立大に2連敗してから一週間、勝ち点1で迎えた3カード目の法大戦。2戦目のこの日は、ゴールデンウィークも相まって、たくさんの人が応援席に足を運んでいた。「やっと打線がつながり始めてきょうを迎え、応援も熱が入っていた」という鈴木崇正代表委員主将(教4=静岡・韮山)の言葉通り、応援席にいる皆がワセダの勝利を期待して、選手に届けと大きな声援を送っていた。
しかしそんな応援席とは裏腹に、なかなか安打さえ許されない苦しい序盤。三者凡退が続く中、2回裏には逆に本塁打を浴びてしまう。静まりかけた応援席だったが、すぐさま学注をかけ懸命に応援席を盛り上げるリーダー。苦しいときこそ、応援が選手たちに届かなければ意味がない。応援席の沈黙がグラウンドにいる選手たちに伝わってしまってはいけないのだ。その後、回を重ねても守りでの苦しい場面が続いたが、『ダイナマイトマーチ』などで選手に力を送り続けた。
幹部三名で選手に力を届ける
この日、ワセダ初の長打は4回。得点への期待に、『スパークリングマーチ~Go Fight Winコール』で応援席は盛り上がる。それに応えるように続けて長打が生まれ、ようやく『紺碧の空』が響き渡った。待望のその響きに、声援もひときわ大きくなる。8回にも追加点を挙げるものの、逆襲とまではいかず計2得点で試合終了。エール交換後、「皆さん悔しいでしょうか。私は悔しいです」と応援席に呼びかけた鈴木の言葉は、そこにいた皆の心情そのものだった。
法大のポスターを用いた学注
「きつかった」(鈴木)と振り返るように、思うように点が入らないもどかしさを味わったこの試合。それでも毎回の攻撃前の学注では、法大のポスターを用いたり、法大カラーの苦手な食べ物、ニンジンを克服するために指揮台でかじって食べて見せたりと、笑いを誘い応援席を活気づけた。一人一人の応援する力が大きいとそれだけ応援全体の力も大きくなる。応援がもたらす力を信じているからこそ、より選手の力になる応援を作るための努力は怠らない。
(記事・写真 中川歩美)
コメント
鈴木崇正代表委員主将(教4=静岡・韮山)
――きょうの応援を振り返っていかがでしたか
少しきつかったなぁと。立教戦で全然打てていないところから、きのう中澤選手の初ヒットも出てやっと打線がつながり始めてきょうを迎え、応援も熱が入っていたと思うのですが、やはり打たれてしまったときにどういった応援をすれば選手の力になるのかということをもっと考えてやっていかなければと思いました。苦しいときにどれだけ応援できるかがわれわれの仕事なので、そこを突き詰めてやっていきたいです。
――きょうの良かった点は
やはりお客さんがたくさん入ってくれたということはすごく良かったですね。ゴールデンウィークということもあって普段来ていないお客さんもたくさん来ていて、その初めてくるお客さんが応援を楽しめるようにということもすごく考えているので、そのお客さんが盛り上がってくれたことや、少ないチャンスでしっかり声が出ていたのは良かったと思います。ただ逆に、苦しいときに声が出ないというのは、観客の多さを生かしきれていないと感じました。
――思うように得点できない展開でしたがそれについてはいかがですか
そうですね、野球部の問題になってしまいますが、チャンスでつながらないのがことしのワセダかなぁと。そこでいかに応援が後押しできるのかというところを、応援部もそうですし、観客の皆さんと一緒に考えていきたいです。やはり出ている選手が応援されていると思って頑張れるのが応援だと思うので、そういう部分ではもう少し選手の皆さんとコミュニケーションを取っていきたいです。こうしたらもっと力になるというのを聞いたりしているのですが、そういったことをもっとしていったら、より力になる応援ができるのではと思いました。
――先ほど一年上の先輩方とお話しされていましたが、どのようなお話を
本当に見に来てくださるだけでもうれしくて。先輩方は常に「頑張れよ」と言ってくださいます。おそらく気を使って、あまり「この応援はこうだ」などと言わないものですが、そこはやはり自分から貪欲に聞きに行きます。きょねん一年間やってきたノウハウが先輩方にはあるので、自分から聞くようにして、アドバイスをいただいて勉強しています。
――どのようなアドバイスをいただきましたか
そうですね、自分でもうまくいかないなと思ったところ、苦しいときにどうやって声を出させるかというのはきょねんやっていたことをアドバイスとしていただきました。実際ずっと応援をつくってきた人間が観客席に入ってみると感じることが違ったということも教えていただいたので、そこはどんどん参考にしたいです。やはり四年間応援部にいると見えていない観客の視点もあると思うので参考になります。
――きょうの応援を踏まえてあすはどのような応援をつくっていきたいですか
あしたは絶対に負けられないです。優勝優勝というのは嫌なのですが、それでも皆さんの考えにはあると思うので、そういう部分を考えると絶対に落とせません。勝ちたいという思いを全面に出して野球部を後押しできればと思っています。