渋谷が2打点の活躍! 東大サブマリン・渡辺に苦戦も白星スタート/東大1回戦

野球

東京六大学春季リーグ戦 4月12日 神宮球場

TEAM 合計
東大
早大 ×

◆バッテリー

伊藤、香西、越井ー吉田瑞

◆二塁打

前田健

◆三塁打

尾瀬

◆本塁打

なし

 今年、東京六大学野球連盟は連盟結成100周年を迎えた。メモリアルイヤーの開幕戦を担ったのは、早大と東大。早大は、初回に尾瀬雄大(スポ4=東京・帝京)が三塁打で出塁し、続く渋谷泰生(スポ4=静岡・静岡)の遊ゴロで先制に成功したものの、4回に伊藤樹(スポ4=宮城・仙台育英)が本塁打を浴びて同点に追いつかれる。それでも5回、6回に得点を奪い、4ー1とすると、以降を投手陣が無失点リレー。100周年の開幕戦で勝ち星を挙げた。

 早大は序盤から相手先発・渡辺向輝(東大4年)を攻め立てる。初回、先頭打者の尾瀬がセンターオーバーの三塁打で出塁すると、続く渋谷の遊ゴロの間に生還。幸先よく先制点を奪うことに成功した。更に、続く2回には前田健伸副将(商4=大阪桐蔭)が右翼線に二塁打を放つと、田村康介(商4=東京・早大学院)が敵失、石郷岡大成(社4=東京・早実)が四球で出塁し、無死満塁のチャンスを作る。しかし、続く吉田瑞樹副将(スポ4=埼玉・浦和学院)が捕邪飛に倒れると、伊藤樹、尾瀬も凡退し、3アウト。1点も奪うことも出来ずに絶好のチャンスを潰してしまう形となった。

先発の伊藤樹

 開幕投手を託されたのはエース・伊藤樹。初回から140㌔中盤を何度も計測し、三振を奪うなど快調なスタートを切った伊藤樹だったが、2回、先頭打者の打球が直撃し、一時うずくまるほどのダメージを負ってしまう。それでも後続を打ち取りこの回を無失点で切り抜けると、以降は抑え目の出力で東大打線を料理。4回に不用意な本塁打を浴びたほかは東大打線に付け入る隙を与えず、7回1失点でマウンドを降りた。

 同点に追いつかれた早大だったが、5回、尾瀬がセンターに安打を放ち出塁する。すかさず二盗を成功させ、1死二塁とすると、渋谷が右前安打で続き、尾瀬が生還。先制点に続き、新1・2番コンビが勝ち越し点をも奪って見せた。更に渋谷も二盗。すると、今年から4番に座る寺尾拳聖(人3=長野・佐久長聖)も右前安打を放ち、渋谷を本塁に迎え入れる。続く6回には1死から石郷岡が内野安打をもぎ取ると、初球に二盗を敢行。続く2球目には三塁ベースをも陥れ、1人で1死三塁の好機を演出する。この場面で吉田瑞副将はきっちりと犠飛を放ち、更に1点を追加。小澤周平主将(スポ4=群馬・健大高崎)が掲げる「走塁改革」の成果を目に見える形で示す攻撃となった。

中前安打を放った石郷岡

 継投に入った早大は、香西一希(スポ3=福岡・九州国際大付)と越井颯一郎(スポ3=千葉・木更津総合)の3年生コンビが登板。香西が打者3人のうち2人を三振に取る好投を見せると、越井も最速146㌔を記録した直球で相手打線を抑え込み、無失点で試合を締める。投手陣の層の厚さを示した早大が4-1で開幕戦を勝利で飾った。

抑えとして試合を締めた越井

 100周年というメモリアルイヤーの開幕戦で、冬の強化期間の成果を存分に示し、勝利を収めた早大。リーグ戦はまだ1試合が終わったばかりだ。続く東大2回戦にも勝利し、まずは勝ち点1を獲得したい。

(記事 林田怜空、写真 植村皓大)

※写真は早スポ野球班の公式Xインスタグラムでもご覧いただけます。

早大打者成績

打順 守備 名前
(中) 尾瀬雄大 .500 中3 左飛     中安 空三       
(遊) 渋谷泰生 .250 遊ゴ   三ゴ   右安   遊ゴ    
(二) 小澤周平 .000 空三   三邪   中飛   一ゴ    
(左) 寺尾拳聖 .250 二ゴ   投ゴ   右安   中飛    
(一) 前田健伸 .250   右2   右飛 一ゴ     中飛  
(三) 田村康介 .250   投失   遊飛   遊ゴ   中安  
(右) 石郷岡大成 .667   四球   中安   遊安   遊飛  
(捕) 吉田瑞樹 .000   捕邪   左飛   中犠   二飛  
(投) 伊藤樹 .000   遊飛     中飛 四球      
  香西一希                  
  越井颯一郎                  

早大投手成績

名前
伊藤樹 1.29
香西一希 0.00
越井颯一郎 0.00

コメント

◆石郷岡大成(社4=東京・早実)

ーー今日の試合を振り返って
 渡辺(向輝)の術中にはまったような試合だったなと思います。

ーー開幕戦となりましたが、チームの雰囲気は
 しっかり緊張感を持った中で、しっかり準備をして、開会式の後も気持ちを入れてというところはしっかりできていました。ただ、やっぱり相手ピッチャーのやりたいピッチングをさせてしまって、こっちがどんどんフライを打ち上げる攻撃になってしまったので、ああいう苦しい展開になったのかなと思います。

ーー個人としては2安打でしたが、打撃を振り返って
 内容自体は全然良いと言えるものではないと思いますが、持ち味である足を生かした内野安打っていうのは出たので、そういう意味では自分の持ち味を生かしたバッティングはできたかなと思っています。これに満足せず、もっと状態を上げていけるようにこれからも練習していきたと思います。

ーー2つの盗塁がありましたが狙っていたのですか
 塁に出たら盗塁できるというのはチームの中で共通認識としてずっと持っていたので、どんどん積極的に仕掛けようと常に思っていました。

ーー東大2回戦に向けて意気込みをお願いします
 今日は結構苦しい展開で、どちらが勝ってももおかしくないような展開になってしまいました。明日は今日のようなフライを打ち上げる単調なバッティングではなく、チーム全体どんどん点を取って隙のない試合をしていく、そういった試合内容で圧倒的に勝てるように、勝てる試合にできたらという風に思います。