第一回に登場するのは、木部昌平応援企画責任者(教4=埼玉・昌平)、富山智恵理応援企画責任者(政経4=埼玉・早大本庄)、横田奈々応援企画責任者(教4=東京・明治)の3名。東京六大学野球秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)の応援企画の考案に大きく携わる応援企画部門の責任者3名に、普段の間柄、そしてこの秋の野球応援に懸ける思いを伺った。
※この取材は10月7日に行われたものです。
絶妙なバランスの3人
お互いの好きなところについて話す3人
――それぞれの他己紹介をお願いします
一同 (笑)。
富山 なるほど(笑)。どういく? こう?(話す順番を指で示す)
横田 矢印矢印。
富山 じゃあまず木部昌平の紹介をしますね。木部昌平くんは昌平高校出身というのをすごく押しています(笑)。
木部 押してない押してない(笑)。
富山 (笑)。教育学部4年生で数学を学んでいるそうです。あとアニメの制作会社に就職が決まりました。
一同 (拍手)
富山 卒業がやばいっぽいので頑張って欲しいと思います(笑)。応援に関して言うと、こだわり強めな人なので、いつも3人で色々話しながら、時々揉めながら(笑)、やらせてもらってます。
木部 横田です。教育学部4年生で、明治大学の付属の高校から明治を裏切って早稲田に来ました。
一同 (笑)。
木部 あと絵が上手いです。芸術大みたいなのに行こうとしていたみたいで……。
富山 え、そうなの? 知らなかった(笑)。
横田 早稲田に落ちたら美大に行こうとしていました。
木部 応援もすごいこだわりを持ってやっていて、頑張っていて…
富山・横田 (笑)。頑張ってる(笑)。
木部 試合中とかも声を出してますし、その姿で下級生を引っ張ってくれていて、気合が入っているなと思います。
横田 富山なんですけど、政治経済学部の4年生です。彼女は早大本庄の出身で、昔から生粋の応援部員という感じです。応援がとにかく好きで、それで早稲田に入って部にも入ったそうです。プーさんが好きで、LINEでもキモめのプーさん、キモプーさんのスタンプをよく送ってきます(笑)。
一同 (笑)
富山 キモプーさん使ってます(笑)。
横田 応援で言うと、めちゃくちゃ尊敬しているのは、熱くても、熱さや気合いだけで乗り越えようとしないで、熱さと冷静さと仕事の敏腕さを兼ね備えているところがすごいと思っています。
富山 めちゃ恥ずいわ(笑)。
横田 こだわり強めの3人なのでめちゃくちゃ助かっています。秋リーグ後半もよろしくお願いします。
――木部さんの好きなところを教えてください
富山 木部くんのから言ってこう。
横田 木部くんの好きなところは……。迷ってるのはいっぱいあるからなんですけど(笑)。しょぼめのから言うと、サイン出しがかっこいいところです。
富山 サイン出しかっこいいなぁ(笑)。
横田 あと、サイン出しが気持ちよく決まると、誇って「あれ良かったくね?」って試合後に報告してくれるところがかわいいです。
富山 かわいいよね。素直(笑)。
横田 あとは、コンバットの突きのリーチが長いところもです。指揮台に登ったりする時に、ト立ちジャンプ(足を広げたジャンプ)というのがあるんですが、リーダーの中でやる人とやらない人、できる人とできない人がいるんですけど、(木部は)それに対して向上心があって、できるし、さらに高みを目指していますね。
富山 めっちゃ見てるね、木部のこと(笑)。
横田 めっちゃ見ちゃった(笑)。
富山 私もサイン出しはめっちゃかっこいいなと思っています。吹奏楽団も試合中サイン出しを見ながら演奏しているのですが、一番見ているからこそいいなと思いながら吹いています。
木部 (笑)。
富山 あとは素直なんですけど、不器用なところが性格的にあって、かわいいなと思いながら見ています(笑)。
横田 あとこれ使って欲しいんですけど、私たちめちゃくちゃ喧嘩するんですよ。みんなこだわりが強くて、こだわりが強いのが3通りあるので。その中で木部は「ありがとう」と「ごめんなさい」が言えるんです。
富山 そう!! 反省?
