毎年、お正月といえば、家族揃って東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)を見る、という人も多いのではないだろうか。10000メートルの持ちタイム27分台の選手を3人抱え、早稲田の総合優勝に向けての期待が高まる。そんな中、箱根で活躍するのは、競走部員だけではない。彼らが最後まで走り切るのに必要不可欠なもの。それは観客の応援、そしてそれをリードする応援部である。今年もコロナの影響で現地での応援が叶わなくなってしまったが、11年ぶりの総合優勝に向けて、画面越しでも全身全霊で熱い想いを届けようと、気合の入った応援を披露する。
箱根まで一週間を切った日曜日。早稲田キャンパスにて、箱根駅伝応援の撮影が行われた。今回が、新体制になってからは二度目の応援活動となる。齋藤巽代表委員主将(教3=青森)率いる今年の応援部は、昨年より多くの執行委員を抱え、勢い溢れる応援を見せる。第一区の幕開けは、早稲田お馴染みの『紺碧の空』。3パート揃った迫力のある応援は、新年一発目の景気づけにふさわしく見応え抜群だ。
新年一発目を飾る『紺碧の空』
続くメドレーでは、令和三年度に新しく作成された『Fanfare 冠(かむり)』を含む応援曲を次々に披露。6区の『大地を踏みて』に続き、例年箱根駅伝で披露される『仰げよ荘厳』は第7区で、センターリーダーは西田健太朗新人監督(教3=愛媛・私立愛光)が務めた。チアリーダーズは箱根の際に着用される『白えんじセーター』の衣装で登場した。「勝利を仰げよ早稲田」の掛け声と共に披露された力強い応援は、離れた場所の観客を大いに盛り上げるだろう。黒にエンジが映える『黒えんじセーター』も登場し、箱根らしさを存分に感じられる応援撮影となった。
『仰げよ荘厳』を振る西田
荘厳な雰囲気の中、ラストを飾ったのは『早稲田大学校歌』1番。3パートが揃って腕を振りながら堂々と歌い上げる姿には、早稲田の誇りが感じられる。今年もコロナの影響が続き、2年連続オンラインでの応援となってしまい、多くの部員が歯がゆい思いを抱えてきた。その中でも、応援部ができることを模索し、新体制下で3パート全員が画面を通してでも気持ちが伝わる応援を披露してくれた。全員の気合と、魂のこもった応援は、必ず選手たちの元に届くだろう。動画の配信は、1月2日、出走と共に始まる。今年も現地に直接声援を届けられない中ではあるが、彼らの応援と共に、一丸となって箱根路を臙脂色に染め上げたい。
(記事 平野里歩、写真 市原健)
応援動画は早稲田大学応援部Twitterで随時更新されます!
コメント
齋藤巽代表委員主将(教3=青森)
――今回、昨年に引き続き、映像での応援となりましたが、どんなことを意識して取り組まれましたか
そうですね、やはり直接応援に行けないことは残念ではあったのですが、大事なのは直接応援に行くことではなく、しっかり応援する気持ちを示すことだと思ったので、しっかりと、選手の方々が見てくれたときに元気をもらえるようなステージにしようと思って頑張りました。
――撮影を終えてみて、いかがでしょうか
新体制一発目の活動ということで、全体的にいい緊張感を持って取り組めたのではないかと思います。
――新体制になって初の、大人数が集まる応援活動だったと思うのですが、新しい代の意気込みはありますか
我々の代が、コロナから以前の応援形態に戻るという点での一つの転換点になるのではないかという風に思うので、我々の代から新しい応援部の伝統が始まるという自覚を持って部活動に臨んでいけたらという風に思います。
――選手の方に一言お願いします
直接応援には行けないのですが、本当に心の底から応援していますので、悲願の総合優勝を目指して、突っ走ってください。頑張ってください!
富山智恵理応援企画責任者(政経3=埼玉・早大本庄)
――今年の箱根駅伝は、画面越しでの応援になってしまったのですが、意識したことはありますか
どうしてもSNSでの応援になってしまうので、ただの広報ではなくてちゃんと「応援」になるように、一人一人しっかり応援する意識を持たせるというところを意識して取り組ませていただきました。
――代交代、部員昇格を経て部員から意識の変化は感じますか
今回部員昇格した新1年生が本当にパワフルな子たちが多いので、下の学年からの底上げみたいな空気があるかなと思います。
――応援企画責任者として、構成でこだわったところはありますか
昨年は各区間でメドレーになるようにしたのですが、今年はそうではなくて、チア演技であったり、応援歌を取り入れたりして、いろいろなことをやっているので、そういった点で、選手の方々に楽しんでいただけたらなどういう風に思います。
――選手の方に一言お願いします
直接応援に行くことはできないのですが、しっかり動画で演奏を届けたいと思いますので、ぜひ演奏にも注目して聞いていただけたらなと思います。
藪香奈子副将兼チアリーダーズ責任者(商3=東京・頌栄女学院)
――新体制初の大人数での活動でした
コロナが収まってきて、以前の応援の形に移行しつつありますが、その以前の形を知っているのが私たち四年生が最後の代なので、そこに戻す部分と、コロナで逆に良い意味で変わった部分というのを四年生なりに考えて、それを下級生と共有して、全体を引っ張っていければと思います。
――オンラインでの撮影で、良かった点を教えてください
普段ですと、帰省する部員が応援に参加できないのですが、普段帰省する部員も箱根の応援に参加できました。コールなども箱根仕様になっているのですが、そういった応援に触れられて嬉しいという声を聞けて、全員が参加できたことはよかったなと思います。
――直接応援にいけない中で意識されたことはありますか
コールが画面越しであると伝わりにくい部分であると思うので、できるだけカメラに寄った位置での発声を意識したり、コール自体も箱根バージョンで、選手の方々に寄り添う応援ができたのではないかと思います。
――選手の方に一言お願いします
画面越しの応援になってしまい、私たちとしても寂しい部分はありますが、激励会に行かせていただけたり、区間ごとにリアルタイムで応援する機会をいただけたことは早稲田大学応援部にとってもすごく光栄なことだと思いますし、選手の方々の期待に応える演技ができたと感じているので、それが届けばと思います。当日も応援していますので、よろしくお願いします。