内外応援復活に向け準備は万全! 今年度最後の総合練習

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 早慶戦を1週間後に控えた応援部が総合練習に臨んだ。3パート合同で行う唯一の練習ともいえるこの総合練習。3パートで団結力を高めることはもちろん、3年ぶりに内外応援が復活することから、早慶戦に向けた最終確認が行われた。練習も中盤に差し掛かると、野球部員が来場してその様子を見学。最後は早慶戦での2連勝を祈願すべく、全員が1つの輪になり『早稲田の栄光』と校歌を斉唱し、3時間にわたる総合練習を終えた。4年生にとっては最後の総合練習となった。

 東伏見スポーツホールの使用時間が3時間に限定されていたため、タイトなスケジュールとなったこの日の総合練習。最初にダンス曲『なないろ』、スタンツ曲『GONG』、4年生曲『大切なもの』、バンド演奏曲『Troublemaker』の曲合わせが行われる。試合前と5回の守備回を盛り上げる重要なパフォーマンスへ向け、吹奏楽団とチアリーダーズが入念に確認を行った。曲合わせが終了すると全体集合。部長から「皆さんの力を結集して早慶戦に勝っていただきたい」と激励を受け、齋藤巽代表委員主将(教4=青森)が「この練習があったから勝ったと思える練習にしてください」と全体に呼びかけた。全体集合が解散されると、左手を内野応援席、右手を外野応援席に見立て、早慶戦を想定した練習が本格的に開始される。まずは『早慶讃歌』。早慶戦の幕開けを告げるこの讃歌を、内外の太鼓と吹奏楽団の演奏をベースに歌い切った。続いては校旗入場。新前川旗と稲翔旗がそびえたつ中、『早稲田の栄光』とともに大校旗と新黎明旗が入場してくる。4本の校旗が出そろうと、校歌によるエール交換を行った。エール交換をもって試合前通し練習が終了すると、ここからは7回攻撃回通し練習を実施。『魁』を皮切りに応援曲メドレーが開始された。しかし、『大進撃』まで進む中、なかなか曲のテンポが上がらない。ここで木部昌平応援企画責任者(教4=埼玉・昌平)が練習を中断させ、内外が互いの様子を確認し合わないように指導。最初からやり直すように指示した。再び『魁』から始まると今度は順調に進行。メドレーが無事に終了し、応援企画責任者が承認を出すと、7回攻撃回通し練習は無事に終了した。

練習の様子を注意深く見守る木部

 7回攻撃回通し練習が終了し、配置換えに入ったころ、中川卓也主将(スポ4=大阪桐蔭)率いる野球部員が来場。4年生部員を中心に野球部員を出迎え、学年、パートごとの配置に分かれると、最後の練習となる攻撃回通し練習が開始される。梶野優介連盟常任委員(創理4=東京・早大学院)が学注(学生注目)で気合を入れると、『大進撃』『スパークリングマーチ』『コンバットマーチ』をはじめとした応援曲を次々と行う。リーダー4年生が見張る中リーダー下級生が拍手と声出しで食らいつけば、吹奏楽団はリズムを乱すことなく演奏し、チアリーダーズは大人数でダンスをそろえた。応援曲が終了すると、齋藤が学注を行う。「思い出なんかいらない、勝ちたいんだ!」勝利への執念を全部員に届けた。齋藤が学注を終えると、『コンバットマーチ』『紺碧の空』を繰り返すメドレー練習へ。メドレー練習は約30分間断続的に行われ、まさにエンドレス状態。リーダー4年生とチアリーダーズ4年生が最高学年らしく機敏な動きを終始見せると、下級生も必死についていく。吹奏楽団も気合の演奏を継続し、メドレー練習を無事に完走した。

部員に向かって学注を叫ぶ齋藤

『コンバットマーチ』で突きを繰り返すリーダー4年生とチアリーダーズ

 練習を終えると、野球部員と1つの円をつくり、井上皓介副将(法4=東京・早大学院)を中心に『早稲田の栄光』を歌う。全員で斉唱する中、井上の力強い声はホール全体へと響きわたり、決戦への闘志を感じさせるものであった。『早稲田の栄光』を井上が締めると、最後は校歌で士気を高める。小野泰助(文3=群馬・沼田)の指揮で早稲田が一つになった瞬間であった。斉唱終了後には野球部・中川卓と齋藤の両部主将が挨拶。互いに神宮での奮闘を誓い合い、3時間の総合練習は終了となった。

