画を撮影する時に言われていなくても身長順に並んでくれているのに気づいてうれしくなっていて、小さいところでもこだわって楽しめる代なのは本当に強みで、来年以降にも絶対生きてくると思います。期待値大です。
三石 3年生に関しては、4年生が23人いるのに対して3年生は8人しかいませんでした。秋のシーズンは毎週のように応援当番を兼任している中、3年生が動いてくれていて、私たちがやったことのない量の当番を兼任してチアステに向けても頑張ってくれたのが本当にありがたいと思っています。忙しくて目の前のことをこなすことに精一杯になりがちな部活だと思うのですが、3年生がその中でもやりたいことを実現してくれて、自分のアイデア、考えで動いてくれるようになったことがうれしかったです。
平沼 2年生の中で器材当番(器材の管轄や新人を取りまとめる当番)が3人いたのですが、本当に頭が良くて親身になってくれました。実際に器材を動かすのは新人なのですが、器材の流れを決めるのは2年生で、それを確認するのが3、4年生という構図の中で、新人が動きやすいように流れをつくってくれていることを近くで感じることができてうれしかったです。
三石 あと3年生にはサブステージプロデューサーがいて、私たちステージ部門の部下みたいな感じで動いてくれる子が4人いました。そのうちの1人が1週間前くらいにケガをして演技に出られないことになってしまって、メンタル的な部分もすごく心配していたのですが、その子が自分でカメラを持ってきて前日リハーサルの段階から舞台裏や舞台袖で動く私たちの姿をカメラで記録してくれて、前日リハーサル中にまとめてくれたものをチアステの直後に当日PV風に流してくれました。自分がケガで不測の事態になってしまっても最後まで自分ができることを探している姿にすごく胸を打たれました。私たちの代が1個上の代から「人の思いに応える人間になれ」ということをすごく言われてきて4年間育ったのですが、自分が何かできなくなってしまっても人の思いに応えるにはどうすればいいのか全学年が最終的に考えられたからこそ、いいステージになったのではないかと思います。
――4年生の皆さんにとっては集大成の場となりました
三石 はなまるでした。私たちらしさが前面に出ていたと思います。例えば応援ドリルステージではリーダーと吹奏楽団にラインダンスをやってもらったり、ポンポンをやってもらったり、スタンツの練習をしてもらったりしました。各パートの練習がある中でチアステの練習に協力してもらえたことがありがたかったですし、個性豊かで仲がいい代でいい演技になったことがうれしくて、感謝しています。
松本 集大成の場という意味では引退構成の最後に「334」という技をやったのですが、私たちが新人の時の4年生がやっていた技で私たちの学年にとっては目標としていた技だったので、最後に披露することができていい締めくくりだったと思います。
平沼 ステージは大会みたいに明確な点数があるわけではありませんが、私たちらしい最高のステージだったと思います。語ったら時間が足りないのですが、一つ一つの小さい振りにみんなの思いがあふれかえっていて、1回動画を見返すだけでは足りなかったです。「この人こんなことしてたんだ」「こっちではこんなことしてたんだ」と思いましたし、4年間で培ってきたアピール力、応援部員らしさが最後のステージでみんなで出せたのかなと思います。『REVIVAL』を遂げるために必要な『原点』(令和4年度の全体年間目標)を感じることができて、諦めないでやることや同期を大切にすることといった、新人時代から教わってきたことの全てが生きたステージだったと思います。4年間の締めくくりとしていいステージでした。
三石 私たちの中での応援部の『原点』は新人の時に見た景色なので、当時の4年生がやっていた「334」という演技にも憧れていたし、3パート一体となってステージをつくりあげている姿が印象的でした。新人で見た景色を実現できたことが集大成らしかったと思います。
――下級生へのメッセージをお願いします
平沼 私としては「こだわり続けろ」と言いたいです。企画としての面が大きくなってしまうかもしれませんが、曲担当といってその曲の構成をしている人が数名います。最初に表現したいことや見せたい構成を決めることまでは分かっていると思うのですが、その後に演技しているみんなに表現してもらって、それがお客さんに伝わるまでが「こだわり抜く」ことだと思っています。こだわりがある構成を作ることだけじゃなくて、それをみんなに表現してもらって相手に届くところまでがセットだと感じているので、「こだわり抜け」と伝えたいです。あとは、こだわりをみんなに表現してもらうためには曲担当に対するリスペクトが必要なので、同期同士での協力や下級生への感謝の気持ちといった日頃の積み重ねを、周りの人が持つリスペクトに変えて一丸になってもらいたいと思います。
松本 私たちがコロナ前を知っている最後の代だったのですが、これから社会から求められる応援部とみんなが知っている応援部で試行錯誤することもあると思います。ですが、下級生はいろいろなことに積極的にこだわっていける人が多いと思うので、自分たちらしさを忘れずに応援部をつくっていってほしいです。
三石 フィナーレの演技を自分たちが作ったのですが、そこで披露した阿部真央さんの『Believe in yourself』の歌詞に下級生へのメッセージがつまっているので、下級生にはそれを見てほしいです(笑)。「誰かと自分を比べるよりも己を誇れる人になりたい」という歌詞があって、これを心に一番持っていてほしいと思います。ダンスが得意な人、スタンツが得意な人、誰よりも声が出せる人、笑顔が素敵な人などいろいろな強みや個性を持った人たちが、チアや応援を通してお互いのいいところを引き出し合ったり、補い合ったりしている環境がすごく素敵だと思っています。誰かと自分を比べて自分を卑下するのではなくて、「己を誇れる人」を目指してくれれば、みんなも楽しめると思います。あとは下級生全員がコロナ後の応援部しか体験していない中で、応援がどんどん復活していくにつれて、応援部の正解が分からなくなる場面が多くあると思うのですが、自分たちなりに考え抜いた結果や、今できる最大限の積み重ねで応援部は今まで進化してきたので、他の時代と比べずに自分たちがつくる応援部をどんどん発展させて、新しい応援部をつくる、早稲田スポーツを盛り上げる存在として頑張ってほしいと思います。
――同期へのメッセージをお願いします
平沼 一言で言ったら「ありがとう」(笑)。
三石 二言で言ったら「ありがとう」「大好き」(笑)。
松本 ほんとにそう。
平沼 本当に感謝ですね。最近も定期的に会うんですけど、定期的に会わないと生きていけないまでに仲が深まっているので。うまく言葉でまとまらないんですけど、本当に近くで戦ってきましたね。本当に大好き!
三石 4年間の財産、宝物が自分以外の同期全員だと思うくらい大事な存在です。私たちの代の応援の目標として、応援企画責任者の横田(奈々、教4=東京・明治)が「4年が一番やる」というテーマを掲げてくれて。毎年そうしているわけではない中で、あえて4年が一番姿で見せる目標を掲げてくれて、それをみんなで目指しながら応援もチアステもやりました。4年生がすごく声を出したり盛り上げたりすることは珍しかったと思うし、心強い方々でした。同期は誇りです。
松本 「ありがとう」という言葉に尽きますが、チアの同期だけじゃなくてリーダーと吹奏楽団の同期もチアステに協力してくれたり、私たちが疲れている時に差し入れをしてくれたりして、本当にいろいろな面で支えられていると感じました。「本当にこの代で良かった」とチアステを通じて思いました。