3年ぶりの対面開催! 六大学共演の豪華ステージ

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 東京六大学野球春季リーグ戦終了後、六大学の応援部、団、指導部が集結する『六旗の下に』。今年で69回目を迎える伝統のステージも、過去2年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりオンラインでの開催となった。そして今年、ようやく対面での開催が可能となり、六大学の応援団が横須賀芸術劇場にて一堂に会した。各大学のステージが披露されるとともに、六大学が共演するフィナーレで会場を沸かせた。

 オープニングステージ(オープニング)では六旗紹介が行われ、各校の第一応援歌に合わせ順番に校旗が掲げられた。早稲田の校旗は、昨年「早稲田の新たな心の拠り所となるべく」作成された『大校旗』。最も格式の高い優美な校旗である。各大学が誇る校旗はどれも華麗であり、6本の旗が所狭しとそびえる様子は圧巻そのものであった。

オープニングでそびえ立つ六旗

 オープニングが終わると、メインである各校による校歌、応援曲のステージが始まった。早稲田の出番は4番目。始めに行われた校旗紹介では、旗手の井上皓介(法4=東京・早大学院)によって大校旗が掲げられた。吹奏楽団の演奏する『早稲田の栄光』に合わせ、校旗が左右に大きく翻る『昇り龍』はまさに荘厳の一言。その様子に観客は息を呑んだ。

『昇り龍』を披露する井上

 続いて披露されたのは第一応援歌・『紺碧の空』。連盟常任委員を務める梶野優介(創理4=東京・早大学院)は、早稲田の代表としての覚悟を持ちながら見事なテクを披露した。続いて髙橋幸太リーダー練習責任者(教4=茨城・竜ケ崎第一)によって披露されたのは『伝統の勝利の拍手』。早慶戦で勝利したときのみに披露される拍手である。細かい動作が必要とされ、精神力と体力を要す拍手であるが、堂々と披露しきった髙橋の拍手に会場は酔いしれた。続く応援曲メドレーでは『大進撃』『スパークリングマーチ』などの名曲に合わせ、リーダー4年生が順にテクを振る。『コンバットマーチ』ではリーダー4年生10人が一挙に舞台に上がり、熱のこもった突きを披露。人数が多い早稲田だからこそできる迫力のある演出で会場を盛り上げた。

『紺碧の空』でメリハリのあるテクを見せる梶野

力のこもった『伝統の勝利の拍手』を見せる髙橋

 最後には、齋藤巽代表委員主将(教4=青森)の指揮で校歌を斉唱。齋藤が全身を使って指揮を全うすると、後方のリーダー下級生はいつも以上に力強く腕を振った。リーダー3年生の宮下陽三(社3=長野・屋代)は順調に司会を進行。時折ユーモアを交えながら、30分間の司会進行を見事に務めあげ、観客を盛り上げた。

リーダー下級生と共に校歌を斉唱する齋藤

司会としてステージを盛り上げた宮下

 各校のステージを終え、最後に待つのは六大学が共演するフィナーレ。ここでしか見ることのできないスペシャルステージである。今年度の応援団連盟委員長を務める柴山直也(法政・4年)の学生注目で幕を開けると、六大学の連盟常任委員を務めるチアと、各校のリーダーによって応援歌が次々と披露され会場は大きな盛り上がりを見せた。そして最後に演奏されたのは当番校・法政の『若き日の誇り』。柴山と各校の連盟常任委員でテクを振り、会場のボルテージは最高潮に。フィナーレに相応しい熱量のあるステージで、『六旗の下に』は幕を閉じた。

『チャンス法政』では柴山と各大学の連盟常任委員が力強い突きを見せた

 3年ぶりの対面開催となった『六旗の下に』。2年間活動が思うようにできなかった中でも、歴代の応援団の伝統を確かに引き継いでいるということを感じさせる舞台であった。一方で、立大や東大で女性リーダーの活躍も目立つなど、新しい応援団の姿もそこにはあった。伝統を守りながら、新しい姿を見せてくれる応援団の今後から目が離せない。

★ 7月2日(土)には第46回合同演奏会が開催され、六大学のチアリーダーズ、吹奏楽団が集結しステージを披露します。後日早スポHPでもその模様をお伝えします!

※掲載が遅れてしまい、申し訳ありません

(記事 玉置理沙子、写真 横松さくら、横山勝興、市原健氏)

コメント

齋藤巽代表委員主将(教4=青森)

――まずは『六旗の下に』(『六旗』)を終えて率直な感想をお願いします

 憧れの舞台だったので、主将として『六旗』に出演させていただいて、観客の前で(指揮を)振ることができて、本当にうれしかったです。今までに見たことのない景色だったので、見ることができてうれしかったです。

――どのようなことを意識して『六旗』に臨みましたか

 『六旗の下に』は1年に一度しかない、東京六大学の応援団が一堂に会するステージなので、他の大学に負けないように臨みましたし、下級生にも他の大学を拍手や声で圧倒するように伝えました。六大学のなかで一番になることを部員全員で意識して臨みました。

――3年ぶりの有観客開催でしたが、いかがでしたか

 本当にうれしかったです。(観客の方の)演目に対する拍手やリアクションがあったことで、我々の存在価値が認められたような感じがしました。ここ2年は無観客開催でリアクションが見られずに少し寂しい部分がありましたが、生の反応や温かみを感じられて、胸に迫るものがありました。

