【野球】石郷岡の決勝打に吉田瑞副将トドメの一撃 終盤まで同点の接戦も白星発進/東大1回戦

野球

東京六大学秋季リーグ戦 9月13日 神宮球場

TEAM 合計
東大
早大 ×

◆バッテリー

◯伊藤樹、田和、香西ー吉田瑞

◆二塁打

前田健

◆三塁打

石郷岡

◆本塁打

前田健(1号ソロ)、吉田瑞(1号2ラン)

 東京六大学野球秋季リーグ戦(リーグ戦)が開幕。4季連続優勝を狙う早大は初戦で東大と激突した。初回に2点本塁打で先制されるなど、なかなかリードを奪えない苦しい展開が続くも伊藤樹(スポ4=宮城・仙台育英)の粘投で試合は同点のまま終盤へともつれ込んだ。8回に石郷岡大成(社4=東京・早実)のタイムリーヒット、吉田瑞樹副将(スポ4=埼玉・浦和学院)の2点本塁打で3点を勝ち越し、東大に辛勝した。 

 盤石な布陣で臨んだ開幕戦は思わぬ形で幕を開けた。早大のマウンドに上がったのは絶対的エース・伊藤樹。先頭打者を打ち取るも、2番・酒井捷(東大4年)にセンター前ヒットを打たれ出塁を許す。すると続く杉浦海大(東大4年)への2球目、甘く入ったボールを完璧に捉えられ、打球はレフトスタンドへ。初回から2点を失う苦しい立ち上がりとなった。

先発し、通算20勝目を挙げた伊藤樹

 2点を追う1回裏、早大の切り込み隊長・尾瀬雄大(スポ4=東京・帝京)がセンター前ヒットで出塁する。しかし渋谷泰生(スポ4=静岡)がバントを打ち上げてしまいランナーを進めることはできず。続く小澤周平主将(スポ4=群馬・健大高崎)の打席で尾瀬が盗塁を決め1死二塁とすると、小澤主将は四球を選び一、二塁で4番・寺尾拳聖(人3=長野・佐久長聖)に打席が回る。寺尾への初球でも尾瀬が相手バッテリーの意表をつく三盗を決め、チャンスを広げる。寺尾は2ボールからの3球目に上手く合わせライトへの浅いフライを飛ばすと、これが犠牲フライとなり1点を返した。さらに2回には、前田健伸副将(商4=大阪桐蔭)にソロ本塁打が飛び出し同点に追いついた。

本塁打を放った前田健副将

 先発・伊藤樹は初回こそ失点したものの、2回から4回まではランナーを1人も許さない投球で味方の援護を待つ。一方打線も東大先発・渡辺向輝(東大4年)を打ち崩すことができず、ランナーを出しながらも得点できない展開が続いた。

 再び試合が動いたのは5回表、ファーストを守る前田のエラーで出塁したランナーをけん制悪送球の間に二塁に進めてしまい、無死二塁のピンチを招く。後続を打ち取り2死三塁とするが、9番・樋口航介(東大2年)にレフトオーバーの適時二塁打を打たれ、勝ち越しを許した。

 しかしその裏、先頭の尾瀬が死球で3打席連続の出塁をすると、渋谷の内野ゴロと相手バッテリーのミスの間に三塁へ進塁。続く小澤主将がセンターへの犠牲フライを放ち再び試合を振り出しに戻した。

 両者一歩も譲らぬまま迎えた8回裏、1アウトから前田健副将がヒットで出塁し送りバントで二塁へ。2死二塁のチャンスで、打席にはこの日まだヒットがない石郷岡が入る。渡辺の3球目をはじき返した打球はレフト線を破る適時三塁打となり、早大はこの日初めてリードを奪った。さらに、吉田瑞副将に左中間への2点本塁打が飛び出し、3点リードで最終回へ。伊藤樹に代わりマウンドに立った田和廉(教4=東京・早実)香西一希(スポ3=福岡・九州国際大付)が試合をきっちり締め、リーグ戦初戦をなんとか勝ち切った。

本塁打を放った吉田瑞副将

 4季連続優勝を目指し、夏にさらなる成長を遂げて迎えた今季。苦しい試合展開ではあったが、初戦を制したことは大きな収穫となった。続く東大2回戦も勝利し、勝ち点1を獲得して好スタートを切りたい。

(記事 平壮真、写真 植村皓大)

早大打者成績

打順 守備 名前
(中) 尾瀬雄大 .667 中安   右安   死球   遊飛     
(遊) 渋谷泰生 .000 捕邪   遊ゴ   遊ゴ   一飛    
(二) 小澤周平 .000 四球   中飛   中犠   遊飛    
(左) 寺尾拳聖 .000 右犠   右飛   四球     右飛  
  松江一輝                  
(一) 前田健伸 .750   右本   左2 投ゴ     中安  
  山口力樹                  
  田和廉                  
  香西一希                  
(三) 髙橋海翔 .000   中飛   空三   右飛   捕犠  
(右) 石郷岡大成 .250   空三   遊ゴ   二ゴ   左3  
(捕) 吉田瑞樹 1.000   中安   故四   左安   左中本  
(投) 伊藤樹 .333   二ゴ   左安   中飛      
  打一 岡西佑弥 .000               左邪  

早大投手成績

名前
伊藤樹 1 1 12 2.25
田和廉 1 0 2/3 0.00
香西一希 1 0 1/3 0.00

コメント

◆石郷岡大成(社4=東京・早実)

ーー試合を振り返って
 なかなかこちらの展開に持ち込むことはできませんでしたが、なんとか粘って最後に勝ち切れたことは、初戦で難しい部分がある中では良かったと思います。

ーー難しさがあった
 プレッシャー等で思い込むことはなかったですが、渡辺投手(向輝、東大4年)はすごくいいピッチャーだったので、こっちのリズムに持っていくことが難しかったです。

ーー7回に飛球で三者凡退。その後の8回に勝ち越しました
 低く強く、と言うのは初回からずっと継続している部分ではあったんですが、ポンポンとフライをあげてしまった回があったことでより一層その意識が強まったと思います。

ーー石郷岡選手はその8回に適時打を放ちました
 セカンドランナーの山口(力樹、スポ4=早稲田佐賀)が足の速い選手なので、ヒットをなんとか打てれば帰ってくてくれると思っていたので少し余裕がありました。今までチャンスでの1本というところを意識してきたので、なんとか1本、と思って打席に入りました。

ーー明日の2回戦への意気込み
 もちろん今日勝てたことは良かったですが、その中でも反省しなければいけないことは多かったので、明日はどんな展開になるかわからないですが、しっかりと勝ち切れるように、もう一度しっかりと準備して明日に臨みたいと思います。