紺碧の空の下、勝利へ導く

応援

 春季リーグ戦が開幕し、週末の神宮球場には多くの六大学野球ファンが押し寄せた。大学野球に欠かせないもの、それは応援だ。伝統あるワセダの応援を楽しみに、応援席に訪れる観客は後を絶たない。初戦の相手は東大。きょうも多くの観客が神宮に足を運び、早大野球部優勝への第一歩を見届けた。

 礼儀を重んじる大学野球応援はエール交換で始まりエール交換で終わる。東大の『ただ一つ』、『早稲田大学校歌』が青空の下、神宮に響き渡った。1回、早大の応援は『紺碧の空』で始まる。リーダー幹部による学注や、下級生の選手紹介で観客を一気に引き込んだ。そしてチアリーダーズBIG BEARSの演技などで客席のボルテージも上がり、応援の声も次第に高まる。それに応えるかのように早大打線に火が付き先制点を奪う。しかし6回、東大に逆転タイムリーを浴び3塁側応援席にこだまする応援歌『闘魂は』。

応援席で指揮する中谷主将

 負けることの許されない試合に応援部は全力で客席を盛り上げ、選手に応援を届けた。7回には早大に満塁のチャンスが訪れる。「コンバットマーチの右手がうずいた」と振り返った越沢太一学生誘導対策責任者(教4=埼玉・早大本庄)。リーダー、チアリーダーズ、吹奏楽団の3パートの思いが選手に届きヒットが生まれ、計3点を奪い5-2で初戦をものにした。

得点紺碧で盛り上がる応援席

 「お客さんと応援部で試合の雰囲気を変えていけた」と栗田莉七チアリーダーズ責任者(教4=東京・豊島岡女)。応援の力で見事、野球部を勝利に導いた。試合後、中谷篤人代表委員主将(創理4=静岡・掛川西)は「観客が多ければそれだけの声を引き出せる応援を作っていきたい」と昨年達成できなかった優勝に向け、今後の意気込みを語った。ことしもスタートしたリーグ戦応援、たくさんの『紺碧の空』を神宮球場に響かせて欲しい。

(記事 難波亮誠、写真 石川諒)

コメント

中谷篤人代表委員主将(創理4=静岡・掛川西)

――初戦の東大戦応援でしたが感想をお聞かせください

応援としてはまだ固さが取れないというイメージがあって、結構新しい試みもあったのでそこをこれからどう生かしていくかが課題になってくると思います。 きょう見つかった課題を徐々につぶしていきたいです。

――デモストが雨で中止になってしまいましたが、多くの観客で応援席が埋まったと思います

単純に観客の方が来てくださるのはうれしいことだと思います。ただ、その多くの観客の声を引き出せたかというと、そういう風には感じていません。それは自分たち応援部の責任でもあると思います。もっともっと観客が多ければ、それだけの声を引き出せる応援を作っていきたいです。

――今季リーグ戦を通じてどのような応援をしていきたいですか

やはり、見ている人が感動するような、特に高校生とかも見に来ると思うので夢を与えられるような応援を作っていきたいと思います。

越沢太一学生誘導対策責任者(教4=埼玉・早大本庄)

――初戦の東大戦応援、どのような意気込みで臨まれましたか

私は部門的に広報とか誘導とかの担当なので、先週ほかの大学の偵察をしてきました。他大学がやっていない、階段にWの文字を作ったりなどして楽しめる応援席を作ろうとしていました。

――雨でデモストが中止になってしまいましたが多くの観客が来ていました。指揮台から見ていて、いかがでしたか

きょうは結構な集客でした。

――同点で迎えた7回の攻撃、接戦で応援に熱が入りましたか

それはもう、入りました。コンバットマーチの右手がうずきました。

――新人も加わりますが、今季はどのような応援にしていきたいですか

観客と一体となった応援というのは作りたいものではありますが、私のできることとしては観客を増やすことだと思っています。これからまた頑張って行きたいです。

栗田莉七チアリーダーズ責任者(教4=東京・豊島岡女)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

やはり思いもよらぬというか、東大のうまい試合展開で点を取られてしまったところがあったのですが、そこで空気を変えずに応援部が応援を引っ張っていけた部分があるのかなと思います。ピンチの時こそお客さんと応援部で試合の雰囲気を変えていけた部分もあるのかなと思った一方、初戦ということでまだ応援に関しては課題が見つかって次に生かせる部分が多かったので、次に生かしていきたいと思います。

――初戦ということでどのような応援を心がけましたか

とにかく楽しむということと、来てくださった観客の方を巻き込んで選手の背中を押せるような応援を心がけました。

――多くの観客が来場していましたが

きょうは学生とか新入生がたくさん来てくれて、今後も常連さんはもちろんですけど学生応援席なので学生に来てほしいなと思っているので、まだまだ広報とかそういう部分もこれから大学の方でしっかりやっていって、もっともっと多くの学生の方に来ていただければと思います。

――きょうの応援の点数は

点数でいうと難しいですが、まだまだ百点には程遠いかなと思うので、次には百点を取れるようにきょうの反省はすべて生かして次につなげていきたいなと思います。

――リーグ戦を通してどのような応援をしていきたいですか

絶対に優勝したいという思いが全員にあるので、優勝に導けるように毎回毎回しっかり野球部のサポートになれるような応援を心がけていきたいです。

――学生に一言お願いします

野球に興味のない人もワセダを感じられる場が神宮球場だと思うので、まずは来て野球とワセダの雰囲気を知って、応援の楽しさともっとワセダを感じてもらえたらなと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

もちろんあしたは1点も取らせない勢いで勝ちにいきます。