横田 めっちゃ喧嘩するんですけど、こうやって険悪にならないでいられるのは木部が必ず謝ってくれるからだと思っています。
富山 あとから「さっきはごめん」ってね。
横田 それに救われています。
木部 確かに謝ってる(笑)。
横田 必ず謝る。
富山 それで「ありがとう」って言ってくれる。「ありがとう」と「ごめんなさい」は一番大事(笑)。
横田 それが一番かな(笑)。
――富山さんの好きなところはいかがですか
横田 トミー(富山)の好きなところは、まず思ったところを必ず言うところです。思ったことを必ず言うというのは他の部門を見ていると意外とリーダーの意見にそのまま流れてしまうところがあるんですけど、(富山は)必ず思ったことを言うところが好きです。しかも、それが駄々をこねるとかではなくて、ちゃんと説得力がある物言いなのが大変好きです。本当にすごいなと思います。
木部 僕が過激な思想で提案をしてしまった時に、「こうした方がいいんじゃない?」と言ってくれます。僕が結構こだわり強めなんですけど、そこを軌道修正してくれます。あとはやはり仕事ができます。僕や横田が忘れていたことは「あれやっていないよね?」って教えてくれます。
横田 本当に助かってる!
木部 そこがめちゃくちゃ助かっているかなと思います。それと面白いです。僕がふざけたこと言ったりすると乗ってくれます。
横田 そう! 乗ってくれる!
富山 ありがとう(笑)。
横田 あとパソコンをめちゃくちゃいじれます。だいたいパソコンいじるとなったらトミーが人員の配置とかのファイルをやってくれます。というかできるのがトミーだけで……。
富山 絶対やれば(横田も)できるから!(笑)。
横田 我々の怠慢なんですけど(笑)。そういうことをやってくれます。あとはプライベート寄りなんですけど、LINEとかでふざけて語尾を「にゃー」とか言うことがあるんです。君(木部)は結構そういうのさらっとスルーするけどね?
木部 確かに(笑)。
横田 (富山は)そういう時にバカにしないで、一緒に「にゃー」って言ってくれるところが好き(笑)。
富山 ありがとうございます(笑)。
――横田さんの好きなところはいかがでしょうか
富山 なーちゃん(横田)の好きなところ、いっぱいあるよ?(笑)
横田 本当?(笑)
富山 まず持ち前の明るさと笑顔と元気です。本当に応援席にいるだけでなーちゃんの周りが明るくなるし、元気になるパワーを持っているところは好きなところというか尊敬するところです。
木部 確かに。
横田 ありがとう(笑)。
富山 太陽! 応援部の太陽です!
横田 やめてよー(笑)!! やめてよほんとにー(笑)!
