東京六大学代表史上初のコールド負け 日本一目指すも4失策の惨敗で8強止まり/東海大戦

野球

全日本大学選手権 6月13日 神宮球場

TEAM 合計
東海大   12
早大  

※規定により8回コールド

◆バッテリー

●宮城、越井、髙橋煌、安田、田和ー吉田瑞

◆二塁打

德丸

◆三塁打

なし

◆本塁打

なし

 全日本大学選手権(全日本)は準々決勝を迎えた。この日、早大は東海大と対戦。3回に先制を許すと、4回にも追加点を奪われ、ビハインドで試合は進んだ。中盤、德丸快晴(スポ1=大阪桐蔭)の適時二塁打などで追いすがった早大だったが、投手陣が味方の拙守にも足を引っ張られ、大量12失点。屈辱のコールド負けを喫した。

 この日の早大の先発は宮城誇南(スポ3=埼玉・浦和学院)。宮城は初回、先頭打者から三振を奪う上々の立ち上がりを見せると、四球こそ与えたものの、無失点でイニングを終えた。しかし2回、先頭打者に内野安打で出塁を許すと、後続に四球2つを与えて1死満塁のピンチを迎えてしまう。しかし、ここは内野ゴロと三振で3アウトを奪い切り、何とかこのピンチを脱出。先制点を許さない粘りの投球を見せた。

先発の宮城

 打線は初回こそ三者凡退で終えたものの、2回、先頭の寺尾拳聖(人3=長野・佐久長聖)が中前へとはじき返し、ノーアウトで走者を出すことに成功する。続く前田健伸副将(商4=大阪桐蔭)に出されたサインはバント。ただ、前田健副将がこの場面で走者を進めることは出来ず、吉田瑞樹副将(スポ4=埼玉・浦和学院)が打席に入った。すると、1死一塁のこの場面でも、首脳陣はバントを選択。吉田瑞副将は1球でバントを決め切ったが、次打者の德丸は中飛に倒れ、先制点とはならなかった。

 何とか前の回のピンチをしのぎ切った宮城だったが、3回、またも先頭打者に出塁を許してしまう。その後、次打者のプロ注目の遊撃手・大塚瑠晏(4年)は三振に斬って取ったものの、4番打者に中前打を浴び、1死一、二塁のピンチを招いた。しかし、この場面で宮城は再び三振を奪い、2死にこぎつける。更に、続く打者にも弱いゴロを打たせ、このイニングもしのぎ切ったかと思われた。しかし、三塁手・田村康介(商4=東京・早大学院)の送球がショートバウンドし、一塁を守る前田健副将も、これを止め切れず。ボールが点々とする間に二塁走者が生還し、東海大に先制点を献上した。何とかこれ以上の失点を避けたい宮城だったが、相手打者を早々に追い込みながらも8球粘られて四球を与えてしまう。さらに、次打者には左前安打を浴び、この回2失点。続く回にも四球と失策で貯めた走者に生還を許し、4点のリードを奪われた。

 何とか点を返したい打線は5回、2死から田村、石郷岡大成(社4=東京・早実)が連続四球を選び、2死一、二塁の好機を作る。すると、尾瀬雄大(スポ4=東京・帝京)が今大会7打席ぶりの安打を放ち、田村が生還。1点を返した。なおも2死一、二塁のチャンスで、打席には渋谷泰生(スポ4=静岡)。しかし、この場面で渋谷は右飛に倒れ、3アウト。一挙大量得点とはならなかった。それでも6回、またも2死から前田健副将が四球を選び出塁すると、吉田瑞副将も中前安打で続く。德丸は粘って8球目を右中間へと運び、この2点適時二塁打で早大は2点差まで追い上げた。さらに、代打の岡西佑弥(スポ3=智弁和歌山)が右前打でつなぎ、2死一、三塁で打席には石郷岡。押せ押せムードに乗って、石郷岡も捉えた当たりを右中間へと放ったものの、この打球を相手右翼手がダイビングキャッチ。相手に超ビッグプレーが飛び出し、これ以上の得点を挙げることは出来なかった。

