優勝をかけた一戦へ、全力で後押し

応援

 春からの連覇がかかる秋の東京六大学野球。優勝決定戦ともなる早慶戦を前に、稲穂祭が開催された。稲穂祭は、ゲストステージ、早慶合同ステージ、野球部壮行会の三部構成で行われる。野球部の士気を高め、大歓声の中幕を閉じた。

 第一部のゲストステージには、男子のチアリーディングチーム・SHOCKERSと、男声合唱団・早稲田大学グリークラブが登場。ゲストステージで温まった会場に、早慶両校の校旗・塾旗が掲揚され、いよいよ応援合戦が始まる。まずは、両校の主将が登場し、『早慶賛歌』を熱唱。伝統ある早慶戦への思いを歌った。続いて、早大応援部が第一応援歌、『紺碧の空』に乗せて応援パフォーマンスを披露する。観客も手拍子を取り、会場全体に一体感が生まれた。慶大應援指導部も、負けじと『若き血』で対抗。盛り上がりが最高潮になったところで、早大がステージ上に合流し、『BlueSky WASEDA/KEIO』を共に披露した。華やかな雰囲気から一変、厳かな空気の中、菊池航大リーダー総務(基理4=岩手・盛岡第一)が口上を務め、約7分間にも及ぶ『人生劇場』を演じきる。会場が拍手に包まれた後は、再び本番さながらに次々と応援を展開。慶大は『チャンスパターンメドレー』、早大は『ワセダ必勝応援曲メドレー』の冒頭に『新人哀歌』、最後に『紺碧の空』を添える。会場も大声援で応え、打倒慶大を誓った。

早慶賛歌を歌う両校

 第三部では野球部の壮行会が行われた。野球部を代表して髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)がケイオーを倒し優勝したい旨を述べる。続いて河原右京主将(スポ4=大阪桐蔭)の挨拶でも、春秋連覇への意気込みを語った。そして応援部から、千羽鶴で「勝」の字を表現した記念品が贈られると、会場から大きな拍手が送られた。全員起立し、中谷篤人代表委員主将(創理4=静岡・掛川西)の指揮で『早稲田大学校歌』を大合唱。右腕を大きく掲げ、大事な一戦を控える野球部を、力強く後押しした。

記念品を贈呈する中谷代表委員主将

 連覇がかかり、例年以上に重要な意味を持つ早慶戦は今週末開催される。「最高の応援パフォーマンスを我々が提供できるよう今からしっかりと考えている」と井上勇人新人監督(文4=大阪・東住吉)は語った。4年生にとって最後の大舞台となる早慶戦を前に、応援部も気合は十分だ。野球部の優勝の瞬間を見届けるため、明治神宮野球場でその声を轟かせる。

(記事 橋本望、写真 大谷望桜)

井上勇人新人監督(文4=大阪・東住吉)

――大成功に終わった稲穂祭を振り返っていかがですか

昨年と違いゲストとして芸能人を呼んでいないのでどうなるかと思っていましたが、やはり学生の皆さんに早慶戦ということで意気込んで大隈講堂に来ていただいたので、大変満足感があるという気持ちです。

――一体となった会場の雰囲気はいかがでしたか

最高の景色でした。4年間やってきて、ことしが一番の稲穂祭だったのではないかなと思いました。

――実行委員長としてまた特別な思いもあったのではないでしょうか

なによりも野球部の試合にかかっていると言っても過言ではないので、壮行会ということで野球部を気持ち良く押し出す、後押しをする会にしたいなと思っておりました。

――本日は人生劇場や新人哀歌といった演目が盛り込まれましたが、構成面での工夫に関してはどのように準備してきましたか

やはり一番はワセダらしいステージということで、早稲田に来てワセダを体感していただけるような。普段は人生劇場等をする機会はないですが文化はあるんだということを押し出せるような会にしようかなと思って演目に入れることにしました。

――慶大との応援合戦はいかがでしたか

さすが慶大ということで、まだまだ油断ならない相手なので早慶戦当日は応援でも負けないようにしたいと思います。

――4年生として、最後の早慶戦が優勝決定戦になりましたね

そうですね、優勝決定戦ではありますが、今年度の目標である「一戦必勝」ということで優勝がかかっているという変なプレッシャーは考えずに目の前の敵に一回勝つ、また一回勝つというかたちで応援をしていきたいと思います。

――最後に早大生の皆さんにメッセージをお願いします

明治神宮野球場で最高の応援パフォーマンスを我々が提供できるよう今からしっかりと考えているので、是非とも神宮球場にお越しください!