富山 プライベートだと、私の誕生日が6月だったんですけど、その時も盛大に祝ってくれました。ハッピーを運んでくれるんです。そこがすごくうれしいし、一緒にいて楽しいところが好きなところかな。
横田 ありがとう(笑)。
木部 だいたい一緒になんですけど、明るいです。応援中の下級生が良くなかった時、僕が指導しなきゃいけない立場できつく言って険悪なムードになることもあるんですけど、そういう時も彼女がいることでなんとか明るくなっているのかなという感じです。3人でバランスよくなっているので、彼女の明るさはいいですね。
横田 ありがにゃんだね。
富山 ありがにゃん(笑)。
横田 (富山は)こういうのに乗ってくれます(笑)。
――逆にお互いの直して欲しいところはありますか
横田 いっぱいあるんだけど、いっぱいありすぎてもう受け入れたよね。今更直して欲しいとは思わないよね。
木部 めっちゃいい回答(笑)。
富山 お互いの直して欲しいところが(噛み合って)上手くいっているんだよね。
横田 3人が違うキャラクターだからね。全員が私でも終わるし、全員がトミーでも木部でもそうだと思う。
木部 直して欲しいところはないですね。
横田 私もない。直しちゃったら(3人のバランスが)変わっちゃいそう。
富山 普通にそんな思わないよね。
横田 強いて言うなら、(木部が)エナジードリンクを飲み過ぎるところ(笑)。
一同 (笑)。
――応援企画部門とはどんな部門ですか
木部 応援部の応援活動の全部の企画とか運営に一番携わる部門で、応援活動がうまくいかなかったら、応援企画部門の責任だと思っていますし、そういうところに責任をもつ重要な部門だと感じています。
富山 応援を作ることそのものや、先方の体育会の人とのやりとりは3年生とかが主体的にやってくれているのですが、それらすべてを取りまとめているのが私たち3人なので、そこを動かしていくというのも大きな役割の一つかなと思います。
――応援企画責任者の役割、仕事は
富山・横田 パートで結構違うよね。L(リーダー)、B(バンド、吹奏楽団)、C(チアリーダーズ)の順番で行こっか。
木部 L、B、Cで。
木部 3パート全体としては、応援の事前準備に携わったり、3年生が作ってきた応援に対してフィードバックをしたり、あとは実際に運営がうまくいくかどうか責任を持つというところが役割としてあります。リーダーとしては、試合の攻撃回の頭でやる応援歌を1回から9回まで決めたり、センターリーダーを誰にするのかを決めたり、あとは試合中に曲を決めたりするのが一番大きな役割です。試合状況を見て、試合の状況にマッチしていると思われる曲をやっていって、全体に指示を出して動かすことが、リーダーの応援企画責任者のやっていることですね。
富山 バンド(吹奏楽団)の責任者は、リーダーみたいにこれという具体的な仕事はそんなにないんですけど、私がやっていることは、吹奏楽団として応援曲を演奏して、練習を見たりとか、練習を組み立てて、それに対してフィードバックをしたりしています。試合中に私個人が意識していることとしては、吹奏楽団の応援の責任者としてちゃんとした姿でみんなを引っ張っていけるように自分が一番声を出したりとか、しっかり応援が成り立つように発信したりすることを、意識してやっています。
横田 チアは、実務的なことで言うと、指揮台で踊る4年生のロール(踊る人と配置を決めること)を決めて、指揮台でやるチアリーダーズの演技の作成や添削をしたり、あと5回に演技をするバンド演奏曲を決めたり、早慶戦の試合前の企画の曲決めなどを行っています。試合中で言うと、これというものはありませんが、盛り上げるという感じで(笑)。練習中からもそうなんですけど、自分が意識していることとしては、応援企画部門以外の人間が応援企画部門の人間の熱さを超えることはないかなと思うので、そういう意味では応援企画部門が応援部全体の姿勢とか、熱さの上限を作っているのかなと思います。なので、全体の上限を上げるために、一番応援に対して向き合う人間でありたいなと思っています。あとは余談なんですけど、3人で応援に対してみんなに前のめりになってほしいなという思いで『一戦必勝』という部内通信みたいなものをやっています。
三者三様な応援への思い
