2年ぶりの大舞台、早大が圧勝で初戦を突破

男子バスケットボール

 昨季はあと一歩のところで出場を逃した全日本大学選手権(インカレ)。2年ぶりに出場を果たした大舞台の初戦となったきょう、早大は九州地区2位の日本経済大との1戦に臨んだ。厳しい関東大学リーグ戦を乗り越えことし1部昇格を果たし勢いに乗る早大は、その勢いのままに相手を圧倒する。序盤から相手を全く寄せ付けず大差で試合を折り返すと、後半も手を緩めることなく攻守にわたって主導権を握り続け、最終スコア87-38で初戦を突破した。

 第1クオーター(Q)、早大はC宮脇隼人(スポ3=京都・洛南)の粘り強いリバウンドからのゴール下で先制点を挙げる。その後は今季の早大を象徴するハードなディフェンスからの速攻がさえわたる。ガード陣が激しいプレッシャーをかけて前でボールを奪うとすぐさま攻撃に転じ、G池田慶次郎主将(社4=東京・京北)が確実にフィニッシュして得点を挙げる。攻守両面で優位に立つとこのQを22-13で終える。第2Qにはディフェンスがさらに激しさを増し、このQは相手にたった6点しか許さない。オフェンスでもF國枝健太(社4=東京・早大学院)を中心に得点を重ね前半を46-19で折り返した。

ベンチから勢いをもたらした河合

 後半にも早大はその勢いを止めることはない。第3Q中盤にはG石原卓(社2=東京・京北)やG河合祥樹(スポ3=京都・洛南)といったガード陣が芸術的なパスをゴール下に連発し得点を鮮やかに演出。第4Qにはベンチ入りした選手を全員試合に出場させるなど、文字通りの全員バスケで快勝。87-38と、およそ50点差をつける勝利で次戦に向けて弾みをつけた。

4年生としてインカレで期待がかかる國枝

 2年ぶりの出場となったインカレの初戦で持ち味を存分に発揮した早大。次の1戦の相手は強豪の青学大となった。負ければその時点で4年生の引退が決まるこの試合は、今大会における最大のヤマ場となることが予想される。「本当に死ぬ覚悟で役割を果たす」(國枝)と語ったように、壮絶な覚悟を持って臨む1戦。青学大には春の試合で完敗しているが、今季の早大はリーグ戦の中で確実に成長を見せてきた。進化した早大のバスケで勝利をつかむことは決して難しくはないだろう。

(記事 秋間勇人、写真 東哲也)

第67回全日本大学選手権 11月24日(vs日本経済大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

22 24 20 21 87
日本経済大 13 10 38
◇早大スターティングメンバー◇
G#34 池田慶次郎主将(社4=東京・京北)
G#7 石原卓(スポ2=東京・京北)
SF#36 澁田貴大(スポ3=東京・京北)
SF#8 新川敬大(スポ2=東京・京北)
C#38 宮脇隼人(スポ3=京都・洛南)
◇主なスコアリーダー◇
得点  池田慶次郎主将:13得点
リバウンド  山本純平:6リバウンド
アシスト  南木俊樹:4アシスト
コメント

F國枝健太(社4=東京・早大学院)

――きょうは勝利おめでとうございます。まずは試合を振り返っていかがでしたか

一応点数だけ見るとディフェンスが機能して攻撃もある程度できたってところはあったんですけど、でも内容を見るとまだまだ詰められるところが多かったかなという風に思いました。

――具体的にどういう部分を課題として感じましたか

きょうはディフェンスにおいてビジョンの取り方みたいなところで、ボールマンを見れていなかったり、あとは三線ポジションでヘルプカバーができていなかったりという部分で、本当にチームディフェンスでやっているのでそういったところをもっと改善できたらなと思います。

――入れ替え戦からインカレまでの間どんな準備をされましたか

そうですね、やることに関してはほとんど変えていないんですけど、やっぱり質っていう部分でもっともっとレベルアップできるように細かいところをもっとレベルアップできるような練習をここ1、2週間してきました。