――早稲田のステージを振り返っていかがですか

 やってきたことが全部出せたと思います。旗手の井上も最初に頑張ってくれましたし、(連盟常任委員の)梶野も『紺碧の空』を振ってくれましたし、リーダー下級生の屛風も非常に気合いがのっていて、最後に自分も校歌を精一杯振って、満足することができました。全体を通して、準備してきたことが全部出せたステージだったと思います。

――最後の『六旗』となりましたが、ステージ全体を振り返っていかがですか

 通常通りの『六旗』を経験したのが1年生の頃だったので、今回観客を入れてフィナーレまで実施できて、例年通りのかたちに近づけられたことは、『六旗の下に』という文化を残していきたいという意識で臨んだ我々にとっても、いつも通りの『六旗の下に』を感じられた下級生にとっても良かったと思います。

――残り半年間の意気込みをお願いします

 『六旗』が良いかたちで終わって前期にしっかりと区切りがついたので、いろいろな反省点やこの『六旗』で得た経験を生かして、(応援活動に行く体育各部の)優勝という結果につなげていきたいです。

井上皓介副将兼旗手(法4=東京・早大学院)

――まずは『六旗』を終えて率直な感想をお願いします

 前期の集大成というところで、リーダー全員でいいものを出せたと感じています。

――どのようなことを意識して『六旗』に臨みましたか

 自分は旗手として日本一の旗手になりたいと下級生のときから考えていて、それを示す最高の機会だと思って臨みました。

――今回掲揚した大校旗は初めてのお披露目でしたか

 今回掲揚したのは令和2年度に作られた大校旗で、お客さんの前で見せるのは早慶戦を除くと初めてでした。旗をきれいに見せたいという思いもありましたし、『昇り龍』をきれいに見せることで、最終的には日本一の旗手であることを自分で示したいと考えていました。

――自身の校旗掲揚を振り返っていかがですか

 「もっとうまくできたかな」というところも正直ありましたが、本番でやりきったかなという気持ちもあります。

――3年ぶりの有観客開催でしたが、いかがでしたか

 お客さんの手拍子やちょっとした歓声が聞こえてうれしかったです。

――残り半年間の意気込みをお願いします

 前期を良いかたちで締めくくることができたと思っているので、これをしっかりと糧にして残りの半年間をさらに良いものにして、令和4年度が最高の一年だったと言えるように残り半年間を全力で過ごしたいと考えています。

梶野優介連盟常任委員(創理4=東京・早大学院)

――まずは『六旗』を終えて率直な感想をお願いします

 僕自身も新人時代から憧れていたステージで、感慨深いというのが率直な感想です。

――どのようなことを意識して『六旗』に臨みましたか

 コロナになってからの2年間が、厳しい練習というよりは舞台に向けた練習が多かったなかで、私が新人だった頃はきつい練習をたくさん重ねて、それを乗り越えて『六旗』に臨んでいました。今回はそれを意識して下級生にはかなり厳しいものを与えつつ、みんなで高い意識を持ったなかで行うことを意識して準備してきました。

――3年ぶりの有観客開催でしたが、連盟常任委員として開催にはどう携わっていましたか

 開催そのものに直接寄与したというわけではないのですが、しっかり自校内で感染に関するルールをしっかり周知させることや、部内の感染者を出さないルール作りに少し携わらせていただいて、全員がコロナにかからずに舞台に立てることを意識してきました。

――『六旗』が無事終了できたことに関してはいかがですか

 春のリーグ戦時から部内でコロナ感染者が出てしまったり、外野に応援部が戻るか戻らないかという話があったりしたなかで、令和4年度の前期の大きな節目として、『六旗の下に』をしっかり成功させることができたことは、すごく意味のあることだと思います。

――『紺碧の空』でのテクを振り返っていかがですか

 同期のなかでテクは決して上手い方ではないのですが、早稲田の代表として『紺碧の空』を振らせてもらうことに関しては自分のなかでしっかり覚悟を持ちながら振ることができたと思います。

――最後の『六旗』となりましたが、これまでの『六旗』を振り返っていかがですか

 新人時代の『六旗』が非常に印象に残っていて、本当に厳しい練習、厳しい環境で追い込まれて辛かったなかで、第66回の『六旗』で実際にステージに立ったり、フィナーレを見たりしてすごく良いなと思って、そこから連盟というものがずっと好きでした。第68回は司会という立場で、一番ステージでスポットライトを浴びる立場を経験させていただいて、最後の『六旗』で『紺碧の空』という早稲田を代表する曲を振らせていただいたことは、光栄でした。『六旗の下に』は応援部のなかでも大切な行事なので、成功したことがうれしかったと同時に、もう終わってしまったことへの寂しさもあります。

――残り半年間の意気込みをお願いします

 前期の応援部を振り返ってみると決して悪いものではなかったと思うのですが、応援活動のメインである野球部の応援で勝ちきれなかったことは、応援部の力がこの程度だったということだと思っています。『六旗』のメドレーの最後でも「秋こそ優勝早稲田」と文字切りで言わせてもらったように、秋こそ優勝して有終の美を飾って、早稲田の町でパレードができるよう全員で準備をしていきたいと思います。