応援企画部門を選んだ理由を語る木部(中央)とそれを聞く2人
――応援企画部門に決めた理由は
横田 あまり良いことではないかもしれないんですけど、私は昔から応援や盛り上げることが得意で、上級生とかからも「奈々は応援が得意だよね」みたいなことを言われてはいたんですけど、自分が応援が好きかと言われたら結構そうではなくて、「怒られたくないから応援する」とか、「こうすれば褒められるから大きな声を出す」というふうに取り組んでしまっていました。そういう人って多いのではないかと思って、それを変えられるのは現時点で応援を楽しめている人よりも、ちょっと応援に対して「怖い」とか「面倒くさい」とかそういう負の感情がある人の方なんじゃないかな、私しかいないんじゃないかなと思って、応援企画部門を志望しました。
富山 私は入部した時から応援が好きで、選手のために応援がしたいとしか考えられないような人種だったので、入部した時から絶対応援企画責任者になろうと思っていて(笑)。
木部 すごい。
横田 すごい、かっこいいよ(笑)。
富山 「絶対応援企画責任者になってやるんだ」と思って活動していました。何でかと言うと、選手に応援が届いたときに、「ありがとう」と言っていただけたらすごくやりがいになるし、自分も同じように勝敗を喜んだり、悔しがったりできるっていうところが応援の魅力だと自分は思っていて、それをできる限り全部員が同じ熱量で、同じ温度感で感じられるような環境を作りたいなというところで、今は応援企画責任者としていろいろやらせていただいています。
木部 最初からはすごいね。
横田 すごい(笑)。
木部 僕はもともと六大学野球の応援というのは好きで、高校生の時くらいからいろいろ見ていて、六大学野球の応援に対して一番こだわりや知識があるという自信はありました。応援企画責任者に就きたいなと思ったのは、曲を決めて、サイン出しをやれるのが絶対面白いだろうなと下級生から思っていて志望しました。早稲田の応援を作れるということで、絶対この役職が面白いだろうなと思いました。
富山 木部は、3年生の後期に応援企画補佐になったんですよ。なんかそこですごく変わったなっていう。
横田 前のめりになったよね。
木部 そう、そうなんだよ。
富山 そうだよね(笑)。
横田 言えよ!(笑)
木部 言わなくてもいいかなって思って、言うよ言うよじゃあ(笑)。
木部 もともと2年生の時に体調を崩してしまって、1か月くらい休部していた時期があって、もともと応援オタクだったんですけど、やる気がなくなってしまって、なんとなく部活をやっていたんですよね。そうしたら、1つ上の応援企画責任者の方が、後期の補佐役職を志望する時に自分が応援企画補佐を志望に書いていなかったので、「何で書いていないんだ、書けよ」みたいなことを言われて、これ絶対就かされるなと思っていたら本当に就かされて(笑)。でもそのおかげで部活動に対して積極的に取り組めました。実際自分が見てきた応援を作る立場に立って、ただ頭でっかちな人じゃなくて、実際に経験を積むことができて、すごく面白いなと感じることができたというのは応援企画責任者を志望した経緯としてありますね。それが結構大きいです。
――応援について考える時のこだわりを教えてください
木部 僕は六大学の応援が好きでずっと見ていたので、他の2人とは違うかもしれませんが、選手を応援することを大事にしつつも応援部を見ている人をどれだけ沸かせられるかが応援の熱量に直結すると思っています。なので、見ている人に「いいね」と思ってもらえるような応援にこだわっています。あとは、「よくある応援の形」みたいなのがあまり好きじゃなくて、「人と変わったことをしたい」という欲求があるので、人と変わったことをして見ている人に「そう来たか」と思ってもらえるような応援にこだわっていて、それが盛り上がりに直結すると思っています。今年だったら『早稲田健児』や『暴れん坊早稲田』の使い方を再検討したりとか、新曲(応援曲『暁』)を作ったりとかいろいろやっているので、そういったところでどう沸かせられるか考えています。
富山 私は木部くんと逆なところがあるんですけど…
木部 正直逆だよね(笑)。