――きょうはその成果が発揮できた試合となりましたか

そうですね、部分的に見たらやっぱり入れ替え戦に比べてできている部分もあるとは思うんですけど、やはり次青学大だったり明大だったりに勝つためにはまだまだやっていかなければいけないことがあると思うので、明日からの練習でどうにか改善したいと思います。

――2年ぶりのインカレはどんな風に感じていますか

やっぱりリーグ戦とも入れ替え戦とも違う雰囲気がインカレにはあると思っていて、インカレは絶対に負けられないトーナメント戦でもあるので、そういった部分で非常にいい緊張感を持ってやれています。

――最後に次戦への意気込みをお願いします

本当に死ぬ覚悟で、自分自身ができることをしっかりと役割を果たしながら、チーム全員で戦って勝ちたいと思います。

SG南木俊樹(社2=東京・早実)

――初めてのインカレですが、どのようなお気持ちで試合に臨まれましたか

2年生らしく、フレッシュに入りたいと思いました。泥臭くディフェンスを頑張ったり、自分の仕事をしようと考えていました。

――入れ替え戦が終わってからはどのような練習をしていましたか

やっているフォーメーションや、ディフェンスのミスを減らすことです。精度を上げることに力をそそいできました。あとはモチベーションの維持ですね。入れ替え戦まで気持ちが上がってきて、それをどれだけ維持できるのかに気を付けて練習しました。

――「精度を上げる」練習の成果は、きょう発揮されましたか

スタッフ陣も言っていましたが、入れ替え戦からいままでの練習で克服できたことは試合で出せたそうです。それでもやはり、速攻であったり、オフェンスの部分で細かいミスがきょうはありました。それはあと一日で変えていきたいですね。

――本日の反省点は

きょうは初戦でしたから、重く入っちゃったかなと思います。いつもキャッキャしているわけではないですけど(笑)。ナイスプレーして、皆がそれに呼応して、チーム全体が盛り上がっていくという感じがなかったかなと。後半は空気が軽くなったのですごく良かったですが、青学大と戦うにはこのままではダメだと言われていますし、僕たちもそう感じています。とにかくあしたの一日を集中して練習し、青学戦に臨みたいと思います。

――本日チームとして良かったところは

シュートが若干最初は入っていなかったのですが、それでもやはりディフェンスを頑張ることができました。マンツーマンであったり、ディフェンスをかけるところであったり。自分たちが悪くても頑張りきれたと思います。

――ご自身のプレーを振り返って

試合に出てすぐは緊張が目立ったと思います。ボールも手につかなくて。ディフェンスが頑張れましたが、オフェンスで足を引っ張っちゃったかなというのが振り返りです。

――次戦へ向けての意気込みをお願いいたします

4年生もずっと青学大には勝っていなくて、僕たちは新人戦で勝ちましたけど、チーム全体としてまだ青学大に勝ちきれていないので、 勝つことだけを考えて試合に臨みたいと思います。

C富田頼(スポ1=京都・洛南)

――初めてのインカレの舞台でしたが、特別な雰囲気などは感じましたか

雰囲気はどんな感じか分からなかったんですけど、自分が試合に出たときは点差も結構離れていて、気負った感じもなくいつも通りプレイできたかなと思います。

――チームではインカレに向けてどのような準備を重ねてきましたか

春からやってきた、ディフェンスで粘ってそこから速攻につなげるというのを意識して、いままでやってきたことの精度を上げるということをずっとやってきました。

――きょうの試合ではその成果が出ましたか

そうですね。ディフェンスは結構良い部分があったんですけど、まだ徹底できるところもあるかなと思います。

――相手のセンターの選手とのマッチアップでは手応えなど感じましたか

きょうの試合は向こうがあまりインサイドで攻めてくることが無かったので、まだそんなに分からないですね。

――次の相手はおそらく青学大になると思われますが、意気込みをお願いします

自分たちよりもフィジカル強くてシュートも結構入るので、基礎的なボックスアウトであったり粘り強さを見せて、しっかりディフェンスから頑張っていきたいと思います。