6回に適時打を放った德丸

 6回に登板した髙橋煌稀(スポ2=宮城・仙台育英)はアンラッキーな安打もあって1点を失ったものの、まだまだ点差は2点。ブルペン陣が0で耐え抜けば、逆転を十分狙える状況だった7回、マウンドには安田虎汰郎(スポ2=東京・日大三)が登った。先頭打者を三振に斬って取った安田だったが、次打者にはシフトが裏目に出る安打を浴びてしまう。さらに、続く打者のバントを処理した岡西の送球は悪送球に。記録上は安打となったものの、守乱で1死一、二塁へとピンチを拡大してしまった。2死とした後には左前へと安打を浴び、2死満塁へとピンチはさらに拡大。打席には大塚を迎えた。フルカウントで迎えた6球目、大塚の打球は三塁へのゴロ。しかし、岡西にこの場面で捕球ミスが発生。さらに、焦りが出たが送球も乱れ、平凡な三ゴロで3アウト目を奪い切ることは出来ずに三塁走者が生還。複数のミスが重なり、終盤に痛恨の1点を許す形となった。続く4番打者には左前へと運ばれ、点差は5点に拡大した。

 8回には田和廉(教4=東京・早実)が登板。何とかこの悪い流れを断ち切り、攻撃へとつなげることを期待されたが、先頭打者に安打を浴びてしまう。それでも田和は、次打者の内角を攻め切って注文通りの内野ゴロを打たせた。しかし、この場面で岡西の送球がまたも乱れる。二塁手・小澤周平主将(スポ4=群馬・健大高崎)がジャンプ一番何とか捕球したものの、併殺を奪い切ることは出来ず。岡西は、続く打者の打球を処理した際にも送球エラー。1死一、二塁から安打を浴びた田和は、次打者に致命傷となる満塁弾を被弾。点差はついに試合規定でコールドとなる、9点差にまで拡大した。守乱で失点がかさみ続けた早大。この日の投手陣の自責点は5。投手陣にも責任はあるだろうが、この日の試合を壊したのは特定の投手ではなく、チーム全体だった。

8回に登板した田和

 何とか得点を奪いたい早大だったが、8回の攻撃は打球を外野に運ぶことすら出来ず、3人で終了。8回終了時点で試合規定により、3-12でコールド負けとなった。

 東京六大学代表として全日本に出場した大学が、コールド負けを喫したのは史上初だ。それだけでなく、早大がこの試合で記録した失策は4個。記録上エラーとはならなかったプレーも多く、東京六大学連盟100年の歴史に泥を塗る敗戦と言われても仕方がないだろう。これからチームは夏の鍛錬期へと入る。より一層の厳しさをもち、また秋、神宮の舞台へと帰ってくることを期待したい。

試合後の小澤主将

(記事 林田怜空、写真 西本和宏)

※写真は早スポ野球班の公式Xインスタグラムでもご覧いただけます。

早大打者成績

打順 守備 名前
(中) 尾瀬雄大 遊ゴ   二併   左安   中飛     
(遊) 渋谷泰生 三ゴ     中飛 右飛   左安    
(二) 小澤周平 空三     中飛   左飛 二併    
(左) 寺尾拳聖   中安   四球   中飛   二ゴ  
(一) 前田健伸   空三   遊ゴ   四球   投ゴ  
(捕) 吉田瑞樹   投犠     二直 中安   遊ゴ  
(指) 德丸快晴   中飛     一ゴ 中2      
(三) 田村康介     一ゴ   四球        
  打三 岡西佑弥           右安      
(右) 石郷岡大成     四球   四球 右飛      

早大投手成績

名前
宮城誇南
越井颯一郎
髙橋煌稀
安田虎汰郎
田和廉