富山 私は選手のためであるかどうかというところを自分の中で重きを置いていて、「選手のため」という軸の中でいろいろできることを考えています。吹奏楽団の応援企画部門としては『心技体』を目標に掲げているんですけど、「心」の部分は「選手のため」という応援の本質をちゃんとみんなが持つこと、「技」の部分は吹奏楽団として演奏技術を向上させることで選手のための演奏や応援を作ること、「体」の部分では応援が結構体力を使うものなので、しっかりみんながスタミナを持って演奏できるようにすることやガッツを大事にすることを掲げています。選手のためであるというところも、技術とか体というところもこだわっていますね。
横田 頭がおかしいかもしれないんですけど、「こだわることをこだわって」います。こだわることって前のめりにならないとできないことだと思っていて、「例年通り」とか「泥臭く」というところは意外とこだわらなくてもできちゃうことだと思うんです。「ここをこうしたい」とか「あそこをああしたい」という何か意図を持ってプラスアルファのアクションをしないとこだわることってできないんですよ。頭を使わずに盛り上がるふりはしてほしくないし、例年通りの誰にも怒られないような応援は作りたくないなと思っています。自分自身がこだわりたいのはもちろんですし、周りの部員にもこだわらせたいというふうに思っているので、チアリーダーズの応援企画部門としての目標は『こだわることをこだわる』ことです。応援は正解がないので、とにかくかっこよく人と違うように盛り上げたいという人もいると思うし、選手のためを想って取り組むのがいいと思う人もいれば、自分が楽しみたい人もいると思うし、観客と盛り上がりたい人もいると思います。本当にそれぞれなのでどんな思いがあってもいいんですけど、前のめりになって意図を持って取り組んでもらいたいなという思いがあるので、自分がこだわることと周りにこだわらせることをこだわっています。
同じ『一戦必勝』へ向けて
明治神宮野球場で応援活動に励む3人(応援部提供)
――ここまでの秋季リーグ戦を振り返っていかがですか
横田 今年度自体がまず「優勝」を目標にしているわけではなくて、試合での勝利は選手の努力のたまものだと私は思っていて、応援は選手が実力を発揮できる後押しだと思っているので、ここまでの結果を振り返って「良かった」とか「失敗だった」というふうにはあまり捉えていないかもしれないです。
富山 応援の質的なところで話すのであれば、秋から新曲を入れて最初は新しい感じで始まったものも、今まで3戦やってきて結構定着もしてきたし、みんなも新しい雰囲気の中で自分なりの楽しみ方を見つけて応援できるようになってきているのかなと思います。
木部 確かに新しいことは結構やっていますね。吹奏楽団の方の演奏がうまくなっていますし、人数もすごく増えてさらによくなっていると思います。あとは急にサインを変えたときにちゃんとみんなが対応してくれるので、それが僕的にはとても助かっていて、リアルタイムに試合状況に応じた応援ができるようになってきたのかなと思います。急にサインを変えて申し訳ないなと思うんですけど、毎回それに対応してくれています。あとは試合の結果を踏まえて言うのであれば、法政戦で2連勝しましたけど、明治戦(2回戦)で17点取られたりとかして、野球も応援もなかなかそう簡単ではないのかなと思いました。17点取られてボコボコにされたのもありましたけど、最後いい感じで終われればいいのかなと思います。あと慶應には春は2連敗したので、秋は2連勝して終わりたいですね。
――新応援曲『暁』の登場や内野応援の復活など、この秋のリーグ戦応援からさまざまな変化がありましたが、この秋にこだわっていることを教えてください
富山 バンドはこの秋からアクション(楽器を演奏しながら動かすこと)ができるようになったんですよ。それが私の中では、ここまでの2年半との大きな違いだと思っているので、キレよく、カッコよく(楽器を)動かすことは意識して練習に励んでいます。
木部 確かにアクションすごい。盛り上がります。
富山 意外と評判いい(笑)。
木部 観客の方が近くにいるので、観客の方の盛り上がりを感じ取るようにしながらやっています。あとは部員の様子も見るようにしています。僕が決めたことにみんなが乗る流れなので、外野でやっていたときよりもさらに意識するようになりました。
