あと一歩届かず 首位陥落

男子バスケットボール

 試合終了のブザーとともに、相手の放ったボールが無常にもリングに吸い込まれた。71-73。わずかゴール一つ分、紙一重の差だった。この日、関東大学2部リーグ戦(リーグ戦)14節目に挑んだ早大に対するは、強豪・日大。序盤から互いに一歩も譲らない激しい攻防を繰り広げる。それでもわずかなリードを保ち続けたが、第4クオーター(Q)残り7分で同点に追いつかれると、その直後に逆転を許した。最後まで競った試合を決めたのは、相手のブザービーター。最終スコア71-73で、ここまで保持してきた首位の座を明けわたした。

 ともに1敗で並ぶ日大と、リーグ戦首位をかけての大事な一戦。ここまで早大の快進撃を支えてきたディフェンスは、今回も好調だった。第1Qから相手のターンオーバーを誘発し、理想とする速い攻撃を体現。しかし日大も一筋縄ではいかない。タイムアウト後から早大のターンオーバーを誘い、連続で得点。点差を広げられないまま、20-18で第1Qを終える。第2Qでは全員がゴールへアタックする姿勢を崩さず、外と中の両方で点を取る好プレーが見られた。リバウンドもしっかりと確保し、相手にペースをつかませない。40-31のリードで前半を折り返した。

ゴールにアタックする池田主将

 後半、流れが滞ったのはやはり守りからだった。相手のターンオーバーが減り、その分オフェンスも、止まった状態でその切れ味を発揮できない。相手が外からのシュートで詰めよるも、第3Qは5点差でしのぎきる。ついにその背を捕えられたのは第4Q、残りわずか3分のことだった。直後にこの試合初のリードを奪われるが、SF新川敬大(スポ2=東京・京北)のスリーポイントシュートで再び逆転。手に汗握る攻防の末、残り10秒で同点に並んだ。気迫のこもったディフェンスを見せた早大。しかし激戦の軍配は日大に上がった。ドライブからブザービーターを沈められ、71-73でタイムアップ。リーグ戦で初めて首位から陥落した。

終盤、スリーポイントシュートを決めた新川

 「自分たちのやるべきことはできていました」と新川が語るように、試合内容は充実していた。相手に主導権を渡さないディフェンスとそこから始まる攻撃。相手に運が味方した部分もあっただろう。しかし、あと一歩及ばなかった。2敗目を喫した早大が優勝するには、続く他の強豪に勝利を収めるしかない。この敗北から何を学び、成長できるかが問われる。入れ替え戦、さらにその先にある1部昇格を見据えて戦う早大の活躍から目が離せない。

(記事 丸山美帆、写真 秋間勇人)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません。

第91回関東大学2部リーグ戦 10月18日(vs日大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

20 20 16 15 71
日大 18 13 20 22 73
◇早大スターティングメンバー◇
G#34 池田慶次郎主将(社4=東京・京北)
G#7 石原卓(スポ2=東京・京北)
SF#36 澁田貴大(スポ3=東京・京北)
SF#8 新川敬大(スポ2=東京・京北)
C#38 宮脇隼人(スポ3=京都・洛南)
◇主なスコアリーダー◇
得点  池田慶次郎主将:14得点
リバウンド  森井健太:5リバウンド
アシスト  森井健太:6アシスト
コメント

G池田慶次郎主将(社4=東京・京北)

――この試合を振り返っていかがですか

今週1週間日大に向けて頑張ってきたんですけど、内容的には相手のやりたいことを抑えて自分たちのオフェンスというのもやれることをやれていたんですけど、その質というかクオリティーが問題であって、やろうとしたことはできていたと思うので落ち込むことはせずに次も切り替えて来週から頑張っていきたいです。

――内容自体にそこまで悪さを感じませんでしたが、どう感じていますか

自分たち今週1週間やってきたことを体現できたというのは自信になりましたし、結果は負けてしまったんですけど、後悔のある試合ではなくて前向きに捉えられる試合かなと思います。

――そんな中で悪かったところはありますか

後半は相手よりも自分たちの方がターンオーバーが多くて、攻撃回数的にも多くなってしまっていたという部分があって、自分たちがターンオーバーを誘発して攻撃回数を増やさなくてはいけないのに逆のことをされてしまったのかなというのは思います。

――来週は前回敗れた大東大ですが意気込みは

大東大相手というのもあるし、今週こういうかたちで終わってしまったというのがあるので、負けた後の試合はすごく大事になると思うので、4年生を中心に練習から切り替えて頑張ってチームの雰囲気も気にしつつ、結果というのもこだわって頑張っていきたいなと思います。

SF新川敬大(スポ2=東京・京北)

――2敗目を喫してしまいましたがいまのお気持ちはいかがですか

自分たちのやるべきことはできていました。いつまでも悔しがっていても仕方がないと思うので、次の試合に切り替えたいと思います。

――きょうはどのようなことを意識して試合に臨まれましたか

大きくはディフェンスです。相手の特徴を出さず、自分たちのやってきたディフェンスを出しきれば絶対に勝てるので、ディフェンスを意識してやろうということになっていました。

――相手の特徴を出さないディフェンスとは

相手は中の得点が多いので、中の得点を増やさないことと、ガードのシュート確率がそんなに良くないとデータに出ていたので、ガードを中心に攻めさせるようにしていました。

――最後に逆転されてしまいましたが、敗因は何だったのでしょうか

前半と違って、後半のディフェンスで相手のターンオーバーを誘発できなかったのが敗因だと思います。

――第4Qの残り1分半でスリーポイントシュートを決めていらっしゃいましたが

< p>自分がスリーポイントシュートを決めて、その流れでいけば良いと思いましたが、そこでまた相手に流れがいってしまったので悔しかったです。

――終盤まではリードしていましたが、チームとしてできたことは何だったのでしょうか

大きな選手がいても、全員が中にアタックできたというのは大きい収穫だと思います。

< p>――次戦へ向けての意気込みをお願いします

前回は全員が中にアタックできず負けてしまったので、今回は、この日大戦で得た中へのアタックを中心に、力を出し切って勝利をつかみたいと思います。

G森井健太(スポ2=京都・洛南)

――きょうは敗れてしまいましたが今のお気持ちは

悔しい気持ちがとても強くて、最後自分のマークマンにシュート決められて、そういう面では責任を感じています。

――試合の内容に関してはいかがでしたか

前半はディフェンスがすごく良くて、相手のターンオーバーを多く誘発できてワセダの流れができたんですけど、後半は相手のターンオーバーが少なくて、ワセダらしいスピードのある攻めが全然できなくて、止まった状態での攻めが多かったかなと思います。

――後半の相手は大きなセンターを下げてスモールラインナップで臨んできましたがその点で変化はありましたか

その点ではピックアンドロールでの攻めの時にビックマンじゃなくて、普通に横につけるディフェンスが来たので少し攻め辛い部分があったんですけど、そこでやっぱりセンターを使ったポストアッププレーをするとか、そういったところで頭を使ったプレーをすればもっと良かったかなと思います。

――次週に向けて意気込みをお願いします

第1周負けている大東大が相手なので絶対に勝って、残り4試合全部絶対に勝って優勝できるように頑張ります。