『早稲田の栄光』を振る井上

 早慶戦本番さながらの練習となった今回の総合練習。3年ぶりの内外応援復活へ向け確認を怠らず、中盤以降は従来の通し練習で全員で意識を高めた。1週間後の早慶戦では2連勝を成し遂げ、有終の美を飾った早稲田。この総合練習がその礎となったことは間違いない。この4学年で行う総合練習は最後となったが、来年の春、新たな4学年が再び「氣合」の総合練習を見せてくれることだろう。

※掲載が遅くなり、申し訳ございません。

(記事 横山勝興、写真 玉置理沙子、藤田珠江、横松さくら、横山勝興)

コメント

齋藤巽代表委員主将(教4=青森)

――総合練習を終えて率直な感想はいかがでしょうか

 今までこの代でやってきた総合練習の中で一番団結力を感じましたし、全ての練習において完成度の高い練習ができたなと思います。

――今日の練習の目標というのも、そういった団結力を高めることでしたか

 そうですね。あと早慶戦では内野と外野が分かれるので、それを想定した練習、校歌や『早慶讃歌』を内外で合わせるという実践的な練習をしっかりやろうと思っていました。

――今日の下級生の取り組みは

 3パート通してよくやっていたと思います。下級生の団結力というものが早慶戦では大事だと思っています。内外分かれてしまうので、より一人一人の力が大事になってくる中で、特に下級生が内野外野で主導権を持って、自分たちで応援をつくっていくという意識が大事だと思います。今日の練習では下級生の主体性というか、「自分が練習をつくってやろう」というような気持ちが感じ取れたので良かったと思います。

――学生注目に込めた思いは

 この練習は全員でできる最後の練習で、早慶戦は(内外に)分かれてしまうということで、「われわれがやってきたことを内外に分かれてもやろう」「やることは変わらず今までやってきたことを信じて応援しよう」という意味を込めました。

――野球部の方とは言葉を交わされましたか

 主将(中川卓也主将(スポ4=大阪桐蔭))、あと主務の菊池(聡太主務、商4=福岡・東筑)さんですとかですね。本当に最近野球部の方とは密に交流させていただいていて、今朝もお邪魔したので。そのこともあって野球部の方とは良い関わり合いができて、今日の練習においても互いにねぎらいの言葉を掛け合いました。

――具体的にはどのような話をされましたか

 恐縮なのですが、自分の学注の内容をほめていただいたりとか、「良いものを見せてもらった」というふうに言っていただいて、改めて野球部の方にも頼りにされているのだなということを感じることができました。早慶戦でもその期待に応えるものを披露しなけらばいけないなと思いました。

木部昌平応援企画責任者兼稲穂祭実行委員長(教4=埼玉・昌平)

――総合練習を終えて率直な感想をお願いします

 応援部4年間で最後の総合練習でした。内外で応援が分かれるということで内外の演奏など確認しないといけないことが多くて肉体的に追い込むことはできないかなと思っていたのですが、追い込みも時間内で収まったので、ほっとしているのが率直な感想です。

――リーダーではどのようなことを目標にしていましたか

 早慶戦ということで短い時間ではありましたが、しっかりと気持ちを入れて出し切ることができたと思います。リーダーは今練習が忙しくて、午前中は東伏見マラソン(早稲田キャンパスと東伏見キャンパスの間をマラソンし、野球部のもとへ激励に行くこと)をやって明日は朝から地獄巡り(すべての種目を限界までやり抜く練習)をするのですが、その中でも(今日の総合練習は)大切にしてもらいたいなと思っていました。

――7回攻撃回通し練習の出来はいかがでしたか

 最初はテンポが遅かったりしてサインの伝達が本番を意識したかたちでできていなかったのですが、途中で切ってやり直しした後は内野と外野の応援が形になって良かったと思います。