横田 チアの話になってしまうんですけど、いきなり何かをこだわるのは難しいと思っていました。なので、春の間は自分が全力でやっていく中で「これが得意だな」「これは人より簡単にできるな」というものが人それぞれあると思うんですけど、こだわりがない人はそれを発見する場所として「とにかく全力でやりなさい」と言っていました。そう考えた時に、秋は見つけたこだわりを発揮できているなと思っていて、今年度のこのメンバーだから見えるこだわりが私からも見て取れてきているので、来年以降応援を作る後輩の子たちの(こだわりの)火が消えないように、このまま持続できたらなと思っています。
――秋季リーグ戦の応援で注目して欲しい点があれば教えてください
富山 バンドのアクションにぜひ注目していただきたいなと思っています。
木部 確かにバンドのアクションはそうだね。内野から撮った動画をたまに共有してもらうと、バンドがいて指揮台があってという感じで盛り上がりもあるし、指揮台とバンドのアクションが同時に復活したことは本当に良かったなと思いました。僕の話としては、僕は曲を決める係なので、曲を入れるタイミングを意識しています。新曲の『暁』や『かっせコール』という選手の名前を入れた新たなコールも作ったので、そういったところに注目していただけたらなと思います。
横田 2つあります。1つ目はチャンス時や大量得点時など試合展開に応じて行う応援を導入したので、こういった施策を見られるようにみなさんにも応援していただけたらなと思います。2つ目は、チアリーダーズの踊っていない人たちは座席に座って応援をするんですけど、他大学を見ているとやり方が決まっている中で、早稲田はそれぞれの得意なことを発揮できるようにあえて定めていないので、部員一人一人を見て、このメンバーだから作れている応援というものに着目してもらえると面白いと思います。
――ラストシーズンに懸ける意気込みをお願いします!
木部 明治にボコボコにされたこともあり、苦しい状況ではあったんですけど、最後はいい形で終われたらなと思っています。去年も2連敗から始まったりスコアレスドローがあったりと大変だった中で、最後は慶應と優勝争いするまでになりました。野球の結果と応援の結果は直接的な関わりがあるとは思わないですけど、その優勝争いを盛り上げられたのが去年は本当によかったので、今年もそういった感じで最後はいい感じの展開に持っていけたらなと思います。稲穂祭の実行委員長も務めているので、稲穂祭、早慶戦と続きますが、気合入れて最後まで頑張りたいと思います。
富山 3つのパートの応援企画部門の目標として、目の前の試合に向き合うという意味を込めて『一戦必勝』を掲げています。もちろん4年生で最後のリーグ戦というのもありますが、最後だからというよりも、本当にただ目の前の試合と向き合って、目の前の試合に勝つことだけを続けていきたいです。そうすれば、良い結果になると思うので、このことを最後まで忘れずに活動していきたいと思います。
横田 私も本当に『一戦必勝』だなって思っています。『一戦必勝』というのは、今までの結果がボコボコだったとしても火を消さないようにという意味でもあるし、結果が良いからといって慢心しないようにという意味でもあるので。最後だからとか、今までの結果とか考えることはありますが、試合に臨む姿勢として『一戦必勝』は今後の早慶戦も変わらないし、変えたくないなと思っています。
――ありがとうございました!
(取材・編集 安齋健、星野有哉、横山勝興、権藤彩乃)
◆木部昌平(きべ・しょうへい)
埼玉・昌平高出身。教育学部4年。役職は応援企画責任者兼稲穂祭実行委員長。マイブームは『Netflix』のアニメ「サイバーパンク」を見ることだそうです!
◆富山智恵理(とみやま・ちえり)
埼玉・早大本庄高出身。政治経済学部4年。役職は応援企画責任者。最近では、村上宗隆選手(東京ヤクルトスワローズ)の第56号本塁打が印象に残っているそうです!
◆横田奈々(よこた・なな)
東京・明治高出身。教育学部4年。役職は応援企画責任者。一日にアイスを一個食べるのが日課だそうですが、早慶戦への願掛けでアイスを禁じているそうです!