――攻撃回通し練習の出来はいかがでしたか

 「氣合」「根性」みたいなのを意識してやっていました。最後の『コンバットマーチ』では普段はファンファーレを入れてリーダーやチア(チアリーダーズ)が突きをしないので、あまり追い込みができないなと思ってファンファーレをそこまで入れないようにしました。打楽器やパーカッションを使っている『ミニ早稲田コール』もあまりサインを出さないように富山(智恵理応援企画責任者、政経4=埼玉・早大本庄)に頼みました。あとは後期は最終回に『紺碧』(『紺碧の空』)をエンドレスでやっていることを意識して、最後に『紺碧』をエンドレスでやりました。短い時間でしたが、いろいろやれたのは良かったと思います。

――下級生の取り組みはいかがでしたか

 スケジュール的にはハードでしたが、頑張っていたなと思います。ただ、特に7回攻撃回の通し練習に関しては事前にもっといろいろ確認すればスムーズに行えた部分はあったと思います。

――野球部員とは言葉を交わしましたか

 はい、佐竹くん(洋政、商4=東京・早大学院)とはバイトが一緒の時期があったのでしゃべっていて、今朝の東伏見で声をかけてくれました。あとは主将の中川くんとも一回会ったことがあったので話して、主務の菊池くん(聡太、商4=福岡・東筑)にも神宮球場でチケットをもらったりしているのもあって「お疲れ」というふうには話しました。

――早慶戦に向けた今の気持ちを教えてください

 優勝決定戦だろうがそうじゃなかろうが慶應だけには絶対負けられないので、春の2連敗の雪辱を果たせるように初回から気合を入れて応援していきたいと思います。。

富山智恵理応援企画責任者(政経4=埼玉・早大本庄)

――総合練習を終えて率直な感想をお願いします

 早慶戦に向けて部員の気持ちも一つの方向に向けたと思います。

――吹奏楽団ではどのようなことを目標にしていましたか

 早慶戦では応援席が内外に分かれる関係で、エール交換の校歌や7回の攻撃時に内外の演奏で合わせなければいけないので、その確認は今日の大きな目標でした。しっかり指揮を見てテンポを合わせてそれぞれが責任を持って演奏することは意識していたと思います。

――攻撃回通し練習の出来はいかがでしたか

 今年いっぱい入ってくれた新人がパワーアップしたことで吹奏楽団全体もパワーアップしたことを感じられました。通し練習もすごくいいかたちで終われたと思います。

――下級生の取り組みはいかがでしたか

 今日は攻撃回中心の練習でしたが、積極的にコールのアクションやってくれたり、声を出してくれる下級生がすごく増えたので、いい雰囲気で早慶戦に臨めると思いました。

――早慶戦に向けた今の気持ちを教えてください

 われわれ4年生にとっては最後の早慶戦ですが、その特別さもありつつまずは目の前の一戦一戦を勝っていくことだけを考えて臨んでいきたいです。優勝決定戦になろうがならなかろうが目の前の勝ちをただ取りに行きたいと思います。

横田奈々応援企画責任者(教4=東京・明治)

――総合練習を終えて率直な感想はいかがでしょうか

 難しいのですが、一番は私も含めて全員が勝ちたいという思いが強くなった総合練習だったと思います。

――今回の練習でチアとしての目標はありましたか

 変更点が多く出ていたので、全力で挑む中で出てきた問題点や課題点を早慶戦までに回収したいと思いました。

――攻撃回の通し練習の出来はいかがでしたか

 この代で挑む最後の総合練習ということもあって、みんな気合が入っていたかなと思います。

――下級生の取り組みについては

 本当に今年度の下級生は前のめりになってくれる子がすごく多くて。応援って例年通りにやるのはすごく簡単で、やろうと思えばいくらでも手を抜けるのですが、「もっとここをこうしたい」とか、私が求めている期待が100点だとしたら、120点、150点、200点を目指そうとしてくれる下級生がほとんどかなと思います。

――野球部の方とは言葉を交わされましたか

 最後に円陣を組んだ際に、少しお話ししました。

――具体的にはどのような話をされましたか

 「来ていただいてありがとうございます」ということと、「早慶戦頑張ってください」ということです。

――早慶戦に向けた今の気持ちをお願いします

 目の前の一戦一戦に勝つという思いしかないので、優勝が懸かっていようがいまいが臨む姿勢は変わらないかなと思います。